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#1500 
黒駒 2014/12/16 00:21
黒澤映画に字幕・・

最近、ふとレンタルで黒澤作品の未見の作品を見ていたのですが、DVDだと字幕ついてるのですよね。ビデオ時代にさんざん苦労して聞き取っていて、あの努力は何だったのだと思います。「蜘蛛巣城」とか音質悪い上に時代劇言葉が聞き取りにくくて、二重に苦労した覚えがあるのですけど。

あと、私の利用してるレンタル店の特徴かもしれないけど、黒澤作品がばらばらにおいてあるのですよね。他の有名な日本映画監督は監督別に並んでいるのに、黒澤だけ何故・・と思ってしまいました。



#1499 
バラージ 2014/12/04 22:00
またも追悼

 訃報が続きますね。高倉健の死から数日後に菅原文太もあの世へ旅立ったことには何か両者の浅からぬ縁を感じますが、まぁこちらも年齢的に大往生でしょう。
 ただ僕は文太の映画ってほとんど観たことがなくて……、『仁義なき戦い 完結編』『太陽を盗んだ男』『どら平太』ぐらいでしょうか(しかも『どら平太』は出てたことを覚えてない)。最後の主演映画『わたしのグランパ』は、臨床心理学者の故河合隼雄が肯定的に取り上げてたことがあり、いつか観たいなと思ってたんですが、追悼放送とかやらないかなぁ。

 もう1人、囲碁の有名な棋士の呉清源という方も亡くなられました。この方についてはあまり知らないんですが、伝記映画『呉清源 極みの棋譜』をティエン・チュアンチュアン(田壮壮)監督が撮ってたんで、名前を覚えておりました。ティエン・チュアンチュアンの映画はちょっと苦手なんで観てはいないんですが。あと、日中合作映画『未完の対局』でも呉清源が登場人物のモデルになってるらしいです(こちらも観てない)。



#1498 
徹夜城(支配人) 2014/12/04 00:09
菅原文太追悼

どうもここでは追悼ネタで書くことが多いなぁ、と思っちゃうのですが。

>黒駒さん
 菅原文太といえば「仁義なき戦い」とまず言われちゃうであろう、とは予想してました(高倉健の訃報を見ながら実はついついそんなことを考えてまして)。確かに代表作なのですが、実際に映画を観た人は分かるように、あの文太さんが演じた主人公は群像劇の中の狂言回し的位置にいる人なんですよね。モデルになった実在人物があの抗争の中にあってそれこそ複雑な動き(右往左往ともいう)をして、当事者としてその内幕を手記にしたためにあの映画が生まれることになったんですが、そういう人だけに実は抗争の中心人物なのかというとそうでもないんですな。
 第1作のラスト、葬式でバンバン撃ちまくって「まだ弾は残っとるがよ」と言い放つ名シーンですが、あれも任侠映画だったら相討ち覚悟で撃っちゃってますよね。そこを撃たずに脅すだけですし、続編ではそんな親分と結局「復縁」したりしてる。第2作は完全に脇役になっちゃってますし、第4作や第5作では主人公が刑務所ゆきで不在の時に抗争が激しくなっちゃってます。
 今度の訃報でテレビやネットでいろんな「声」を見聞きしましたが、「仁義なき戦い」については見てもいないで勝手なことを言ってる人が多いなぁ〜と思ったのでありました。

 ま、そう考えますと文太さんがキャラを前面に押し出せたのは「トラック野郎」の方だったかもしれません。最後の仕事のCMもトラック野郎ネタでしたし。ただ僕はこちらは全然見てないんですよねぇ。
 文太さんのコミカル路線では、岡本喜八監督の「ダイナマイトどんどん」を見てます。ヤクザたちがハジキやドスではなく野球で「抗争」(?)するという珍作で、菅原文太、金子信雄、北大路欣也、田中邦衛と「仁義なき戦い」出演組も多数出ていて、ちょっとした「仁義パロディ」な一本となってます。



#1497 
黒駒 2014/12/02 21:17
菅原文太死去

歴史のほうで触れられてますけど、こちらでも。私はこちらの影響で「仁義」シリーズを見たのですが、前史としての任侠映画も見ておこうかなと思ってさぼってるうちに高倉健が亡くなり、続いて菅原文太までが亡くなってしまいました。

菅原文太というと代表作は「トラック野郎」なのではないかという意見もありますね。仁義はなにせヒットした作品ですから代表作に挙げられますけど、主演としては印象が薄い映画です。

役者さんとしたは高倉健が多少重く、社会派的な役柄や作品であるのに対し、菅原文太は純粋な娯楽映画の人、という印象でしょうか。晩年の枯れた感じなんかは、緒形拳とかぶる印象もありますね。

文太が死んだら、もうその下はそろそろトレンディ俳優の世代だよなんて言ってる人もいました。さすがにまだ何人かいるとは思いますけど、だんだんそういう感じになってきちゃいますね。



#1496 
バラージ 2014/11/25 21:53
若干訂正

 『恐怖分子』『《牛古》嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』『エドワード・ヤンの恋愛時代』をそれぞれエドワード・ヤンの初監督〜監督3作目と書きましたが、実際にはオムニバス映画『光陰的故事』の中の一編が初監督作で、次の『海辺の一日』が長篇第1作、次いで『幼なじみ タイペイ・ストーリー』を監督し、その次が『恐怖分子』でした。
 あと、ホウ・シャオシェンについて、「自伝的4部作や現代史3部作の頃にお気に入りだった、街中で自らスカウトしたという女優の辛樹芬は〜」という部分は、読み返すと僕が気に入ってたようにも読めるような気がしますが、「ホウ・シャオシェンがお気に入りだった」という意味です。



#1495 
バラージ 2014/11/23 23:18
ホウ・シャオシェンとエドワード・ヤン

 好きな映画監督として香港のウォン・カーウァイ、中国のチャン・イーモウについて書いたので、順番的に台湾のホウ・シャオシェンとエドワード・ヤンを。

 ホウ・シャオシェンの映画で初めて観たのは、大学生時代に観た『恋恋風塵』。あまりにも切なすぎる青春恋愛映画なんですが、いわゆる1シーン1ショットの長回しで、音楽はなく台詞も少ない上に俳優の話し声が小さい静謐な印象の映画という、テオ・アンゲロプロスに似た作風でした(アンゲロプロスの『旅芸人の記録』とどっちを先に観たかは覚えてない)。よってアンゲロプロス同様に観る側にある種の集中力を要求するタイプの映画なんで、他人には無条件でオススメはしづらいんですが、僕は結構はまりました(カーウァイやイーモウほどではないけれど)。『風櫃(フンクイ)の少年』『冬冬(トントン)の夏休み』『童年往事 時の流れ』『恋恋風塵』が自伝的4部作と呼ばれてるんですが、『童年往事〜』は仙台や盛岡では公開されなかったのでずっと後になってからテレビ放送で観たと思います。『冬冬〜』は公開が後回しになり映画館で、『風櫃〜』も4部作の次の青春映画『ナイルの娘』といっしょに映画祭か何かで観ました。その次が現代史3部作の『悲情城市』『戯夢人生』『好男好女』で、前2作は映画館で、『好男好女』は盛岡では公開されなかったんでビデオで視聴。作風にやや変化が見られ始めたのが『憂鬱な楽園』からで、ビデオで観たんですが(この頃からはもう盛岡では劇場公開されなくなってしまう)「ホウ・シャオシェンの映画もずいぶん見やすくなったな〜」と思ったもんです。出演俳優も、自伝的4部作や現代史3部作の頃にお気に入りだった、街中で自らスカウトしたという女優の辛樹芬は渡米してあっさり結婚・引退し、台湾伝統芸能の人形芝居・布袋戯の国宝級名人・李天祿も高齢だったこともあり他界。変わって『好男好女』『憂鬱な楽園』ではアイドル出身の伊能静、さらにその後の『ミレニアム・マンボ』『百年恋歌』では香港で女優として大成功して国際スターとなったスー・チーと、徐々にシフトしていったのも台湾映画界の変化を象徴していて興味深い。小津安二郎との類似を指摘されることもあり、日本を舞台とした日本映画『珈琲時光』も撮っています。最新作はなんと武侠映画で、『百年恋歌』から続けてスー・チーとチャン・チェンが主演だそうです。

 続いてエドワード・ヤン。エドワード・ヤンの映画で最初に観たのは監督第3作の『エドワード・ヤンの恋愛時代』。大学を卒業して就職後です(ちなみにウォン・カーウァイの映画で最初に観た『恋する惑星』も同じ頃)。当時の日本のトレンディ・ドラマ風でありながら、決して軽くも薄くも(そして短くも小さくも)ない人物群像劇になっており、時間を忘れさせるような面白い映画でした。実は3時間近い作品なんですが、本当に3時間という時間を全く感じさせないんですよね。これは極めて珍しいというか、3時間以上の大作だと、たとえ面白くて全く苦にならなかったとしても長時間であったことそれ自体は体感的に感じるのが普通なんですが、エドワード・ヤンの映画は長時間であってもいわゆる「大作」ではないためか、「あー、面白かった。えっ? 3時間も経ってたの?」という感じなんですよね。そこが非常に感心しました。実はそれ以前の監督第2作『《牛古》嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(《牛古》は牛偏に古)が評判高く、観たいと思ってたんですが仙台や盛岡には来ずレンタル店にもビデオが並ばず……。(当時の)地方はこういうことが多かったんだよなぁ。ずっと後になってからテレビ放送で観ました。こちらも3時間以上の青春群像劇。初監督作『恐怖分子』もずっと後に映画祭で観ましたが、エドワード・ヤンの作風が定まったのは、この2作目ででしょう。以後、『カップルズ』、そして遺作となった『ヤンヤン 夏の想い出』も観ましたが、いずれも群像劇で後者はやはり3時間の作品です。その後は癌の闘病生活で、若くして亡くなるまで作品を発表することはありませんでした。手塚治虫の大ファンで、自ら設立した製作会社のタイトルロールが、電球がピカッと点く映像なのは、マンガでアイデアが閃いた時に頭の上に電球がピカッと点く表現から取ったんだそうです。合掌。



#1494 
バラージ 2014/11/19 22:04
追悼・高倉健

 また訃報が……。まあ、こちらも年齢的には大往生でしょう。僕が観た映画は、リアルタイムかそれに近いものでは、『ブラック・レイン』『ミスター・ベースボール』『鉄道員(ぽっぱや)』『単騎、千里を走る』。あら、4本中3本が外国映画だ。昔のものでは、『飢餓海峡』『幸福の黄色いハンカチ』『野性の証明』『遥かなる山の呼び声』を観てます。
 そういえば以前に渥美清を、ある種の演技の「型」があって何をやっても同じに見えてしまうと書きましたが、考えてみたら高倉健も同じですね。『単騎、千里を走る』もチャン・イーモウの映画というより高倉健の映画になってました。映画だけでテレビドラマに出ず、私生活も表に出さなかったというのもいっしょ。最後の映画スターは高倉でしたね。
 ご冥福をお祈りします。

>監督以外のチャン・イーモウ
 『古井戸』は僕も観ました。チャン・イーモウはもともとカメラマン出身で、この映画でもカメラマンをやってるんですが、主人公に適当な役者が見つからなかったため、「お前、顔が田舎者で主人公にぴったりだから主演やれよ」と言われて、主演もすることになったとか。他に僕が観た映画では『黄色い大地』で撮影、『テラコッタ・ウォリア 秦俑』で主演、『画魂 愛、いつまでも』で製作総指揮、『項羽と劉邦 その愛と興亡』で監修をしています。後の3作はいずれもコン・リーが主演ですね。



#1493 
徹夜城(支配人) 2014/11/18 15:50
チャン・イーモウというと

>バラージさん
チャン・イーモウ監督の映画では「HERO」「LOVERS」といった武侠ものしかまだ見てないんですよ。そういやこの人も高倉健主演で「単騎、千里を走る」を撮ってますね。メイキング番組がなかなかおもしろかったんですが、映画本編はまだ見てません。
むしろ僕にとってこの人で印象的なのは、監督になる前に俳優として出演した「古井戸」だったりします。



#1492 
徹夜城(支配人) 2014/11/18 15:46
ついに来てしまった訃報

…という思いがしちゃいますねぇ。高倉健さんが亡くなられてしまいました。
今年は宇津井健、高倉健の「新幹線大爆破」主演の両「健さん」がそろってこの世を去ることになってしまいました…
さすがにお昼のNHKニュースも解散ばなしもさしおいてトップニュース。

この人くらいになると代表作を絞り込むのが難しいですねぇ。影響力が凄かったのは「網走番外地」など任侠映画時代なのでしょうけど、それ以後の転機となった「幸福の黄色いハンカチ」が一番マスコミで挙げられてる気がします。
生前、ご本人もよく言ってましたけど、北海道を舞台にした作品によく出てました。「八甲田山」で青森くらいまでは南下してきましたが、とにかく雪の中にたたずむと似合った。

 中国でもその世代ではやたらに知名度の高い日本人で、「君よ憤怒の河を渉れ」は当時凄まじい反響であったといいます。と、中国人留学生から聞かされて実際にビデオを見てみましたが、なんというか、論評に困るツッコミどころの多い映画でありました(汗)。
 黒澤明監督も「乱」の鉄修理役に熱望したそうですがねぇ…



#1491 
バラージ 2014/11/16 22:33
チャン・イーモウ

 久々の好きな映画監督シリーズ。今回はチャン・イーモウ。
 イーモウ監督作で初めて観たのはデビュー作の『紅いコーリャン』。確か大学入学を控えた春休みだったと記憶しています。東京では数ヶ月前に公開されていて、映画誌『ロードショー』で情報を読み観たいなあと思っていた映画でした。寓話的な物語と赤を基調とした鮮烈な色彩感覚にとにかく圧倒され、強烈な印象が残りました。この作品と『菊豆(チュイトウ)』『紅夢』は、いずれも1920〜30年代の地方の旧家を舞台としており、上記の寓話的な物語と鮮烈な色彩感覚という部分も共通しています。劇中に登場する様々な小道具や風習が目に鮮やかかつユニークで興味深いんですが、実はそれらは全てイーモウ監督による創作だとか。絵的に映えること、物語的(作品世界的)に面白くなることを何よりも優先的に考えたためらしく、どこまでも映像作家なんだなぁと感心しました。
 そのような作風が変化したのはその次の『秋菊の物語』から。それまでとは真逆の、現代を舞台とした社会派風刺劇というリアリズム作品で、それまでの作風が好きだった僕は面食らい、かつ大いにがっかりしたんですが(そういうファンは多かったと思う)、その後のイーモウ映画の歩みを振り返ると、彼はホウ・シャオシェンやウォン・カーウァイのように同じ作風の作品を作り続けるタイプの監督ではなく、様々な作品を手掛けるタイプの映画監督だったんですね。国外公開が遅れた『活きる』は飛ばして、次の『上海ルージュ』ではまた20年代を舞台とした(ただし舞台は魔都上海)赤を基調とした鮮烈な色彩の作品で僕は個人的には好きな作品なんですが、イーモウ本人は失敗作と考えたようでそういう作風の作品はそれでほぼ最後となりました。また、『紅いコーリャン』で発掘し、黄金コンビと言われた女優コン・リーとのコラボレートも、2人のプライベート関係が終わったことにより終結してしまいます。
 その後の『あの子を探して』『初恋のきた道』『至福のとき』は桃色三部作とも呼ばれ、チャン・ツィイーのデビュー作である『初恋のきた道』は日本で大ヒットしましたが、コン・リーとのコンビ時代にどっぷりはまっていた僕はいまいち乗れず(チャン・ツィイーは後に観た『グリーン・デスティニー』ではまった)。次いで『HERO』『LOVERS』と武侠映画を製作。『HERO』は期待はずれでしたが、『LOVERS』はなかなか面白かったです。そしてイーモウ憧れの高倉健を主演に迎えた『単騎、千里を走る』を経て、コン・リーと10年以上ぶりに組んだのが時代劇『王妃の紋章』。この映画はかつてのコンビ作を思い出させる前半に引き換え、後半は失速してしまいますが、それでもなかなか感慨深かったですね。
 また、イーモウは文革においては第5世代では珍しく迫害される側の階級だったんですが、文革時代を3度映画化しています。最初のは前記の『活きる』。迫害する側の階級だったチェン・カイコーやティエン・チュアンチュアンが告発性の高い映画(『さらば、わが愛』『青い凧』)を製作したのに対して、文革をまるで天災のように描いていたのが印象的でした。次の『初恋のきた道』はあくまで背景のみの恋愛映画。3度目の『サンザシの樹の下で』でようやく告発性の高い映画を作ったのが印象深い。
 南京大虐殺を舞台とした『金陵十三釵(原題)』は日本未公開。チャン・イーモウ監督の映画でもダメなのかと絶望的な気分になりますが、史実を守る映画祭に期待するしかないんですかねえ。かつては『南京1937』がビデオ化、『黒い太陽・南京』がDVD化されましたが、近年は『南京!南京!』も『ジョン・ラーベ』も史実を守る映画祭での公開のみでソフト化もされず。『チルドレン・オブ・ホァンシー』はDVD化されましたが、この映画はそれがメインテーマではありませんし……。とにかく『金陵十三釵』も何らかの方法で(日本語字幕付きで)観たいものです。

>失われた映画
 先日、久しぶりに香港映画『ロアン・リンユィ 阮玲玉』のDVDを見直したんですが、1920〜30年代の人気女優・阮玲玉の出演映画も大半が失われちゃってるんですねえ。それでも残ってるだけまだましで、当時の人気女優でも全くフィルムが残ってない人もいるらしいです。中国は日中戦争や国共内戦・文革で多くが失われたでしょうからね。



#1490 
バラージ 2014/10/30 22:33
♪僕らは夢見てるか? 未来を信じているか?

