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#1600 
2015/12/13 11:04
一つだけのヒント

秦俑 について 一つだけヒントを。

「不老不死の仙薬」

もうこれ以上明かせません あ 
また馬鹿な誤送信をお許し下さりませm(_ _)m



#1599 
2015/12/13 11:02






#1598 
2015/12/13 11:01
秦俑 テラコッタ・ウォリア 

>管理人様へ スペクター! 自分は以前に
「定吉七番(サダキチセブン)は丁稚の番号」
から始まる 大傑作パロディ小説を読んでいましたが
(ちな 今読むと時事ネタが多すぎるので ちょっと
面白みが落ちますが)

マネーペニーに Q スペクターと来ちゃ
ちょっと落ち着いてられないっすね!(^^)

アタッシュケースとかボンドカーはどうなのかと(^^)

いやこれは楽しみが増えました いぃなぁ!

さて前回訪問時 思わせぶりで引きましたが
「強烈に予測できない展開」を乱打した映画が

「秦俑 テラコッタ・ウォリア」なんですね。

英字を書いてない理由は単に 変換が面倒くさいだけッスが(^^)

この映画はまるで 3つのまるで違うジャンルの映画を
オムニバスにしたように見えて 実は全体が
見事につながっているという ちょっと稀有な感じの
映画だと思いました。

第一部はほぼ 悲恋の大河ドラマです
第二部はほぼ タイムパラドックスのアクション・コメディです
第三部は なんと強烈なバトルアクション映画!

そしてEDで 全てが繋がり 哀切な映像と共に
映画は 終劇 となります

スタッフ キャストも色々と強烈です
これは 多分検索されたほうが楽しいかなと思われます
(^^) 決して手抜きじゃなく!

色々な意味で 一生忘れられない映画の一本に
間違いなくランクインしました。




#1597 
徹夜城(支配人) 2015/12/12 00:40
007最新作

 「スペクター」、見てきました。前作「スカイフォール」は見逃しておりまして、幸いネタバレも聞かないうちに先週TV放映され、見ることができました。もっとも時間からするとかなりカットしたバージョンみたいですけどね。

 で、「スペクター」ですが、タイトルにあるようにショーン=コネリー時代以来実に40年以上ぶり(!)に、ボンドの敵となる国際犯罪組織「スペクター」が再登場します。そのため「リアル系」な印象の強かったダニエル=クレイグ版007も、次第にコネリー時代のやや荒唐無稽系に移行していくのかな、と思わされました。
 ボンドカー、秘密兵器開発係のQ、Mとその秘書マネー・ペニーと、かつての「常連」がついに全部そろっちゃったのも特徴。なんでもダニエル=クレイグ自身はかつての「お約束」の顔ぶれが出てこないことに不満だったらしく、今回はプロデューサーも兼ねてることもあってかシリーズ初期の雰囲気に戻ろうとしているのかな。
 それでもマネー・ペニーと「Q」はそれぞれ若手に演じられてるせいもあって、旧作と違い二人とも積極的に本筋に絡んで活躍するのが特徴。特にあぶなっかしい「Q」のキャラがなかなか可愛い(笑)。
 まぁ詳しい話は後日「徒然草」の方で書きます。


>バラージさん
 そういや黒澤明監督作品では、先日亡くなった原節子主演の「白痴」は見ていないんですよね。あと「素晴らしき日曜日」「どですかでん」も未見。
 僕は黒澤明にちょうど興味を持った時期に「七人の侍」のリバイバルロードショーとか、名画座での黒沢特集連打、全作品のビデオソフト化(確か第一弾が「天国と地獄」で、これ、実際の誘拐事件につながったんでソフト化が遅れてた)されるといった、いわば「祭り」状態だったんでその時期に集中的に見てましてね。
 「七人の侍」だってビデオはずっと出てなかったはず。僕はシナリオだけで先に読んで、実物を拝む時まで脳内で空想上映してましたからね(笑)。その一方で「用心棒」「椿三十郎」なんかは早くからレンタルビデオで並んでいて、どういう基準なんだと不思議に思ったものです。

 巨匠ということでは溝口健二監督の映画もあんまり見てないなぁ…「雨月物語」は録画してはあるんだけどまだ手を付けてません。


>虎さん
 「ブラック・レイン」、大阪方面在住の方にも好評なんですね。日本を舞台にした外国映画の中では確かに描写としては良作だったと思います。似た例として「ミスター・ベースボール」がありますが(これも高倉健助演なんだよな)、こちらは一応名古屋が舞台。名古屋人的にはどう見てるのか、ちょっと気になってます。
 僕は最近ヒットを続けているアメコミ映画は食わず嫌いで(汗)。89公開(だったかな)の「バットマン」とか、もっと昔のクリストファー・リーブの「スーパーマン」シリーズの2作くらいしか見てなくて、最近のでは「スパイダーマン」すら見てない始末。



#1594 
2015/12/11 10:54
ブラックレイン そして バットマン新三部作について

バラージ様へ

ブラックレインについての感想は ほぼ管理人様と
一致していますね。 大阪人の感想もほぼ同じはず
大阪「ミナミ」と呼ばれる なんば駅から心斎橋駅
あるいは日本橋(ニッポンバシ) を含む地域でも有名な
「ヒッカケ橋」または「ナンパ橋」という橋 
グリコネオンのすぐそば)

あたりからの風景は ミナミで遊びまわったことのある者なら
だれしも納得できる映像であることを 念を入れて保障しておきます

続いて「BATMAN」新三部作について
あのシリーズは まさに「逆転、逆転、さらにまた!」
って感じでしたね。 管理人さんなら きっと気に入られる気がします。
当然内容については一切口外できません!(^^)
あれほど次から次へと予想を裏切られる映画は ちょっと
記憶にないほどです!

が 一本だけ例外がありました。
あえてそれは またの訪問時にお話しさせていただこうかと…




#1593 
バラージ 2015/12/06 19:52
映画紹介 時代劇編

 ちょっと前にここに書いたジャンル別おすすめ映画紹介の時に、歴史・時代劇映画はすでに紹介済みとして省略してしまいましたが、過去に紹介しているのは歴史映像名画座候補の歴史映画だけで、歴史と直接の関係がない(または歴史要素の薄い)純粋な時代劇映画は紹介していなかったので、今回改めて紹介しておこうと思います。

『あずみ』『あずみ2』
 戦国が終焉した江戸初期、幕府転覆を企む豊臣方の大名暗殺を任務とする刺客の少女あずみを主人公とした小山ゆうのマンガを上戸彩主演で映画化。原作は未読。個人的には小山ゆうというと『がんばれ元気』なんだけどなあ(笑)。歴史上の人物も登場しますが内容は完全にフィクションで、アクション時代劇としてなかなか面白かったです。
 第1作は北村龍平監督らしいバイオレンス描写の多い映画で、地上波で放送された時にはカットされた部分がありました。悪役のオダギリジョーが怪演。好きだった女優の岡本綾も出てましたが、後に引退しちゃったのが残念。
 続編では監督が金子修介にバトンタッチ。アクションよりもストーリー性が強くなりました。栗山千明も好演でしたが、第1作ほどウケなかったのか、これで打ち止めに。

『花のあと』
 藤沢周平の時代小説の映画化。想いを寄せた男性の仇を討つため、許嫁の力を借りて藩の重臣に決闘を挑む女性が主人公。北川景子が凛とした佇まいで、剣術の得意な主人公を好演しています。飄々とした許嫁役の甲本雅裕も、いい味出してます。

>歴史的巨匠の映画
 前回、小津安二郎、成瀬巳喜男の映画で観たものを挙げたんで、ついでにその他の日本映画界の歴史的巨匠の映画で観たものも挙げたいと思います。

・溝口健二『雨月物語』『新・平家物語』
・黒澤明『静かなる決闘』『野良犬』『羅生門』『生きる』『七人の侍』『悪い奴ほどよく眠る』『用心棒』『椿三十郎』『天国と地獄』『影武者』『八月の狂詩曲』
・木下恵介『二十四の瞳』
・今井正『青い山脈(二部作)』『また逢う日まで』『ひめゆりの塔(1953年)』『真昼の暗黒』『戦争と青春』
・山本薩夫『忍びの者』『続・忍びの者』『白い巨塔』『座頭市牢破り』『戦争と人間(三部作)』『華麗なる一族』『金環蝕』『不毛地帯』

 黒澤明の映画が多いように見えますが、これは僕が広く映画を観始めた頃にちょうどデジタルリマスター化がされたビデオがレンタル店に並ぶようになったからという理由が大きく、そこまで黒澤にハマったというわけではないんです。



#1592 
2015/12/04 14:15
またふらりと来て 北久保弘之監督について蛇足を

北久保監督の名前を初めて意識したのは実は 「ロボット・カーニバル」なる
オムニバス作品の中で異彩を放つ一作を見た時でしたね。
「明治からくり文明奇譚〜紅毛人襲来之巻〜」
もうタイトルからただ事ではないですが(^^)
目のイッちゃったマッドサイエンティストが勘違いの塊のようになり
「黄金の国ジパングを侵略するため 手漕ぎの巨大ロボを操って…」
大爆笑の展開でした(^^)

あ ちな 「機動警察パトレイバー」の  最初のビデオ作品の
オープニングアニメも 北久保監督が手がけられています。
並べてみると確かにテイストは共通してますね。
それと ヒロインを演じられた横山智佐さんは
のちにかの大ヒットゲーム作品「サクラ大戦」のヒロインを演じられて
いますが 明らかにイメージが共通なのは 偶然ではあり得ないと思います(^^)
あの作品はあの作品で、あまりに強烈なミクスチャーで完成された
すさまじい傑作でしたね。 プレイしながら何度泣きじゃくったか分かりません。





#1591 
バラージ 2015/11/27 00:17
追悼・原節子

 僕が物心ついたときにはすでに表舞台を退かれていて目にすることもなかったので、存在を知ったのは映画をよく観るようになった大学生になってからでした。正直、生きてるのかどうかさえよくわかんない状態でしたが、95歳とはかなりの御長命でしたねえ。僕がリアルタイムで知ってる方だと山口百恵さんみたいなものでしょうか(最もこちらは旦那さんが現役だし息子さんも歌手とかになってるんで、原さんほど消息不明ではありませんが、ご本人が姿を見せないところは同じ)。
 出演作で観たのも『河内山宗俊』『青い山脈』『東京物語』くらい。僕も小津映画は『東京物語』しか観てないんですよね(そもそも昔の映画は実はあまり観てない)。他に成瀬映画にも多く出演してたようですが、僕が見たのは原さんが出演してない『浮雲』と『晩菊』だけ。しかも小津映画と違って成瀬映画はほとんどレンタルされてないんだよな。

>最近観て面白かった映画
『海のふた』
 東京から故郷の伊豆にUターンしてかき氷屋を開業した女性と、彼女の母親の親友の娘で顔にやけどの痕がある少女の交流を描いた、よしもとばななの小説の映画化。菊池亜希子と三根梓が好演。

『ボクは坊さん。』
 祖父の死で寺を継ぐことになった高野山大学(仏教系大学)卒の青年が坊さん業にいそしむ姿を描いた映画。実際の若いお坊さんのエッセイの映画化らしいが、もちろんかなりフィクションも含まれている。

