「国歌斉唱で立たぬ」 品川区の入学式区議招待されず
(朝日、4,6、夕)
東京都品川区の小学校で行われた6日の入学式で、これまでの卒業式や入学式の「国歌斉唱」で起立しなかった来賓は招待されなかった。招待状がこなかったために出席できなかった社民党の区議は「思想信条による公的行事への排除だ」として日本弁護士連合会に人権救済を申し立てることを決めた。この日の式に招待されなかったのは同区議の船波恵子さん。船波区議は母校でもある同区立芳水小学校、大崎中学校の卒業式、入学式に地元選出の議員として毎回招待されてきた。しかし、先月22日の同区議会で自民党が「国歌斉唱で立たない人は招待すべきでない」と主張。区教委側も同様の見解を表明していた。同区の若月秀夫教育長は朝日新聞の取材に対し「式の主催者は各学校。見守ってほしい」などと話していたが、5日までに小中学校から船波さんには招待状が来なかった。
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国旗・国歌法 「強制の懸念」削除 中学公民教科書 文科省、記述認めず
(朝日 2001、4,5)
02年度版の教科書検定に合格した中学公民教科書の検定で、国旗・国家法について、学校行事への強制を懸念する声があることを掲載しようとした出版社に対して、文部科学省が「法律は強制力のあるもので、(記述は)おかしい」などと指摘し、最終的に記述が削られていたことがわかった。
「法律は強制力を持つもの」
日本書籍が検定申請した中学公民教科書で、申請時の教科書では、欄外に99年に国旗・国歌法が制定されたことを記述。続けて、「この法律は、思想・良心の自由に反するという意見もある」と説明していた。文部科学省はこの記述に、「程度が高すぎる」などとする検定意見を付けた。このため同社は「この法律が学校行事などに強制されることをあやぶむ声もある」と差し替える案を提示。同省は「一般的に法律は強制力を持つものであり、法律の強制をあやぶむという文章はおかしい」と指摘した。同社は、国旗・国歌法案の成立直前、当時の野中広務官房長官が学校現場への影響について、「生徒や児童の内心に入ってまで強制するものではない」と発言したことなどを盛り込む案も示した。だが、同省は、「なお程度が高く、検定意見をクリアしていない」と指摘し、同社は最終的に記述を削除した。・・・・・・同省は教科書課は「法の強制力は一般論として言った。君が代を歌うことなどを強制すると言う意味ではない」としている。
日の丸 君が代 小学校社会も強化
来春から小学校で使われる社会科教科書の検定で、「日の丸・君が代」の記述をめぐる指導が強まった。日の丸・君が代は92年度版の教科書で「国旗・国歌」として一斉に登場したが、今回はさらに国歌の意味の明記が求められるなど検定意見は全15点の教科書で12ケ所ついた。新指導要領などでは6年で君が代を「わが国の末永い繁栄と平和を祈念した歌であること」の理解を求めている。現指導要領も同趣旨だが、現行は全5社が君が代の意味を書いていない。今回は4社に「国歌の意味の記述が不十分」と意見がつき、3社は現行とほぼ同じ表現ながら、「はん栄と平和への願いがこめられた君が代」(光村図書)などと記述を追加された。また申請段階で「日の丸と君が代が99年に法律で正式なものとなりました」と書いた東京書籍は、「法律で定められる前は正式なものでなかったように誤解するおそれがある」と指摘され、「法律で決められました」と直した。5年では国旗が「大切にあつかわれています」(教育出版)、「たいせつにされているね」(大阪書籍)との記述に、「国旗を尊重する態度の育成に必要な配慮がなされていない」と意見がつき、それぞれ「しなければなりません」「しないといけないね」と修正された。文部科学省は「検定方針に変化はない」と説明するが、「法制化の影響が大きい」と受け止めた編集者が多かった。
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君が代 立たねば招かぬ 卒業式など来賓で方針 品川区教育長
(朝日 2001、3,24夕)