 またまたギリシャ神話映画が来た!ということで映画『ヘラクレス』を観たんですが、なんと神話の映画ではなく、紀元前のギリシャを舞台としたファンタジー性皆無の史劇風アクション時代劇でした。ヘラクレスはただの人間の傭兵で、神話にあるようなゼウスの息子とか怪物退治のエピソードとかは敵をびびらすための作り話という設定。ヘラクレスがもし実在の人物だったら?という一種のif映画みたいな話でした。こちとらギリシャ神話映画を期待してたんで、そういう意味では期待外れだったんですが、あくまで史劇風アクション時代劇として観れば結構面白かったです。でもなんでそういう風に売り出さないんだろ? 予告編はもろにギリシャ神話っぽく見せてて、完全に予告編詐欺。まあ若干怪しいな〜とは思ったんですけどね。

#1476の虎さん
 なんか今さらのレスですが……僕は『ウルトラマン・サーガ』は観てないんですが、AKB48にはプチはまりしてるので秋元才加は知ってます。AKBドラマ『マジすか学園』でも好演してました。
 AKB48は前田敦子や大島優子をはじめ、女優として活躍する子も多く、そのあたりがおニャン子クラブやモーニング娘は素通りした僕の心の琴線を捉えるのかもしれません。映画『DOCUMENTARY of AKB48』シリーズも面白いです。



#1489 
バラージ 2014/10/24 21:59
昔なつかし

 中川安奈さんは、『敦煌』でデビューしたエキゾチックな顔立ちの人という程度の認識しかなく、『敦煌』自体も観てないんで訃報にもあまり感慨はなかったんですが(ちなみに『ゴジvsキン』もチャック・ウィルソンら外タレ勢しか記憶になく、出てたという認識はありませんでした)、よく出演歴を観てみると『敦煌』の次に出演した初主演映画『Aサインデイズ』をビデオで観ておりました。
 『Aサインデイズ』は、60年代末から70年代前半のベトナム戦争時代の沖縄が舞台で、ロック歌手・喜屋武マリーの半生をモデルとした青春映画。監督は崔洋一です。タイトルとビデオ・パッケージのかっこよさに惹かれて観たんですが、なかなか面白かったですね。返還前の沖縄の風俗と雰囲気が印象的でした。ただ主演の女優が誰だったかは、今回確認するまですっかり忘れてました。もう1人の主演男優が石橋凌ってのは覚えてたんですが。60〜70年代の沖縄を舞台とした映画は歴史映像名画座になかったんで、これを候補に挙げちゃおうかな。

 最近、大学時代からの友人と僕らが高校〜大学の頃の映画の話題になって、『BU・SU』とか『曖・昧・Me』『東京上空いらっしゃいませ』『つぐみ』など、あの頃観た面白い映画を思い出したんですが、『Aサインデイズ』もその頃の1作。懐かしいですねぇ。



#1488 
徹夜城(支配人) 2014/10/20 13:05
ちょっと驚いた訃報

 俳優や映画人の訃報をついつい取り上げてしまいますが、中川安奈さんの訃報は驚きましたね。最近は舞台中心だったそうで映像媒体では見かけなかったものだから引退状態なのかな?とまで思っていました。
 その若き急逝もさることながら、「敦煌」でウイグル王女役でデビュー、「ゴジラVSキングギドラ」でトップタイトルの未来人(主演、ということなんだけど話の中心は豊原功輔なんですよね)という、僕としては結構好きな映画二本に出ていたことが大きい。どっかのスポーツ紙で「敦煌」で抜擢した佐藤純彌監督の追悼インタビューも出てました。
 訃報で初めて知ったのが、千田是也のお孫さんだったという事実で、これも驚いたなぁ。


>フィルムばなし
 フィルムはちゃんと保存していれば百年はもつ、とかフィルムセンターの人が「探検バク問」で言ってたような。デジタル媒体だと劣化はしないけど保存できる年数は少ないし再生する装置の問題もあるのでかえって保存しにくいとの意見は前からあったように思います。もちろんフィルムだって事故で消えることはあるし保存状態が悪いとひどいことになるそうですが。「スターウォーズ」だって「特別編」のメイキングで見たら、90年代末の時点ですでにオリジナルネガがひどく劣化していた、と証言がありました。
 戦前・戦中の映画フィルムで日本国内では失われていたものが、海外で見つかるケースはこれまでいくつかありましたね。満州占領時にソ連が結構もってっちゃってたようだし。



#1487 
つね 2014/10/19 23:15
昔の映画

バラージさんレスありがとうございます。

>単にテープのような重ね撮りができない
なるほど。言われて初めて気づきました(笑)。海外映画はけっこう残っていると思っていましたが、そういえば、どこかで淀川長治さんが映画評論家の中で第一人者である理由の一つは「すでに残っていない映画を観ていてかつ詳細まで憶えているため」というのがありました。もちろんそれだけではありませんが、映画評論家としては、自分が見ていない映画のことを持ち出されたら何も言えなくなるそうです。

最初の映画は何かとwikiで調べたら「工場の出口」でした。そういえば「映像の世紀」で見た覚えがあります。エッフェル塔から鳥のように飛ぼうとして墜落死した映像のほうがインパクトがあって、それが「映像の世紀」の最初だった気がしていました。

>男はつらいよ
まあ20年以上かかってしまいますが、一話完結で連続ものではないので、次々見ようという気は起こらないし、思い出したときに見たくなるレベルです。見て損した気分にはなりませんし。マイペースで。



#1486 
バラージ 2014/10/18 23:03
フィルムとテープ

 テレビ創成期はテープが高価で、そうそう買えないから重ね撮りを繰り返したために映像が残ってないらしいですね。つい最近も『どてらい男(やつ)』というテレビドラマの映像提供をテレビ局が呼び掛けてました。歴史映像名画座にある『額田女王』も時期的に見てテープが残っていないんじゃないかなぁ。残ってたらCSの時代劇専門チャンネルで1度くらい放送されてもよさそうなもんですし。

 一方、フィルムが残っているのはそんなに崇高な理由ではなく(笑)、単にテープのような重ね撮りができない(フィルムのほうが古くからあるんで表現としては変ですが)ということや、何度も上映するために必要だった(昔は中央での上映が終わってから地方へ回っていったらしいですし、リバイバル上映も今よりずっと頻繁だったようです)という物理的・商業的な理由によるもので、芸術として後世に残そうという考え方はかなり近年になってから生じたものだと思います。日本より外国(というか米国)に多く残っているのは、日本では震災や戦災で失われたものが多いからでしょう。木造建築で火災に弱いということもあります。
 そもそも日本だけでなく外国でも失われたフィルムは結構多く、例えばフィッツジェラルドの小説『グレート・ギャツビー』の最初の映画化『或る男の一生』もそういうロスト・フィルムの1本で、予告編しか残ってないそうです(出版後わずか2年で映画化されていますが、日本でも公開されていたのも驚き。ちなみに2度目の映画化も『暗黒街の巨頭』という邦題で公開されています)。日本でも伊丹万作や山中貞雄の映画は3〜5本ぐらいしか現存していません。現在も残っている映画はこれまでに作られた全体の1割程度だという話もあります。

 『男はつらいよ』、年に1〜2本じゃ全部見終わるまでに24年以上かかっちゃいますよ(笑)。月1本でも4年はかかる計算ですし。



#1485 
つね 2014/10/18 12:21
ビデオとフィルムと寅さんと

>ビデオとフィルム
技術的なことは詳しくないですが、
フィルムの画質>ビデオの画質ということは、
フィルムの値段>ビデオの値段ということでしょうか。
今では、画質のほうはあまり差がなくなってきていると。
それでも昔の大河ドラマはテープを使い回しして映像が失われてしまっているのは残念ですね。逆に(特に海外では)戦前の映画でも残っているのが多そうなのは、映画の作り手としては「芸術作品を作っているから、後世に残そう」という意図からでしょうか。作り手としてはかかっている予算からしても映画>ドラマという意識がありそうです。

>寅さん
実は今、年間1〜2本ペースで1作目から見ています。とはいえ、ようやく第9作の吉永小百合マドンナまで見たところ。風景や小道具、物価などに時代感もありますし、せりふなんかでも「ドルショックで不景気だ」(8作目)なんてのが出てきたりします。9作目で1972年ですから、もう少しでオイルショックですが。40年前の日本は記憶にはないはずなのに懐かしい気がします。そういえば、寅さん(らしき人)は、「皇帝のいない八月」でも列車ジャック(という言葉ありましたっけ)された列車に乗り合わせてましたね。



#1484 
バラージ 2014/10/17 22:05
スターと役者

 確かに渥美清に関しては「寅さん俳優」という部分も大きいかもしれません。ただ、それが結果として彼を「映画スター」たらしめたこともまた否定できないと思うんですよね。謎に包まれた私生活というところも原節子みたいですし。
 かつて勝新太郎は石原裕次郎の葬儀で、「俺は役者になることを選び、君はスターになることを選んだが、結局君のほうが正しかったのかもしれん。時が経って俺が忘れられても、君は人々に記憶され続けるだろう」というようなことを言ったと聞いたことがあります。役者とスターは必ずしも明確に区分できるものではなく、渥美は役者にしてスターだったと思うんですが、やはり「寅さん」として記憶されていくんでしょうね。

 『男はつらいよ』は50作もあるんで、さすがに全部は観てないし観ようとも思わないんですが、それでも何作か(もしくは十何作か)は観てます。お話は当然ながらワンパターンなんですが、脚本・演出の手堅さと何より渥美清の「芸」で飽きずに観れちゃうんですよね。キャラが固まり定番化して以降のイメージが強いんですが、初期の作品を観ると寅さんはいかにも的屋らしく世の中からはみ出した乱暴者で、どっちかっていうとチンピラみたいだったりするんでビックリします。まぁ長期シリーズにはありがちなことですが。
 『八つ墓村』も観てます。渥美演じる金田一は穏やかかつ理知的で寅さんとは大分違うキャラでしたが、それでも寅さんに見えちゃうのは確か。渥美清という役者は芸達者な演技派ではありますが、多くの喜劇俳優同様に彼ならではのある種の演技の「型」があって、そのためどんな役を演じても同じように見えてしまうんだと思います。そして渥美清というと寅さんのイメージがどうしても強いため、何を演じても寅さんに見えてしまうんでしょう。
 渥美主演の映画だと他に『男はつらいよ』と同じ山田洋次監督の『キネマの天地』も観ました。こちらもまあ渥美は寅さんみたいなもんなんですが(笑)、さすがの芸達者で笑わせてくれます。ウェルメイドな映画で、よくできてて面白かったですね。

 映画自体の話で言うと『八つ墓村』は『犬神家の一族』なんかに比べるといまいちでしたね。大人になってから観た映画そのものよりも、子供の時リアルタイムで観たテレビ予告編の「祟りじゃあ。八つ墓村の祟りじゃあ〜!」という台詞のほうがインパクトが強くてよっぽど印象に残ってます。ドリフが真似してパロディにしてたからってのもありますが(笑)。テレビ予告編のキャッチコピーといえば『悪霊島』の「鵺(ぬえ)の泣く夜は恐ろしい」ってのも流行りましたね。こっちの金田一は鹿賀丈史だったけど、これもいまいち。ビートルズの「レット・イット・ビー」しか覚えてません。ドリフはイタリアン・ホラー映画『サスペリア』のテレビ予告編のキャッチコピー「決して1人では見ないでください」ってのも真似してパロってたなぁ。



#1483 
徹夜城(支配人) 2014/10/16 00:24
映画とフィルムと俳優と

>バラージさん
 昔は連続テレビドラマもフィルム撮りが多かったですよね。ビデオ撮影になると全体的に絵が明るすぎるというか、深みがなくなるように感じました。時代劇だけでなく、ヒーロー特撮番組なんかもフィルム撮りを支持するファンが結構いましたし…ハイビジョン時代以降はみんなビデオ撮りで、逆にそれをフィルム撮影のような質感に見せる技術なんてのも発達してきてます。単純計算ではフィルムの方が情報量が多いなんて話も聞いた気がしますが、最近はどうなんでしょうかね。

 渥美清に関してですが、この人の場合は映画俳優という以前に「寅さん俳優」になっちゃった、というのが正確ではないかと。「寅さん」だってもともとはTVドラマシリーズが始まりで、渥美清はそれ以前にも似たようなキャラをTVで演じていたはず。寅さんが映画のヒットシリーズとなり、俳優本人が寅さんと同一化してしまったために、イメージのためにも他の仕事ができなくなってしまった、とはよく言われる話です。それを役者冥利に尽きると見るか、幅を狭くしたと見るかは人によりけりでしょう。

 渥美清というと、寅さん以前の映画の代表作として「拝啓天皇陛下様」がありますね。ほとんどキャラが寅さんと一緒ですけど(笑)。その後何かの映画で凶悪犯人役、という話もあったらしいですが、本人も興味は示しつつ結局寅さんイメージを考慮して降りたと聞いてます。
 寅さん以外で大きな役と言うと「八つ墓村」の金田一耕助なんかもありましたが、どうしても「寅さん」がやってるようにしか見えない上にオカルトばなしにアレンジされちゃって名探偵の立場が…(汗)。「顔」に関しては最も原作に忠実らしいんですがね。



#1482 
バラージ 2014/10/12 08:32
でもやっぱり映画やドラマの顔は

 監督でも、ましてや脚本家でもプロデューサーでもなく俳優なんですよね。確か黒澤明監督の『まあだだよ』が公開された時だったと思うんですが、ポスターに1番大きく顔が映ってたのが出演俳優ではなく黒澤監督だったことがありまして、主演俳優より監督が前面に出てしまうのはさすがにどうなんだと疑問を呈している評論家がいました。日本映画の衰退も、クソ平等?みたいなところがある日本では映画とドラマの階級性が乏しいためか、映画俳優がテレビドラマにも普通に出るようになってしまったため、という考え方もあるようです(もっとも俳優の側にすれば、映画界が衰退して映画の仕事がなくなればテレビドラマに出るのは当然とも言えますが)。僕の幼少期〜青春期の記憶でも三船敏郎や三国連太郎ですらテレビドラマに出てた記憶がありますし、映画にだけ出てテレビドラマに出なかった俳優というと渥美清ぐらいしか思い出せません。私生活を表に出さなかった姿勢も含めて、渥美こそが「最後の映画スター」だったのかもしれませんね。
 それにしても興業的にはどん底だった日本映画(アニメ除く)も“セカチュー”こと『世界の中心で、愛をさけぶ』の大ヒットをきっかけに奇跡の大復活を遂げました。先のことがどうなるかなんて本当にわからないなぁ。

>テレビ映画
 テレビ映画(TVムービー)という言葉はたまに聞くことがありますが、多分米国独自のジャンルなんでしょうねえ。日本ではあまりそう表現することはないように思います。
 テレビドラマでフィルムかテープかというのは、映像的というか画質的には結構違いがありまして。昔の時代劇なんかはみんなフィルムでしたが、水戸黄門がフィルムからテープに変わった時はいきなり映像が安っぽくなっちゃってましたね。NHK大河ドラマは昔からテープなんですが、そのためペリー荻野さんによるとマゲ女(まげじょ。女性歴史ファン=歴女に対して女性時代劇ファンを荻野さんがこう呼んでいる)からはフィルムの時代劇より一段低く見られてるんだとか。昔は現代劇でも『太陽にほえろ』とか『傷だらけの天使』とかフィルムのドラマがいっぱいありましたね。

・最近DVDで観て面白かった映画
『サイレント・ウォー』
 1950年代の中国で共産党の情報部隊にスカウトされた盲目のピアノ調律助手を主人公に、共産党と国民党のスパイ情報戦を描いたサスペンス映画。アクションは最小限で情報戦と人間ドラマに重点を置いた映画になってて、とても面白かったです。雰囲気づくりが抜群で、トニー・レオン演じる調律助手をスカウトする女スパイ役のジョウ・シュンが美しかった。

・最近動画サイトで観て面白かった映画(ドラマ)
『ラッキィ』
 市川準がNHKの男優特集番組で撮った本木雅弘主演の35分程度の短編映画。ビデオ化もされてなかったんですが、先日に某動画サイトで偶然見つけました。古いビデオに録画してあったものらしい。本木演じるファミレスの副店長の何気ない日常が淡々と描かれ、彼が実家の愛犬ラッキィに語りかける形でナレーションが入る、いかにも市川準という映画で面白かったです。やっぱり市川作品の空気って好き。

『市川準の東京日常劇場 哀愁篇』
 これも同じく某動画サイトで観ました。1990年頃にテレビ朝日で放送されてた1話10分64話のミニドラマから数本を選んで再編集したビデオ作品で、「哀愁篇」と「憂愁篇」の2巻なんですが、アップされてたのは「哀愁篇」のみ。まあまあ面白いけど、短いののオムニバスなんでちょっと印象薄いかな。



#1481 
徹夜城(支配人) 2014/10/06 23:39
宣伝的に考えると

>バラージさん
そうでした、プロデューサーというのも、また「作者」的存在なんですよね。ビジネス面中心で芸術面にはあまりタッチしないため映画製作の「裏方」扱いされがちですが、映画製作の総指揮官でもあり、生みの親には違いないわけです。実際、アカデミー賞なんかでも「作品賞」はプロデューサーが受け取ってますね。
映画でもドラマでも、実はプロデューサーが一番重要では、という話は聞きます。どんなに素晴らしい脚本家・演出家がいても、それを事業として形にするのはプロデューサー。日本映画界の失速はこのプロデューサーの人材不足にあるんじゃないか、という話も読んだことがあります。
いろいろある問題児ですが、角川春樹だってプロデューサー、仕掛け人としては確かに大した人ではあるんですよね。彼が逮捕されたために映画「太平記」企画がポシャったのですけど、あのくらい変人(笑)でないとそういう企画って実現しない気がします。

映画やドラマの「宣伝」面に話を絞ると、結局はどの立場の人を全面に押し出すと宣伝になるか、という判断なんでしょうね。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だって当時は「スピルバーグが贈る」という宣伝文句が前面に出てて監督の名前はあまり押し出されてませんでした。80年代の「スピルバーグ製作総指揮」な映画はそういう宣伝が多かった気がします。脚本家でも橋本忍とか笠原和夫クラスになるとそっちが売りになったケースがありますし(「仁義なき戦い」についても「笠原作品」を強調するものあり)。

>つねさん
 テレビ用映画、というのは必ずしもフィルムかビデオか、ということではなく、連続ドラマと違って1時間半〜2時間程度の「映画的」な時間の一本立ちで製作されたテレビドラマを指すのだと思います。「コロンボ」はシリーズものですけど、一本一本は独立していて90分枠の製作だから「TV用映画(TVムービー)の扱いなんでしょう。日本でも2時間枠の時代劇スペシャルやサスペンスドラマがそういう扱いで、「監督」とクレジットされている例が多いです。
 「刑事コロンボ」のレギュラー第1作を若き日のスピルバーグが監督してる、というのはマニアには知られてる話ですが、スピルバーグの実質的デビュー作と扱われる「激突!」ももともとはTV用映画で、評判になったために外国では劇場公開されたという経緯です。「コロンボ」には確か他にもミロス=フォアマンが監督した一話があったはずです。



#1480 
つね 2014/10/06 00:38
難しい・・・

管理人さん、バラージさん、レスありがとうございます。
確かにテレビドラマの場合、「監督」とはあまり言わないような気もしますね。「刑事コロンボ」のシリーズ化第一作の「構想の死角」が、若きスピルバーグが監督してたよなあと思ってwikiのスピルバーグを見たら、コロンボは「テレビ映画」という位置づけになってました。で、「テレビドラマとの違いってなんだよ」と同じくwikiで調べると、「ビデオ撮影がテレビドラマ、フィルム撮影がテレビ映画」となっていて、素人としては「テレビで見る分には同じだろ」と思ってしまいます。制作側としてはノウハウが変わってくるのでしょうが。
ドラマのほうはあまりプロデューサーというのは意識したことがなく、脚本家のほうは、前レスのように名前が出てくるのですが、プロデューサーのほうはどうも不勉強で名前が出てきません。バラージさんのおっしゃるようにケース・バイ・ケースなのでしょう。

管理人さんの「作者」という言葉で、聞きかじりの知識を思い出したのですが、文芸批評の分野では、「作者の死」という考え方があるそうです。文芸批評において「作者の意図や歴史的環境を重要視するのではなく、作品そのもののみを対象としなければならない」そうですが、もちろん対立する考え方もあります。というかむしろこの考え方は少数派のような気もします。映像作品だと、まだ単純におもしろいかどうかで評価できますが、抽象的な絵画だと、同じ絵でもピカソが描いたと聞くか幼稚園児が描いたと聞くかで評価を変えてしまいそうです。



#1479 
バラージ 2014/10/05 22:55
プロデューサーや製作総指揮というのもありまして

 僕も似たようなことを考えたことがあります。ただ僕の考えがちょっと違うのは、テレビドラマの場合は脚本家が看板になることも確かにありますが、どちらかと言えばプロデューサー(製作)が看板になることが多いように思うんです。90年代のトレンディ・ドラマ全盛期にはスター・プロデューサー?とでも言うべき人たちが多数いましたし、ディレクター(演出)の上にプロデューサーがいるというのがドラマに限らずテレビ番組全般の傾向なんではないでしょうか。
 脚本家が映画やドラマの代表になりにくいのは、やはり最終的な作品製作現場である撮影現場にいないということが大きいんではないかと思います。脚本家以外のスタッフは出演者も含めてほとんどが撮影現場にいる中で、それ以前に仕事が終わってる脚本家を作品の代表とすることはやっぱりちょっと違うかなぁという気もしますし、撮影現場で脚本に変更が加えられることもありますからね。またオリジナル脚本ではなく原作がある場合は、物語の基本的な部分は原作で作られていて脚本はあくまでアレンジとも言えますし(アカデミー賞だかゴールデングローブ賞でも脚色賞とオリジナル脚本賞が別にありますよね)。
 橋田壽賀子さんも何かで言ってたんですが、「(橋田脚本ドラマの常連俳優を)よく橋田ファミリーと言われるけど、私は自宅で脚本を書いてるだけなので(昔から付き合いのある)泉ピン子ちゃん以外とはほとんどお付き合いがないんです。皆さん、プロデューサーの石井ふく子さんのもとにお集まりになられてるので、本当は石井ファミリーなんですよ」とのこと。
 映画でも、ジョージ・ルーカスなんかは実は監督作は3作(『THX 1388』『アメリカン・グラフィティ』『スター・ウォーズ』)しかなくて、他は製作総指揮ばっかりですが、それで有名なわけで。実際、ハリウッドの大作では監督より製作総指揮(プロデューサー)のほうが権限が大きい場合も多いようです。
 まあ、映画やドラマ製作の主導権が監督(ディレクター)にあるのか製作総指揮(プロデューサー)にあるのか脚本家(ライター)にあるのかはケース・バイ・ケースなんでしょうが。



#1478 
徹夜城(支配人) 2014/10/04 23:26
監督と脚本

>つねさん
これ、僕も常々不思議に思っていることなんですが、集団創作物である映像作品について、「映画」では監督が、「ドラマ」では脚本化が「作者」扱いされる傾向が強くあります。これが外国ではどうなのか調べたことはないんですけど、日本に持ち込まれる外国ドラマが紹介される場合は「○○を手掛けた監督の作品」と言ってる場合が多い気がします。

誰が「作者」になるのか、これは結構大問題でありまして…映画界においては「監督」が作者扱いされるのが昔から定番なのですけど、映画の根幹であるストーリーや構成、つまりは全体の設計を担当する脚本家が「作者」なのではないか、との意見も根強くあります。実のところ、脚本家が軽視されがちである、との脚本家サイドからの意見をつい最近も見かけました。
黒澤明監督も言ってますが、「脚本がよくなければどんな一流監督でも名作は作れない」そうで。映画監督というのは撮影現場をまさに「監督」して役者の芝居をつけ、カメラマンとのコンビで撮影を行い、映像に仕立て上げるのが仕事。映画監督にもいろんなタイプがいて自ら脚本を手掛けるケースも少なくないですが、同じ監督で出来不出来の波が大きいタイプは結局いい脚本に出会えたかどうかが大きいということのようです。
もちろんいい脚本をダメな監督が手掛けるとホントにダメになっちゃう、ということもあるわけですが…

映画業界で監督は担当しない脚本家として映画作品の作者扱いまでされたのは橋本忍とか笠原和夫などごく一部になってしまいますね。三谷幸喜さんもその系列になるかどうか(自分で監督もしてるからなぁ)。ハリウッドなんて完全にそうですが、脚本づくりは複数のチームで行われることが多いため、「作者」扱いしにくい、ってこともあるかもしれません。

一方でTVドラマ業界では不思議と脚本家が「作者」扱いされ、映画における監督にあたる人は「演出」とクレジットされて妙に軽く扱われてる気がします。もちろんこちらでも名演出家とされた人はそこそこいるわけですが、こうしたTV演出家は自ら脚本は担当してないことが圧倒的に多いみたいです。
NHKの大河ドラマみたいに長期にわたる大型なドラマとなると演出家も複数人のチーム体制になり、それもドラマで演出家が作者扱いされない理由のようです。小ぶりなドラマであれば一人の演出家が手掛け、中には演出家が企画を立ち上げて脚本家にシナリオ製作を依頼、というケースもあるようで、こうなるとかなり「作者」に近い気もします。
またTVドラマの場合は演出家がTV局の社員演出家であることが多く、脚本家は外部の独立した存在であるため、宣伝では身内の名前を立てにくい、という事情もあるのかも。


僕がこの手の話を強く意識したのは、「インディ・ジョーンズ最後の聖戦」のパンフレットに、脚本家の「ルーカス(ストーリー原案)と僕が書いた絵にスティーブン(スピルバーグ)が素敵な色をつけてくれた」という発言が載っていたのを読んだ時でした。「えっ、映画監督って、色をつけるだけなの?」と思っちゃったんですね。ま、もちろんその後いろいろ勉強してみるとその「色をつける」ってのが大変だったことが分かっては来たんですが、しばしば映画のストーリー部分について「監督の意図は」と解読・解説しちゃうのは筋違いなんじゃないか、という気はしています。



#1477 
つね 2014/10/04 02:08
映画とドラマの監督と脚本家

少々、以前から疑問に思っていたことがあります。
映画だと、「○○監督作品」ということが売り文句になることが多いと思いますが、テレビドラマだと、「○○脚本」が売り文句になっているような気がします。(ジェームス三木とか橋田壽賀子とか三谷幸喜とか。三谷幸喜は映画でも売り文句になっていますが)
この違いはなぜなのでしょうか。日本だけ? 