『起終点駅 ターミナル』
 ある出来事をきっかけに妻子を捨てて釧路に流れ着いた元判事で国選弁護士の男が、弁護をした影のある若い女性との交流を通して、お互いの心の傷がいやされていくというヒューマンドラマ。正統派の映画らしい映画。主演の佐藤浩市が素晴らしい。



#1590 
徹夜城(支配人) 2015/11/26 00:24
こっそり更新してました。

 ここんとこ忙しくて、書き込みまでエネルギーが回せなかったんですよね。ここ一か月ばかりの間に書いてた「徒然草」のアップだけこっそりやってましたが、ちゃんとお読みいただいているようでありがたいです。今後も本数はコンスタントに増やしていきたいですね。
気が付くと最近映画館まで足を運んでないなぁ。見てるのは録画やDVDばかり。

 さっき歴史の掲示板にも書いてましたが、訃報が流れた原節子さんについてこちらでも。
 といっても、出演作でちゃんと見てるの、あんまり多くないんですよ。代表作とされる「東京物語」は見てますが、そもそも小津映画で見たのはそのくらいでして。あとは戦中の「ハワイ・マレー沖海戦」、敗戦直後の「わが青春に悔いなし」かな。東宝の記念大作「日本誕生」では天照大神を演じてました。
 現役の時から実年齢より上の印象を受ける、貫禄ある女優さんで、ぷっつりと公の場から姿を消して半世紀以上消息不明なことでも伝説になってましたから、95歳という年齢は意外と「若い」と思ってしまいました。



#1589 
バラージ 2015/11/23 22:22
栄燿映画徒然草

 またまた更新ご苦労様でございます。
 今回追加された作品で僕が観たのは『酔拳2』『ブラック・レイン』『ミッション・インポッシブル2』『レッド・ブロンクス』。アクション映画ばっかりですな。

 『酔拳2』についてはもう書きましたが、その次の『レッド・ブロンクス』はジャッキー久々の快作でしたね。同じスタンリー・トン監督の『ポリス・ストーリー3』以後は、『シティーハンター』『新ポリス・ストーリー』『酔拳2』といまいちの作品が続いてたんで、数年ぶりに満足して映画館を後にした記憶があります。ビルの屋上から隣のビルの狭い踊り場にジャンプするシーンはスタントマン出身のトン監督(パッと見は俳優かと思うような優男風のイケメンです)による発案で、ジャッキーは最初「無理だよ」と言ってたそうなんですが、監督が「僕がやってみせる」と言って自身が跳んでみせたんで、やらざるを得なくなったんだとか。また、暴走するホバークラフトを止めるために、車に刀を固定してそれでホバーを切り裂くシーンがありますが、このシーンはもともとは車ではなくジャッキー自身が刀でホバーを切り裂く予定だったそうです。ところが終盤にジャッキーが足を骨折してしまったため車を使うように変更されたとのこと。最後のNGシーンにもジャッキーが骨折するシーン、松葉杖をついてる姿、そのギプスにスニーカーの絵を描いたゴムをかぶせ、ホバークラフトに引っ張られてスニーカーで水上スキーをするシーンの撮影(!)があって、これまたびっくり。ちなみに最初に出たビデオでは、通常の字幕版と吹替版の他に米国公開版という日本公開版より10分以上短いバージョンも出てました(僕は未見)。

 『ミッション・インポッシブル2』は昔ビデオで観ました。感想はだいたい同じでして、予想はしてたけどいかにもジョン・ウーだなぁと思いましたね。その時に、そういや1作目もいかにもデ・パルマだったんだと改めて気づきました。ちょっと前に書きましたが、僕は最新第5作『ローグ・ネイション』も観たんですが、その後『3』『4(ゴースト・プロトコル)』も観まして、それらもやっぱり一作ごとに作風が違ってました(ただし4と5は似てる)。007なんかだと監督ごとに作風が変わる印象はそんなにないんですが、やっぱり作家性が強い人を監督にするとそうなるんでしょうか。『4』『5』でのトム・クルーズは命懸けスタントに肉体アクションと、ジャッキー・チェン化してましたね。ちょっとネタバレになっちゃいますが、『3』で主人公が結婚してたのを知った時には、『5』ではそんなの跡形もなくなってたんで「えぇっ!?」って思っちゃいましたね(笑)。なぜかは『4』で明らかになるんですが、順番通りに観るべきだったかな(笑)。

 『ブラック・レイン』は公開時に観ました。僕が広く映画を観始めた年の映画ですね。映画自体はまあまあ面白かったという程度でしたが、勘違い日本描写がほとんどないのは後になって思えば確かに特筆ものかも。若山富三郎の英語がもろ吹替なのはちょっと笑っちゃったけど。松田優作の死はびっくりしましたね。当時よく行ってた食堂の店員さんから「松田優作が癌で死んだんだって」と聞いて、「えぇっ! 渡辺謙じゃなくてですか?」と聞き返したことを覚えています。当時、渡辺謙が白血病で『天と地と』を降板してたからですが、その渡辺も後にハリウッドで成功したことに妙な符合を感じます。

>バットマン
 僕は『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』『ダークナイト・ライジング』の三部作は観てないんですよね。『ビギンズ』は渡辺謙の役が勘違い日本人っぽくて敬遠してしまい、『ダークナイト』は逆にあまりにも評判になりすぎて、あまのじゃくな僕は未だ観ていません。その前のシリーズも第1作(ジャック・ニコルソンがジョーカーをやったやつ)をテレビで観ただけでして。
 ちなみに『スパイダーマン』シリーズも、トビー・マグワイヤとキルスティン・ダンスト主演の三部作は観たんですが、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズは観ていません。



#1588 
バラージ 2015/10/31 22:38
エロは世界を救う

 『映画 みんな!エスパーだよ!』という映画を観ました。一昨年にテレビ東京の深夜ドラマ枠「ドラマ24」で放送された連続ドラマ『みんな!エスパーだよ!』の劇場版です。
 ドラマの監督は映画監督でもある園子温。当時、原作マンガが未完だったこともあり、ドラマ後半からはオリジナルの展開だそうです。主人公の男子高校生はある日「あること(あえて伏せる・笑)」が理由で人の心の声が聞こえる超能力者になってしまうんですが、そこから巻き起こるエッチでおバカな大騒動を描いた青春コメディドラマ……まあ一言で言ってしまえば思春期エロバカドラマでした。その徹底した青春エロバカっぷりと、主演の染谷将太やヒロインの夏帆と真野恵里菜の好演もあって(途中で例外的に入ったシリアス回の真野さんが特に素晴らしかった)、非常に面白いドラマでした。

 映画はドラマの続編ではなく、また最初から話が始まる、テレビ版ともまたちょっと違った別の物語になっていました。園監督はテレビを観ていない人に敷居が高い作品にはしたくなかったとのこと。またドラマで夏帆が演じていた役は池田エライザに交代しています(これまた好演)。
 映画はドラマ以上にエロバカ満載。パンチラしまくり、水着・下着・半裸の女性が始終うろうろしている美女祭り状態です。でもやたらと陽気なエロバカなので不思議とイヤらしくは感じないんですよね。むしろ笑っちゃう(だからエロバカなんですが)。しかしそんなエロバカが、最後には意外な感動へと昇華していきます。それは観てのお楽しみ。いや、面白かった。まさに大団円といった結末でした。



#1587 
2015/10/29 06:31
生頼範義氏について

生頼範義氏の描かれたスター・ウォーズのポスター画は、背景の宇宙が緑で彩色されていて、たしかルーカス監督もそれをいたく気に入られたとか聞いたことがあります
ゴジラvsキングギドラのポスターは自分も相当気に入っていますね。
あれがドーンと表紙になったパンフには感動した覚えがあります 巨人、と言い切っていい人の一人だと思い続けてきました。訃報に接し 改めてその偉大さを振り返る思いです。

北の零年については皆さんのおっしゃるとおりと自分も感じます。
なにせあの怪作のシナリオを…まぁこれくらいにしておきます(^^)



#1585 
徹夜城(支配人) 2015/10/28 16:37
生頼範義さん死去

特に映画に限定した活動をされていたわけではないんですが、僕自身は映画のポスター画であこがれていた絵師サンということもあり、こちらで話題にさせていただきます。

生頼範義…これで「おうらいのりよし」と読むのだということも、この方の名前を字面で憶えてからしばらくかかった過去があります(笑)。
僕が最初に意識したのは「ゴジラVSキングギドラ」のポスターだったと思います。というか、それまでゴジラシリーズに手を出してなかったので…すでに84年「ゴジラ」と「VSビオランテ」でポスター描かれてるんですけどね。
「VSキングギドラ」のポスター、咆哮するゴジラにキングギドラの三つ首がからみつき、光線(?)を口から吐いている。その手前では原子力潜水艦が核ミサイルとおぼしきものを上空へ発射、という構図。実際には映画中で原潜は出てくるけどミサイル発射はないんですが、なんともカッコいい構図だなぁと思ったものです。その後の「VSメカゴジラ」のポスターもなかなか秀逸でして、映画中とは似ても似つかない「生頼版メカゴジラ」がなかなかイカします。

 その後「スター・ウォーズ」はじめいろんな映画のポスターを手掛けられていることを知りました。ああ、「三国志」「信長の野望」「維新の嵐」「水滸伝」…などなど光栄(あえてこう書く)歴史ゲームでもインパクトたっぷりのイラストを描き、同社の看板屋になってた感もありました。
 その後「底抜け超大作」という、駄作・怪作を集めた映画本を見たら、「生頼ポスター特集」のコーナーがあったんですね。この人の手にかかるとどんなB級作品も一級超大作に見えてしまうと(笑)。ゴジラのポスターもそうですが、映画を見てから描いたのか、基本設定や資料だけ見て描いたのか気になるところもありますね。なんにせよ、この人の絵にかかると確かにワクワク感バッチリでした。

 映画に限らず、SF小説の表紙絵もずいぶん手掛けられてるんですよね。



#1584 
バラージ 2015/10/25 18:46
栄燿映画徒然草

 お久しぶりの更新ご苦労様です。
 今回追加されたもので僕が観たのは『ロボジー』だけ。公開時に映画館で観ました。細かいところはもうあまり覚えていませんが、僕は普通に面白かったですけどねえ。すごく面白かったというほどではないけど、まあまあ面白かった、なかなか面白かった、というところでした。確かに突っ込みどころもあったかもしれませんが、作ってる側もそこは織り込み済みと言いますか、観る側もそこも含めて承知の上で楽しむ映画なんじゃないかなあ。コメディ映画なんですし。『ロボコン』の感想の時にも書きましたが、僕は現実のリアルなロボットにはあまり関心がないので、そういうところはほとんど気になりませんでしたね。
 あと、吉高由里子さんは『花子とアン』よりずっと以前に、2008年の映画『蛇にピアス』でブレイクしてたと思いますよ。その後、連ドラや映画で主演もしており、『花子とアン』はすでに有名な若手女優が主演したというパターンかと。

