仙丈ケ岳登頂 〜2003年8月13日

  2003.08.13撮影  <SONY Cybershot FX77>

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薮沢新道からの登り始め。このあたりは樹林帯が続きます。
薮沢の左岸を進む。このあたりから高山植物が現れます。
(高山植物のページはこちら
薮沢沿いの登りで、振り返ると鋸岳が。
薮沢の雪渓。
甲斐駒ケ岳
薮沢カールを見上げる。
もうすぐで仙丈小屋。
薮沢カール。
仙丈小屋から頂上への登り。
振り返ると、馬ノ背の稜線。
地蔵尾根との分岐。
大仙丈ケ岳。
頂上はもうすぐ。
仙丈ケ岳3,033m。標識が新しくなっていました。
左に北岳、右に間ノ岳。
下りは小仙丈ルートを。
小仙丈カール。ガスに覆われていてあまり見えません。
小仙丈ケ岳の頂上。
仙丈五合目の「大滝の頭」
北沢峠に到着。ここからはバスで下山。

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 今年の夏は天候不順で全く夏らしい日がない。例年なら梅雨明けの時期に良い天気が続くものなのに、今年は8月になってもセミが鳴き出さない有様。今年はお盆の帰省の時期には浦和(正確には“さいたま”と言うべきか?)のいとこ達と登ろうと言っていたのに。いとこもワンゲルをやっている両親の影響もあり、結構、いろいろなところに行っている。

 天気予報に雨マークが並ぶなか、8月13日だけは曇り時々晴れの予報。一縷の望みを抱いて、早朝3時半に起床し、仙丈ケ岳登山口の北沢峠までのバスが発着する仙流荘まで車を走らせたのであった。4時半に仙流荘に到着、人がほとんどいない。2年前に来たときは、4時半の時点で何百人も人がいたのに...。

 しばらく待っているとポツポツと人が現れ始める。これなら始発時刻が繰り上がるかな?と多少の期待を抱かせる。所定は6時半のところ、6時10分に臨時便が出ることになり、これに乗って、6時50分に大平山荘の前で降ろしてもらった。ここから薮沢新道をたどり、仙丈へ。

薮沢新道は、最初の頃は樹林帯をひたすら登るだけである。眺望もなく、次第に急な登りとなってくる。登り始めて三十分、運動不足(?)のいとこがスローペースになって来る。まだまだ疲れてる場合じゃないゾ(笑)。気合を入れ直して再び登り出す。

 しばらくすると、水の音が聞こえてくる。急に視界が開けたと思ったら、薮沢の左岸に出た。ここは高山植物も広がっていて、さっきまでとはだいぶ風景が違う。後ろを振り返ると、甲斐駒ケ岳も見える。ただ、ちょっと雲が多くてイマイチ。

 おおっ、道が終わっている!、と思ったところで、滑りそうな丸太の橋の上を恐る恐る通って沢の右岸へ。そして今度は巨大な雪渓が...。登山道が埋まってしまっているので、雪渓の上を歩くしかない。8月も半ばなのに、全然解けていない。やはり今年は気温が上がらないからか?この分じゃ、夏が終わっても解けないかも?滑って歩きにくい。しかし、この道中、誰にも会わない。何やら、この薮沢新道、ここ数日の雨の影響か、雪渓が落ちそうだからだとかで前日は通行止めだったそうな。特に危険はなさそうだったがけど。

 やがて、雪渓歩きも終わり、右の方に道を登っていくと、黄色い花が一面に広がっている。また、トリカブトやハクサンフウロ、ハクサンイチゲ、たくさんの高山植物が可憐な花を咲かせている。ゴゴゴッ〜、と音が聞こえてくると思ったら、発電機の音だった。歩き始めて約二時間、馬の背ヒュッテに到着。ここで15分ほど休憩。ちょっと遅いな(笑)。

 今後は仙丈小屋を目指して進んでいく。この辺りはナナカマドに囲まれたなだらかな登りの道なので歩きやすい。疲れたいとこもここら辺はペースが上がっている。

やがてハイマツも現れ、いよいよ高山という感じになってきた。陽射しも強くなってきて、ジリジリと肌を焦がしているようだ。前方には仙丈小屋も見えてきた。見えているのだけれど、なかなか着かない。疲れたカラダには、何だか登りが急に思える。少し休憩をとってから再出発。ようやく人がたくさん現れてきた。薮沢小屋方面からの道とも合流し、仙丈小屋に到着。もう頂上も見えてきた。もうヒト踏ん張り。

 頂上を目指して再び出発。うわぁ、ここは結構急だぞ。いとこが、いきなり疲れて座り込む(笑)。頑張れ!もうぐったりなんだけれど、頂上はすぐそばに見えている。気を取り直して立ち上がり、前へと進む。

すぐに松峰からの分岐と合流したが、こちらから登ってくる人はいなさそう。もうすぐのとこで、右側は切り立った崖になっている。ここはちょっと足がすくんでしまう。

おおっ、人がたくさん見えて来たぞ、あと少し。岩場を登ると、「3033m 仙丈ケ岳」の標識が現れた。歩き始めてから3時間45分、ようやく登頂。山頂からの眺望を楽しむ。北岳、間ノ岳が見える。甲斐駒ケ岳はガスで覆われていて見えなくなってしまった。我が家はどのあたりかな?浦の辺りが見える。小瀬戸のあたりもよくわかる。う〜ん、すばらしい風景だなぁ、と思っているとガスがかかってきてアッと言う間に見えなくなってしまった。ここで、目の前を見覚えのある人たちが横切ったと思ったら、東京からこちらに帰省中の親戚であった。こんなところで会うとはビックリ。でも、向こうはいつも仙丈には来てると聞いていたので、それほど驚きはしなかったが。一昨日も登ったのだが、雨が降ってきて下山してしまい、本日はリベンジとのこと。

 30分ほど山頂で過ごし、下山開始。最初は快調に下っていったが、また登りが現れ始めた。小仙丈へは少しの登り返しがある。ここのルートは、前に来たときは下の道を通ってしまったらしく、小仙丈の頂上に来たのは初めて。だが、ガスで覆われてほとんど視界がない。雨が降ってきてはマズイと早々に出発。ハイマツ帯を抜け、シラビゾの樹林帯に突入。ここからはひたすら下るのみ。下りも結構、キツイが、どんどん下っていく。いとこがだいぶ疲れているようなので、ストックを貸す。さっきは要らない、と言っていたが、ここはさすがに疲れたようで、ストックの助けを借りていた。途中、何度も休憩しながらも何とか4人揃って下っていく。下山開始から3時間5分、ようやく北沢峠に到着!するとすぐにバスの臨時便が発車するとのこと。急いで乗り込み、仙流荘へ。運動不足の割には全然疲れが残らなかった。いとこ(約1名)はだいぶ疲れていたけど。でも、みんな充実した登山だったようで、今度はどこに登る?とも(笑)。今度は秋の晴れたときに登りたいなぁ。


2003年8月13日(水)

仙流荘      6:10
大平山荘     6:50
馬の瀬ヒュッテ  8:55
           9:10

仙丈小屋     9:55 
          10:10
山頂       10:35
          11:10
休憩       11:47
          11:53
小仙丈     12:10
大滝の頭    12:55
北沢峠     14:15
バス       14:21

 

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