#1476 
2014/09/14 23:15
一体何回合掌すれば…

ルパンも銭形も…訃報はホント続くときは続きますね。米倉斉加年氏にもちょっと
ショックを受けました。

原作でのハモンドは、もっとエグい人物で、因果応報のように島のどこかで、誰にも
知られぬうちに毒を持つ小型恐竜の群れにチビチビとやられて息絶えて行きます。
もっとも、原作ではラプトル周辺などは血の嵐、死体の山でしたけどね。あげく、
島は軍の総攻撃でズタズタに焼かれます。…でも生き残った奴らがいたのですが…

あ。
全然関係ないですが、映画「ウルトラマンサーガ」が泣くほど良かったです。
実質主演な秋元才加嬢の演技には感服しすっかりファン(ry



#1475 
徹夜城(支配人) 2014/09/14 21:03
訃報は続くよ

 今度は李香蘭=山口淑子が亡くなってしまいました。もう94歳なので大往生と言っていいんでしょうが、銀幕スターだった時はホントに若かったんですなぁ。
 といってさすがに出演作品は全然見ておりませんで、唯一黒澤明監督の「醜聞(スキャンダル)」のみ見てます。さっきネットで音声を見つけて知ったんですが、「七人の侍」のテーマ曲には黒澤作詞の歌詞が付いており(それ自体は知ってたけど)、それを山口淑子が歌うバージョンがあったんだそうで。

>虎さん
お久しぶりでございます(^^)
「ジュラシックパーク」、原作は未読なんですが聞くところではかなり雰囲気が違う上にラストで死んじゃうそうなんですよね。映画版でもハモンドをどうするのか二転三転した(島に置き去りだか残るだかになる、という案もあった)と聞いています。結局生き残るラストになったのは演じるアッテンボローの醸し出す雰囲気のせいもあったかな、と思います。確かに子供っぽい、夢に生きる大富豪ってな感じでしたよね。確か「2」にもちょこっと出ましたよね。



#1474 
2014/09/13 22:20
アッテンボロー追悼

ものすごくお久しぶり過ぎて、覚えていただけてないかな?

アッテンボロー…今真っ先に思い浮かぶのは「ジュラシック・パーク」のハモンドです。

恐竜ヲタでもあるのでね…ルパンとかキングギドラとか太平記とかメタクタですが。
あのどこか子供っぽさを感じる演技、表情が、原作とはかなり異なる描写ながら、
ハモンドというキャラをとても感じさせました。人好きのするカリスマ性のある、
しかしやや詰めの甘い感じ。決して悪い人ではないんですけどね。

この全体が、アッテンボローという人の全体像に、どこか通じる気がしました。
色々アレな表現で恐縮です…。



#1473 
徹夜城(支配人) 2014/08/26 00:30
アッテンボロー監督

「アッテンボロー」と聞くと、「銀河英雄伝説」を連想しちゃう人も多いんでしょうねぇ。動物番組作ってる人にも同姓がいましたな。

リチャード=アッテンボロー、ついに亡くなってしまわれましたか。まぁお歳と言えばお歳で、大往生の部類でしょう。
僕は、彼の監督作品では「ガンジー」「遠い夜明け」「チャーリー」しか見てないですね。作る作品のテーマ性など意欲は買うんだけど、映画としてはやや大味かなぁ…という印象をこれらの作品では持ってます。
俳優としてはなんつっても「大脱走」でしょうか。あれだけスター総出演のなかで「個性派俳優」として存在感を示してました。「俳優」だったことを忘れられそうな頃にヒット作「ジュラシック・パーク」に出たことで再認識してもらうことにも成功していたと思います(映画だとキャラに今一つひねりがなかったのが残念ですが)。



#1472 
バラージ 2014/08/25 22:36
追悼リチャード・アッテンボロー

 訃報が続きますねぇ。まぁ、アッテンボロー監督は亡くなられても不思議ではないお年でしたから、大往生でしょうか。観た映画は『ガンジー』『コーラスライン』『遠い夜明け』『チャーリー』といったあたり。『チャーリー』はいまいちでしたが、『ガンジー』『遠い夜明け』は近現代史社会派映画として面白かったし、ミュージカル映画『コーラスライン』のラストも印象深かったです。ご冥福をお祈りします。



#1471 
バラージ 2014/08/19 19:44
特撮

>ウルトラマン
 そういえばウルトラシリーズでは『ウルトラセブン』も再放送やレンタルビデオでちょこちょこ観ましたね。平成になってからもテレビスペシャルやオリジナルビデオシリーズが作られた評価・人気ともに高い作品で、確かに面白かったんですが、個人的には最初の『ウルトラマン』のほうが上かな(とはいえどちらも全話は観てませんが)。メフィラス星人が出てくる「禁じられた言葉」は、個人的に特撮作品の最高傑作です。

>仮面ライダー
 仮面ライダーは、劇場版はほとんど観たことがないんです。観たのは『仮面ライダーBLACK RX』(の次のオリジナルビデオ作品『真・仮面ライダー序章』)と『仮面ライダークウガ』の間の端境期に作られた中編映画『仮面ライダーZO』と『仮面ライダーJ』だけでして(いずれもビデオ観賞。『真〜』も観ましたが、『BLACK RX』『クウガ』は観たことなし)。
 仮面ライダーは大人になってから観るとツッコミどころ満載で笑っちゃうところも多いんですが(平成以後のは観てないんでわかんないけど)、多分子供はそういうほうが面白いんだと思います。再放送で観た初代『仮面ライダー』初期の怪奇テイストは子供心にちょっと怖かったんですが、後に知ったところではやはり視聴率があまり良くなく、明るいアクション路線に変更してブレイクしたとのこと。

>ゴジラ
 ハリウッド版がシリーズ化されるなら日本ではしばらく作られないでしょうね。最初のハリウッド版が作られた時も、ハリウッド版が始まるため日本の平成版を終わらせ、ハリウッド版がシリーズ化されなかったためミレニアム版が始まったらしいですから。日本では平成版とミレニアム版の間には平成モスラシリーズをやってましたね。過去作とは関係ない設定らしく、テレビでチラッと観たんですが子供向けファンタジー作品といった感じでした。モスラは女性人気が高いらしい。



#1470 
バラージ 2014/08/17 00:05
大森一樹と金子修介

 ゴジラ・シリーズの話ついでに、『vsビオランテ』『vsキングギドラ』の監督と『vsモスラ』『vsデストロイア』の脚本を担当した大森一樹と、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』と平成ガメラ三部作の監督をした金子修介という、2人の映画監督の話を。

 まずは大森監督。僕は上記作品のうち『vsデストロイア』以外の3作品を観たんですが、それ以外に観た大森監督映画はそれほど多くなく、『ヒポクラテスたち』『風の歌を聴け』『トットチャンネル』『悲しき天使』『津軽百年食堂』といったくらいです。リアルタイムで観たのは後の2本だけ。特に理由があるわけではないんですが、個人的に惹き付けられるものが少ないのか、なんとなく観てないんですよね。観た映画自体は面白いものが多く、特に『津軽百年食堂』は大森監督作だとは知らないまま観た映画で、面白いと思ったら大森監督だった、という映画です。同じ頃に出てきた自主映画出身の監督という共通点からよく比較された同世代の森田芳光監督とは、あまり交流はなかったそうですがライバルとして意識するところも多少あったそうです。2011年の『津軽百年食堂』以後は監督作がありませんが、まだまだ作り続けてほしいところ。

 一方、金子監督の映画はかなり観てまして、上記作品以外にも『1999年の夏休み』『就職戦線異状なし』『卒業旅行 ニホンから来ました』『毎日が夏休み』『恋に唄えば♪』『あずみ2 Death or Love』『青いソラ白い雲』『百年の時計』、テレビドラマ『結婚詐欺師』『ヒットメーカー 阿久悠物語』と観ています。最初にリアルタイムで観た映画は『毎日が夏休み』。大島弓子のマンガが原作で、登校拒否の女子中学生と出社拒否の義父が何でも屋を始めるという青春ライトコメディ。映画誌か何かで知って直感的に面白そうだなと思って観たらこれが大当たりで、好きな日本映画ベスト3に入る作品になりました。そのためその次の『ガメラ 大怪獣空中決戦』も面白そうな予感しかしなかったんですが、これまたその通りの大当たり。ただ近年の作品は個人的にはあまり興味を感じないものが多く、観た映画にもいまいちのものが多いのが残念です。ちなみに金子監督も森田監督と縁がありまして、森田監督の初期の作品で助監督をしてたのが若き日の金子監督。自主映画出身で撮影所のことをよく知らない森田監督を撮影所出身の金子監督がサポートしたそうです。

 ちなみに森田監督作品で観たのは『の・ようなもの』『家族ゲーム』『メインテーマ』『ときめきに死す』『それから』『未来の想い出』『(ハル)』『間宮兄弟』『わたし出すわ』『武士の家計簿』『僕達急行 A列車で行こう』。『(ハル)』は好きな日本映画ベスト3の1つで、当時普及し始めたパソコン通信から始まる恋愛を描いた恋愛映画。パソコンの文字がそのまま画面に映し出される実験的な手法が面白かったです。地元が舞台の1つになってるのもうれしかったですね。

>最近DVDで観た映画
 市川準監督の『東京兄妹』がようやくDVD化されました。というわけで早速観たんですが、今時ワイド画面じゃない上に1000円ぐらいで売ってる激安DVD並の画質の悪さ。まあ僕はそれほど画質にはこだわりませんが……。肝心の内容はというと、市川監督の映画としては個人的には今一つでした。
 市川監督の映画は『BU・SU』『会社物語』『ノーライフキング』『つぐみ』『東京兄妹』『トキワ荘の青春』『東京夜曲』『たどんとちくわ』『大阪物語』『東京マリーゴールド』『竜馬の妻とその夫と愛人』『トニー滝谷』『あおげば尊し』『あしたの私のつくり方』『buy a suit スーツを買う』、テレビドラマ『春、バーニーズで』を観てますが、『つぐみ』は以前に書いた通り好きな日本映画ベスト1の作品。伊豆を舞台に、ひねくれたわがままな少女つぐみのひと夏を描いた青春映画で、吉本ばななのベストセラー小説の映画化です(原作は未読)。他に『BU・SU』『トキワ荘の青春』『あしたの私のつくり方』なども好きな映画ですね。

>追悼ロビン・ウィリアムズ
 ロビン・ウィリアムズが亡くなりました。『ガープの世界』『グッドモーニング、ベトナム』『いまを生きる』『レナードの朝』『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』など、いくつもの映画で楽しませてくれましたが、まさかこんな最期になろうとは……。ご冥福をお祈りします。



#1469 
つね 2014/08/16 22:18
特撮談義

とはいえ、あまり詳しくはないのですが。

ウルトラマンや仮面ライダーは私も「80」や「スカイライダー」で、図鑑の類を持っていた憶えはあるのですが、テレビは全く見ていません。当時、チャンネル権を持ってなかったのが大きそう。しかし「サンバルカン」や「ギャバン」はなんとなく記憶にあります。曜日や時間帯が違ってたんですかね。

高校以上になると仮面ライダーはネタ扱いでした。世界征服のために、まず幼稚園バスを襲うという遠大な計画を実行するショッカーとか、改造人間を作ったのに洗脳を一番後回しにして逃げられて仮面ライダーにされてしまうショッカーとか、対抗するためにまた人間を誘拐して改造人間を作ったのに、やっぱり洗脳を後回しにして仮面ライダーに救出されて仮面ライダー2号にされてしまうショッカーとか。確認したわけではないので、正確な描写かどうかは不明です。
数年前、知人の息子が仮面ライダーにはまっていたのですが、電車で登場するらしく、「ライダー」と言っていいの?と思った記憶があります。満員電車に揺られながら吊革に掴まっている情景が思い浮かんだのですが、そこまでシュールではなかったようです。



#1468 
つね 2014/08/16 22:06
ゴジラネタバレ

とりあえずネタバレ解禁ということでゴジラ突っ込み。
・いつ交尾した?
・あれだけ大胆に脱走していて気づかないのはザルすぎ。
・沖合5分で爆発していいの?
見てないと何のことだか分からないでしょうが。

津波シーンは震災を思い起こすという人もいますが、車の上を走って逃げるというのは、どちらかというと「デイ・アフター・トゥモロー」の印象のほうが強いです。前作ゴジラの監督に対するオマージュなのでは。「ディープ・インパクト」も似たような印象があります。

ゴジラの登場は遅いので、最初は原発で捕獲されていたのがゴジラだと思ってました。虫の巨大なのが暴れ始めたときには「こんなのゴジラと違う」と思ったものです。確かに違うのですが。

新作が出ると、過去作も興味が出てくるもので、ガメラなんかも時間ができたら見ようかと思っています。しかし東宝で新作となると、比較対象が今作ゴジラになってしまうのが怖い。迫力で真っ向勝負ではなくストーリーとかアイディア勝負になるのかな。期待したいところですが。

wikiによると続編は2018年6月全米公開みたいです。



#1467 
徹夜城(支配人) 2014/08/15 23:39
そうそう、書き忘れ

>バラージさん
 僕もウルトラマン、仮面ライダー世代であるはずなのですが、あんまり見てなかったというのも事実。だからその映画作品ともなりますと大人になってから見たものばかりです。

 以前GYAOで配信していた初代「仮面ライダー」の映画版を見たことがありますが、特別出演で千葉真一が出てたことにビックリ。さらにはそこにかぶるナレーションで、「演じているのは、千葉治郎さん(仮面ライダーでレギュラー出演)のお兄さん、千葉真一さんである」と楽屋ネタ(?)をしゃべっていたことにいっそう驚きました(笑)。



#1466 
徹夜城(支配人) 2014/08/15 23:36
米国産ゴジラ

 昨日なんですが、やっと見てきました。これでようやくネット上各種の感想やコメントが読める(笑)。

 個人的には前半の展開はよかったんだけど、本音のところゴジラが出て来る後半からダレてしまった印象があり、ちと世九不満気味。そりゃ絵の作り方は素晴らしく、「巨大怪獣」の暴れっぷりをこれほど見事にリアルに描いた映画は確かにないでしょう。
 事前情報を可能な限りシャットアウトしてまして、それでもあれこれと情報が耳に入ってしまいましたが、これ、ゴジラ映画には違いないけど思いのほかゴジラメインでもないんだな、と見終えて思いましたね。カタキ役のムートーの出現から大暴れまでが克明に描かれるので、ゴジラが出て来る展開を予想していると肩透かしを食っちゃいます。それは作り手は狙ってるのかなぁ?

 もうネタばれ気味に書きますが、平成ガメラの一作目「ガメラ大怪獣空中決戦」に構造的に似てますよね。それと後で坂野義光氏がスタッフに加わっていたことを知って余計に納得しましたが、「ゴジラ対ヘドラ」にもよく似てる。意外や、これまで否定的にとらえられがちだった、ゴジラがヒーロー的に扱われていた時期のゴジラ映画に近いんですね。
 もちろん他のゴジラ映画のエッセンスもちりばめていて、「ゴジラ2000」にも似てるな、と感じてました。

 映画中、いちばん「うまい!」「思い切ったことするなー」と思ったのは、ハワイでゴジラとムートーがいよいよ決戦、ってなったところでいきなりサンフランシスコの家庭のTV画面に切り替わり、「ニュース映像」として小さく二大怪獣の大乱戦が映されるところ。他にもこういう「さりげなく映す」演出があちこちにみられ(冒頭の原発事故も含めて)、「実際に起こったこと」的なリアルさを醸し出してました。

 それにしても今度のゴジラって「ゴリラ」顔だよなー。
 と思っていたら、CGの元となる演技をしたのは「キングコング」もやったアンディ=サーキスだったんですな。いや、だからゴリラ顔になるわけじゃないはずですが(笑)。



#1465 
バラージ 2014/08/06 23:59
ウルトライダー

 ゴジラの話題で盛り上がってますが、僕はどっちかっていうとゴジラよりウルトラマンや仮面ライダーに親しんでた世代です。子供にとっては映画よりテレビのほうがずっと身近な存在ですからね。というわけでゴジラと並んで今まで続く日本が誇る特撮シリーズのウルトラマンと仮面ライダーについて。

 実はウルトラマンシリーズでリアルタイムだったのは『ザ・ウルトラマン』(シリーズ唯一のアニメ作品)と『ウルトラマン80』の2作だけです。『ウルトラマンタロウ』や『ウルトラマンレオ』も観た記憶がおぼろげにあるんですがほとんど覚えていませんし、『ウルトラマンティガ』以降の平成シリーズはもう大人になっていたんでさすがに観ていません。では、なぜ『ザ・〜』『80』の頃に僕がウルトラマンシリーズに夢中になっていたかというと、当時は第三次ウルトラマンブームというやつだったようで、ウルトラマンシリーズ関連のおもちゃや出版物がたくさん出ていたり、最初の『ウルトラマン』や『帰ってきたウルトラマン』が早朝に再放送されていたからです。最初の『ウルトラマン』は特に夢中になって観てましたし、ウルトラマン(怪獣)消しゴムやウルトラマン(怪獣)カードも集めてましたね〜。懐かしいなあ。映画もテレビ再編集作品の『実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン』と、いまや幻の封印作品となってしまった日タイ合作の『ウルトラ6兄弟vs怪獣軍団』を映画館で観てます。『ザ・〜』『80』もそのブームに乗って作られたようなんですが、『ザ・〜』はまあまあ面白かったんですが、『80』はいまいちでした。実際、視聴率は両作とも悪かったようです。

 一方の仮面ライダーシリーズは、ウルトラマンシリーズほど夢中にはなりませんでしたが、それでも結構観てました。物心ついた頃にやっていたのは『仮面ライダーX』でしたが、やはりおぼろげにしか覚えていません。僕の地方では『X』の次は『仮面ライダーアマゾン』を飛ばして『仮面ライダーストロンガー』が始まったんですが、これはほとんど観たと思います。この作品でシリーズはいったん終了しますが、やはり仮面ライダーにも第二次ブームが起こり、最初の『仮面ライダー』の再放送がされ、これもちょこちょこ観てましたね。この第一作を観て知ったんですが、最初の頃は怪奇ものの雰囲気が濃厚だったんですね。そういえばチラッと読んだ石ノ森章太郎の原作や、後に観た石ノ森自身が監督したオリジナルビデオ作品『真・仮面ライダー序章』もそんな感じの作品だったな。そんなブームを受けて始まった新しい『仮面ライダー』(スカイライダー)と『仮面ライダースーパー1』ですが、僕はなぜかどちらも観てませんでした。再び間を置いて始まった『仮面ライダーBLACK』以降はやっぱりもう大人になってたんで観てません。