>北の零年
 僕も徹夜城さんとだいたい同じ感想です。他に気になったのは、この映画に限らず明治初期が舞台で元武士が主人公だと、なぜか商人がものすごく悪者に描かれちゃうことですね。最近観た『柘榴坂の仇討ち』も、途中まで観た(寝落ちしてしまった)『るろうに剣心』もそうだったし、『ラスト・サムライ』もそうでした。そこがちょっとなあと思いましたね。



#1583 
徹夜城(支配人) 2015/10/24 21:02
久しぶりでこちらの更新作業をしました。

「歴史映像名画座」以外は動いてませんでしたからね、ここ。掲示板がにぎわっているうちに(笑)と、更新作業をいくつかやっておきました。

まずこの伝言板の過去ログ整理。気が付いたら現在のこのファイルがえらくデカくなっておりましたので分割して#1500まで過去ログ入りさせました。
それと以前から懸案だった「栄耀映画徒然草」の新規追加。去年からチビチビと書いていて、そのうちまとめて…なんて思ってるうちにそのまんまになってたのがいろいろありまして、今回それも一挙に8本アップしました。この勢いがあるうちに最近見たものの文章も書いてしまわなくては(汗)。


>「北の零年」
 警告は間に合いませんで、僕もTV放映時に見ております(笑)。
 う〜んと、警告なさったのは脚本家が同年の「デビルマン」を手掛けた方だからでしょうか?
 「北の零年」に関してはそうひどい地雷というわけでもないでしょう。といってもちろん傑作でも決してない。北海道の開拓苦労話としてはまぁまぁ…というところだと思います。ま、確かに吉永小百合と渡辺謙が夫婦、しかも「あとがま」(?)は豊川悦司というのが、小百合さまがいくら若作りとはいえ無理がありますよねぇ。そもそも吉永小百合主演で作る、という企画だったのでしょうから、しゃアないと言えば…
 前半はそこそこ興味深く見ました。淡路島の藩がまるごと北海道開拓に渡り、ようやく殿様をお迎えできると思ったら廃藩置県で藩がなくなっちゃった、というのはこの時代ならではの展開でしょう(もっとも映画では殿様がすぐ帰っちゃうけど史実ではちゃんと残ったんですってね)。渡辺謙の旦那さんが行方不明になったあたりから明らかに話がおかしくなってく気がします。ラストのおんまさんもねぇ…



#1582 
2015/10/21 22:56
恐ろしい人

自分は「バットマン・ビギンズ」に始まる、バットマン最新三部作が
とても大好きです
全米で話題になった「ダークナイト」はもちろん、「ダークナイト・ライズィズ(
邦題は少し違い「バットマン・ライジング」となっています)」つまり
「闇の騎士 昇天す」 的なタイトルである三部作完結編も 泣くほど大好きです

その三部作をとても詳細にというか 激烈に分析したブログがありましたが
全て納得して読みながら 飛び上がるような一言が書かれていました
最終作に登場したとあるキャラについて
「またおっかない人の役だったよ!」と。

大変素晴らしい演技力な方です
これ以上詳細に書くのは ネタバレ警報以上なのですが

まぁなんですかね 上手い人ほど恐ろしい役を
演じられるのでしょうね

その方が主演された恐ろしい演技力の映画は
美空ひばり様の ワールドワイドな様な人生を歩まれた方の
伝記的映画でした 元嫁が勧めなければ 絶対観ないタイプの映画でしたが
泣きそうなほど感激しました

調べられたら多分すぐ分かると思われます
ちなみに自分は 演技の上手い方 歌の上手い方 は
とにかくプロとして物凄く尊敬どころか崇拝してしまいます
今自分がハマっているのは
…言わないでおきましょうか 7人編成で イギリスのロックフェスで
5〜6万人を熱狂させ レディー・ガガをして「ファンになったわ!」と叫ばせ
ついには北米ツアーに同行させたという もはや生きた伝説状態な
センターボーカル17歳 左右のダンサーズ16歳 というあり得ない程の若さで
ワールドツアー10ヶ国 そしてようやく初の国内ツアーの真っ最中
センターボーカルな子は 4歳で初めて人前で歌ったらグランプリ
8歳で(あのパヒュームも卒業した芸能養成校 アクターズスクール広島の
オーディションを受けたら「特待生合格」

世の中 持っている人は最初から完全に持っているんですよね ホント




#1580 
2015/10/21 22:24
バラージ様へ 北の零年その他

まぁアレです(^^ 吉永小百合様を含め
ガチ言っちゃいますと いわゆる全共闘世代的な思想の流れは
手に負えないですよ 邦画の悪いところの見本のようなもんでね
自分は 映画館にカネを払うのは スペクタクルを大画面で見るためだと
言い切るタイプなので そもあんなタイプの映画は 絶対観ません(^^

先の書き込みをしてから どうしても頭から離れない事があるので
書いてしまいます 「カムイの剣」に唐突なカメオ出演をした
マーク・トウェイン氏ですが 確か記憶によればこういう警句を吐いておられます
「禁煙? んなモノは簡単だ 私は何十回もやった」
…突っ込みどころはお分かりですよね。
そしてカメオ出演というのも 時として強烈なことがあります
自分は 初見では全く気づかなかった例があり
「ブルース・ブラザーズ」のラスト近くに登場する
小役人さんですが なんとスティーブン・スピルバーグ監督その人!
言われてみれば スピルバーグ氏そのものにしか見えないのですが
不思議なもので あとで知識を得るまで まるで気づきもしませんでした




#1577 
バラージ 2015/10/21 21:59
北の零年

 残念ながらすでに観ております(笑)。最初から観て、途中をちょこちょこ抜かして最後まで観たように記憶してるんで、多分テレビ放送を途中でチャンネル変えたりしながら観たんだと思います。まあ何というか、こういう話はあんまり好きじゃないな〜という作品でしたね。つまらないとか質が低いとかではなく、ストーリーがなんでこういう展開にしちゃうかなぁ……という映画でした。
 あと、吉永小百合の旦那が渡辺謙ってのもねえ。どう見ても年齢的に無理が……。まあ、吉永さん主演で企画されたんだろうし、相手役も多分吉永さんの指名だったろうから仕方ありませんが。



#1576 
2015/10/20 23:48
バラージ様へ

一つだけご忠告申し上げます
「北の零年」だけは ほぼ確実に鑑賞されないほうが御身のためかと
スタッフそれもメインな方に 相当問題のある人が噛んでいます
キャストが良くてもスタッフがアレなケースというのは
邦画で特に頻出する事態です
壮絶にヤバい人が メインにいるので
ほぼ確実に地雷です
触れられないことをこそ願いますm(_ _)m



#1574 
バラージ 2015/10/20 22:22
酔えば酔うほど酔っぱらう

>『酔拳2』
 ジャッキー・チェンと聞いたら黙っていられない(笑)。『酔拳2』の当初の監督だったラウ・カーリョンはカンフー映画のベテランではありましたが、その分クラシックな、悪く言うと現代アクションを経てきたジャッキーから見て古臭い作風だったため、意見の対立の末に降板し、その後はジャッキー自身が監督してかなりの部分を撮り直したらしいです。僕もまあまあといった程度でしたね。
 ラストが尻切れトンボな感じですが、オリジナルではあの後の部分があり、工業用アルコールの飲み過ぎで失明して、頭もおかしくなっているというラスト。飲酒禁止のイスラム圏であるマレーシアに配慮したからという噂もありますが、日本の上映コードに引っかかったらしくその手前で切られています。今では国際版も地元版も手前で切られており、オリジナルのほうが幻になっているようです。

>『許されざる者』
 僕はオリジナルは観たんですが、リメイク版はどうせ同じ話だしな〜とあまり気が進まず未だ観ていません。でもアイヌ絡みならちょっと観てみようかな〜という気もします。同じ時代でアイヌが出てくる映画には『北の零年』もありました。また、マンガですが現在ヤングジャンプで連載中の『ゴールデンカムイ』が明治末期の北海道を舞台としていてアイヌが登場しており、なかなか面白いです(と言っても毎週読んではいないんですが)。

>『黒衣の刺客』
 史劇的伝言板にも書きましたが、観たいけど僕の地方に来るかどうか。よくよく考えるとホウ・シャオシェン監督の映画が最後に僕の地方に来たのは、90年代前半の『戯夢人生』だったような……(『珈琲時光』は来たかもしれないけど、あれは日本映画だったし)。その後のは全部ビデオ・DVD視聴です。



#1572 
2015/10/20 07:40
管理人様へ

北海道 西部開拓 さりげにカムイの剣とかぶるのはなぜ(^^
アイヌ関連は興味ある話題ではあり 是非「許されざる者」も
鑑賞したいと思いました
でもどちらの版を先に見るのかというのも…(^^;
ちなみにカムイの剣に 突如あのマーク・トウェインが
登場した時には腰を抜かすかと思いましたが。



#1571 
2015/10/20 07:31
バラージさんへ

書き込みについては PCからと
スマホだったりガラケーだったりだと
確かに感覚がぜんぜん違うことが多いですね
最近某所で 読みにくいと言われて
初めてそのことに気が付きました

あと バラージというお名前の由来は
実は ほぼそれだろうなと思いながら尋ねました(^^
あの語感は確かに独特で 自分もずっと
脳裏に焼き付いたままです
実はあの時 ウルトラマンではなく
「バラージの青い石」こそが怪獣アントラーを
倒したんですよね 数少ない例外として ウルトラマンは結局
アントラーには勝てていない
その意味でも大変印象深いエピソードですよね



#1570 
徹夜城(支配人) 2015/10/19 13:08
いやぁ、いつの間にか盛り上がってる。

 支配人のくせして全然参加してませんで、ついついチェックを怠っていました。そしたらここ数日でえらい書き込み量でビックリ。しかもかなりお久しぶりな方々もいらっしゃって。
 僕もいろいろ忙しいので映画を見てる暇もそうそうないのでどうしても自分の趣味に走ったジャンルに集中しがちですが、こうしていろんな方の映画紹介を見てるとそれぞれに興味がわいてきますね。これがこういう掲示板のいいところです。

 さて僕自身、最近は何を見たのかといいますと…劇場で見たのは先日の「黒衣の刺客」。台湾の名匠・侯孝賢監督の武侠映画です。う〜〜〜ん、これ、かなり見る人を選ぶと僕は思います。細かい論評は避けますが、何が何やらと思ってるうちに「え?終わり?」ってな感じで見終えてしまいました。

 TV放映のものでは渡辺謙主演版の「許されざる者」をやっと見られました。イーストウッドのオリジナル版も結構好きでしたし、公開当時気にはなったんですがついつい見逃してました。
 全編を明治初期の北海道を舞台としたので、「日本版」といっても時代劇よりも思いのほか西部劇風味。まぁ考えてみりゃ西部開拓と北海道開拓は時期もおんなじですし。これ見てると手塚治虫の「シュマリ」なんて実写映画向きだよな、と思ったりしました。
 西部劇でインディアンなら北海道はアイヌとなるわけですが、オリジナルではインディアンがほとんど姿を見せなかったのに対し、この日本版はアイヌの存在がかなり大きい。主役チーム三人のうちの一人がアイヌとの混血ですし、アイヌ人への迫害も描かれる。またオリジナル版ではどういう人なのか全く描かれない主人公の亡き妻が、この日本版では明確にアイヌ女性に設定されています。そこらへん、「歴史物」としての深みも出てますね。
 当然ながらストーリー展開はほとんどおんなじ。「荒野の七人」「荒野の用心棒」みたいに「翻訳」ぶりを楽しむことができます。モーガン=フリーマンの役どころに柄本明、というのはイカニモって感じで。
 ただラストだけ、決定的な違いがあるんです。当時の日本の設定だとこうならざるをえないかな…僕はこっちの方が納得もいくし余韻もあったと思います。

