未開宗教文字を持たない未開の段階における宗教は、一般的にいって次のような特徴があげられる。 アニミズム 「アニミズム」という語は、E.B.タイラーが、ラテン語のアニマ(霊魂)からとった言葉である。 彼はアニミズム的観念の起源について、次の2つを示している。 ひとつは、睡眠中に自分がどこかへ出かける夢を見たときに、霊魂が肉体を離れて活動したと解釈すること。 もうひとつは、他人の死体が変形していくのを見て、かれを生かしていた霊魂が肉体を離れたためだと考えること。 マナ 「マナ」という言葉は、メラネシア、ポリネシア土人の言葉からきている。 マナを持つ人間はより賢くなり、マナのついた槍はよく刺すことができるといったように、いろいろなものにとりついて作用する。 マナは、自身の意志を持たず、非個性的で、他のものに転移できる。 タブー 特定の行為を禁止し、違反した場合には超自然的な処罰があるとされる。 儀礼 儀礼が宗教生活の中心をしめていることが、未開宗教の特徴である。 そして、宗教が経済・政治・道徳・社会制度とはっきり分離していないことが多い。 季節ごとに行われる季節儀礼、生産活動にともなって行われる生産儀礼、人間の誕生・成長・死亡などにともなって行われる過渡儀礼がある。 ときに、犠牲が捧げられる。 神話 神々と人間の交渉、宇宙における人間の位置、善と悪の問題など、神話は社会制度や人間の行動に精神的な意味を与えるものである。 神話の世界が再現する時期として、儀礼(祭)は重要な意味を持つ。 シャーマン シャーマンは、神々の世界との交通をはかることができるとされる。 参考文献 「世界の宗教」岸本英夫編、原書房、2004年(初版は大明堂、1965年) 2004/6/25 |