#1464 
つね 2014/08/03 00:45
TOP10ゴジラ映画

「初の」ハリウッド版ゴジラなんていう人も多いですが、突っ込みどころはまた後日。感想サイトをのぞくと皆、同じような突っ込みを考えるみたいです。

今年は60周年ということで海外でも似たようなことやっていたみたいです。
https://www.youtube.com/watch?v=QgZGx1F9cA4
結果は伏せますが、海外での人気・評価がうかがえます。

ハリウッド版モスラやキングギドラは生物学的なリアリティが追求され、一種の「愛嬌」がなくなってしまいそうです。小美人はどうなるのかなあ。キングギドラのデザインは秀逸で、日本の怪獣キャラクターの一境地のように思います。怪獣映画に詳しいわけではありませんが。



#1463 
バラージ 2014/07/31 21:35
ゴジラとジブリ

 前にも書いたんですが、僕はゴジラ映画は3分の2ぐらい観てるんですがビデオ&DVDばっかりで、映画館で観たのは物心ついた頃にリバイバル上映で観た『キングコング対ゴジラ』と『怪獣大戦争』だけです。平成ゴジラとハリウッド前作とミレニアムゴジラが僕のリアルタイムなんですが、映画館に観に行きたいとまでは思わなかったんですよね。平成ガメラ三部作は全部映画館で観たんですが……。今回のハリウッド『ゴジラ』もいまいち食指が動かず、観るか観ないか迷ってます。
 そういえば雑誌『映画秘宝』の今月号でも雑誌ライター陣?によるゴジラ映画人気投票ベスト10をやってましたが、そちらでは元祖『ゴジラ』を抑えて『キングコング対ゴジラ』が1位に。3位に『ゴジラ対ヘドラ』、5位に『怪獣大戦争』と、僕のゴジラ映画ベスト4が上位を占めておりました(個人的1位は『怪獣大戦争』。以下順不同で他3作)。4位は『ゴジラ対メカゴジラ』。平成ゴジラからは唯一『ゴジラvsビオランテ』が7位に、ミレニアムゴジラからはこれまた唯一『ゴジラ・モスラ・キングギドラ』が9位にランクインでした。

 『ゴジラ』同様、観るか観ないか迷っているボーダーライン映画が『思い出のマーニー』。前作『借りぐらしのアリエッティ』原作の『床下の小人たち』ともども、臨床心理学者の河合隼雄の本(『子どもの本を読む』『ファンタジーを読む』)で紹介されてる児童文学なんですよね。絶対、その本がヒントになってるだろ!とか思っちゃうんですけど。原作は読んでないんですが河合本は読んだので、実はある程度ストーリーは知っちゃってるんですが、原作読む前に映画観ちゃうのもどうなんだろ?と思っちゃいまして。結局『アリエッティ』もまだ観てないしなぁ。



#1462 
徹夜城(支配人) 2014/07/27 22:32
ゴジラ、ゴジラ、ゴジラが現れた♪

>つねさん
 僕のネット上知人が次々と「ゴジラ」を鑑賞、そろいもそろって高評価なので(まぁ核関係の描写が適当、下手すると無神経ってな声もありましたが、もともとオリジナルもそのケはあったので)、早く見に行かねばと焦っております(汗)。しかしスケジュールがいっぱいいっぱいで…最短で8月7日になりそう。
 ハリウッド版は前作がボロクソでしたからね。その反動もある気がします。好評を受けてか、今日報じられたところでは早々と続編製作発表で、モスラやキングギドラの出演が確報として伝えられてました。
 ハリウッド版モスラやキングギドラ…ちょっと想像が難しい(笑)。

 しかし、この手のニュース、嬉しくはあるんですけど、完全にハリウッドで作るものになっちゃうんだな、という寂しさもあります。本家東宝はもう作る気はないんでしょうか。
 なお、こないだどこぞのイベントでやった人気投票では第一作をおさえて「VSビオランテ」が一位に選ばれるという意外な結果に。まぁオリジナリティは高いし、SFテイストも含めて意欲作だとは思うんですけどね、僕はあまり好みじゃなかったです。「VSキングギドラ」はやっぱり「出会いがしらのインパクト」という部分も大きいんだろうな、と思ってます。



#1461 
つね 2014/07/27 10:19
補足

自分の書き込みを見ると「VSキングギドラ」批判みたいですが、一種の食わず嫌いなので聞き流しでお願いします。失礼しました。



#1460 
つね 2014/07/27 00:43
ゴジラ

こちらでは初めまして。

実はゴジラを映画館で観るのは初めてで、レンタルでも第1作、1984年版、VSビオランテしか観たことがありません。基本的には対人間が好きで、超能力少女(ビオランテが初出だと思いますが)やら宇宙人やらタイムトラベルが入ると興味がそがれてしまうんですよね。

今回のはパニック映画として大満足。映画を観ていて死を覚悟するのはなかなかないことです(笑)。そういえば初めてのIMAX3Dでの鑑賞でした。でも意外と日本でのレビューは賛否両論という感じですね。思い入れが強い人が多いのでいろんな評価もあると思います。もう少しゴジラの出番を多くしてほしいとか、格闘場面がぶつ切りとかはありますけど、ゴジラが主役というより自然災害扱いに近いので人間視点からは全体像が見えない「クローバーフィールド」状態になるのかなと。

日本だけ公開日が7月25日というのは、映画会社が「ゴジラは子供向け」と宣言しているみたいでいただけないですね。実際にはあまり子供はいなかったような気がしますが。



#1459 
徹夜城(支配人) 2014/06/22 13:00
映画の感想は早く書かないとなぁ

>黒駒さん
 確かに「栄耀映画」の各映画感想ページ、全然更新できてませんで、当人も気にはしてます。やる気になると一気呵成にやるんですが、ついついサボり癖が出てしまい、ズルズルとためこんで…ってことを繰り返してまして。やっぱり映画は見たその日に感想書かないとだめかなぁ、とも思います。
 「軍師官兵衛」の公式サイトは覗いてないので、鶴太郎の役のイメージモデルが「山守親分」であることは黒駒さんの書き込みで初めて知りました。「しょうもない親分」のイメージ代表になってるのかもしれませんね。もっとも映画の山守は一見ダメ男で実はしたたかに…という人でもあるのですが。
 脚本を書いた笠原和夫は映画の山守について「あんな親分がいるわけがない」と批判的だったそうですが、そうしたイメージがウケてしまったのでプロデューサーの意向もあってそういう性格に描いた、とも言ってます。一方でモデルとなった当人を知る田岡一雄など「業界」の方々からは「実際にあんなもん」という声もあったらしく。


>バラージさん
 前にも書いたかな、映画館に足を運んで見た映画で、あまりにもひどくてかえって記憶に残った、ということでは僕も「落陽」を挙げてしまいます(笑)。日本映画史上に残る珍大作と言っていいでしょう。「シベ超」もそこからの派生ですし(笑)。
 単純に「つまんなかった」と思ったのは、ショーン・コネリー、ダスティン・ホフマン、マシュー=ブロデリックが泥棒一家を演じた「ファミリービジネス」が思い起されます。
 レンタルビデオやテレビで見た、っていうならいくらでもひどいのが挙げられますが、映画館で見るものは一応こちらも事前に品定めはしてるし、カネ払ってるせいもあってある程度「料金分はあるかな」と自分に言い聞かせてしまう、ってところもありますか。とりあえず上に挙げた2作以外では特にこれといって思い当たりません。



#1457 
バラージ 2014/06/21 00:09
つまらなすぎて記憶に残っちゃった映画

 普通、面白い映画は覚えていてもつまらない映画は忘れてしまうものですが、つまらなすぎて逆に記憶に残ってしまった映画というものが僕にはいくつかあります。そういう映画は学生時代に観たものに多いんですが、映画観賞を趣味にし始めた1本1本が一番印象に残る時期だったからなのか、金がない時代に選びに選んで観た映画だったからなのか、親元を離れて人生で一番自由を満喫していた時代だったからなのか、もしくはその全てなのかよくわかりませんが、とにかくその頃に観た映画は人生の中でも特に印象に残っていて、したがってつまらなかった映画も必然的に記憶に残っちゃってます。残んなくてもいいんだけど。
 一口につまらない映画と言っても、眠くなる作風の映画とか、前衛的でわけわかんない映画というのもありますが、ここで取り上げるのはそういう映画ではなく、ただ単純につまらなかった映画です。過去にここや史劇的伝言板で触れた『三国志 第一部 大いなる飛翔』や『落陽』もその1つ。『大いなる飛翔』は本当にあらゆる意味でがっかりする、退屈な駄作でした。『落陽』は駄作というよりも珍作。部分的には悪くないところもあったんですけどねえ。

 他に同じ頃に観て、つまらなすぎて記憶に残っちゃった映画に、『バンパイア・キッス』というハリウッド映画があります。一夜を共にした女性が吸血鬼だったために、自らも吸血鬼になってしまった男が主人公のシニカル・コメディみたいな映画だったと記憶してるんですが、これがもう本当にどうしようもなくつまらない。最後のほうで『ファイト・クラブ』みたいに全て主人公の幻覚だったかのような描写も出てくるんですが、それもどっち付かずの描写でどっちが本当かよくわからないもやもやした状態のまま終わってしまいます。
 主演は若き日のニコラス・ケイジですが、当時はコッポラの甥という七光りぐらいしか話題がなく、主演が彼だったということもすっかり忘れてました。女吸血鬼役のジェニファー・ビールス(『フラッシュダンス』)のほうが当時はずっと有名だったし、記憶にも残ってますね。

 もう1本、この頃に観て記憶に残っているつまらない映画が『稲村ジェーン』。歌手の桑田佳祐が監督のサーフィンをテーマにした青春映画なんですが、これまたうんざりするほどつまらなかった。そのつまらなさは公開当時から話題になっていましたが、デビューしたばかりのヒロインの清水美砂しか見所はない、と言い切っていいでしょう。

 ああ、こんなつまらない映画たちの記憶が半永久的に脳に残っていくのだろうか? 困っちゃうなあ。

・最近映画館で観て面白かった映画
『ニシノユキヒコの恋と冒険』
 竹野内豊がつかみどころのない飄々とした(しかし決して軽薄ではない)モテ男を好演していた恋愛映画。長回しが多くてちょっと眠くなるシーンもあったけど、全体的にはなかなか面白かったです。女優陣では個人的には特に本田翼と木村文乃が良かった。ニシノの生活にはちょっと憧れる部分もあったりして、なんか後からじわじわ来る映画です。

『家路』
 立ち入り禁止区域を含む福島を舞台に、東日本大震災後の「今」を描いた映画。きれいごとだけではない現実を描いた重い題材の映画ですが、暗い映画ではありません。監督はドキュメンタリー畑の人で劇映画は初めてとのこと。確かにどこか淡々とした雰囲気でちょっとドキュメンタリーっぽかったです。演技派をずらりとそろえた役者陣の熱演もあって、胸にずしりとくる映画でした。

『女子ーズ』
 テレビドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズなどの福田雄一監督による戦隊ものパロディのナンセンス・コメディ映画。とにかくくだらなくて面白い。日本映画でここまでくだらないことを全力でやって、しかも面白いコメディ映画って珍しいかも。可愛い女の子が5人も集まってると、目に楽しくていいですね。彼女たちが全力でくだらないことやってるのもいい。

『ポリス・ストーリー レジェンド』
 ジャッキー・チェンの最新主演映画。面白かったです。原題は『警察故事2013』ですが、内容は以前の『ポリス・ストーリー(警察故事)』シリーズとは全く関係なし。『ライジング・ドラゴン』完成後の命懸けアクション終了宣言通りアクションは控え目で、敵役が中国の若手演技派俳優リウ・イエだけにアクション映画というよりクライム・サスペンス映画といった感じ。終盤は黒澤明の『羅生門』のような展開になっていきます。一昔前ならロバート・デニーロやアル・パチーノがやってたような映画。ジャッキーは2000年頃から非アクション映画への挑戦を模索してきましたが、今後はこういう映画が増えていくのかもしれません。



#1456 
黒駒 2014/06/17 20:53
仁義オマージュ

大河公式サイトにも載ってる情報でご存知だとも思いますが、個人的には中盤から持ち直してるように見える大河「軍師官兵衛」。

片岡鶴太郎演じる主君・小寺政職は鼻の頭赤くして、小心者で狡猾な人物として描かれてますが、うーん私も、北条高時と比較してこういう描き方はどうなのかなと思っていたら、これは「仁義なき戦い」の金子信雄演じる山守組長のオマージュという話がありますね。大河公式サイトに載ってるくらいだから、本当なのでしょう。私もこちらの映画日記に影響されて「仁義」を見ていたので、なるほどなぁと思ってしまいました。

最近は「名画座」のほうのリニューアルでお忙しいようですが、映画日記の更新のほうも期待しております。



#1455 
バラージ 2014/05/16 22:31
何をしても癒えない渇き

>最近DVDで観た面白かった映画

『インフォーマーズ セックスと偽りの日々』
 ブレット・イーストン・エリスの小説『インフォーマーズ』の映画化。日本未公開の映画で数年前にDVD化の話があったんですが、直前でなぜか発売中止になり、こないだWOWOWで放送されました。7月か8月に今度こそDVD化されるようです。サブタイトルはダサいし、作品の本質も表していません。
 エリス自身が脚本に関わってるからか、彼の小説に特徴的な独特の“不穏さ”が全編に漂っている作品で、バブル景気真っ只中の80年代を舞台に、登場人物全員が自分でも上手く把握できない孤独と焦燥と虚無感、何をしても満たされない飢えと渇きを抱え、緩やかな破滅への道をゆっくりと進んでいく。最期に残るのは仄かな哀しみ。エリスの小説の映画化では1番成功している作品だと思います。すごく良かった。
 エリスの小説は他に『レス・ザン・ゼロ』『ルールズ・オブ・アトラクション』『アメリカン・サイコ』が映画化されてるんですが、『レス・ザン・ゼロ』と『アメリカン・サイコ』は完全な失敗作。『ルールズ・オブ・アトラクション』でようやく成功し、この『インフォーマーズ』が最高傑作です。

『江ノ島プリズム』
 てっきり普通の青春映画だと思って見始めたら、タイムトラベルをネタにした青春ジュブナイル映画でした。ありがちなネタではありますが、なかなか面白かった。切ないラストもよかったです。


>最近映画館で観た面白かった映画

『危険な関係』
 何度も映画化されてる18世紀フランスの有名な小説の中国映画バージョン。何しろ原作は18世紀の小説なんで今となっては目新しいお話ではないんですが、韓国のホ・ジノ監督が非常に丁寧かつお金をかけたスケールの大きい大作に仕上げていて、なかなか見ごたえがありました。チャン・ツィイーとチャン・ドンゴンは予想通りの素晴らしさでしたが、プライベートのスキャンダルで一時は再起不能かと思われたセシリア・チャンの大復活はめでたい。

>「参った!」映画
 僕はそういうのはありませんねぇ。面白かったけど、長いんで何度も見直さない映画ならありますが(『さらば、わが愛』とか『JFK』とか『マルコムX』とか)。
 『道』『生きる』『用心棒』は観ました。どれも面白かったです。僕は『用心棒』より『椿三十郎』を先に観たんですが、そちらは個人的にはいまいち。『荒野の用心棒』も観て面白かったんですが、『用心棒』とどっちを先に観たかはいまいち覚えてません。
 1番最初の『スター・ウォーズ』は、「4」と言われてもいまいちピンときません。「新たなる希望」っていうサブタイトルもピンとこないなあ。



#1454 
徹夜城(支配人) 2014/05/12 13:34
テルマエ・ロマエ2

 映画館に行って映画見たのは「ブッダ2」以来かな。あれは渋谷の映画館だったけど、今回はいつも使ってる近所(といっても車で30分弱)のシネコン。ここで前に見たのは「ホビット」の2作目。あら、「2」ばっかりですな。

 そのうちちゃんと感想記事を書こうと思いますが、とりあえず第一報告。
 事前の予想以上に「前作のまんま」です。「2」映画の常で当然グレードアップはしてますが、それを意識しすぎるとたいてい失敗するという例を作り手もわきまえていたようで、嫌みにならない程度のグレードアップで、前作の展開を引き継ぎつつもまたリセットされたような空気にもなってます。
 この間に僕も原作漫画を読みましたが、この「2」は当然ながらほぼオリジナル作品となってます。それでいて前作では単なるヤなやつだったケイオニウスが原作を生かして「いいひと」要素も出されてますし、原作にあったギャグもいくつかとりこまれてます。前作で受けたからでしょう、タイムスリップ時に大声で歌うテノール歌手(?)が今回も健在、ここはグレードアップしてミニドラマを展開してます(笑)。
 「与作」の使い方にもウケましたが、ついさっきyoutubeで「与作」の動画を見たら、コメント欄に「テルマエで見た」という書き込みが日本語と中国語(恐らく台湾)で書き込まれてました。うーん、日本でも若い世代はもう分かんなくなってるかな。劇中の松島トモ子の動物ネタなんて分かんない人かなり多いんじゃなかろうか。

 あわよくば「3」も狙ってるような後味でもありましたね。



#1453 
徹夜城(支配人) 2014/05/05 21:20
「参った!」映画

映画の「ベスト」ばなしにこちらでも便乗。歴史映画以外ということで。
僕は「ベスト」ではなく、あえて「参った!」映画というヘンな基準で挙げてみます。えー、どういうことかといいますと、「好き」で何度も見る映画というのもあるんですが、初回の鑑賞で「参りました!」と頭が下がってしまい、かえってしばらく見なくなる、という映画があるんです。そういうのを列挙してみます。

☆SF映画
「ブレードランナー」
初回の衝撃度、ということではSFジャンルではずば抜けてました。「スターウォーズ4」とはまた違った衝撃度ということで。あ、「2001年」がちょっといい勝負かな。

☆ヒューマン系映画
「道」
これも初回で見て愕然としてしまい、以後、いまだに全編を通して見たことがありません。刻みつけられてしまった、というんでしょうか。次点で「生きる」。

☆ミステリ・サスペンス系映画
「砂の器」
「新幹線大爆破」「皇帝のいない八月」も大好きなんですが、あれは何度も見かえすのに対し、「砂の器」は一回見ただけで心底満足しちゃった。次点は「太陽がいっぱい」かな。

☆アクション映画
「プロジェクトA」
あ、これは例外的に何度も見てます(笑)。だけどこれのTV放送版(結構カットされたバージョン)を最初に見た時の衝撃度はかなりのもんでしたよ。人間の体って、こんなに動くのか!と「アクション」というものの至高の形を見ちゃった気がします。

☆時代劇映画(チャンバラアクション系、という意味で)
「用心棒」
これも何度も見てるクチなんですが、最初にビデオで見た時は素直に凄い、と思いました。個人的には盛りだくさんすぎる「七人の侍」や「隠し砦の三悪人」よりこっちを推します。

…う〜〜んと、挙げだすとまだまだありそうですが、ひとまずこんなところで。



#1452 
バラージ 2014/05/04 00:15
映画ベスト5 残る1つは……

 史劇的伝言板で、個人的歴史映像作品ベスト3〜ベスト5は?という話題が出てますが、ジャンル別のベストはあまり考えたことがなくても、個人的映画ベスト3(or5)というのは映画好きなら誰でも1度は考えたことがあるはず。僕の場合はもともと『プロジェクトA』『恋しくて』『再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ』がベスト3(順不同)で次点が『欲望の翼』だったんですが、だんだん『欲望の翼』がベスト3に並ぶくらいのお気に入りになってきて、「でもベスト4じゃ収まりが悪いな〜。そういや日本映画が1本も入ってないなあ」ということで、個人的日本映画ベスト1の『つぐみ』を加えた5本が現在のマイ・フェイバリット映画ベスト5(順不同)となります。ちなみに歴史関連映画ベスト1の『さらば、わが愛 覇王別姫』も全映画ではベスト5に入りません。ベスト10には入るけど。
 ベスト5のうち『プロジェクトA』(#1255、#1382)『再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ』(#1449)『欲望の翼』(#1439)『つぐみ』(#1434)についてはもう書いたんで、今回は残る1本の『恋しくて』について。