 昨日はジャッキー=チェンの「酔拳2」も初鑑賞。90年代前半くらい、僕は無茶苦茶にジャッキー映画にハマってましたが、これはついつい見逃してた一本。「前作」とはずいぶん間もおいてるし内容もまるでつながりはないですが…どうも監督の途中降板とかいろいろあったようで、映画としてのまとまりを欠いてる嫌いはありました(香港映画、現場でどんどん脚本変えたりするから、ともすればそうなりがちなんだよな)。

こういうの、本来は「栄耀映画日記」の方で書くべきなんですよねぇ。実は結構書き溜めだけはしておりまして、そのうちポコポコとアップされると思います。




#1569 
バラージ 2015/10/18 14:56
すいません

 僕はPCから書きこむ時と携帯(ガラケー)から書き込む時があるんですが、携帯から書き込んだ時にああいう感じになっちゃうんですよね。自分でも後からPCで見て、「うわっ、なんかごちゃっとしちゃったなあ」と思うんですが、携帯は1行内の文字数が少ないので改行はあれくらいのほうがむしろ読みやすいんで、自然とああなっちゃうんですよね。
 逆にPCは1行内の文字数が多いんで改行が少ないと読みにくくなってしまうんですが、PCで書き込んだ改行の多い書き込みを携帯で見ると、やっぱりそれはそれで読みにくくなっているんです。でも確かに今回のはちょっと読みにくいですね。ちょっと気をつけます(でも多分、今後もあまり変わらないような気がしないでもない……)。
 長文については僕の趣味嗜好からどうしても長文になってしまいます。個人的には連続投稿のほうをなるべく避けたいと思ってますんで、ご容赦といいいますか申し訳ないけど諦めてください(笑)。

 「バラージ」というのは、『ウルトラマン』に「バラージの青い石」という回がありまして、僕は子供のころからその「バラージ」(劇中に登場する架空の国)という言葉の語感がなぜか気に入ってたんで、なんとなく使いました。正直、ペンネームやハンドルネームって、考え出すと結構面倒なので適当に決めちゃってます。



#1568 
Киска 2015/10/18 02:49
草原系

管理人様、大変にお久しぶりでございます。
昨年の東京国際映画祭で観てよかったなあと思っていた作品が珍しく続けて一般公開されていて、いそいそと二度目の鑑賞をしてきたところです。

全く台詞を排した美しい草原の映画「草原の実験」
日本では、ヒロインの美貌の話題先行になっていてそれではやや本質を見失うと思うのですが…。
とても美しく、雄弁で、豊かで、恐ろしい映画です。
監督したアレクサンドル・コットの前作は「ブレスト要塞大攻防戦」で、こちらは普通のロシアっぽい戦争映画って感じ(「さあ、俺に続け、ウラー!」「ウラー!」→全滅)ですが、この作品では大化けしたものです。
但し、ロシアでの評価はブレストの方が高いようです。
ロシアにとっては中央アジアのできごとよりも大祖国戦争の英雄的戦いの方が共感を持てるのか。
日本人には愛着の持てるヒロインの美しさ(お父さんが朝鮮系とのこと)も、彼らには物凄く心に響くわけでもないのかもしれません。
「トルパン」とか「ウルガ」とか草原系の映画を再見したくなりました。

それから「ボーダレス ぼくの船の国境線」
こちらも台詞が極端に少なく、前半はイラン人少年が黙々と廃船で秘密基地生活というかサバイバルやっています。そこにアラビア語話者や英語話者という侵入者があり、国・言語・性・世代の境界は越えられるのかと挑むような、とてもイラン映画らしい作品です。
イラン映画では敵国の人も悪くは描きませんからね。
(これは今日上映後にあったトークイベントでサヘル・ローズさんも触れていました。「憎んだら新たな兵士が生まれるだけ。私たちは赦す」と。)

2作品とも、是非ご覧になっていただきたいと思います。

少し前の話題になりますが、皆さんサッカー映画にはあまり触れられていませんね!
サッカー映画には
Aドキュメンタリー
B実在した試合を元にアレンジした作品
C実在した試合をエピソードに使った作品
D試合もストーリーもフィクション
といったカテゴリーがあり、ドキュメンタリー作品は当然ながら結構な数作られています。サッカー好きが観るとそれなりに面白く思えます。「ホームレス・ワールドカップ」とか「アイ・コンタクト」を挙げておきましょうか。

Bカテゴリーは、例えば「勝利への脱出」とか「ベルンの奇蹟」とかですね。
「勝利への脱出」の元になった試合、1942年8月9日の所謂「死の試合」、スタルト・キエフとドイツ空挺部隊チームFLAHELFとの間で行われた試合についての映画は、何本も繰り返し作られています。
最近ではロシア・ウクライナ合作で「(その)試合」ですが、この映画、ロシアで行われるワールドカップに向けて日本でも公開してくれないかなあ。
それ以前には1962年のソ連映画「第三のタイム」、やハンガリー映画「地獄のハーフタイム」などが「死の試合」を取り上げているそうです。





#1567 
2015/10/18 00:39
虎大反省to バラージ氏

自分が先に連投したのも壮絶に読みにくいし
改行少ないなぁ… とってもすみません@バラージ氏 m(_ _)m

一つだけ質問です 「バラージ」って何のことですか?←



#1566 
2015/10/18 00:36
バラージ様ごめんなさいm(_ _)m

斜め読みした限りでは かなり同意できる意見と思います
が。
この無改行の長文は ちょっとあまりにも読解困難すぎます

数行に一度は行空けが欲しいし
内容が濃いだけにさらになんと言うかもうね(^^;

多分かなり同意できる内容だとは思うんですが

可能であれば 少し噛み砕いて 何回かに分けるとか
して頂けませんか? 以前から バラージ氏の意見には
かなり共感できるものを 感じているんですが
(そも バラージって何よ(笑

今回の書き込みはあまりにも読みにくすぎます!
分割か 抄訳を 切に願います
某パタリロ!風に言うと瞬時に
「目がストライキを起こした」
状態ですので 是非にと切望しますm(_ _)m



#1565 
バラージ 2015/10/17 14:26
21世紀の終末世界

 #1542で、核戦争で文明社会が崩壊した近未来というのは冷戦時代の20世紀後半的近未来像なのではないか?と書きましたが、実際に冷戦時代のSF映画には『博士の異常な愛情』『未知への飛行』『渚にて』『世界大戦争』『サクリファイス』『ザ・デイ・アフター』など、核戦争を扱った近未来SF映画が数多くありました(僕はいずれも未見)。また、『マッドマックス』や『北斗の拳』のように核戦争後の終末世界を舞台としたSF映画には『猿の惑星』があります。それだけ冷戦時代には核戦争の恐怖というものが身近であり、人々の心をとらえていたのでしょう。
 しかし共産主義陣営が崩壊して冷戦構造が終結し、世界が内戦と民族紛争の時代に突入すると、核戦争による文明社会の崩壊というイメージは現代的リアリティーを失ってしまいます。最初にそれを感じたのは、90年代中頃にマンガ『ドラゴンヘッド』を読んだときでした(後に映画化もされているがそちらは未見)。このマンガは、突然原因不明の大災害に見舞われた高校生たちが、文明社会が崩壊した極限状況の中で狂気に支配されながらもサバイバルしていく姿を描いているんですが、大災害の原因が核戦争などの人為的災害なのか、地球規模の自然災害なのか、それらの複合型災害なのか最後まで説明されませんでした。あくまで極限状況の中の人間を描くのが目的で大災害の原因を描く必要はない作品なんですが、ずっと読んでいて、描かなかったというより描けなかったのではないかという印象を持ちました。僕も連載中、原因が核戦争じゃ(あるいは大地震などの自然災害でも)今さら使い古されたネタで陳腐だよなぁと思ってたんですよね。それより10年ほど前の『飛ぶ教室』というマンガでは核戦争後の世界でサバイバルする小学生たちを描いていたのに、冷戦終結後わずか数年で、核戦争で文明が崩壊した近未来世界というものが一気に古臭い世界観と化してしまったわけです。ゼロ年代のコーマック・マッカーシーの小説『ザ・ロード』(これも映画化された)でも文明社会が崩壊した終末世界でサバイバルする親子の姿が描かれてますが、やはりその原因は全く描かれていませんし、リメイク版『猿の惑星』(これも未見)でも核戦争のネタはなくなっています(あのオチをもう1回やるわけにはいかないってのもあるんでしょうが)。
 では、21世紀現在のリアリティーを感じさせる終末世界とは何か? そこでふと頭に浮かんだのが、#1527で紹介したテレビドラマ『セーラーゾンビ』です。このドラマの街の風景は核戦争後の荒野とは違ってゴーストタウンに近いもので(ゾンビが発生しただけなので当然ですが)、それが日常と地続きの終末世界という感じでとても印象に残ったんですよね。また、このドラマでもなぜ世界がゾンビだらけになったかの説明はされませんが、総合演出・共同脚本の犬童一心のインタビューによるとそれは意図的なものだったようで、そもそもゾンビ映画の元祖であるジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(未見)でも、なぜゾンビが発生したかは一切説明されてないそうです。さらに深読みしてみると、ゾンビという存在自体がある種の現代的状況(イスラム国やオウム真理教、ネット空間における顔のない悪意など)のメタファーになっているんではないかという推測もできます。そう考えると今またゾンビ映画が隆盛を迎えていることも、非常に象徴的な現象なのかもしれません。

>オマージュ映画
 森田芳光監督のデビュー作『の・ようなもの』の続編的映画『の・ようなもの のようなもの』が来年1月に公開されるそうです。監督は長年森田監督の助監督を務めてきた人で、主演は松山ケンイチ(『僕達急行』)、ヒロインに北川景子(『間宮兄弟』)、伊藤克信ら前作の出演者も出るとのこと。これは楽しみ。観に行く前に『の・ようなもの』を見直そうかな。松山ケンイチというと、夏に放送してた連続ドラマ『ど根性ガエル』も良かったですねぇ。去り行く青春時代の切なさに満ちたドラマでした。
 森田オマージュに対して、市川準オマージュと言えるのが過去にご紹介した『森崎書店の日々』『もらとりあむタマ子』。やはり優れた映画監督にはそれを敬愛する後続者がいるものです。



#1564 
2015/10/17 04:24
カムイの剣付記

大変重要な点を書き落としていましたm(_ _)m
のちに「AKIRA」により芸能山城組の名が
大きく有名になったようですが「和楽器とロック」というコラボレは
本作「カムイの剣」で 宇崎竜童氏と 和太鼓奏者 林英哲氏 に対し
りんたろう監督が協力を求め実現したのがはるかに先んじています
また 監督自身のアイディアによると言う(当時ラジオで確かに聞きました)
奇矯な合いの手が 映画全体にさらに異様な迫力をつけ加えています
その意味ではサントラ盤も必聴です さらに付け足せば
アニメーションにも壮絶に意欲が凝らされ この世ならぬ幻術やアクションが
無数に飛び交う忍者合戦は 今日から見ても衝撃的なレベルです
…つまらなかったという感想をぜひお待ちしています←笑



