奈良飛鳥古墳巡り

2004/07/17〜07/18

2004/07/18 飛鳥遺跡・古墳巡り

出発前〜天香具山〜藤原京跡

 8時45分発。ユースを出てバイクのところまで行くと,バイクにシートがかけてあった。細かい心遣いに感動。

 まず,天香具山を目指す。姿は見えているが,入口がなかなか見つからずに少し迷う。ちょっと遠回りかと思いつつも北側から入る。

 山自体が名所で,登ったからといって特に面白いものはないようだが,とりあえずバイクで行けるところまで登ってみる。天香具山神社までたどり着いたが,そこから先はバイクで行くには不安が残る道だったので引き返す。

 次に藤原宮跡に向かう。運動公園かと思って一度通り過ぎた広々とした空き地がそれだった。藤原宮跡は一部に少し盛り土がされて木が植えられていて,なにか特別なところと思わせるようにはなっているが,それ以外はだだっ広い空き地で,完全に運動場になっている部分さえあった。

 あまりに広い空き地なのでゴルフ練習をしている人も何人かいたが,下のような看板も出ているように,それはイケナイことのようだ。

 


飛鳥(クリックすると大きな地図が出ます)

神武天皇陵〜天武天皇陵

 藤原京跡から次は神武天皇陵に向かう。この日は高校野球の予選が行われていたらしく,神武天皇陵から道を挟んで向かいの野球場から歓声が聞こえてきた。
 神武天皇陵は巨大なので,中に入っていってもその全貌はよくわからない。
 入口から鳥居までの長い砂利道はとても静かでキリリとしまった感じがする。

 次は天武・持統天皇陵に向かう。こちらは神武天皇陵からは少し離れていて,昨日行った石舞台の方に近い。R169を南下,石舞台と同じ方向に入り,高松塚古墳方面に南に進むとそれは見えてきた。
 ぱっと見,田圃の中に浮かぶ果樹園の小山である。実際,現役の果樹園だ。ちょっとした駐車場,そして社へ向かう階段が無いと天皇陵とは思えないような山だ。このような山ならこの辺にいくらでもある。
 さっきの神武天皇陵の厳粛な雰囲気とは違う,のどかな雰囲気。

 


神武天皇陵


天武・持統天皇陵

 

高松塚古墳・キトラ古墳

 天武・持統天皇陵をさらに先に進むと高松塚古墳に到着。
 高松塚古墳周辺は公園として綺麗に整備されていて,駐車場もしっかり完備,観光地化されている。しかし,駐車場から高松塚古墳までは歩かなければならず,結構距離があるのでしんどい。
 高松塚古墳近くに到着したら,ビニールシートに覆われた小山が見えてきた。もしやと思い,案内表示を見たらそれが高松塚古墳であった。なにやら防水工事をやっているようだ。
 さらに回り込むと右の写真のように全景が見えてきた。入口が2カ所あるが,どうもこれは維持管理のために存在するものであり,最初からこういう入口があったわけではないようだ。
 すぐ横に高松塚古墳壁画館がある(下の写真)。古墳の中は見えないのだから,どんな様子かを知るためにはこの壁画館を見る必要がある。実際入ってみて初めてわかったことが多く参考になった。壁画のある石室って,教科書で見ると結構広い部屋に見えるけど,実際は石棺周辺の狭いスペースだったんだなあ。

 高松塚古墳を出て,同様に壁画のあるキトラ古墳に向かう。しかし,キトラ古墳は意外な形で私の目の前に姿を現した。
 右の写真のように完全に建物に覆われているんである。
 建物の裏に回ると少しだけ古墳らしきものが見えるが,ビニールで覆われている。かなり保存状態が悪化しているらしく,壁画を剥がして補修作業を行うことが丁度ニュースになっていた。

 


高松塚古墳

キトラ古墳

 