 『恋しくて』を初めて観たのは高校生のときのこと。レンタルビデオででした。当時、僕はレンタルビデオ店に行くようになり始めた頃で、なぜ『恋しくて』を借りたのか今となっては覚えてないんですが、多分パッケージを観て主演女優のメアリー・スチュアート・マスターソンが好みのタイプだったからなんではないかと思います(ちなみにビデオパッケージ写真は現在のDVDパッケージ写真とは別)。その後、なぜか映画館でリバイバル上映がかかり(併映はこれまたリバイバル上映の『トップガン』)、それももちろん観に行きました。低価格再発売ビデオを買い、DVDも買い、今に至るまで何度も何度も観ております。
 内向的な画家志望のキース(エリック・ストルツ)と、彼に秘かな想いを寄せる幼なじみの男っぽい少女ワッツ(メアリー・スチュアート・マスターソン)、キースが憧れる高校のマドンナのアマンダ(リー・トンプソン)という3人の高校生が織り成す青春恋愛映画の傑作。主演のストルツとマスターソンがとにかく素晴らしい! 米国映画のすごいところはこういう娯楽映画に超メジャーな人気俳優ではなく、ストルツやマスターソンのような若き演技派性格俳優を持ってくるところ。近年では『スパイダーマン』のトビー・マグワイヤとキルスティン・ダンストなんかも感心しましたね〜。そして何度も観てると気づくんですが、脚本が本当によく練り込まれています。伏線とかがよく効いてるんだよなあ。特にラストのストルツの台詞は個人的映画名台詞ベスト1! エンディングに流れる「Can't Help Falling in Love(邦題「好きにならずにいられない」。プレスリーの有名な曲のカバー・バージョン。個人的には「恋に落ちずにいられない」と直訳したほうがぴったり来るけど)」がまたいいんだ。
 製作はジョン・ヒューズ、監督はハワード・ドイッチで、『プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角』に続くコンビ作。ヒューズはそれ以前に『すてきな片想い』『ブレクファスト・クラブ』を監督していて、このころ青春映画を連打してました。ヒューズ監督作2本は個人的にはあまり好みじゃないんですけどね。
 ストルツとマスターソンはその後もしばらく演技派俳優として活躍していましたが、最近はあんまり見かけません。ハリウッドで長く活躍していくということは本当に難しいことなんだなぁ。

>最近観て面白かった映画
『シュガーマン 奇跡に愛された男』
 去年、映画館で観ようとして見逃したドキュメンタリー映画。70年代米国で全く売れず無名に終わった歌手ロドリゲス。だが彼の歌はアパルトヘイト下の南アフリカでは、なぜか反アパルトヘイトのシンボルとして大ヒットしていた。南アフリカのジャーナリストが消えたロドリゲスのその後を追い、ついに彼を探し出す。嘘みたいな本当の話。いやぁ、面白かったです。これは映画館で観るべきでした。



#1451 
黒駒 2014/04/23 20:28
テルマエ・ロマエ

映画「テルマエ・ロマエ」の二作目が公開ですね。映画徒然草の「コメディ」のなかに入ってるのに、失礼ながら気づきませんでした。拝読させていただきました。

私は原作を最初の二冊だけ読んでいるのですが、確かにコメディの要素は入っているものの、割りとまともな漫画というか、「建築」という分野を上手く漫画化したなと、そっちで感心してました。

私は漫画原作の実写映像化作品って「かなーーり」否定的な印象をもっているので、テルマエ・ロマエの映画版をまず見ることはなかろうと思うのですが、そうか、コメディになってしまったかと思いました。



#1450 
バラージ 2014/04/06 14:14
追悼・蟹江敬三

 蟹江敬三さんが亡くなられました。好きな役者の1人だったんですよね。子供の時にテレビドラマ『熱中時代』での交番勤務のお巡りさん役を観て、子供心になんか心に残ったんです(ちなみにもう1人当時から好きな役者は長塚京三。我ながらシブイ子供だ・笑)。どちらかというとテレビドラマの人で映画ではあまり印象がありませんが、『蒲田行進曲』の映画監督役が記憶に残ってます。歴史ものだと大河ドラマ『葵 徳川三代』の福島正則役が印象的でしたかね。ただ、どちらかというとやはり現代劇の印象のほうが強いです。最近だとなんといっても『あまちゃん』の祖父役ですよね。いい役者さんでした。ご冥福をお祈りします。

 そのちょっと前にはTHE BOOMが今年いっぱいで解散というニュースがありました。大学生の時に虜になったバンドです。時は流れていきますね。『星のラブレター』は名曲でした。



#1449 
バラージ 2014/03/28 22:34
ヘビーローテーション

 最近、市川準監督の1987年のデビュー映画『BU・SU』を数年ぶりに観たんですが、自分でも予想しなかったほどに強く心を惹き付けられ、中古DVDを買って何度も何度も繰り返し観るほどにハマってしまいました。もちろん最初に観た数年前にも面白いとは思ったんですが、そこまで極端にハマるほどではなかったんです。市川準の映画にそういう力があるということかもしれませんが、多分映画の中の80年代の風景や空気が、今の僕の中にある何かを強く捕らえたんでしょう。
 こういうことはごくたまにあります。大学時代から卒業後にかけてしばらくハマった映画が『再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ』でした。

 『再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ』は大学生の時にレンタルビデオで観た映画で、ジェイ・マキナニーのベストセラー小説『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』を映画化した1988年の作品なんですが、最初にビデオを借りた時はもちろんそんなことは知りませんでした。なぜそれを借りようとしたのか、今となってはもうよく覚えていないのですが、多分ビデオパッケージのデザインがかっこよかったのと、主演がマイケル・J・フォックスだったからなんじゃないかと思います。そんな何の気なしに借りた映画に僕はハマりにハマって、金のない学生の身でありながら何度もビデオを借りた挙げ句、低価格再発売ビデオも買って、何十回も観ることになってしまいました(少なくとも週一ペースで観てたと思う)。何がそんなに僕の心を捕らえたのか、言葉では上手く説明できないんですが、80年代バブル景気アメリカの影で、心に満たされない空虚さを抱えた主人公に、激しく共感したのかもしれません。いや、共感というより共振とか同化とでも言ったほうが近いかな?
 原作小説も買って、むさぼるように読みました。『ランサム』『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』『空から光が降りてくる』『モデル・ビヘイヴィア』とマキナニーの小説で邦訳が出てるものはその後も全部読みましたね。マキナニーは当時ニュー・ロスト・ジェネレーションと呼ばれていた1人で、ブレット・イーストン・エリス(『レス・ザン・ゼロ』『ルールズ・オブ・アトラクション』『アメリカン・サイコ』『インフォーマーズ』)と並ぶ、米国の80年代を代表する小説家でした。マキナニーとエリスは優れた小説家だと今でも思います。
 しかし、この『再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ』、最近は全然観れていません。なぜなら日本ではなぜか未だにDVD化されていないから。超人気作というわけではありませんが、好きという人もわりと多い映画なのになぜ……。米国ではもちろんDVD化されています。日本でも一刻も早くDVD化してくれないもんだろうか。

>訃報
 宇津井健さんというとテレビドラマの印象が強くて、映画はあんまり記憶にないんですよね。調べてみたら、最近の出演映画で観たのは『死に花』『HOME 愛しの座敷わらし』『相棒』劇場版2作といったところでした。テレビドラマだと最近ではやっぱり『渡鬼』ですかねぇ。僕は興味ないんですが、母親が観てるのでどうしても目に入っちゃいます。『赤い〜』シリーズはリアルタイムじゃないんで観てないんですが、宇津井健出演の大映ドラマなら『少女に何が起こったか』は観てました。しかしあの頃のキョンキョンは本当に大根だったなあ。
 訃報といえば安西水丸さんも亡くなられました。映画とはあんまり関係ありませんが(『キネマ旬報』で連載持ってたという程度)、こちらのほうが個人的には大きな衝撃。村上春樹との『村上朝日堂』シリーズももう読めないんだなあ。
 ご冥福をお祈りします。



#1448 
徹夜城(支配人) 2014/03/19 23:36
宇津井健さんといえば

もう数日遅れの話題ですが、宇津井健さんが亡くなりました。
映画で思い出すのは、やはり「新幹線大爆破」の新幹線指令室の室長役。実質もう一人の主役といっていい役で、その真面目一徹の指揮官ぶりが見事なハマり具合でした。
他は映画ではあまり見てないんですよね〜新東宝の戦争映画で若い頃を見たことがあったかな。あと「七人の侍」の侍集め場面で俳優座養成所からエキストラとして派遣され仲代達矢ともどもチラッと映っていたはず。

すでに20年くらい前に聞いた話ですが、山口百恵と共演した「赤い疑惑」は中国でも放映されて大評判になっており、ある時期まで中国で知名度の高い日本人で宇津井健が男性二位になってました(一位は「君よ憤怒の河を渉れ」で絶大な人気を得た高倉健)。



#1447 
バラージ 2014/03/15 19:28
そして、路上の旅へ

>最近DVDで観た面白かった映画

『オン・ザ・ロード』
 50年代のビート・ジェネレーションを代表するジャック・ケルアックの同名の青春小説(旧題『路上』)の映画化。原作は数年前に読みました。去年公開された映画なんですが、地元には来なかったのでDVD化を待ちに待ってようやく観た映画です。いやぁ、面白かった! 去年観ていたら『グランドマスター』と1位を争う出来でした。米国やメキシコで放浪の旅をする若者(主人公のモデルはケルアック自身で、他の登場人物もそれぞれニール・キャサディ、ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグなど実在のケルアックの友人たちがモデル)を描いたロード・ムービーなんですが、映画の中に漂う空気がなんとも言えずいいんですよねぇ。なんか予告しか観てない『モーターサイクル・ダイアリーズ』に似てるなと思ったら、同じ監督でした。『モーターサイクル〜』も観なきゃなあ。

『スープ 生まれ変わりの物語』
 「生まれ変わり」を題材にした日本映画。好きな女優が脇役で出てるから観たんですが、これが思わぬ拾い物。すごくいい映画でした。お話の展開が秀逸だし、役者陣がみんな素晴らしい。演技派俳優がわずかな出番にも関わらず、ベテランも若手も惜しげもなく使われていて(主演の生瀬勝久と小西真奈美ですら1時間半ぐらいのところで生まれ変わるために映画から退場してしまう)、それでいてきちんとお話に必要な役柄になっている。いやぁ、これまた大当たりの映画でした。



#1446 
バラージ 2014/01/26 23:07
モラトリアムな少女たち

>最近観た面白かった映画
 『もらとりあむタマ子』という映画を観ました。淡々とした日常を描いた映画で、市川準監督の映画にもちょっと似てるんだけど、もうちょっとのほほんとした感じ。
 モラトリアム不機嫌少女を演じる主演の前田敦子が素晴らしい。『あしたの私のつくり方』で準主演に起用した市川準の目に狂いはありませんでしたね。市川の処女作『BU・SU』のモラトリアム不機嫌少女役で主演した富田靖子が脇役で出てる偶然にも何か浅からぬ縁を感じます。こうして時代は巡っていくんでしょう。いい映画でした。

 あと、DVDで観た『渋谷区円山町』もよかった。7年前の映画で、レンタル店で見かけるたびに、いつか観ようと思いつつ今となってしまったわけなんですが、この作品も思春期の少女が主人公の青春映画。これと同じ頃の『あしたの私のつくり方』『恋する日曜日 私、恋した。』もやはり思春期の少女が主人公の映画で、上記の『もらとりあむタマ子』も含めて、僕はやはりそういう映画が好きなようです。

>ウォン・カーウァイ続き
 前回のを読み返したらほとんど『欲望の翼』のことばっかり書いてましたね。マイ・ベスト5に入る映画なだけに力を入れすぎてしまいました。
 ウォン・カーウァイの映画で最初に観たのは『恋する惑星』。東京でロングランとなっているという噂は聞いていて映画館で観たんですが、確かに面白いことは面白いものの、個人的にはそこまで飛び抜けて面白いとまでは思いませんでした。ウォン・カーウァイのファンになったのはやはり『欲望の翼』からです。監督2作目の『欲望の翼』でウォン・カーウァイのスタイルが確立したんですよね。
 その『欲望の翼』とすでに触れた『楽園の瑕』『グランド・マスター』以外で面白かったのは『花様年華』。『欲望の翼』と同じく1960年代の香港を舞台とした映画で、それまで専ら群像劇を描いてきたウォン・カーウァイが珍しく男女1対1の恋愛を描いた映画でした。
 ミケランジェロ・アントニオーニ、スティーブン・ソダーバーグとのオムニバス『愛の神、エロス』、ハリウッド進出作『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を監督したことで、「いつ完成するかわからない」というカーウァイの監督スタイルにも変化が見られるのかと思いきや、香港に戻ってしまえば10年ぶりに『楽園の瑕』の「終極版」を編集したり、『グランド・マスター』の制作に5年もかけたりと相変わらず(笑)。次作も気を長くして待ちたいと思います。

>映画の中の村上春樹
 つい先日、『パリ、ジュテーム』というパリを舞台にしたフランスのオムニバス映画(4年くらい前に観た『ニューヨーク、アイラブユー』の姉妹編。正確には『パリ〜』のほうが先なんで『ニューヨーク〜』が『パリ〜』の姉妹編ですが)をDVDで観ていたら、何気ないところで、病気の妻に「彼女が好きな村上春樹の『スプートニクの恋人』を読んでやった」という台詞が出てきました。まさかフランス映画で村上春樹の名前に出会うとは思わぬ不意討ち。さすが世界のムラカミハルキ。
 そういえば以前観た韓国映画『イルマーレ』でも、『喪失の時代』という題の本の表紙が前後のシーンと全く関係なく無意味にアップに映されるシーンがあったんですが、この『喪失の時代』というのが『ノルウェイの森』の韓国語版タイトルなんですよね。韓国ではそれ以前から村上春樹ブームが起こっていたらしく、同時期の『プライベート・レッスン 青い体験』(原題:青春)という映画なんか一言で言うと『ノルウェイの森』と『風の歌を聴け』をごちゃ混ぜにしたようなストーリー。ラストも『ノルウェイの森』そのまんまで、著作権的に大丈夫なんだろうか? でも困ったことにこの映画、結構面白いんだよな(笑)。



#1445 
黒駒 2014/01/26 17:39
回答ありがとうございます

>管理人様
わたしも、同様なことを考えていました。確かに伝統芸能の「型」的な、技巧的な演技が上手いと思うこともあれば、逆に自然体に近いおおらかな演技が上手いと思ってしまうこともありますね。なんだか、「名優と大根は紙一重」っていう言葉が浮かびますが。

それと、下手さがかえって味になっているっていう、絵で言えばヘタウマ的な効果も確かにあります。演技のみならずシナリオでも、起承転結が不整合だったり矛盾があったり、詰め込みすぎだったり、玉に瑕というか欠陥のある作品がかえって見る側の引っかかりとなって、逆に心に残ってしまう作品になっていたりすることもあります。演技も同様のことが言えるのでしょうね。



#1444 
徹夜城(支配人) 2014/01/25 23:29
映画における演技論

>黒駒さん
う〜〜〜〜ん、面白いんだけど、とっても難しい議論を投げ込まれましたねぇ。
絵のうまさもそうなんですが、「演技力」というのも何をもって「うまい」と判断するか、実のところ微妙な話でもあるんです。
一応まとめるなら、見ている観客が「下手」と感じなければひとまず「上手い」のではないかと。そこから先は個人ごとの好みも出るでしょうね。やたら暑苦しく激しい演技するのが上手いと思う人もいるでしょうし、まったく自然な、演技と思わせないほどの演技を上手いと思う人もいるでしょう。
俳優にもいろいろタイプがあって、その役に完全になり切っちゃう人と、あくまで演じてるということを意識させる人と、いろいろいるように思います。笠智衆なんて見る人によっては「下手」と思われそうなんだけど、それがなんともいい味になっちゃう、というケースもありますし。

あと俳優も舞台出身の人と映像畑専業の人とでかなり違いはあるようです。先ごろ亡くなった三國連太郎の晩年のインタビュー本を読みましたら、「復讐するは我にあり」で共演した緒形拳について、「舞台向きの演技で、映像的には必ずしもベストではない」ととれる趣旨の発言が見られます。いわく「キレが良すぎる」というんですね。
その三國さんは徹底して映像俳優でしたが、凝り性でテストでもそのたんびに演技が異なり、おまけに本番でまた違くなるという、監督によっては困っちゃう役者さんだったようですが。本人によるとだから山田洋次には一度だけ、黒澤明には一度も使われなかった、と。特に「俳優は絵の具」と言っちゃった黒澤なんかは合わなかったろうなぁ。



#1443 
黒駒 2014/01/24 15:36
演技の上手さとは何か?

よく知人と、映画やテレビドラマなど演劇全般について話していて思うのですが、演技の上手さっていったい何なのでしょうか?我々の語る演技の良し悪しはたいてい主観的な印象論で、私もその視点でしか演技を語れません。確かに世の中には上手い演技と見るに耐えないような下手な演技もあるのは確かなのですが、主観的な印象論以外で、それを説明できないのですよね。

絵の上手さとかプロスポーツの技能のようなもので、技術的なことは実際に演劇をやった経験のある人でないとわからないのかもしれませんけど、演技の上手さっていったい何なのでしょうか?漠然とした質問で申し訳ありません。



#1442 
バラージ 2014/01/05 21:15
こちらでも

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 去年1番面白かった映画は『グランド・マスター』。次いで『ドラゴン・ゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』『つやのよる』といったあたりですかね。



#1441 
徹夜城(支配人) 2014/01/02 20:04
あけましておめでとうございます

月並みですが、今年もよろしく。「歴史映像名画座」以外の映画のコーナーの更新がまた止まっちゃっておりますが、今年はレビューのほか、「パロれるワールド」の復活も準備しておりますので、なんとかしたいもんです。

>バラ―ジさん
ちょっと日にちが経ってしまいましたが、ピーター=オトゥールの訃報は歴史映画オタクとしては感慨深いものがありました。「アラビアのロレンス」が代表作として連呼されるのは予想どおりでしたが、他にも「冬のライオン」「ベケット」「天地創造」「ラストエンペラー」「トロイ」など歴史大作によく顔を出していた方でした。変わり種で「カリギュラ」なんてのもありますが…(^^;)。イタリアのTVムービーでアウグストゥスの老後を演じたりもしておりました。

 こちらが最近見た映画で感心したのは「ゼロ・グラビティ」ですね。宇宙空間で事故にあって次々と危険に遭遇してゆくほぼリアルタイムの映画。ここまで来るとホントに宇宙でロケしたみたいで、3D映画ならではの作品が初めて見られた、という気がします。
 無重力状態の撮影はよくある飛行機の自由落下状態で撮ったのかな、と思ったのですが、意外にワイヤーによる古典的な「釣り」なんだそうですね。もちろん相当に複雑な技術を使ってるようですが。
 なお原題は「グラビティ(重力)」で、「ゼロ」を勝手につけたのは日本側。ま、分かりやすいと言えばそうですが、一部で「永遠の0」と「ゼロ対決」と勝手に見出しがつけられてました(笑)。

>黒駒さん
ツタヤのカードは2年も更新してない…(汗)。BS民放で中国や韓国の時代劇撮りまくったり、ネット上でいろいろ見つけてみたりしてるとレンタルして来る余裕もなくなるんですよね。実際レンタルビデオも厳しい状況になってきてるようですねぇ。



#1440 
黒駒 2014/01/01 21:21
あけましておめでとうございます

昨年はこちらも覗かせていただきました。個人的にはふと思い立って、とっくに期限が切れていたツタヤのカードを更新したこともあって(笑)、けっこう映画を見た一年でした。あまり最新作には興味なく、旧作でタイトル知ってたけど見たことがない作品を中心にした鑑賞だったのですが。

今年は劇場にも足を運び、同時代の作品も押さえておこうかと思っています。



#1439 
バラージ 2013/12/29 00:54
ウォン・カーウァイ

 暮れも押し迫ってまいりましたが、そんなこととは全く関係なしに(笑)今回も市川準に続く好きな監督シリーズです。今回はウォン・カーウァイ。
 ウォン・カーウァイの名前を初めて知ったのは監督第2作『欲望の翼』。邦題とポスターデザインのかっこよさにしびれて、直感的に「ぜひ観たい」と思ったんですが、僕の住んでた地方では劇場公開されなかった上にビデオもレンタル店に置かれず……。その後、『恋する惑星』などの大ヒットに伴い、ビデオが低価格再発売されてレンタル店にも置かれたため、ようやくにして観ることができました。観た結果は……素晴らしかった! マイ・ベスト5に入る映画ですね。
 この映画は出演俳優が、レスリー・チャン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ、ジャッキー・チュン、アンディ・ラウと、オールスター・キャストなのですが、当時の香港映画界は娯楽映画一辺倒で彼らの演じる役柄は良くも悪くも非常に類型的なものばかりでした。そんな中でウォン・カーウァイは脚本家出身でありながら脚本を無視して即興的な演出と編集で彼らの個性に合わせた役柄を創造していったのがとても斬新でした。実際、僕はこの映画を観た時に、「彼らは初めて彼ら自身にふさわしい役を演じた。一代の当たり役を得た」と感じたものです。
 ただ、そういうある意味行き当たりばったりな作り方は制作を滞らせることもしばしばで、『楽園の瑕』や『2046』などのように完成まで3年も5年もかかってしまうことも多く、俳優側も大いに疲れるもののようです。
 もう1つ、ウォン・カーウァイ映画の特徴として、劇中の恋愛のほとんどが成就しない、というものがあります。ウォン・カーウァイ映画に出てくる恋愛はほとんどが片想いで、まれに両想いの場合もありますが、両想いの場合ですらその恋愛は成就しません。もっともそれはウォン・カーウァイ映画に限ったことではなく、日本や韓国を含めた東アジア全体に当てはまることかもしれませんが。