#1563 
2015/10/17 04:10
角川アニメ最高傑作!りんたろう氏監督「カムイの剣」

自分はこの作品を「銀河鉄道999」に匹敵するりんたろう監督の
最高傑作に挙げます 当時 SFXやCGの発展も未だし な中
映画会は 狂乱のブームを生み出していたアニメ(週に何十本放映されていたか 数える気にもなれない程)
に活路を求めていたのです
その最高の成果が宮ア駿氏によって早々に成し遂げられたことはしかし
いわゆる「リアルテイスト」な絵柄にかなりのプレッシャーを与えてしまったと思います
宮崎市のジブリ路線はここからぐいぐい軌道に乗っていきますが
同じりんたろう監督の「幻魔大戦」もほんの一瞬の話題にしか…
まぁ 原作未完結という中でよくまとめたとも言えますが
本作「カムイの剣」の完成度はそれを易易と凌駕しています
原作者は「幻魔」の平井和正氏と同様 日本SF界の初期黄金期を築かれた作家の一人
矢野徹氏です
予め申し上げておくと 伝奇アクション時代劇アニメ とでも称すべき作品です
そして 忍者モノでもあります その中でもハードな展開 描写があることは
ご承知おき下さい ただ何より ステージの壮大さというのが強烈です
現在の青森から始まり 蝦夷地 ベーリング海を抜けてアメリカ西部
太平洋の小島 そして日本へ戻ったと思うや南から一気に北へと駆け抜け
幕末動乱のまっただ中を 函館五稜郭までの猛烈な移動
当然当時の時代背景のままですから どれほどの移動かお分かりと思います
無数の伏線が見事なまでに解きほぐされ 切なさ漂う雨の中のラストが
冒頭のナレーションへと見事に重なる展開 そして切ないEDテーマ曲まで
息つくヒマもなく完璧に仕上げられています
流石に上映時間は少々長すぎますが どうぞ食事休憩 水分補給 
トイレ休憩などを挟んででも御覧下さい それだけの価値のある作品だと
断言します



#1562 
2015/10/17 02:42
十三人の刺客(連投しかも誤爆すみませんm(_ _)m)

バイオレンス 残虐趣味 アクション 剣戟 爆発 スペクタクル そして恋愛まで
娯楽映画のあらゆる要素をこれでもかとぶっ込んだ
時代劇超傑作
公開当時の映画レビューのほぼ全部が 敵役の狂った殿を演じた
稲垣吾郎の怪演に必ず触れていますね 

実は某学会院な職場の先輩と会話したせいで知っているのですが
SMAPで唯一学会員でないのが彼だそうです また ロケバスを
蹴ったり殴ったりしたヤンキーをメンバーがゾロゾロ降りて行って
怒鳴りあげ追い散らし バスに戻ったら彼一人だけが平然と雑誌を
読みふけっていたとかw
独特なキャラであることもハッキリ分かりますね
彼に狂気の殿を演じさせたのはまさに慧眼 そこまで極悪残虐な奴だからこそ
十数人もが寄ってたかってたった一人を暗殺しようというストーリーにリアル感が
生まれます

あとは監督のアクションの才を存分に発揮するのみ
年齢指定制限のある グロや残虐もかなりあることはご承知おき下さい
しかしそれは黒澤映画の傑作「用心棒」や「椿三十郎」にもあること

作品の価値は一ミリも落ちないと信じます




#1559 
黒駒 2015/10/06 11:02
ガンジー

ふとリチャード・アッテンボローの「ガンジー」が見たくなって、10年ぶりくらいに再見しました。二回目で見ると、テーマの重さと比べてインドの風景が美しい映画だなと思いますね。「インビクタス」の南アフリカの風景も綺麗でしたけど。

ベン・キングスレーのガンジーがそっくりなことが話題になる映画ですが、冒頭でまだ青年弁護士時代のガンジーから始まって、徐々に我々の知る後年のガンジーのスタイルに近づけていく手法で、これは大河ドラマなんかでもたまにやる、貴族的な青年後醍醐が後に変貌するようなやり方と同様な手法だなって思いますね。



#1558 
つね 2015/09/22 23:27
天空の蜂

今日は「天空の蜂」を見てきました。東野圭吾が原作で1995年発表というのが脱帽です。原発に対するテロを描いていますが、単純な反原発と言うわけでもなく、技術者、自衛隊、警察それぞれが最後まであきらめずbestを尽くしており、引き付けられます。動燃理事長はステレオタイプでいい演技してますが。



#1557 
バラージ 2015/09/22 09:45
アイドル映画だと侮ることなかれ

 DVDで『アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48』を、映画館で『悲しみの忘れ方 DOCUMENTARY of 乃木坂46』を観ました。SKE48はAKB48の名古屋姉妹グループ、乃木坂46はAKB48の公式ライバルという設定の東京のグループです。

 AKB48のドキュメンタリー映画については、#1360、#1379でも紹介しましたが、今までに『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』『DOCUMENTARY of AKB48 No flower without rain 少女たちは涙の後に何を見る?』『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』の4作が作られており、1・2作目はDVDで、3・4作目は映画館でそれぞれ観ています。1作目はただのインタビュー集のような映画で面白くありませんでしたが、監督が代わった2・3作目はすでに書いたとおり非常に面白い映画でした。4作目はややマンネリ化が見られ、いまいちでしたね。

 今回の2本は、SKEのはいまいちでしたが、乃木坂のは面白かったです。両作品の差は何かというと、グループの外にある世界と切り結んでいるか?でしょう(前記AKBドキュメンタリー映画も、東日本大震災が映画の軸になっていた第2作が最も面白く、次いで社会現象にまでなった前田敦子卒業が軸となった第3作が良かったんですよね)。
 SKEの映画は、AKBと違って全国的グループではないせいもあってか、グループ内という狭い範囲の話になってしまっています。アイドルという閉じられた世界の話になってしまっているんですよね。終盤になってようやく卒業という外の世界とリンクする話になってくるんですが、全体的にはやはりAKBドキュメンタリーに比べるとこじんまりとした話になってしまっていることは否めません。
 それに対して乃木坂の映画は、まず彼女たちがなぜオーディションを受けようとしたかが描かれ、いじめや不登校や挫折や貧しさなどシリアスでヘビーな背景があったことが語られていきます。この「乃木坂以前」にかなり長い時間を割いているのが成功の要因でしょう。また、母親へのインタビューが女優・西田尚実のナレーションで語られるんですが、これがアイドルという世界の外部からの視点として非常に上手く作用しています。いや、面白かったです。



#1556 
黒駒 2015/08/29 23:30
お礼

>バラージさん
遅くなりましたが、スポーツ実録映画のご紹介ありがとうございます。メモさせていただいて、参考にしますね。私はスポーツ実録もので何か見てみようと、「42」を見ていました。実在した黒人メジャリーガーの伝記で人種差別の重い話ですが、やたらと差別発言のヤジを飛ばす相手チームの監督もちゃんと実話に基づいていて、調べてみると面白いです(それでいて、どこか憎めないような人物として描かれているのが興味深いですが)。



#1555 
つね 2015/08/25 16:18
ジュラシック・ワールド

恐竜好きなんで見てきました。シリーズの中で映画館で観たのは1作目以来。SFですが、何も考えずに楽しむのが正解かと。音楽や小物、シーンなど様々なところで1作目へのオマージュがあります。
今回はIMAX3Dで観たのですが、4DXというのもあるようですね。まだまだ上映できる映画館が少ないようですが、いずれ味わいたいものです。



#1554 
バラージ 2015/08/20 22:06
私をスポーツに連れてって

 スポーツ映画というとどうしても野球映画が中心になってしまいますね。映画の中心がハリウッドなので、世界で最も人気があるスポーツでも米国で人気のないサッカーの映画はどうしても少なくなってしまいますし、かといって米国で人気でも日本では人気がないアメフトやアイスホッケーの映画は日本で公開されにくいでしょう。
 スポーツの実話系映画というと、伝記映画ということになるパターンが多く、『タイ・カッブ』『ベーブ 夢を生きた男』『打撃王』『42 世界を変えた男』なんてのがあります。選手以外なら『マネーボール』ってのもありましたね。実話の映画化だと、ブラックソックス事件を映画化した『エイトメン・アウト』という映画がありました。実話映画ではありませんが、『フィールド・オブ・ドリームス』もブラックソックス事件をネタの一部に取り入れてましたね。他には、これもそのまま実話ではないけれど、第二次大戦中に実際にあった女子リーグを題材とした『プリティ・リーグ』という映画もありました。
 野球以外だと、以前どこかに書いたテニスの『リトル・モー』、ボート競技の『栄光と狂気』があります。他にはボクシングの『ALI アリ』もありますね。『ザ・ハリケーン』というのも実話ものだったのでは? スポーツと言えるか微妙ですが競馬の『シービスケット』というのもありました。
 日本映画だと、この間公開された『バンクーバーの朝日』というのが実話ものだったはず。『ラストゲーム 最後の早慶戦』というのもあったような。実話映画ではありませんが、『走れ!イチロー』は村上龍の『走れ!タカハシ』の映画化。オリックスブルーウェーブ(当時)のイチロー(原作では広島カープの高橋慶彦)に少しだけ関わった人々を描く群像劇で、本物のイチローが友情出演しています。これもスポーツ映画か微妙ですが、歴史映像名画座にある『力道山』もスポーツ映画の一種と言えるかも。
 これらのうち僕が観たのは『タイ・カッブ』『フィールド・オブ・ドリームス』『リトル・モー』『栄光と狂気』だけですが。

>リメイク映画
 原作の有無による定義は僕がなんとなくそう思ったというだけで、一般的にどう定義されているかはよくわかりません。つねさん、徹夜城さんのおっしゃる通り、オリジナル脚本映画のリメイクの場合はそもそもオリジナルが知名度も評価も高いので当然ながらリメイクには厳しい目が向けられるし、実際オリジナルを越えられないことが多いですよね。
 原作のある映画でも映画化作品のほうが原作より有名な場合は、原作の再映画化ではなく前作のリメイクとして作られることもあるようで、『サイコ』『ダイヤルMを廻せ!』『麗しのサブリナ』なんかは実は原作があるらしいんですが(全然知らなかった)、リメイク版はあくまで前作のリメイクとして作られたようです。当然ながら前作を越えられなかったんですが、まぁどれも最初リメイクされると聞いたときに、「なんでリメイクなんかするの? 絶対前作越えられないでしょ」と思っちゃいましたけどね(僕は旧作も新作も未見ですが)。
 僕が1番驚いたリメイク作はかなり昔にレンタルビデオ店で見つけた『新・ローマの休日』というやつでして。米国のテレビ映画らしいんですが、勇気があるというか無謀というか暴挙というか……(笑)。

