県立高校卒業式での実施状況 (2000年3月14日 赤旗新聞)
神奈川県教委が緊急調査
神奈川県教育委員会が県立高校の校長に卒業式での「日の丸・君が代」の実施状況の詳細な報告を求める調査用紙を配布、回収していたことが十三日、本紙の取材で明らかになりました。
県教委は、県立高校の卒業式がほぼ終了した八日、校長会の緊急連絡網で「書類が幹事校にきているので、十日中に受領し、十一日中にファクスで返答すること」と通知。
報告用紙には、「国旗を掲揚したか」 [場所は」「時間は」「だれがしたか」「式の間参列者全員から見えたか」、「君が代」については「国歌斉唱またはメロディー演奏等を行った場所はどこか」「斉唱のために起立をもとめたか」「一部起立しなかった(しなかった参列者・A生徒B教職員)」(どれかに○を)など十項目を質問。さらに、卒業式の形式でも「学校主体の儀式的行事」「生徒主体の祝う会形式」かを問い、式典当日でのトラブルの有無、当日までの職員会議で問題があれば「具体的に」記述するよう指示しています。
今回の調査について、県教委は「国旗・国歌が『見える』『聞こえる』卒業式を一年間指導してきたが、これが現場でどう指導されたのか、議会などいろいろな方面で求められるので、現実にやられた姿を把握するため」(高校教育課)としています。
県教委によれば、昨年の県立高校卒業式での「君が代」斉唱は二割以下で、全国で下から三番目。今年は「日の丸・君が代」法制化による文部省・県教委などによる押しつけの強化で九割台に引き上げられたものの、多くの学校が生徒に「歌いたくなければ起立しなくてもよい」など「歌わない自由」、「内心の自由」を保証する変化も生まれています。