>追悼ピーター・オトゥール

 ピーター・オトゥールが亡くなりましたね。ご冥福をお祈りします。出演映画は『アラビアのロレンス』と『ラスト・エンペラー』しか観てませんが、『アラビアのロレンス』1作で歴史に名を残したと言っていいんではないでしょうか。『アラビアのロレンス』はアラブ側から見るといろいろおかしなところがあるようですが、映画としてはやはり非常に鮮烈な印象でした。


>最近面白かった映画

 最近面白かった映画は『SPEC結 前後編』。テレビドラマの映画化が最近多いんですが大半のものがいまいちで、テレビドラマは傑作だった『SPEC』も最初の映画化『SPEC天』と『SPEC結』の前編はやはりいまいちでした。しかし後編で全てひっくり返りました。面白かったです。


>『陸軍中野予備校』

 『パトレイバー』と同じ作者のマンガでしたっけ? 僕は読んでないんですが(『パトレイバー』もちょこっとしか読んでない)。



#1438 
徹夜城(支配人) 2013/11/30 22:59
陸軍中野予備校なんてのもありました(笑)

僕なんかは、「予備校」で元ネタの「学校」の存在を知ったわけですが(笑)。知る人ぞ知るというマニアックな作品なんで、そういうパターンだった人は多いんじゃないかなぁ。

市川雷蔵主演映画というと、「新・平家物語」と「若き日の信長」「忍びの者」2作、そして「陸軍中野学校」2作くらいしか見てない気がします。代表作である「眠狂四郎」はまだ一本も見たことがありません。NHK-BSの昼のやつもついつい見逃しましたし。
「陸軍中野学校」は一作目については傑作だと思いました。そのあとはフツーのスパイアクション映画になってっちゃいまして。

「ゴッドファーザー」を入れるなら…と実在人物の伝記映画や実際に起きた事件をベースにした映画まで網羅し出すともうムチャクチャなことになっちゃいますねぇ(汗)。
「バグジー」は見たんだけど、なんでこれが作品賞ノミネート?と思っちゃいました。「ゴッドファーザー」の1作目で床屋でマッサージ中に殺される人ってバグジーをモデルとしてるそうですけどね。
ギャングということでは「ビリー・ザ・キッド21歳の生涯」なんてのも見たなぁ。ああなると「明日に向かって撃て!」同様の「実在モデルあり西部劇」ってことになるんでしょうが。



#1437 
バラージ 2013/11/28 21:32
前回と市川つながり

 最近、NHK-BSで市川雷蔵の主演映画『眠狂四郎』シリーズを週1ペースで放送してました(全部やるのかと思ったら4本で終わっちゃったんですが)。雷蔵というとシリーズものが多く、『眠狂四郎』シリーズの他にも、『忍びの者』シリーズ、『陸軍中野学校』シリーズ、『若親分』シリーズ、『ある殺し屋』シリーズなどがあります。
 これらのうち『忍びの者』シリーズについては以前書きましたが、『眠狂四郎』シリーズはこれまでに観たのが4本、今回録画したのが3本で、残りもDVDをレンタルして観ちゃおうかなと迷い中。スパイ映画『陸軍中野学校』シリーズは第1作はNHK-BSか何かで放送されたのを観て、なかなか面白かったんですが、続編は観たか観てないか記憶が曖昧です。ヤクザ映画『若親分』シリーズは全くの未見。
 個人的に1番面白かったのが『ある殺し屋』シリーズ。これもNHK-BSか何かで観た映画で、現代版必殺仕事人みたいな話。昔の映画だし……と思って、さほど期待してなかったんですが、ドライでクールな雰囲気にしびれました。ニヒルでクールな雷蔵の演技は主人公にぴったりだし、一筋縄じゃいかないストーリーと登場人物たちも良かった。2作しか作られなかったのが残念です。


>ギャング映画

 僕は『ゴッドファーザー』は観てないんですが、これを入れてると実在の人物を描いてる『アンタッチャブル』とか『バグジー』とか『ビリー・バスゲイト』とかも入れなきゃならないですね。『デリンジャー』とか『俺たちに明日はない』とか、切りがなくなっちゃいそうだけど。ちなみにこれらの中で僕が観たのは『アンタッチャブル』と『バグジー』だけです。


>最近観た映画

 『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海』……『パーシー・ジャクソン』シリーズの第2弾。今回も面白かったです。ギリシャ神話好きにはたまらん映画ですね。ギリシャ神話ネタと現実社会ネタの絡め方が絶妙。原作は全5巻なので、映画もあと3本作られそう。早く作らんと主人公たちがどんどん大きくなっちゃうぞ(笑)。



#1436 
徹夜城(支配人) 2013/11/22 14:55
ゴッドトーチャン

 …というタイトルのパロディ漫画をその昔書いたことがあるんですよ。ちょうど当時「ゴッドファーザーPART3」が公開中でして、追い詰められた日本のヤクザ一家が「合法的事業」に手を出そうとヤクザ映画専門映画館を始めたり、道路に勝手に料金所を設けたり…というダジャレ連発の漫画でした。
 一時そういうことに凝ってたもんで、このサイトにも「パロれるワールド」と題して一時連載しておりましたが、ぼちぼち復活させたいもんだと計画してたりして。

>黒駒さん
実は僕は「ゴッドファーザー」シリーズについては、公開当時に劇場で「3」を見て、その宣伝を兼ねてTV放送された「2」を見て、それからレンタルで「1」を見るという、何とも変則的な鑑賞をしております。なお、その後「1」と「2」を年代順に並べ替えて未公開シーンも加えたテレビシリーズも見ています。
そういう順番で見たもんですから、マーロン=ブランド演じるビトーは最後に見たんですね。だから逆に「出番が少ないなぁ」と思ったりもしましたが。それでも作者自身ご指名であったというだけにイメージはバッチリで、その後他の映画で自分自身でパロディやってましたよね。「マフィアのボス」のイメージは完全にあれで定着してしまったんでしょう。
ただブランドは困ったチャンでもあったのも事実で、セリフを覚えてこないからカンペが現場に張られていたり(笑。丹波哲郎にも同様の逸話あり)、ベッドごと階段を持ちあげられるシーンでおもりを仕込むイタズラをしたり、「パート2」のラストで出演する約束だったのに当日にすっぽかしたためにああいう演出になった(かえって効果的?)とか、アカデミー主演男優賞を拒否してインディアンになりすましたフィリピン女性に演説させたりと、とかくトラブルメーカーではありました。でも「ゴッドファーザー」が一世一代の代表作になったことは間違いないでしょうねぇ。

「歴史映像名画座」に堂々と「ゴッドファーザー」を入れちゃってる僕ですが、それならちゃんと史実をベースにしてる「仁義なき戦い」をいれるべきではないか、とまた考えてしまいました。戦後史部分をリニューアルする際に入れてるかもしれません。



#1435 
黒駒 2013/11/21 05:22
ゴッドファーザー三部作

最近、10年ぶりくらいに再見しました。part2はDVD二枚組で長くて、調べてみたら202分もあったんですね。

part1のマーロン・ブランド演じるビトー・コルレオーネが、むかし見たときも強烈な印象を残していたのですが、再見してみると意外と序盤で銃撃されて臥せってしまい、後半はマイケルに跡目を譲り隠居してしまうので、けっこう脇役に徹してはいたのですね。part2でロバート・デ・ニーロ演じるビトー青年期の話が挿入されるのも、もしかして本当はマイケル・コルレオーネの話だけのつもりだったのが、ビトーの評判が良くて急きょビトーの話を挿入するようにしたのでは、などと勝手に勘ぐってしまいました。



#1434 
バラージ 2013/11/05 00:11
市川準

 最近、特筆するほど面白い映画を観ていないんで、書くネタがありません(歴史映像名画座のほうは歴史ネタなら多少つまらなくても書いちゃうんですが、こちらでは書きたいくらいの面白さが基準なんで)。というわけで今回は好きな映画監督の1人、市川準について思いつくままに書いてみたいと思います。

 市川監督の映画を映画館で観たのは、実は『トキワ荘の青春』と『東京マリーゴールド』『トニー滝谷』の3本だけで、しかも前の2本は「市川準監督の映画だから」という理由で観たわけではなく、映画自体が面白そうだったからです。
 最初の映画『BU・SU』や『会社物語』の頃は日本映画を映画館に観に行くことがなく、レンタルビデオ店で見かけて面白そうだなとは思ったんですが、この2本を観るのは結局ずっと後のことになります。最初に映画館で観ようと思ったのは『つぐみ』。当時いいなと思っていた女優の牧瀬里穂の主演映画だったからというのがその理由なんですが、しかしなんだかんだとぐずぐずしてるうちに上映が終わってしまい、結局レンタルビデオで観ることに。で、観たらこれが素晴らしかった。これまで観た日本映画ではマイ・ベスト1の映画です。ただ、最初に観たときは主演の牧瀬里穂の印象が鮮烈過ぎて、監督については二の次になってしまったことは否めない。この映画の牧瀬はそれぐらい素晴らしかった。彼女は映画2作目だったんですが、デビュー作の相米慎二監督『東京上空いらっしゃいませ』でもすごく良かったんですよね(これもレンタルビデオで観ました。当時友人が観たいと言ってたんですが、日本映画に全然くわしくなかった僕は、一風変わったタイトルを聞いて「ほんとに面白いの〜?」と半信半疑だったことを思い出します。自らの不明を恥じるばかりなり・笑)。
 その次に観たのが前記の『トキワ荘の青春』。これもまたすごくいい映画で、このとき初めて「あれ? この映画の監督、『つぐみ』といっしょじゃん。『BU・SU』や『会社物語』もこの人だったんだ」と気づきました。これで気になる映画監督の1人になったんですが、だからといって市川準の映画なら必ず観るというところまでは至らず。次に観た、これまた前記の『東京マリーゴールド』もいい映画で、これでようやく市川監督の映画は観たいと思うようになりました。
 しかし、市川監督の映画は単館アート系のものが多いためか、僕の住む地方まで来ないことも多かった。『竜馬の妻とその夫と愛人』は市川監督が観た三谷幸喜の舞台の映画化ですが、僕は三谷作品が(食わず嫌い的に)ちょっと苦手でスルー。後にレンタルか録画で観ましたが、思った以上に三谷色が強く、やはり個人的にはいまいちでした。前記の『トニー滝谷』は市川監督がファンだった村上春樹の小説の映画化ですが、これもいまいち上手く噛み合ってない作品で、村上ファン&市川ファンとしては残念ながら期待はずれ。成海璃子主演の『あしたの私のつくり方』は僕の住む地方には来なかった作品で、レンタルDVDで観ましたが、これはとても良かった作品ですね。市川監督は『BU・SU』の富田靖子、『つぐみ』の牧瀬里穂、『大阪物語』の池脇千鶴、『あしたの私のつくり方』の成海璃子と前田敦子など、思春期の女優の魅力を引き出すのがとても上手く、そういう青春映画に傑作が多かったのも僕の好みに合ってました。
 ただ、市川準の映画はなぜかDVD化されてない作品が多く、DVD化されているのは全22作(テレビ作品1本含む)中14作のみ。ビデオの時代にもっと観ておけば良かったなあ。未DVD化映画は2本しか観てないんですよね。一刻も早いDVD化が望まれます。


 『清須会議』は……前記の通り僕は三谷幸喜がちょっと苦手で。配役はこれ以上ないくらい、はまり役だと思うんですけどね。歴史関連映画だと『47RONIN』てのも来ますね。こちらは危険な香りがプンプンするなあ(笑)。そういえば昔『ベルリン忠臣蔵』っていう、わりと有名な西ドイツの怪作映画をレンタルビデオで観たんですが、現代を舞台とした大真面目な日本文化勘違い映画で、つまらなくて途中で観るのをやめちゃいました。



#1433 
徹夜城(支配人) 2013/11/02 23:08
最近見た映画なぞ

見た映画はちゃんと「栄耀映画徒然草」で書いておかなきゃいけないんですけどねぇ、ついついサボってためこんでしまいます。それこそ「つれづれなるまなに」書いてるってことですけど。
そんなわけで、最近見た映画のことなどをここに軽めに。


☆「約束」
東海テレビが製作した「名張毒ぶどう酒事件」をテーマにした映画。企画からして当然ですが完全に冤罪説に立っています。奥西死刑囚を仲代達矢、その母を樹木希林が演じてました。そうそう、事件当時の30代の奥西死刑囚を演じているのはまたまたお騒がせな山本太郎氏だったりします。俳優としては結構買ってるんだけどなぁ(この映画でも存在感は確かにある)。
冤罪テーマの映画で、ドラマ再現部分とドキュメンタリー部分が入り混じった構成。そのためどうしても情に訴える傾向が強くなっちゃったかも。事件の検証をする部分もあるんですが、僕の見た限りでは少々詰めが甘い気もします。どうしても「真昼の暗黒」と比較してしまう。
事件そのものよりも仲代達矢がほとんど一人芝居状態で演じる、半世紀にも及ぶ拘置所での死刑囚生活の方が印象に残ります。いつ処刑されるのかと恐怖しつつも、正月のおせちにささやかに喜ぶところとか、「刑務所の中」も連想しました。

☆「めまい」
BSプレミアムでやってたので、久々に鑑賞。ヒッチコックの代表作の一本で、近ごろでは批評家のランキングで「市民ケーン」を越してトップになっちゃったりもしてるそうで。
ずいぶん昔に見た時は、「なんだかよくわからん映画だな」と思ったものですが、今になって再見したら、前半に主人公が「霊にとり憑かれた(?)人妻」にのめりこんでいく過程にドキドキさせられ、後半のトリックがあっさりばらされつつも主人公が死んだはずの女を「再現」していこうとする過程にも引き込まれました。う〜〜ん、こちらが「大人」になっちゃった、ということかな?(汗)

そうそう、こちらでも報告はしておかないと。「歴史映像名画座」のリニューアルがさらに進みました。「戦国」「安土桃山」「江戸前期」までを、データの修正補足、画面写真の掲載など手を加えております。
最近公開する映画「清州会議」なんかはモロにあのコーナー向けな企画ではありますねぇ。



#1432 
バラージ 2013/10/05 01:06
山崎豊子というより山本薩夫

 僕も山崎豊子の小説は読んだことなくて、山本薩夫監督の映画『白い巨塔』『華麗なる一族』『不毛地帯』は観たんですが、あくまで山本薩夫の映画だから観た、というものです。
 『白い巨塔』は確か昔レンタルビデオで観て、日本にもこんな面白い社会派映画があったんだなあと感心したのを覚えています。ハリウッド映画には社会派でなおかつ娯楽性も高い映画がたくさんあるのに、日本の社会派映画は娯楽性がいまいちなものが多いと感じていたんですよね。その後、山本監督の『忍びの者』『続・忍びの者』『金環蝕』などを観たんですが、『華麗なる一族』と『不毛地帯』はビデオ2巻組という長さになかなか手を出せず、観たのは最近のことです。『華麗なる一族』は木村拓哉主演のテレビドラマのほうを先に観てなかなか面白かったので、その勢いでレンタルして観ました。面白いことは面白かったんですが、主人公(映画のほうの)の女性関係の異常さにちょっと「う〜ん」と首を捻るところがあり(テレビドラマのときも「まるで壮大なドロドロ昼ドラ」という声がありましたし)、『白い巨塔』よりは落ちる印象。『不毛地帯』は個人的にもっとはっきりとダメだった映画で、描かれる女性像が受け付けず、不快感すら感じましたね。お話も尻切れトンボで終わっちゃうし。



#1431 
徹夜城(支配人) 2013/10/02 21:59
訃報いくつか

 映画の伝言板で書くのもどうかな、と思ったんですけど、考えてみたら僕は映画やドラマなど映像作品でしか触れてないんですね。そう、山崎豊子作品の話です。
 いろいろ盗作問題とかモデル問題とか騒がれることもある山崎作品ですが、なぜか映像化とはやたらに縁があり、その作品の多くが映像化されてます。そんなわけで映画に絞って雑談なぞ。

 僕が見たのは山本薩夫監督の「白い巨塔」「不毛地帯」「華麗なる一族」の三作、それから若松節朗監督の「沈まぬ太陽」がありますね。登場人物が多くて社会派だけどなんだかゴージャス、というところが山本薩夫の好みにドンピシャだったように思いますし、若松監督も「沈まぬ太陽」では山本演出を意識せざるを得なかったと言います。
 「白い巨塔」映画版はまだ若かった田宮二郎主演。あとでその死まで描き、演じてる本人も死んでしまったTVドラマ版が有名ですが、そちらは僕はまるで見てません。田宮二郎は山本版「不毛地帯」「華麗なる一族」にも出演してますが、「華麗なる一族」では仲代達矢が演じた鉄平役を熱望しており、結局別の役(鉄平の義兄)で出演させられたことで山本監督を怨んだ、という話を聞きます。そしてその鉄平の自殺方法をそのまままねることになるわけで…

 今度の訃報でいろんな俳優さんがコメントを出してましたが、仲代達矢さんも多いし、北大路欣也さんなんか若いころの映画版と最近のドラマ版の両方で別々の役で出てきたりしてます。
 あと、山崎作品は実在のモデルが存在するため、「歴史映像物」として見ることもできる。「不毛地帯」の主人公は明らかに瀬島龍三ですし、「沈まぬ太陽」にも瀬島をモデルとしたとしか思えないキャラが出てくる。「沈まぬ太陽」で加藤剛が演じた利根川総理は明らかに中曽根康弘ですし、ドラマ版「運命の人」でも佐藤栄作、大平正芳にあたる人物が登場してくるんで、いろいろと面白い。ただフィクションと史実の境目が時としてあいまいになる怖さもありまして…あ、山崎作品はないけど山本薩夫監督の「金環蝕」も池田勇人、佐藤栄作、田中角栄など一目でモデルが分かるキャラたちがゾロゾロ出てきまして、似たところがあります。

 もうひとつ映画ネタの訃報は、交通事故死が報じられたジュリアーノ=ジェンマ。往年のイタリア製西部劇の大スターですね。
 と書きつつ実は彼のマカロニウェスタンはまだ一本も見てない。彼の主演作で見たのは「歴史映像名画座」の先史時代に入れておいたコメディ映画一本だけです。



#1430 
徹夜城(支配人) 2013/09/26 23:16
「落陽」DVDですか(笑)

>バラージさん
あの「落陽」もようやくDVDですか…まぁ買ってまで見ようとはあまり思わないですねぇ。しかし橋本忍の「幻の湖」もあまりのトンデモぶりに変な人気が出てDVD化された経緯がありますから、あれもそこそこ話題は呼ぶのかもしれません(少なくともここでは話題になってますな(笑))。これが「シベ超」のルーツだ!なんて売り方したらどうかと(笑)。

>パパゲーノ川崎さん
「スタートレック」については僕はあんまり見てなくって、元祖の邦題「宇宙大作戦」が「ヤマト」にどれほど影響を与えたかは分かりませんが…状況的には大いにありえるでしょうね。
 一方で松本零士さんは「ヤマトがスターウォーズに影響を与えた!」と主張していて、これがどうなのかについてはいろいろと説が。スターウォーズのスタッフのデザインスケッチの中にハーロックその他の松本キャラの服装が入っていたとか、松本さん的には自分でなければ分からないメカ描写があるとか、やや半信半疑になる話もあります。ま、松本ワールドが世界のSFビジョンにいろいろ影響を与えたであろうことは間違いないとは思いますけど。

 「スタートレック」に話を戻すと、僕は確か映画も二本しか見てないです。80年代に作られた映画版が「SF監修」だったかストーリーアドバイザーだったかでアイザック=アシモフがクレジットされてる、ってんでレンタルビデオで見たことがあり、あと90年代以降の新シリーズの映画のどれだか忘れたけど一本だけ見たことがある、という程度です。最近の「若き日の」的なシリーズにいたってはついつい食わず嫌いで。

>U・Mさん
お返事が遅れてすいません。「戦争と平和」のいわば「総集編」「短縮版」があったということですね。あんなに長くちゃ無理もないでしょう。僕は完全版リバイバル一挙上映というのを劇場で見たことがありますが、後にも先にもあんなマラソン状態の映画鑑賞はしたことがありません(笑)。
連想ですが、「仁義なき戦い」五部作にも一本にまとめた「総集編」が存在するのだそうで。

「戦艦バウンティの叛乱」のカットの件は初めて知りましたけど、戦時中ならさもありなん、って話ですよね。「戦艦ポチョムキン」なんかは公開すらしませんでしたけど。
「無法松の一生」は元祖もリメイク版もまだ見てないんですが、阪妻のオリジナル版は本当に見事であったらしく、失われてしまったのは本当に残念。



#1429 
バラージ 2013/09/24 21:22
『落陽』DVD化

 なんと! あの『落陽』がついにDVD化されるそうです! 他にもっとDVD化すべき映画があるだろ!(笑) 販売専用のようですが、販売専用DVDが後からレンタル用も出ることはよくあるんで、そのうちレンタルDVDも出るかも。まあ、買うのはもちろんレンタルでも、もう1回見ようという気は起こらんけど。



#1428 
パパゲーノ川崎 2013/09/23 11:34
宇宙戦艦ヤマト 続き

宇宙戦艦ヤマトのネタをあんまり書くと、歳がばれる。
なんてこった。。。

 宇宙戦艦ヤマトが放映が1974年、機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)が
放映が1979年、わずか5年の差ではあります。
 しかしガンダムシリーズは第1作放映後も続々と作られ今日に至りますが、
宇宙戦艦ヤマトについては、続編はいくつか作られたものの、途絶えてしまいます。
したがって、宇宙戦艦ヤマトをあまり知らない世代が出てくるのも必然なのでしょうね。。。

 ところで、宇宙戦艦ヤマトより前に、すでに宇宙大作戦(スタートレック)が
放映されていましたから、まず宇宙もののSF作品というとそちらの印象が強かったですね。
 ”ヤマト”の艦橋内の様子を観たとき、エンタープライズ号の内部に似てる、と
すぐに思いました。
 でも、日本のアニメでスタートレックのようなものを作っている、と思うと
嬉かったです。

(しかし、宇宙戦艦ヤマトのさらなる元ネタは、”空飛ぶゆうれい船”かも?)
 