>最近映画館で観た映画
 『ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション』を観ました。なかなか面白かったです。やっぱりアクション映画はなんにも考えずに観れて、見終わったらスカッとしてなんにも残らないのがいいですね。『レッド・オクトーバーを追え』ではジャック・ライアンだったアレック・ボールドウィンがダメダメCIA長官てのも笑いました。この人も年とって、いい味出してきてるなあ。『ミッション〜』シリーズは1・2は観たんですが、3・4は観ていないので今度観てみようかな。



#1553 
徹夜城(支配人) 2015/08/18 00:45
リメイクとスポーツと

盆休み中に映画で何か書こうか、と思ってるうちにまた仕事再開になっちまいました(汗)

さて、リメイク映画の件ですが。
「ベン・ハー」もカラーの有名なやつは実はリメイク、という例なのですが、オリジナル(といっても2作目)が無声の白黒映画ということもあって、技術的に飛躍した時点でのリメイク、ということになるんでしょうかね。同じことは「十戒」にも言えそうです。
ただリメイクに失敗が多いと認識されやすい理由としては、リメイク企画が持ち上がるものってそもそもオリジナルがそれだけ「名作」であるからで、それを新しい技術や解釈で作ってみると話題は呼ぶけどオリジナルを知る人からはどうしても批判が出てしまう、という宿命を抱えているように思います。
 リメイクと言えば、「つね」さんが銀英伝の話を持ち出されてましたが、銀英伝のアニメもリメイク決定なんですよね。これもそれこそ旧作ファンからあれこれ言われそうですが。


 そしてスポーツ実録系映画のことなど。
 スポーツ映画自体は結構知ってるつもりなんですが、実話ベースとなると意外とないような。
 「炎のランナー」が有名どころでしょう。あとカルガリーオリンピックのボブスレーのジャマイカチームをモデルにした「クールランニング」。ああ、ボクシング映画なら「レイジング・ブル」もありますね。あと僕は未見なんですけどろう学校の硬式野球を描いた「遥かなる甲子園」なんてのも。
 実録とは違うケースですが、黒澤明「野良犬」では当時実際に行われていたプロ野球の試合の映像が入っていたはず。



#1552 
つね 2015/08/17 00:46
リメイク作品

>バラージさん
ご教示ありがとうございます。
Wikiのページについても原作の有無による定義についても初耳でした。確かにたくさんありますね。最近の邦画のリメイクについてあまりいい評判を聞かないので思い込みがありました。もっともオリジナルのほうが評価が高い作品のほうがたくさんある(はず)、と大人げない反論しておきます。銀英伝でヤンとキャゼルヌの間で「独身でも社会に貢献した人の名前を挙げられますよ」「俺はその倍(だったかな)、結婚して社会に貢献した人の名前を挙げて見せる」というやり取りがありましたね。
まあ原作なし(本来のリメイクの定義)でリメイクになる場合、オリジナルはすでに評価が高いはずなのでハードルが高くなってしまうというのはありますが。



#1551 
黒駒 2015/08/15 00:04
スポーツ実録映画

私自身は実は野球をはじめスポーツってほとんど興味ないのですが、たとえば野球漫画(それも最近の野球漫画)などを読んで、高校球児がこういうこと考えて練習とか試合をしているだなと、彼らの考えていることがわかるような作品は好きです。また、今の時期の高校野球中継でも、合間に挟まる昔の話を聞くのは、「近現代スポーツ史」の一コマとして、興味深く聞いてます。

それで、野球に限らないのですがスポーツ史・スポーツ実録ものってどれくらいあるのでしょうかね。実在する選手(プロ・アマ)・監督・団体、大会などを扱った作品、あるいは架空の主人公・団体だけど実在の人物や団体がモデルになっている作品、あとは架空の主人公だけど、実在の大会であるとか歴史背景が大きく扱われている作品。こんな感じでしょうか。

以前「スポーツ映画」カテゴリを設けたいというお話もありましたが、名画座に再録にはならないのでしょうか。

「インビクタス」は私も最近見たのですが(競技場の映像がとてもきれいでしたね)、洋画では野球をはじめラグビー、アメフト、ホッケー、テニスなどを扱った実録系映画がいくつか見つかります。

このジャンルの代表作は「炎のランナー」かなと思うのですが、あまりどんな映画だったか覚えていないので、近々再見したいと思います。



#1550 
バラージ 2015/08/10 22:54
結構あります

 リメイクのほうがオリジナルより有名な映画は結構ありますよ。その前にまず「リメイクとは何か?」ですが、本来は原作のないオリジナル脚本の映画の2度目以降の再映画化を指すと思うのですが、一般には原作作品の2度目以降の映画化もリメイクという場合が多いようです。もっとも原作自体が非常に有名な場合、つまりそれ以前の映画化作品より原作作品のほうが知名度が高い場合には、あまりリメイクとは言われないようにも思います。たとえば『グレート・ギャツビー』は過去5度映画化されていますが、最新の2013年版『華麗なるギャツビー』を過去作品のリメイクとはあまり言いません。ちなみに『ギャツビー』の映画化で1番有名なのはロバート・レッドフォード主演の1973年版『華麗なるギャツビー』ですが、これは3度目の映画化です。
 歴史映像名画座にある映画だと、『十戒』は2度目の映画化のほうが、『ベン・ハー』(原作あり)は3度目の映画化のほうが圧倒的に有名ですよね。また、SF映画なんかは特撮技術の進歩によって過去にはできなかった表現が可能になり、リメイク版のほうが有名になった作品が結構あります。『遊星からの物体X』『SFボディ・スナッチャー』『ザ・フライ』(以上原作あり)『ブロブ 宇宙からの不明物体』などはリメイク版のほうが有名でしょう(第1作は『遊星よりの物体X』『ボディ・スナッチャー 恐怖の街』『蝿男の恐怖』『マックイーンの絶対の危機(ピンチ)』)。他には、『オーシャンズ11』は『オーシャンと11人の仲間』という映画のリメイクだそうですし、テレビドラマを映画化したリメイクですが、『ミッション・インポッシブル』なんかはもうオリジナルの『スパイ大作戦』よりもずっと有名ですよね。
 Wikipediaには「リメイク」という記事があって、そこにはリメイク映画の一覧がありますが、「え? これもリメイクだったんだ。オリジナルは全然知らない映画だな」という作品が結構ありましたよ。



#1549 
つね 2015/08/10 00:00
リメイク>オリジナルで有名なのは?

こちらでは久しぶり。
「史劇的伝言板」で報告したように、「日本のいちばん長い日」を見てきたのですが、一般にリメイク版ってオリジナルに勝ててないような気がします。
歴史ものに限らず、リメイク>オリジナルで有名なものはありますか?



#1548 
バラージ 2015/08/08 00:42
♪いまこそわかれめ いざさらば

 加藤武さんというと、いろんな作品でちょこちょこ観てた記憶はあるんですが、じゃあ具体的に何で観たかとなると全然思い出せないんですよね。有名な金田一耕助シリーズの警部役も、僕は『犬神家の一族(1976年版)』『八つ墓村(1977年版)』『悪霊島(1981年版)』しか観ておらず、後二作に加藤さんは出てこないのでいまいち印象がありません。でもとにかくいろんな作品(多分テレビドラマの現代劇)で観た記憶はあって、それこそが名脇役ってことなんでしょう。それらの作品では小市民的おじさんもしくは好好爺的役柄が多かったように思いますが、映画『白い巨塔』では正義派を気取って出てきながら賄賂をもらってあっさり寝返っちゃう小ずるい役で、当時はちょっとびっくりしましたね(まぁ、あの映画に出てくる人物は大半が悪党ですが・笑)。

 そんな中、市川準監督の『あおげば尊し』をDVDで再見しました。市川監督没後のCS日本映画専門チャンネルの追悼特集で1度観たんですが、市川監督特有の登場人物が小さな声でしゃべる静かな映画でビデオ録画だったこともあり、ちょっと聞き取りにくいまま見流してしまったためもう一度DVDで見直そうと思いまして。
 市川監督作の中では死をテーマにした作品の1つで、中年(もしくは初老)の小学校教師が主人公。同じくかつて教師だった彼の父親が末期ガンで余命宣告をされ、自宅で看取ることを選択する。彼の生徒の1人に「死」に強い興味を抱く少年がおり、その生徒に課外授業として死にゆく父親に会わせることにする……というお話です。僕はやはり市川準監督の映画では(というか映画全般においても)青春映画の系譜のほうが好きで、この映画のテーマにはそこまでは興味が持てないんですが、それでもよくできた映画だし、市川監督特有のどこかで見たことがあると感じさせてくれる風景描写はやはり健在。映画初主演のテリー伊藤も自然体で好演でした。ラストの父の葬儀に集まったかつての教え子たちが……というシーンも良かった。そんな感想でエンドロールを見ていると、なんとびっくり。出演者に加藤武という名前が。え? 出てたの? ひょっとしてあの父親が? 父親は役柄上ほとんど寝たきりで言葉も聞き取りにくかったため、誰だかよくわからなかったんですよね。まさかこのタイミングで加藤さん(の役)が死にゆく映画を観るとは……。しかもラストは前記のとおりその葬儀シーンですし。これがユングの言う共時性(シンクロニシティ)ってやつなんでしょうか? 僕は前記のとおり特に加藤さんに思い入れがあるわけではないんですが、なんともびっくりしちゃいましたね。
 しかし改めて思ったのは、市川準監督のほうが先に亡くなられたわけで、享年59歳。やっぱり早すぎたよなぁ……と最終的には市川監督の早すぎる死に思いを馳せてしまったのでした。



#1547 
徹夜城(支配人) 2015/08/02 23:01
「よーし、わかった!」逝く

 しばしご無沙汰しちゃいました。ただいま夏期講習を掛け持ちでやってまして、夏バテと過労(あくまでいつもに比べてですがね)のためにヘロヘロになっております。

 さてそんな中に入って来た、加藤武さん急死の一方。年齢に関してはまずまず…な感もあるのですけど、亡くなる直前まで現役のまま、トレーニングセンターのサウナでの急逝、とのこと、考えようによっては大往生と言えなくもないですが、一方でやはり惜しくもあります。最後に見た出演作はなんだったっけ…といま頭の中で思い返し中。結構出てらっしゃいますからねぇ。最近でも。

 僕もタイトルにしてしまいましたが、やはり訃報の多くで「代表作」に挙げられたのが、市川崑監督の金田一シリーズにおける「よーし、わかった!」の刑事さん。一説に、第一作「犬神家の一族」でアドリブでやったらウケてしまったために定番になっちゃったとか…コメディ映画じゃないのに「一発ギャグ」の名作になってしまいました。
 石坂浩二主演版6作に加え、豊川悦司主演版「八つ墓村」、榎木孝明主演版「天河伝説殺人事件」にまで同じキャラで登場しちゃってましたから、まさしく名物キャラでありました。

 もちろん数多くの映画ドラマに出ていた方なので、それだけを「代表作」とするのはかなり気が引けます。黒澤映画にも結構出てますし(「隠し砦」の冒頭で殺される武者が最初ですね)、「仁義なき戦い」の3・4作目に出た「タクシー屋のおっちゃん」の兼業ヤクザのセコさも強烈に印象に残りました。ご本人いわく、あの役が一番自身の実像に近いとか(笑)。
 僕自身はこの俳優さんを覚えたのが「真田太平記」だったんですよねぇ。主人公・真田信之のお舅さん、本田平八郎役で。家康に真田父子の命乞いをする場面で「殿を相手に一戦つかまつる!」と叫んだシーンはもうハマり過ぎてて…