酒舟石〜伝飛鳥板蓋宮跡

 次は以前から気になっていた酒舟石を見に行く。
 バイクを停めて遺跡を見学しようとすると料金所があったので金を払って入った。するそ,そこにあったのは私が見たかった酒舟石ではなく,亀形石造物であった。

 こちらの亀型石造物はどうやら庭園らしいということに落ち着いているようだ。しかし,金を払ってみることができるのはこれだけで,酒舟石は別の場所にあるのか?私は全然関係ない場所に来てしまったのか?と不安になって外に出ると,その料金所関係無しの場所に酒舟石方面の道があった。酒舟石だけ見たかったら金を払う必要はないらしい。この辺一帯が酒舟石遺跡ということになっており,亀形石造物だけ見学有料になっているようだ。
 酒舟石までは少し坂道を上る。そして酒舟石に到着。何のために作られたかわからないという謎な存在だから魅力的だ。単にそこにドンとあるだけというさりげなさも良いね。
 酒舟石遺跡を出て,次に伝飛鳥板蓋宮跡に向かう。ここは大化の改新のクーデターの舞台になったと言われている場所だ。大化の改新ってのは日本にとって非常に重要な変革であったわけであって(実質蘇我氏支配から実質藤原氏支配に変わり,これ以降の歴史はいきなり視界良好になる),そのきっかけがここで起こったのかと思うと非常に感慨深い。まあ,「伝」って書いているのがちょっと気になるけどね。
 しばらく椅子に座ってぼんやり。

 


酒舟石


伝飛鳥板蓋宮跡

R309〜天川温泉

 さて,古墳も一通り見たし,次は温泉にでも入るか,ということで,近場にある天川温泉を目指す。
 R169を南下してR309に入る。かなりの山道だが,交通量は結構多い。
 R309には,一カ所無茶苦茶狭い場所があり,そこではバスがすれ違えない。おかげでバスの運転手,バスガイドが交通整理をして,何台かのクルマを脇道にそらして,やっとバスがすれ違える。交通量が多いもので,どんどんクルマがたまっていく。20分くらい平気で止まってしまう。

 渋滞を抜け,さらにR309を南下するとR309(すぐに途切れて林道になる)と県道53号に別れる三叉路がある。この角に「かどや」というそのままズバリの名前の大衆食堂があったので入る。ツーリングマップルには「とんかつ定食」がおいしいと書いてあったが,実際食べてみるとフツーであった。次行くことがあればあまご定食でも食べてみるかな。

 かどやを出て,天川温泉に進む。天川温泉の日帰り温泉施設,天の川温泉に入る。しかし,駐車場の収容可能台数がそれ程多くなく,順番待ちのクルマ多し。その上,入れたとしても浴室が広くないため,女性はさらに順番待ちだった。

 お湯はなかなか良かった。このような日帰り温泉施設にありがちな薄めまくりの湯ではなく,温泉らしい湯だった。湯船を無理矢理広くしていないのが良い。ただし源泉かけ流しかどうかは不明。

 再びR309を北上して飛鳥方面に向かうが,さっき渋滞していた場所でさらにヒドイ渋滞が起こっていた。クルマから出て休んでいる人がいるくらいであった。

 


R309〜天川温泉(クリックすると大きな地図が出ます)


R309

法隆寺

 まだ時間的に余裕があると思われたため,法隆寺まで北上して,見学することにする。しかし,R24をひたすら北上してわかったのは,奈良って結構都会であり,市街地が広く,渋滞して車が前に進まないってことである。
 ようやく辿り着いた法隆寺には静寂が広がっており,参拝時間はとっくに終わっていた。仕方ないので外から写真を写して(ちょこっと五重塔が見えるね)帰ることに。

 


法隆寺

 

帰途・まとめ

 第二阪奈道路〜近畿自動車道〜中国自動車道〜山陽自動車道と走り,21時自宅着。
 本日の走行距離347キロ,総走行距離642キロ。丁度良い距離のツーリングだった。
 ヘルメットを脱いで,それを眺めると凄いことになっていた…

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虫の死骸だらけのヘルメット