東京都品川区の若月秀夫教育長らが,議会答弁で、卒業式の「国歌斉唱」で起立しない来賓は「招待しない」との方針を表明した。野党議員らは「子どもたちの卒業式を祝おうとする地域の人々を思想信条で差別し君が代を強制するものだ」と反発している。
発言があったのは二十二日午後の予算特別委員会。「卒業式の国歌斉唱で立たない人がいる。そういう人は招待するべきではないのではないか」との自民党議員の質問に対し,区教委の指導課長が「式も指導の場。立たない人を(児童・生徒に)見せるのは好ましくない。来賓にも式のやり方に従っていただけるよう協力を求める。従っていただけない場合は招待しない」と答弁した。
これに対して来賓として地元の小中学校の式典い出席しながら「国歌斉唱」でも起立してこなかった船波恵子議員(社民)が「国旗・国歌法制定時も強制しないとされていた。地域の一員として子どもたちの卒業などを祝いたいという人を心の中で何を信じているかで排除していいのか」とただした。若月教育長は「結婚式でも従わない人は招待しない。それと同じだ」と述べた。 以下略
(事務局長解説)
一点だけ論評。
結婚式は私的な式。卒業式は、法にもとづく「公的」行事。教育長の言葉は公的なものを私的なものにしている教育行政の現場責任者の現状をよく示している。
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2001,3,10、朝日
君が代 座った クビだ
教師に「辞表か異動を」広島の高校長
広島県立広島皆実高校(広島市南区)で一日にあった卒業式で、君が代斉唱の最中に男性教諭の一人が着席したままだったことについて、金井亀喜校長が翌日の朝礼で「辞表を書いてもらいたい」と発言したうえ、本人を呼び出して辞表か異動願を提出するよう促していたことが九日、分かった。男性教諭は、辞表などは提出していない。金井校長は「行き過ぎた面があったかもしれない」と話している。関係者や県教委によると、同校の卒業式には卒業生約四百二十人が出席した。君が代斉唱の間、約七十人の教職員の中で男性教諭一人だけガ着席したままだった。金井校長は二日朝の職員朝礼で、教諭の個人名は挙げずに「いい卒業式だったが、残念なことに座った人がいた。公教育を放棄したことになる。辞表を書いてもらいたい」と話した。その後、男性教諭を校長室に呼び出したという。金井校長の説明では、男性教諭に「辞表を書くつもりはないか」と告げたところ、本人が拒んだため、さらに「異動願を書いてもらいたい」と促した。一方男性教諭は着席したままだった理由について「これまで自分は日の丸、君が代を強制することの問題点を生徒に話してきた。それに反するような行動をとることができなかった」と述べたという。金井校長は「一個人としてはいろいろな考えがあると思うが、(卒業式では)教職員として学習指導要領にのっとった行動をしてほしかった。ただ、発言内容については行き過ぎた面があったかもしれない」と話している。卒業式での日の丸掲揚、君が代斉唱をめぐって、広島県教委は二月に県内の全公立学校へ通知文を出し、君が代斉唱時に起立しなかった教職員名などを記入する「服務状況報告書」の提出を各校長に求めていた。
(2000年12月27日朝日新聞)
(2000年12月22日赤旗新聞)
町村文相12/17NHK「日曜討論」において
教育基本法の「一部改正というよりは、21世紀の教育の出発点を作る、新しい法律を作る気構えで取り扱うべきと考えている」と発言。
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(2000年12月14日朝日新聞)
(2000年12月15日朝日新聞)
(2000年3月16日赤旗新聞)
(2000年3月17日赤旗新聞)
(2000年3月16日朝日新聞)
(2000年3月17日朝日新聞)
(2000年3月14日 赤旗新聞)
(2000年3月14日 朝日新聞夕刊)
(2000年3月12日 朝日新聞)
(2000年3月9日 朝日新聞)
(赤旗新聞 2000年2月27日)
(朝日新聞 2000年2月2日)
(2000年1月25日 朝日新聞)
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