>黒駒さん
「素晴らしき日曜日」、僕は未見なんですよ。黒澤明監督作品で未見なのはこれと「白痴」「どですかでん」だけだったかな。
見てないんですが、当時の世相風俗がリアルに出てくることである意味「記録映画」的な価値があることとか、ラストに観客に向けて拍手をうながすという、日本映画としてはかなり珍しい「おきて破り」があるというのは聞いてます。



#1546 
黒駒 2015/07/23 01:03
素晴らしき日曜日

ふと黒澤作品で見てないものを観ようと思って選んだ一本。いや、これは素晴らしい!モノクロ時代の黒澤はほんとに良い映画撮りますね。これは「名画座」にはとても入らないでしょうが(笑)、まだ焼け跡が残る戦後復興期の、コーヒー一杯5円の時代に、恋人同士が30円でどうやって休日を過ごすかというお話。

テーマとしては、貧しさと人間の心の荒廃なんでしょうね。途中で昔の戦友を訪ねていったら彼はキャバレー経営して成功し、主人公の沼崎勲は物乞いと間違えられるなんてくだりがあって、あのあたりを見ているとそろそろ戦後復興期で貧富の差が現れた時代の映画なのかなと思ったら、47年の制作でびっくりです。黒澤は先見の明があるなと思います。

主演は新人俳優の沼崎勲と中北千枝子のふたりですが、ぼったくりに会ったりいろいろひどい目にあった恋人の二人が喫茶店の夢を語り、無人の野外公会堂で指揮を振る後半のシーン。これがとても良いのですが、両方ともパントマイムが上手くて、役者さんだなと思いました。

黒澤はたくさん研究があるでしょうからこういうことも言い尽くされているだろうと思いますが、私がいいなと思ったのは、最後の喫茶店の夢を語り合うシーンですね。二人は途中で関係が気まずくなって、再びめぐりあって焼け跡で夢を語り合うのですが、沼崎勲が「喫茶店の看板は近文字のゴシックで縦」と言えば中北千枝子は「いいえ、コバルトで横文字よ」と反論して、それから先もあらゆる点で二人の意見が違うという(笑)、意気投合していていも男女でそれぞれ見解は違うもんだっていう、このあたりがなかなかよいです。でも、それで別にケンカするわけじゃない。

これは歴史映像ではありませんけど、「時代」は良く描けている映画ですね。



#1545 
バラージ 2015/07/21 21:25
青春グラフィティ

 字数制限に引っ掛かったため、2回に分けての書き込みご容赦。
 映画紹介も一通り終わりましたが、ついでなんで「栄耀映画徒然草」にはないジャンルのおすすめ映画も紹介しちゃおうかなと思います。といってもホラーは観ないし(苦手なわけではないがあまり関心がない)、恋愛映画は#1510で紹介しちゃったので、残るは青春映画だけ。僕の好きな映画ベスト5のうち『恋しくて』『再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ』『欲望の翼』『つぐみ』の4本が青春映画ですし、#1510で紹介した映画も『アメリカン・グラフィティ』『藍色夏恋』は完全に青春映画。個人的には最も好きなジャンルです。今回はその6本以外のおすすめ青春映画をご紹介。

『BU・SU』
 市川準監督のデビュー作。悪い噂に追われて田舎から逃げるように上京し、親戚の芸者屋に住む性格ブスな女子高生が主人公。心を閉じ、高校にも馴染めず、芸者修行にも身が入らない彼女が、様々な人との出会いの中で新しい一歩を踏み出していく姿を描いていて、富田靖子が主人公を好演しています。最初にレンタルビデオ店で見かけたのは高校生か大学生の頃。興味を持った作品の1つでしたが、実際に観たのは市川監督が他界した後のCS有料チャンネルの追悼特集でした。その時は数ある市川映画の面白い1本という感じだったんですが、その後あるきっかけでふとまた観たくなって観直したら、映画の中の80年代末の空気と風景が僕の心を強く惹き付け、捉えて離さなくなってしまいました。結局DVDを購入して、その後も何度も何度も繰り返し観たんですが、こういうことはごく稀にではありますが起こることがあります。この映画には間違いなく80年代末のあの頃の空気と風景が切り取られていて、多分それが僕の心を激しくとらえ、揺さぶったんでしょう(僕は東京に住んでいたわけでもないんですがそれでもなぜか)。市川準という人はそういう能力がとても高い人なんだと思います。

『東京上空いらっしゃいませ』
 死んでしまった新人タレントの女の子がお人好しの天使を騙して幽霊のまま地上に舞い戻る青春ファンタジー。映画デビュー作となった牧瀬里穂の生命力というかエネルギーの溢れる存在感がとにかく素晴らしい。彼女はこの後の『つぐみ』でもさらに素晴らしい輝きを見せています。この時期の牧瀬さんが放つ思春期の少女特有の輝きは本当にすごかったんですよね。

『ザ・コミットメンツ』
 アイルランドのダブリンを舞台に、若者たちが結成したソウル・バンド「ザ・コミットメンツ」が成功し、やがて崩壊するまでを描いた青春群像劇。演じているのは本物の若手ミュージシャンなど、ほとんどが無名の俳優のようですが、全員なかなかの好演。当然ながら音楽と歌が素晴らしく、ほろ苦い結末もなんともいえずいいです。

『きっと忘れない』
 一流大学の大学生が卒論に取り組む中で、風変わりで教養豊かな中年ホームレスと出会い、彼との友情を通じて人生に大切な何かを感じ取っていくという青春映画。メインストーリーは今になってみると若干のポリティカリー・コレクト臭が鼻につくんですが、主人公を演じるブレンダン・フレイザーとルームシェアをしている同級生役の俳優たち、特にヒロイン役のモイラ・ケリーが魅力的です。

『エリザベスタウン』
 仕事で大失敗を犯して大企業をクビになり傷心の青年が、父の葬儀のために帰郷する中で癒されていくヒューマンドラマ。主演のオーランド・ブルームや母親役のスーザン・サランドン、その他親戚の面々を演じる俳優陣も好演ですが、主人公が帰郷の途中に出会って恋に落ちるキルスティン・ダンスト演じるCAがなんといっても魅力的。男が失望の淵にいるときに出会いたい理想の女性と言っていいでしょう。

『あしたの私のつくり方』
 他人から嫌われないように自分を演じることで自分を守ろうとする少女たちが、本当の自分を求めて揺れ動く姿を描いた市川準監督の青春映画。主演は成海璃子で準主演が前田敦子。観る前は「なんで市川準がマイナーアイドルみたいな子を準主演に?」と不思議だったんですが、観たら前田さんの演技がとても良くて感心しました。それにしてもやはり市川監督はこういう映画が上手いですね。何気ない映画の空気感が本当に心地好いです。



#1544 
バラージ 2015/07/21 21:10
青春ノスタルジア

>最近映画館で観て面白かった映画
『イニシエーション・ラブ』
 最後の5分ですべてが覆るというのが売り文句で、先にそんなこと言っちゃっていいのかと思ったら、そもそも原作小説が最後の2行ですべてが覆る小説らしいです。観たら確かに最後のどんでん返しは「なるほどねぇ〜。やられた」と思いました。1980年代後半を舞台とした恋愛映画というところに惹かれて観たんですが、正確には1986と87年が舞台なんで僕よりちょっと上の世代。共感や懐かしさはあんまりなかったです。たかが2〜3年でも結構違うもんですね。

>最近DVDで観て面白かった映画
『GF*BF』
 史劇的伝言板でも紹介したんですが、本来的にはこちらで紹介すべき作品。1985年・1990年・1997年という、台湾が戒厳令下から民主化を経て経済成長へと到る時代を背景に、1人の女性と2人の男性の12年に渡る友情と恋愛を2012年の現在から回想して描いた台湾の青春映画。いや〜、良かったです! 今年ようやく留保なしに「良い!」と言える映画が来ましたね。台湾映画はこういう青春映画にいいものが多い。中国や香港ほどには予算がかけられないからという事情もあるようですが、ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤン以来の伝統もあるのかも。僕は主演女優のグイ・ルンメイが目当てで観たんですが、彼女だけでなく主演の3人がとにかく素晴らしかったです。



#1543 
バラージ 2015/07/07 18:41
映画紹介 ドキュメンタリー編&アニメ編

 映画紹介シリーズの最後はドキュメンタリー編とアニメ編をまとめて紹介。

 といっても実は新たに紹介する作品があんまりないんですよねえ。ドキュメンタリー映画は、『SAWADA 青森からベトナムへ ピュリッツァー賞カメラマン沢田教一の生と死』『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』『ドアーズ/まぼろしの世界』『シュガーマン 奇跡に愛された男』など、紹介したいものはここか史劇的伝言板のほうで以前にもう紹介しちゃいました。しかし、どれも長いタイトルだなぁ。

 アニメに関しては、テレビアニメは子供のときによく観てたんですが、アニメ映画はそこまで熱心に観てきた記憶がないんです。ドラえもん長編映画の初期作品や富野ガンダム、宮崎駿&高畑勲といった超メジャーどころ以外はあまり観ていません(その超メジャーどころも全ては観ていない)。その中で(未収録作品で)おすすめは、『ドラえもん のび太の恐竜』『のび太の宇宙開拓史』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ぐらいかなあ。とはいえ、ドラえもん2本を観たのは子供のときなので、大人になった今観ても同じように感動できるかはちょっとわからないですね。『逆襲のシャア』も最初のガンダムを観ていないとわかりにくいところがあるかもしれず、単独の作品としておすすめできるかはやや微妙。

 ついでだから、省略してた歴史映画と戦争映画のおすすめも紹介しておきます。
 歴史映画編は、史劇的伝言板でベスト映画として挙げた『炎のランナー』『ロアン・リンユィ 阮玲玉』『クルーシブル』『トキワ荘の青春』。あんまり歴史映画っぽくないのが並んじゃいましたが(特に『トキワ荘の青春』はどっちかっていうと青春映画なんだよなぁ)、面白いのを選んだらこうなったということで。
 戦争映画編は『鬼が来た!』『南京!南京!』。どちらも非常におすすめです。

>十二人の怒れる男
 そういえばロシアでニキータ・ミハルコフもリメイクしてましたね。こちらの邦題は『12人の怒れる男』。僕はオリジナルしか観てないですが。



#1542 
バラージ 2015/07/03 22:25
♪世紀末を知らずに〜♪僕らは育った〜♪世紀末を知らない子供たちさ〜

 僕も『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観てきました。僕は旧作はほぼ観てないんですが(テレビで最初のをちらっと観たくらい)、たまたま数ヶ月前に映画館で予告編を観た時ちょっと面白そうだったし、最近映画館で映画を観てなかったんで、じゃあちょっと観てみるかといった感じで観に行ってきました。
 旧作を観ていない僕からすると、「普通に面白かった」ぐらいですかね。カー・アクションにあまり興味がないんでどうなんだろ?と思ったんですが、アクションは確かに面白かったです。ただ、ストーリー以前に設定というか世界観がどうにも古臭く感じました。核戦争で文明社会が崩壊した世界というのは、冷戦時代の20世紀後半的近未来像なのではあるまいか? そこがどうにも引っ掛かりました。

