須川 展也
(Photo)Wataru Sato
東京藝術大学卒業。サクソフォンを故・大室勇一氏に師事。第51回日本音楽コンクール管楽器部門1位なしの2位、第1回日本管打楽器コンクール・サクソフォン部門において第1位を得てデビュー。当時はまだ比較的認知度の浅かったクラシック・サクソフォンの分野に脚光を浴びさせ、今もなお、サクソフォンを学ぶ多くの若者たちの目標的存在となっている。

1994年村松賞、出光音楽賞受賞。1998年JT音楽家シリーズのテレビCMに出演し、圧倒的な人気を得た。日本での年間コンサート数は約100公演。 海外では、文化庁派遣によるトルコ公演やパリ音楽院、アメリカの音楽大学でマスタークラスを行なっており、1999年秋には、チェコのオーケストラから招かれ共演した。

レコーディングでは、これまでに約30に及ぶCDをリリース。 フィルハーモニア管弦楽団と共演した「サクソフォン協奏曲集」(EMI Music)が1996年度文化庁芸術作品賞を、 トルヴェール・クヮルテットの「マルセル ・ミュールに捧ぐ」(EMI Music)が2001年度の同庁芸術祭レコード部門大賞を受賞した。

2003年1月に発売された3枚組CD『エキシビション・オブ・サクソフォン』は各誌から絶賛を浴びている。
2008年4月にはavex-CLASSICSと、英・シャンドスよりオーケストラとの共演によるソロ・アルバムを、また
2009年5月avex-CLASSICSより自身がコンサートマスターを務める東京佼成ウインドオーケストラとの共演で最新アルバム「ヴィルトゥオーゾ・コンチェルト」をリリース。
1998年、BBCフィルハーモニックと、吉松隆作曲の「サイバーバード協奏曲」(英シャンドス)を再録、世界に紹介されている。

2000年5月には、ジャズ・ベースの神様、ロン・カーターとの共演で、また
2002年7月にはジャズ・ギターのマーティン・テイラーとのCDリリースとコンサート ・ツアーを成功させた。
2001年2月にはNHK交響楽団の定期公演で、シャルル・デュトワの指揮による西村朗作曲のサクソフォン協奏曲を演奏。名曲と名演が大きな反響を呼んだことは記憶に新しい。
2002年4月には飯森範親指揮でドイツ・ヴュルテンベルクフィルと共演し、現地紙でも大きく取り上げられた。

NHK交響楽団を始め日本のほとんどのオーケストラと共演を果たすほか、BBCフィルハーモニック、ヴェルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団、イーストマン・ウインド・アンサンブル、パリギャルド ・レピュブリケーヌ吹奏楽団とも共演。世界的な評価を得ている。

2002年4月からのNHK連続テレビ小説『さくら』のテーマ音楽を演奏。ラジオ・テレビへの出演も多い。

2003年3月にはウィーン・ムジークフェラインにてリサイタルを大成功のうちに終了。また同月スイスのアールガウ交響楽団との共演も行った。

2004年、デビュー20周年を記念し、自身がコンサートマスターを務める東京佼成ウインドオーケストラと 共演、満席のサントリーホールを沸かせた。

作曲家への委嘱も積極的に行なっており、西村朗氏や吉松隆氏、本多俊之氏、E.グレッグソン氏、P.スウェルツ氏などに委嘱作品を依頼し、それらの作品は20〜21世紀のクラシカルサクソフォンの主要レパートリーとして国際的に広まり、サクソフォン音楽の発展に力を注いでいる。 クラシック・サクソフォンの可能性を追求して、自由なスタンスで活動する、日本を代表する管楽器奏者のひとりである。

1989年から2010年まで、東京佼成ウインドオーケストラ・コンサートマスターを22年あまり務め、現在は同団協力アーティスト。ソリストとしての活動の他に、トルヴェール・クヮルテットメンバー、ヤマハ吹奏楽団常任指揮者。東京藝術大学招聘教授を務める。2014年4月より京都市立芸術大学客員教授に就任。1996年浜松ゆかりの芸術家顕彰を顕彰されるほか、2009年より「浜松市やらまいか大使」に就任。