#1427 
U・M 2013/09/21 04:12
バージョン違い色々

徹夜城さん、レスどうもです!

ソ連版戦争と平和のバージョン違いと言うのは、日本で完全版(第1部と完結編)
が公開された後に新たに再構成された短縮版「特別編」の事です。因みに完全版
も第1部と完結編合わせて7時間強の上映時間ですが、実はもっと長いバージョンが
存在するとか。

後、戦前に日本で外国映画を公開してた時は当時の検問でかなりカットされてたみたい
ですね。一番ひどいのは「戦艦バウンティ号の叛乱」で、肝心の叛乱シーンをバッサリ
カットしてタイトルも「南海征服」と言うタイトルに変えたとか。他にも戦前版「
ハリケーン」やRKOの「キング・コング」も日本初公開当時はカット版しか上映出来ず
戦後(昭和27年ごろ?)にようやく完全版が公開されたみたいです。

ただ、それらの物はまだフィルムがきちんと保管されてたから良かったのですが、「メ
トロポリス」や坂東妻三郎の「無法松の一生」の様に一部フィルムが行方不明になった
り、完全に消失してしまったりしてなかなか、或いは2度と元のバージョンに戻せない
のは凄く悲しいですよね。



#1426 
徹夜城(支配人) 2013/09/20 23:50
古い映画のスペクタクル

>U・Mさん
どうも、はじめまして。「メトロポリス」のレビューをお読みいただいたそうで…
映画日記もぽつぽつ書きためてるんですけど、もうちょっとたまってから載せようか、などと思ってるうちにズルズル時間が過ぎております(汗)。

さて、「メトロポリス」ですが、なにぶんにもやたらに古い映画だけに、実のところ一部残っているだけでも大したもんだと思えます。そしてあの時代にしてその長さといい、エキストラの動員といい、ビックリするほどの超大作ですよね。
あのころ、そういう映画は決して多数派ではなかったと思うのですけど、似たような存在がいくつかあるんですよね。最近その一部を見て驚いたのが1922年オーストリア製作の「ソドムトゴモラ」。大セットとエキストラ、そしてその崩壊シーンなど、よくまぁこんなものをこの時代に、と思うばかりで。「イントレランス」にも言えることですが、映画が「動く写真」から大衆芸術というか見世物表現というかに認識された最初の段階の方がそういうのをやりたがる、あるいはやれる素地が多かった、ってことなのかもと思いました。

バージョン違い問題は古い映画に限らず結構あるようで…日本映画だって海外に出るときはよくカットされてるそうですしね。「七人の侍」なんて前半がかなり切られて後半の濃さが増しててかえっていい、なんて声もあるようですし。「新幹線大爆破」も海外版は犯人グループの動機描写部分が根こそぎカットされまるっきり印象が違うそうですし、「ニュー・シネマ・パラダイス」なんかもイタリア国外でのカット版の方が好まれてるような。
「メトロポリス」の日記でも書きましたが黒澤明の「姿三四郎」も完全版が再現できず、一部紛失シーンは字幕解説で補われてます。その後満州に流れていたフィルムの一部がロシアで発見され、ちょこっと長いバージョンができたそうですが、そっちはまだ見てません。
あと、これは公開以前の段階ですが、同じ黒澤明の「白痴」は大幅にカットされたバージョンしか存在しないけど、どっかでフィルムがあったとかなかったとかで長いバージョンが再現できるかも…ってな話を小耳にはさんだ記憶があります。その後音沙汰ないけど。

ソ連版「戦争と平和」のバージョン違いは知らないんですが(なにせ長い映画だから当然ありそうとは思うけど)、同じ監督でソ連軍が協力している「ワーテルロー」なんかはソ連版がムチャクチャ長いらしいですね。
ああ、あと日本でも公開したモンゴル版「チンギス・ハーン」はぜひ一度全長版を見てみたいと思ってるんですよねぇ。オリジナルは4時間くらいあったのに日本公開版は2時間20分しかなかったってやつで。



#1425 
U・M 2013/09/20 00:10
メトロポリス

初めましてU・Mと申します。フリッツ・ラング監督の「メトロポリス」のレビュー
読ませて頂きました。
「メトロポリス」オリジナル版は3時間半の大作映画で、その後幾つかのカット版が
公開されたのは有名な話ですが、(こう言うパターンは黒部の太陽やロシア版戦争
と平和でも見受けられますが)なんとか3時間半のバージョンも見てみたいですね。
ただ、その3時間半バージョンもドイツでプレミア公開され、更に一般公開された
時にはビジュアルや特殊技術は評価されましたが、ストーリに関しては手厳しい批評
も多かったとか・・・

因みに現在イギリス公開版のパンフレットがネットで閲覧可能ですが、これはドイツ
での3時間半バージョンが初公開された時一度だけ印刷され販売されたパンフレットと
同じ中身なのでしょうか?だとしたら幻の3時間半バージョンの謎を解くカギになりそう
ですが・・・



#1424 
バラージ 2013/09/16 22:12
ガンダムシリーズ

 あ、そうでしたか。『ガンダム ジ・オリジン』のアニメ化は『ガンダムエース』に載ってたんですね。僕もずっと読んでたんだけど、全然覚えてないなあ。『ガンダムエース』は『オリジン』『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズ(最初の作品は富野由悠季・原作、長谷川裕一・画。続編の『外伝』『鋼鉄の七人』『ゴースト』は長谷川単独作品)といくつかのギャグマンガを読んでましたが、今は読んでません。『クロスボーン・ガンダム ゴースト』は長谷川のオタク色&ロリータ色が強くて、ちょっと受け付けなくて……。

 ファースト『ガンダム』については僕も似たようなもんです。田舎で当時は民放が2局しかなかったため、放送してたのが早朝だったり再放送も夕方だったりで、ところどころしか観てません。映画のほうもテレビやビデオで観ましたが、1から順番にではなかったと思いますし(記憶が曖昧ですが)。テレビ版はビデオになってからようやく全話観ましたが、ファーストはビデオ化されるのが遅かったんですよね。ガンダムシリーズで最初にビデオ化されたのは確か『Vガンダム』。『ガンダムZZ』より前のテレビ作品はまだテレビアニメのビデオ化が一般的ではなかった時代で、中でもファーストは『Zガンダム』『ガンダムZZ』よりもビデオ化が後でしたが、多分映画版がすでにビデオ化されてたのと、富野由悠季がテレビ版の出来に不満があって、なかなかOKが出なかったんでしょうねえ。
 僕が本格的にガンダムにはまったのは『Zガンダム』からで、プラモデル店で『Z』のモビルスーツのプラモをたまたま見かけて、そのネーミングセンス(箱にはパイロットの絵と名前も書いてあった)に惹かれたのがきっかけなんですよね。当時はボード・シミュレーションゲームにもはまってたんですが、そっち方面でもガンダムものがあるのを知って、ますます興味を持ったんですが、肝心のテレビ本編は放送していないと思って、富野の小説とアニメの設定本を読み、その面白さ、絵の魅力にのめり込んでいきました。その次の『ガンダムZZ』後半あたりで、ファーストのときと同じように早朝に放送してるのを知って見始めたので、『Z』も同じように早朝にやっていたのかもしれません。次の『逆襲のシャア』『F91』は公開当時に映画館で観ましたが、そこで一旦ガンダムからは離れてしまったので、次の『Vガンダム』はずっと後になってからビデオで観ました。その後、『∀ガンダム』で久々に富野が監督と聞いて、この作品で初めてガンダムを全話リアルタイムで放送を観た、というのが僕のガンダム遍歴であります。

 『キャプテン・ハーロック』の予告は僕も観ましたが、だいたい同じ感想と言いますか、昔『ファイナル・ファンタジー』の予告を観たときも思ったんですが、CGアニメは人物がマネキンみたいで気色悪い……。なお、僕は『銀河鉄道999』や『1000年女王』のテレビアニメは観てましたが、『ハーロック』はテレビでも映画でも観たことがありません。それと松本零士のマンガは全く読んだことがないです。



#1423 
黒駒 2013/09/13 23:05
宮崎駿引退について

アニメ話に少し便乗させて貰うのですが、宮崎駿引退について。私は宮崎さんに不幸だと思うのが、あれだけ児童文学家を自認して子どものために作品を作りたいと願っているのに、今や少子化の時代でゴールデンの時間帯からもアニメが消えつつあり、今やジブリのメインの客層も子どもではなくテレビでラピュタをやるたびにおお騒ぎするような大人の客層に移りつつあることだろうと思うのですよね。

宮崎駿引退の裏事情についていろんな憶測もあるようですが、私も「風立ちぬ」は宮崎さんがジブリのために最後に大人向けの作品を作ってあげるから、最後の10年間くらいは子どもための作品を作らせて欲しいと、ジブリ経営側との折衝があったのではあるまいか、とか思ってしまいました。



#1422 
徹夜城(支配人) 2013/09/13 12:53
アニメな話題、続く

>バラージさん
「ガンダムTHE ORIGIN」、連載最終回でアニメ化がブチあげられてはいるんです。「ガンダムエース」の看板作品だけに、これが終わると部数が…という対策の気配をどうしても感じてしまいましたが。んで、結局今に至るまでとくにどうという情報がありません。連載中から企画自体はあるんだろうな、とは思ってましたが。
 ただ実際にやるとなると、「ヤマト2199」と比較した場合、なんせ絵もおんなじですから(笑)、オリジナルとリメイクの距離をどうとるのかといった問題がありそう。絵は綺麗になるとは思うんですけどね。といってオリジナルのように迫力が出るかはまた別問題。
 ところで、僕は実はファーストガンダムも映画版から入ったクチでして…TVシリーズ放送時、一部見ていた覚えがあるのですけど、結局映画版で大騒ぎになってから、それもTV放映時に見たという程度で。TVシリーズを全部見たのはつい数年前のことだったりします。

 アニメといやぁ、公開(航海)中の「キャプテンハーロック」はどうしようかなぁ、と悩んでまして。オールCGアニメというのがどうも予告編を見る限りでも違和感を禁じえず(作った東映アニメとしては日本風二次元絵だと世界に売れないと判断してるみたいですが)、内容的にもチラホラと「なんか違う」との声が聞こえてきます。
 それはそれとして、ベネチアに乗り込んだ松本零士もなんだかんだでファンに騒がれたようで。宮崎駿を意識したのか「私は生涯現役」みたいな発言をしておられまして、ファンである僕としても嬉しいことは嬉しいんですが、いくつかほったらかしになっている漫画作品をどうにかしてほしい(^^;)



#1421 
バラージ 2013/09/12 00:27
宇宙戦艦ヤマト

 僕も『宇宙戦艦ヤマト』は昔のしか観てないんですよね。子供だったので僕も記憶がごちゃごちゃしてるんですが、確かテレビシリーズの2作目までは観た記憶があります。毎回必ず最後に「地球滅亡まで、後○日」みたいなナレーションが入ってたのを覚えてますね。
 映画版もテレビ放映でしか観てなくて、『さらば宇宙戦艦ヤマト』と『完結編』は観た記憶があります(第1シリーズの劇場版も観たかも)。僕はテレビ第2シリーズを劇場版にしたのが『さらば〜』だとずっと思ってたんですが、調べてみたら映画の『さらば〜』が作られた後に第2シリーズとしてテレビアニメ化されたんですね。『さらば〜』と第2シリーズはラストが全然違うんですが、これも逆に覚えてました。
 で、最新作の『2199』ですが……すいません。やってたことすら知りませんでした。個人的にはヤマトはもうとっくの昔に卒業という感じでして……。

 登場人物が国際色豊かなアニメというと『サイボーグ009』なんかがありますが、これもつい最近リメイクされたんじゃなかったかな? 僕はそちらも観てないんですが、昔に比べてめっきりアニメを観なくなっちゃいましたねえ。『風立ちぬ』が久々でした。

 ファースト『ガンダム』、リメイクしますかね? 富野由悠季はやりたがらないんじゃないでしょうか。『Zガンダム』の映画化も本当はしたくなかったんじゃないかなあ。もし自由にやれるならオリジナルの新作をやりたがる人なんじゃないかと。『ジ・オリジン』にしても安彦良和は乗り気にならなそうな気がするし。
 個人的には、もしガンダムシリーズで映像化するなら、富野の小説『閃光のハサウェイ』か、富野原作のマンガ『クロスボーン・ガンダム』を映像化してほしいところ。まあやらないだろうけど(もしやるならとっくにやってるだろうし)。



#1420 
徹夜城(支配人) 2013/09/10 23:43
ヤマトは劇場版第一作しか見てなくて

>パパゲーノ川崎さん
 僕が父親に連れられて劇場で見た最初のヤマトは「さらば宇宙戦艦ヤマト」でした。何か他のと同時上映していた記憶があるんですが、そっちは見ずに帰ってます。「ヤマト」劇場版一作目はその後テレビで見たんですよね。だから僕の記憶の中での「ヤマト」って結構記憶がゴチャゴチャしてます(笑)。松本零士の漫画版も持ってましたが、あれって後半思いっきりはしょるんですよね。
 TVシリーズもまともに見てなくって、いちばんつきあった「ヤマト」はPCエンジンCD-ROM版のシミュレーションゲームでした(笑)。これ、ゲームとしてはムチャクチャヌルいんですが、まだゲームでアニメ映像が動くということ自体が珍しかった時代のものとしてはやたらに熱い力作でして、TVシリーズの雰囲気は僕はこれで知ってるだけなんです。

 さて前置きが長くなりましたが、「2199」は実はほとんど見てない。第一回だけまともに見てますが、あとは時間的にめぐりあわせが悪いこともあってチラチラと一部を見てるだけです。まぁオールドファンにも結構評判はいいようで、リメイクとしては成功してる方なんじゃないかと。こりゃそのうち「ファーストガンダム」もやるなと思います(「ジ・オリジン」をアニメ化、という話になるんでしょうが)。
 そんなわけで「2199」については何とも言えませんで…まぁ今やるとこうなるんだろうな、とチラチラ見ただけでも思います。ちょっと前にあった実写映画よりゃいいんじゃないの、ってことで。ただそれほどのめり込めないのは僕自身がそうヤマト世代でもないからでしょうか。

 全員日本人、というのはオリジナル版が実はひそかにこだわっていたところのようですし、それを変えてしまうと「ヤマトじゃない」と言われちゃいそうで…なんだかんだで「ヤマト」というのは元ネタからいって日本と結びつくもんなんでしょう。
 海外版ではそれぞれのお国の人にキャラが変えられてるみたいで、アメリカ版では全員あちら風の名前に変わってるそうです。「真田」が「サンダー」になっていた、というのには笑いましたが。



#1419 
パパゲーノ川崎 2013/09/09 22:45
宇宙戦艦ヤマト2199

現在TV放映中の、”宇宙戦艦ヤマト2199”、
もうすぐ終わりそうですね。
旧作の初代宇宙戦艦ヤマトのリメイクではあるのですが、
敵のガミラスの内輪事情が事細かに表現されており、
旧作とはそこがかなり違うなあと思います。

いろいろと旧作の矛盾点を改善した設定になっているようですが、
地球側のキャラクターの存在感が薄い感じが、少々残念です。
(ガミラス側が濃すぎるのかも?)

旧作と変わった部分、変わらない部分を観ると
日本のTVアニメの歴史を感じさせます。
しかし、相変わらず地球人乗組員は全員日本人なのは何で?
リメイクするなら、スタートレックのように国際的にして欲しかったです。




#1418 
徹夜城(支配人) 2013/08/29 21:43
久々のカイジュー映画

ようやく今日になってみてきました、いろいろと話題の「パシフィック・リム」。
なるほど、監督以下作り手が思いっきり怪獣映画・ロボットアニメで育ったオタクであるため、その手の作品が好きな人には泣いて喜べる内容でございました。怪獣対巨大ロボットの大決戦をこれでもかとばかり繰り返す映画で、東宝特撮はもちろんのこと、「マジンガーZ」やら「エヴァンゲリヲン」その他まで、どっかで見たような場面が多数。
ま、僕の好みとしてはここまでやってくれるなら、もう少し明るい話にしてもよかったのではないかなぁ、と(もちろん人類存亡の危機の話ではあるんだけど)。あと、怪獣のデザインもグロ系ばっかりで見ててキツいし(この辺は韓国の「グエムル」にも思った)、登場キャラクターもいささか類型的でもっと深みがあってもよかった気がする。それとせっかく何体も巨大ロボット出しておいて、その個性は今一つだしきれてなかったように僕は思うんですよね(まー、あんまりいろいろ注文すると時間がなくなるでしょうが)。
 一方でなぜ怪獣が海から次々と出てくるのか、というSF設定にはなかなか新鮮味が。ロボットの操縦システムも二人がかりの連携というなかなか凝った作りになっていて、映像的にも面白い。ただ最初っからその設定だからしょうがないけど、やっぱりパイロットは一人の方が良かった気がするなぁ。

 これ、3D吹き替え版で見たんですが、声の出演者もなにげに豪華なんですよね。古谷徹は恥ずかしながら気付かなかった…
 3D映画をこの前見たのは同じ映画館の「ホビット」。その時の3D眼鏡をそのまま使ったんですが、ふと気づいたら「パシフィック・リム」のギレルモ=デルトロ監督って当初その「ホビット」を監督するって話だったんですよね。妙なつながりが。



#1417 
バラージ 2013/08/24 23:35
楽園の瑕 終極版

 ウォン・カーウァイ監督が1994年の『楽園の瑕』を編集し直して2008年に公開した別編集版『楽園の瑕 終極版』のDVDがレンタル店に並んでいたので、早速借りて観ました。東京では今年公開されてぜひ観たかったんですが、地元には来なかったんですよね(劇場公開されたのは東京だけみたい)。
 金庸の武侠小説『射(周鳥)英雄伝』に登場する脇役の老人たちの若き日を描くオリジナル外伝というマニアックな作品で、アクション・シーンが極端に少ない武侠映画です。オリジナル版以来久々に観ましたが、やっぱりなんとも言えずいいですね。群像劇だったオリジナル版と比べると、レスリー・チャンが中心になったかな〜?という気はするんですが、あまり確信はありません。
 『グランド・マスター』もそうでしたが、どんなジャンルの映画を作っても、ウォン・カーウァイの映画はウォン・カーウァイの映画。武侠映画だろうとカンフー映画だろうと伝記映画だろうと、青春映画や恋愛映画と作風は変わらない。多分そういうところが好き嫌いが分かれる理由で、『楽園の瑕』も最初に香港で公開された時には金庸ファンや普通の武侠映画を期待した客にウケず、大コケしたらしい。日本では当時まだ金庸の小説が邦訳されていなかったため、『恋する惑星』でブレイクしたウォン・カーウァイの映画、として公開され、そこそこヒットしたように記憶しています。僕もウォン・カーウァイの映画として観たし、期待した通りの面白さでした。
 オリジナル版もまた観たくなったけど、どのレンタル店にもないんですよねえ。中古DVD買おうかなあ。



#1416 
バラージ 2013/07/24 22:38
母映画は苦手

>『ソラリス』
 そういう意味でしたか。僕は旧作もどっちも観てないんで何とも……。

>『遠き落日』
 僕は公開当時に映画館で観ました。当時好きだった女優の牧瀬里穂さんが出とりましたもので(なんかこんなんばっかりだな、俺・笑)。でもそんなにドライな映画だったかなあ? まあ確かに過剰な泣かせに走ったウェットなお涙頂戴ものではなかったように記憶していますが、だからといってドライってほどでもなかったような……。基本は母子ものですし(トップクレジットは野口英世を演じる三上博史ではなく、その母親役の三田佳子)、野口英世の負の側面も示唆する程度に止めています。野口英世については通りいっぺんしか知らず、母親との関係は初めて知ったので興味深くはありましたが、僕は母ものはちょっと苦手で……。というわけで、良く言えば抑えた調子の良心作ですが、悪く言うと中途半端な凡作。悪くはないけど、まあ普通、という作品でした。



#1415 
徹夜城(支配人) 2013/07/20 10:49
「底抜け超大作」

 よそのSNSでの知人が、にっかつの超大作というより「超怪作」の「落陽」について話題にしまして、僕はもの好きにも公開当時劇場で見てしまった、とレスしまして、ちょこっと盛り上がったのです。それをきっかけに、1996年にそういう「大作怪作駄作」を一堂に集めた「映画秘宝・底抜け超大作」(洋泉社)という本がどうしても入手したくなり、アマゾンで中古を買ってしまいました。
 以前から「さよならジュピター」とかいろいろ載せてるとの話は聞いていたんで興味があったんですが、「落陽」をきっかけに買ってしまうとは(笑)。もちろん「落陽」も大きく扱われておりまして、LD発売時に同封のパンフ用に頼まれてライターが書き、皮肉に徹して酷評したその内容のために発売元から没にされた文章がそのまま転載されててまさに必読。この映画で「外見が似てる」だけで宣伝役も兼ねて出演した故・水野晴郎氏が「シベリア超特急」を作ってしまう流れも紹介されてました。
 この本で紹介されてるもののうち、「クライシス2050」も騙されて劇場で見てしまってるなぁ…(汗)。どうも「さよならジュピター」といい、「復活の日」といい、日本人が製作するSF映画は変に「情」「泣かせ」を強調し、男女関係だの家族愛だの自己犠牲だのを安っぽく入れてしまう悪癖がとくに目に着く気がします。原作は割といいのに映画にすると観客動員が狙いなのかすぐそういう要素を入れちゃう。いまだに映画のCMで「泣きました!」とやる観客を映すイヤミなのがまかり通っているのを見てもそういう体質は全く変わってないような…ああいうCMで映るのはサクラでしょうけど、そういうCMが効果ありと判断されてるのは実際にそのテの観客が多いってことでもあるんでしょうが。

 その一方で、「底抜け超大作」によると、そういう「泣かせ」映画と思わせて実はドライに観客の「期待」を裏切る意外な傑作として「ハチ公物語」と「遠き落日」が挙がっていました。この2作、脚本が新藤兼人、監督が神山征二郎と聞くとちょっと納得したりして。
 その本では市川崑についてもかなり痛烈なコラムが。この人も大傑作と凡作、駄作の落差が激しい人なんですよねぇ。とくに「火の鳥」(黎明編が原作)はあまりにもひどいと伝説になっておりますが、つい先日、僕はこれを初めて全編見る機会を得まして…いやぁ、ホントにひどかった(笑)。そのうち「栄耀映画日記」で書きます。参考にと特撮を担当した中野昭慶さんのインタビュー本を見たら、市川崑という監督は小さくまとまった世界を描くのは得意だが、壮大なスケールといったものには興味がないんだ、という評があり、実際に映画を見てしごく納得してしまいました。

>バラージさん
あ、「ソラリス」の「投げ出した」ってのは、僕が衛星放送で放送されたときに途中まで見て投げ出した、って話です。そこまでひどい?という声もありましょうが、実際僕はあまりにも退屈したんです。



#1414 
バラージ 2013/07/19 22:25
リメイクSF

 あれ? ソダーバーグ監督の『ソラリス』って、レンタル店でDVD見かけたんですけど、完成したんじゃないんですか?
 『トータル・リコール』もつい最近新しいのが公開されてましたね。僕はシュワルツェネッガー主演のしか観てませんが。
 どっちも原作小説があるんで正確にはリメイクではなく2度目の映画化なんでしょうけど。



#1413 
バラージ 2013/07/11 19:43
春樹原作映画

 ついでに村上春樹自身の小説が原作の映画についても感想を。

 春樹原作映画には、大森一樹監督『風の歌を聴け』、市川準監督『トニー滝谷』、ロバート・ロクヴァル監督『神の子どもたちはみな踊る』、トラン・アン・ユン監督『ノルウェイの森』などがあって、僕は全部観てるのですが、このうち『ノルウェイの森』については#1274にすでに書いています。
 『風の歌を聴け』は若干前衛的なところがあったり、配役がいまいちだったりで、どうもいまひとつしっくり来ませんでした。まあ、原作から離れて映画としてみればまあまあかな。ちなみに大森一樹は村上春樹と同じ中学校の後輩に当たるんだそうです。次に『トニー滝谷』。僕は、市川準が日本映画の中では1番と言っていいくらい好きな監督なんですが、これは残念ながらいまいちでした。こちらも配役が今一つで、市川準も村上春樹の大ファンだそうですが、うまくかみ合わなかった感じ。ただ、これも原作から離れて映画単体としてみれば面白いです。市川準は『蜂蜜パイ』の映画化も熱望していたそうですが、急逝で実現しませんでした。最後に『神の子どもたちはみな踊る』は米国映画で、舞台や登場人物をすべて米国に置き換えているので、設定やストーリーに結構変更が加えられています。そのためなんだか別の話にも思えてしまうのですが、映画としての出来はまあまあ。日米の文化的・社会的な違いが見えて、そこは興味深かったです。
 というわけで、1番のお勧めはやはり『ノルウェイの森』ということになります。



#1412 
徹夜城(支配人) 2013/07/10 23:45
栄耀映画にちょこっと追加。

「栄耀映画日記」、3月来チビチビと書いていたものを今日付けでまとめてアップしました。もうちょっと書くつもりだったんですが、ため込み始めるとキリがないので…

それと「歴史映像名画座」を更新しました。今回の更新で初めて「先史時代」という枠が出現しています。実はこれ、今後の「歴史映像名画座」のバージョンアップというか大改造のモデルとして作ったものでして、より詳しく映画の情報を書くことを主眼にしています。
見ればお分かりになりますが、日本未公開作品やソフト化されていないものも含んでおります。でも「管理人が見たもの」を載せるという基本方針は変わっていません。どうやって見たんだ、ということにつきましてはゴニョゴニョゴニョ…(^^;)ま、お察しください。
先史時代だけであれだけ集まりましたから、他のコーナーであのレベルでやろうとするとそれこそ大変なことになります。一応こちらは半年から一年の計画で改造を進めていこうと思っておりますので、まぁ気長にお待ちを。



#1411 
バラージ 2013/07/09 23:14
村上訳映画

>黒駒さん

 村上春樹は僕も大好きで、長編・短編集は全て読んでますし、エッセイなどもほとんど読んでますが、翻訳だけは敬遠してまして……。1つには、外国小説は(当然の話ではありますが)訳者ではなく著者で選ぶから。もう1つはなんというか、これだけ村上春樹を読みながら、さらに外国小説まで村上春樹というフィルターを通して読むのはどうか?と思っちゃいまして。他の人も訳しているものに関してはなるべくそちらを読むようにしております。
 『グレート・ギャツビー』は今回で5度目の映画化のようで、レッドフォード主演のやつは3度目の映画化です。4度目のやつは確かテレビムービーで、レンタル店でビデオかDVDを見かけた記憶がありますが未見。『ティファニーで朝食を』はトルーマン・カポーティの原作よりもオードリー・ヘップバーン主演映画のほうが圧倒的に有名でしょう。僕は原作は旧訳も村上訳も読んでるんですが、映画は原作とは結構違ってて、ユニヨシさんが典型的な勘違い日本人描写となってたりします。ただ、ヘップバーン主演のおしゃれな都会派ロマンチック・コメディとしては良くできているので、特に女性からは結構人気があります。僕もそれなりに面白く観ました。レイモンド・チャンドラーのマーロウものは原作未読・映画未見なんですが、村上訳作品では『三つ数えろ』(原作『大いなる眠り』)『さらば愛しき女よ』(村上訳『さよなら、愛しい人』)『かわいい女』(村上訳『リトル・シスター』)『ロング・グッドバイ』(旧訳『長いお別れ』)が映画化されています。カーヴァーの短編は読みましたが、個人的には今一つしっくりきませんでした。映画化の『ショートカッツ』はなかなか面白かったです。



#1410 
黒駒 2013/07/06 22:50
村上翻訳作品の映画

>バラージ様
SF映画の紹介、ありがとうございます。話題の「ギャツビー」ご覧になられたのですね。私は村上春樹はファンで翻訳を含めてすべて読んでいるのですが、けっこう映画化されている作品も多いのですよね。フィッツジェラルドは「ギャツビー」が二度目の映画化ですし、カポーティの「ティファニーで朝食を」やチャンドラーのマーロウもの、あとアメリカのブルーカラー層の日常の悲哀を描いたレイモンド・カーヴァーの短編も映画化されていたはずです。私は映画ってあまり見ないのですけど、いちおう村上ファンではあるので、見ておかねばと思ってはいるのですよね。



#1409 
バラージ 2013/07/06 21:32
ギャツビー

 映画『華麗なるギャツビー』を2D字幕版で観ました。『ロミオ&ジュリエット』のバズ・ラーマンが監督でしかも3Dと聞いて著しく不安だったんですが、いい意味で裏切られました。昔のレッドフォード主演映画はあまり面白くなかったし、原作『グレート・ギャツビー』も野崎孝訳の新潮文庫版を読んだけど、まあまあという程度で今一つピンとこなかったんですが、今回の映画を観て、初めて『ギャツビー』の面白さがわかったという感じ。監督は「昔の話」ではなく、時代を超えて現在にも通じる話として描くことを意識したようで、個人的には80年代のジェイ・マキナニーの小説『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』の映画化作品『再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ』を連想しました(マキナニーも『ギャツビー』を意識したんだろうけど)。そういう意味では同時代的作品として描くことに成功していると思います。3D映画ですが2Dで観ても不自然な映像じゃなかったですし。原作も新訳の小川高義訳・光文社文庫でまた読んでる最中。白水社の村上春樹訳も読もうかな。
 ちなみに『再会の街〜』は個人的ベスト5に入る映画なんですが、なぜか日本では未だDVD化されてないんですよね。VHSビデオはまだ持ってるけど、今ビデオで観たら著しく劣化した映像でしか観れないだろうしなぁ。

 僕はSF映画はそれほどくわしくないんですが、個人的おすすめは下のほうにも書いてある通り、『猿の惑星』(元祖のほう)『第9地区』『怪獣大戦争』『K‐PAX 光の旅人』といったあたりですね。『エイリアン』は個人的には2のほうが面白かったです。

 ドリフ映画『全員集合』シリーズは存在は知ってましたが、観たことはありません。途中から『男はつらいよ』の併映作品になったらしいですね。2本立てってのもすっかりなくなりましたね。僕が子供の頃にはまだぎりぎりありましたが。

 あ、『クラウド アトラス』を「雲の地図」と書いちゃいましたが、「雲の地図」ではなく「雲の表情」という意味だそうです。



#1408 
黒駒 2013/07/05 19:54
ありがとうございます!

参考にさせて頂きます。



#1407 
徹夜城(支配人) 2013/07/05 12:55
SF映画となると

>黒駒さん
 僕もそんなに多く見てるってわけでもないんですが、SF映画でおすすめとなると…

「惑星ソラリス」…ソ連製、タルコフスキー監督の難解哲学SF作品。とかく難解とされるタルコフスキーの中では「わかりやすい」とされます(笑)。派手な特撮などとは無縁ですが、確かに「SF」なんですね。何年か前にソダバーグ監督でリメイクしてましたが、途中で投げ出しちゃったなぁ。
「禁断の惑星」…これはアメリカSF映画における古典的存在。R2D2の元ネタになったとか言われるロボットでも有名ですが、内容的には結構しっかりしたSF。テルミンを使ったというBGMも印象に残ります。
「エイリアン」…僕は一作目しか見てないんですけど、やはり外せないかと。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」…メジャーすぎますか(^^;)
「未知との遭遇」…これもメジャーすぎるかな。
あと、シナリオだけは見事な「トータル・リコール」かな。
コメディですが、「ギャラクシー・クエスト」は「スタートレック」をネタにしつつ、これ自体が結構しっかりしたSF設定にのっとっています。

思いつくままに挙げましたが…
日本でも「妖星ゴラス」とか「地球防衛軍」とか、怪獣映画以外の特撮作品でSFとして見どころが多い作品が結構あります。



#1406 
黒駒 2013/07/04 23:03
SF映画

唐突な書き込みしてをして不躾なのですが、スターウォーズ、2001年、ブレードランナーの次に見るべきSF映画といえば何でしょうか?



#1405 
徹夜城(支配人) 2013/06/07 22:58
ドリフ映画を初めてみた

昨日、NHKBSプレミアムで「なにはなくとも全員集合!」が放映されていたので初めて見てみました。僕自身ドリフ世代を自認しておりますが、さすがにドリフ出演映画は存在は知りつつも一本も見てませんでした。
調べてみたらこの「なにはなくとも…」は1967年(昭和43)公開。ドリフ出演映画の第一作だったそうです。もちろん志村けんの姿はありません。またドリフは確かに全員出演してるんですが、主役は三木のり平と中尾ミエ。ドリフの面々はあくまで脇を固めています。出番が多いのはいかりやと加藤チャンで、あとの三人は影が薄い。
映画だけに往年日本で盛んに作られたサラリーマン喜劇のノリが濃厚で、見たことはないんだけど駅前シリーズとか社長シリーズとか若大将シリーズなんかのノリに近いんじゃないかと。配給が松竹ということもあってか「寅さん」シリーズに通じるものも感じます。人情喜劇というのかな。

舞台は草津温泉。落ちぶれた鉄道会社と進出してきたバス会社が客を奪い合って対立。三木のり平は新任の駅長で、いかりや長介がバス会社の所長。ドリフメンバーは加藤と中本が駅員、荒井注がバス社員、高木ブーはホテルの番頭とバラバラに配役。全員がそろうのはほんの一部のシーンだったような。
鉄道とバスの対立をドタバタ風にまとめてますが、ストーリーのメインは三木のり平の娘(血はつながってない)の中尾ミエが恋人を見つけて結婚にいたるまでの父と娘の葛藤。その恋人役が古今亭志ん朝というのも凄い。この映画も故人が多いですなぁ…
それにしても舞台となる「くさつ」駅はどこでロケしたんだろ?ちゃんと線路もあってずいぶん古い電車が走ってくるんですが…はじめは「草軽電気鉄道かな?」と思ったのですが調べてみるとこの映画の時点ではすでに廃止されてたようですし…どっかまったく別のところで撮影したのかも。

 同じ日の日中には内田吐夢監督・中村錦之助主演の「宮本武蔵」第一作をやってました。これから五部作を一週ずつ放送するそうで。全部通して見たことはなかったのでいい機会だと録画しはじめました。沢庵を演じてるのが三國連太郎なので追悼企画も兼ねてるのかな。三國さん、三船敏郎版では又八役じゃなかったっけ。

 映画日記も実はひそかにいろいろ書いてるんですが、5月中は忙しくて手が回らず、まとめてアップしようと思ってるうちに6月になっちゃいました。更新はしばしお待ちを。



#1404 
バラージ 2013/06/06 21:55
雲の地図、一代宗師

 観たいと思っていた映画『クラウド アトラス』。東京では3月に公開されてたようですが、僕の住んでる地方ではつい先日公開されたので、観てきました。とても面白かったです。3時間の長さを全く感じさせませんでした。19世紀、20世紀前半、20世紀後半、現在、未来、さらに未来、の6つの時代を舞台としたオムニバス的映画で、ちょっとずつ関係のあるそれらのお話が交互に描かれるという変わった形態の映画。お話のジャンルもばらばらでいろんな物語が1度に楽しめるし、ほとんどの俳優が(特殊メイクを施して)別々の時代で複数の役を演じてたりするのも面白かった。個人的にお目当ての女優ペ・ドゥナは未来パートの主役で、同じくお目当て女優ジョウ・シュンがその脇役。

 そしてそして、ウォン・カーウァイ監督の『グランド・マスター』(原題『一代宗師』)も観ました。これまたすごく面白かった。カンフー映画ではあるがアクション映画ではなく、実在の人物(葉問=イップ・マン)が主人公だが伝記映画ではない。これはまごうかたなきウォン・カーウァイの映画です。映像の美しさ、女優の美しさ、群像劇的構成、モノローグの多用、成就されぬ愛。すべてが紛れもなくウォン・カーウァイ映画の特徴。ウォン・カーウァイ・ファンとしては存分に堪能させてもらいました。もう1回ぐらい観たい。チャン・ツィイーは三十路になっても変わらず美しいですね。



#1403 
バラージ 2013/05/12 12:33
ハリーハウゼン

 まだお亡くなりになってなかったんですねぇ。失礼な話ですが、とっくの昔に……とてっきり思い込んでおりました。
 ハリーハウゼンの映画で観たのは、昔テレビやビデオで観た『シンドバッド虎の目大冒険』と『タイタンの戦い』だけですが、「人形アニメ」という手法と技術には驚くとともに、とても面白かったことを覚えています。



#1402 
徹夜城(支配人) 2013/05/09 09:53
特撮の神様死去

 日本だと円谷英二ってことになるんでしょうが、ストップモーション特撮の第一人者レイ=ハリーハウゼンがとうとう92歳でお亡くなりになりました。
 などと書きつつ、そんなに本数は見てないんですよね。「アルゴ探検隊の大冒険」「恐竜100万年」くらいでしょうか。「アルゴ〜」の青銅巨人タロスのシーンやガイコツたちとの大チャンバラは一度見ると忘れ難いものがあります。さすがに80年代以降はほとんど製作にタッチしてなかったはずですけど、今回の訃報を受けてルーカスが「彼がいなければスターウォーズは生まれなかった」とコメントを出すほどの影響力のあった人なわけです。スターウォーズの段階でもコマ撮りアニメ特撮を使ってましたしね。完全に消滅したのは「ジュラシック・パーク」出現でしょうが(あれも当初はコマ撮りする気だったそうで)、そもそもハリーハウゼンは大の恐竜好きが高じて恐竜特撮にのめりこんだそうですから、そもそも縁があったとも言えそうです。

「原子怪獣あらわる」なんかはどう見ても「ゴジラ」のプロトタイプで、特にハリウッド製「ゴジラ」には明らかにオマージュと分かるカットも紛れ込んでました。円谷英二もハリーハウゼン同様に「キングコング」に熱中してまして、「ゴジラ」だってホントはコマ撮りにしたかったという話もあります(着ぐるみになったのは予算と手間によるところが大きいみたい。結果的にはリアルになってると思うけど)。

 ある理由からたまたま「恐竜100万年」を再鑑賞していたところへ訃報が飛び込んだもんですから、余計に印象的になってしまいました。



#1401 
バラージ 2013/05/02 20:42
ジャッキー・チェン最後の過激スタント・アクション

 先日、ジャッキー・チェンが「体を張った危険なアクションはこれで最後」という監督・主演映画『ライジング・ドラゴン』を観てきました。エンドロールでジャッキーが前記の宣言について語っていて、長年のファンとしては非常に感慨深いのですが、それを措いて映画自体の出来で言えば、残念ながらまあまあ面白いといった程度の出来。体を張ったスタントは最後だけど、アクション映画自体はまだやるそうなんで、ジャッキーの映画を観る機会はまだまだあるでしょう。

 最近、DVDで観て面白かったのは『はさみ hasami』という日本映画。理容美容専門学校を舞台に、様々な問題に直面する生徒たちと、彼らを支えようとする熱心な女性教師を描いたヒューマンドラマで、誠実で丁寧なつくりのとてもいい映画でした。今年ここまで観た中で1番ですね。かねがね「池脇千鶴にハズレなし」と思ってたんですが、この作品も大当たりでした。ちなみに池脇さんがクレジット1番手だけど主人公は実質的には生徒たちのほうです。



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