 ちなみに前記のとおり、僕は旧作を観てなかったので、『北斗の拳』の世界観に『マッドマックス』の影響があったことを当初は知らず、コミックスの読者からのお便りコーナーにあった女の子のファンレターを読んで初めてそのことを知りました。その子が「そういえばケンシロウってどことなくメル・ギブソンに似てませんか?」と書いてるのを読んで、「は? ケンシロウはどう見てもブルース・リーだろ!」と思ったことを覚えております。今になって考えると、『マッドマックス』は知ってるけどブルース・リーは知らないというのは世代的に不思議ではないんですが、ブルース・リーもまだテレビ放送でよくやってました。
 それにしても、「19XX年、世界は核の炎につつまれた」で始まる「世紀末救世主伝説」ですが、21世紀になってから生まれた子がもう中学生になってるんだから、世紀末なんて言葉はもはや死語ですね。次の世紀末はまだ遠い未来だし。

 以前書いたとおり、僕は『ターミネーター』も『ダイ・ハード』も『ミッション・インポッシブル』も21世紀になってからの作品は観てませんが、アクション映画でジャッキー・チェンの作品だけはずっと見続けています。映画紹介アクション編では、以前にも紹介したからという理由で省略しちゃいましたが、やっぱりブルース・リー&ジャッキー・チェンのおすすめ映画もタイトルだけ紹介しちゃいますかね。

◎ブルース・リー『ドラゴン怒りの鉄拳』『ドラゴンへの道』
◎ジャッキー・チェン『プロジェクトA』『ポリス・ストーリー 香港国際警察』『奇蹟 ミラクル』『ポリス・ストーリー3』『WHO AM I?』『ゴージャス』『香港国際警察 NEW PORICE STORY』『新宿インシデント』



#1541 
徹夜城(支配人) 2015/06/25 23:01
マッドマックス最新作

見てきました。最新作といっても、実に27年ぶりというブランク。しかも主演もメル=ギブソンから交代(まぁ仕方ないかな)。それでもジョージ=ミラー監督の作りこみぶりにブランクはほとんど感じられませんでした
一部に「シリーズ最高傑作!」と絶賛する声まで出てますが、僕は「2」といい勝負かな、という感想。いや、実際すごいんですけどね。話に関していえば分かりやすくなってるかな。

とにかく映画の冒頭からクライマックスまで、走る、走る、走る。「上映時間」が「走行距離」に思えてくるほど映画本編の大半が死のロードレースで埋められてます。
「2」のビジュアルイメージが「北斗の拳」にモロに影響したことがよく知られてますが、知らない世代には本作を見て「北斗の拳そっくり」と感想を漏らす人もいたとネットで話題になってました。本作のパンフレットでも「北斗の拳」の原作者・武論尊さんが文章よせてまして、「2」公開当時「やられた!」と思うことが多々あり、それが「北斗」にも影響してしまったが、今回の作品は逆に「北斗」からのいただきでは?というシーンもあったと書かれてましたね。そういえば悪役のキャラなんかは「北斗の拳」に近づいてた気もします。

CG時代の恩恵も多々受けてるのでしょうけど、よくまぁこんな映画撮っちゃうなぁ、と久しぶりに思わされた大レースアクションでした。
どうもこれを機にシリーズをさらに続ける気もあるようで。今日行ったシネコンでは予告編でシュワちゃん復活の「ターミネーター」やら、「ジュラシックワールド」やら、80年代から90年代のシリーズの新作が並んでました。だいたい年末には「スターウォーズ」もあるわけで。「インディジョーンズ」や「ダイ・ハード」も忘れたころに新作作ったりしてますもんねぇ。


>バラージさん
「ニュー・シネマ・パラダイス」は最初に見たとき「やられたっ!」というか「まいりました」というか、とにかく感心した一本。一度見て以来見返していない一本でもあります。「完全版」はテレビ放映時に録画はしてあるんだけど、まだ見てません。
この映画の製作秘話を取材したドキュメンタリーをちょっと前に衛星放送だったかな、で見たことがあります。撮影に使った「映画館」は実際には古い教会の改造(教会が映画館になることも多かったそうで)だとか、映画に使われたエピソードの多くが監督自身やその知人の体験にヒントを得ているとか、いろいろと興味深かったです。



#1540 
バラージ 2015/06/21 23:42
映画紹介 ヒューマン編

 映画紹介、今回はヒューマンドラマ編。

『紅いコーリャン』
 1920〜30年代の中国を舞台に、造り酒屋に嫁いだ女性の数奇な運命を描いたチャン・イーモウ監督&コン・リーのデビュー作。この映画を観た時の衝撃は今でもはっきり覚えてます。初めて観た中国映画ですが、寓話的な物語と赤を基調とした鮮やかな色彩の映像に圧倒されました。チャン・イーモウの名が頭に強く刻み込まれたことを覚えています。この間久しぶりにDVDで観たんですが、今観てもやっぱりあの頃と変わらぬ鮮烈な印象でした。

『ニュー・シネマ・パラダイス』
 ある映画監督が回想する故郷シチリアでの少年・青年時代における映画館「シネマ・パラダイス」の映写技師との交流を描いたイタリア映画。当初公開されたのは短縮された国際版で後にオリジナル全長版も公開されたんですが、ノスタルジックな味わいの国際版に対して全長版はほろ苦い人生物語でずいぶん印象が違ってましたね。僕は最初に観た国際版のほうが好きです。ちなみに映画館が閉館になる時にかなりの高確率で最終上映作品になる映画でもあり、おかげで何回も映画館で観ています。

『モ’・ベター・ブルース』
 黒人映画の雄スパイク・リー監督が現代ジャズ・ミュージシャンの光と影を描いたドラマ映画。初期のスパイク・リー映画にしては珍しく黒人(アフリカ系米国人)主義的主張があまり強くなく、純粋な娯楽映画として楽しめます。クラシック・ジャズに比べて映画で描かれることが珍しい現代ジャズのクールな雰囲気がかっこよく、主演のデンゼル・ワシントンも好演。

『フライド・グリーン・トマト』
 キャシー・ベイツ演じる平凡な主婦が出会ったジェシカ・タンディ演じる老女が語る、メアリー・スチュアート・マスターソンとメアリー・ルイーズ・パーカーの2人が演じる数十年前の女性たちの友情の物語。好きな女優のマスターソンが主演の1人だから観た映画なんですが、4人の主演女優がいずれも素晴らしい。個人的にはやはり少年のような女性を演じるマスターソンが特にはまり役で、こういう役を演じさせたら彼女の右に出る女優はいないですね。



#1539 
バラージ 2015/06/07 18:31
「ここ知り?」「ここ知り!」

 『十二人の怒れる男』のパロディだと、筒井康隆の『12人の浮かれる男』という戯曲もあるらしいですね。何かの文庫本の最後のほうにある新刊・既刊紹介で知ったんですが、日本初の陪審員に選ばれて浮かれた男たちが、無実の被告を無理矢理有罪にしてしまうという、いかにも筒井らしいブラック・ジョークなパロディです。
 陪審制映画だと『裁きは終わりぬ』というフランス映画も昔から観たいなぁと思いつつ未だ観ていません。

 『白い巨塔』はそういえばもう1人の主人公・田村高廣が良心派でした。でもこの人は気弱な良心派といった感じでしたね。個人的には、祖母が毎週観てたおかげで僕もしょっちゅう観てた『水戸黄門』の東野英治郎さんが悪役やってるのが軽いカルチャーショックでした。
 山本薩夫監督作だと『座頭市牢破り』も観てますが、プログラム・ピクチャーに社会派要素を無理矢理入れたため、ストーリーが破綻しちゃってましたね。

>DVDで観て面白かった映画
『ミッシング・ガン』
 『南京!南京!』『項羽と劉邦 鴻門の会』のルー・チュアン監督のデビュー作。泥酔中に拳銃を盗まれた警官が犯人を捜して奔走するサスペンス映画で、ストーリー自体はたいして珍しくないんですが、映像表現がスタイリッシュというかやや前衛的で印象に残ります。

『ココシリ』
 ルー・チュアン監督の第2作。チベットの秘境ココシリでチベットカモシカの密猟者を追う民間パトロール隊の実話を映画化した社会派ドラマ。苛酷な生活と自然環境の中で命をかけて戦う男たちの姿をリアルに描写していて、見終わった後に胸に重く響く作品です。単純な善悪二元論にしていないのも良い。ルー・チュアン監督は寡作ですが、4本の監督作はいずれ劣らぬ秀作ぞろい。優れた監督だと思います。



#1538 
徹夜城(支配人) 2015/06/01 13:25
ちとお留守にしちゃってます

栄耀映画日記も実は未発表のままいくつか書いちゃってるものもあるんですが、なんとなく途中までの書きかけになってるやつを書き終えてから…などと思ってるうちにズルズルと日が過ぎてしまってます。いろいろ企画だけはあるんだけど、実行に移すのは生来の性格が技和してなかなか動けないでいます(汗)

>バラージさん
「十二人の怒れる男」は問答無用の傑作ですね。映画版が一番有名なんでしょうけど、もともとはリアルタイムTV劇だったんじゃなかったかな。
これ、何年か前にウィリアム=フリードキン(久々に見たかつてのヒットメーカー)が監督したリメイク版(TVムービー?)を見たことがあります。時代の流れというか、十二人の陪審員たちは「男」だけではなく、女性や黒人も入り混じる構成になってました。
日本でそのパロディとして作ったのが三谷幸喜の「十二人の優しい日本人」。僕はその映画版(中原俊監督)のを見てますが、なかなか面白かったです。終わってみると主役に近いトヨエツさんもまだブレイク前だったんじゃなかったっけ。

そうそう、人種構成の話で連想ですが、「荒野の七人」をリメイクするそうで、デンゼル=ワシントンやイ=ビョンホンが出ると確定してるようです。時代設定がわかんないんだけど、イ=ビョンホンはどういう役どころなんだか。

「白い巨塔」は僕も映画版しか見てないです。この映画化の時点では原作も映画化された部分までしか書かれておらず、あとで主人公のガン死まで描いた続編が書かれて、同じ田宮二郎主演でドラマ化され完結となるわけです。他にも一部キャラが同じ配役だったはず。
 映画版、確かに出て来るやつがみんなワル、なわけですが、原作つきとはいえ、これが山本薩夫監督作品の特徴でもあるんですよね。もともと山崎豊子作品とは相性がよかった、ってことでもあるんでしょうが。山本薩夫映画は思想的に作り手が共鳴する正義派な人はカッコイイだけで今一つ影が薄く、悪役の方がギラギラと魅力的に輝いてしまうという不思議な特徴がありました。



#1537 
バラージ 2015/05/27 19:18
映画紹介 社会派編

 社会派・ヒューマンドラマは本数が多かったので2回に分けて、今回は社会派映画をご紹介。

『十二人の怒れる男』
 シドニー・ルメット監督のデビュー作で、陪審員制を描いた名作。テレビドラマの映画化とのことで、とにかくストーリーというか脚本が秀逸。12人の陪審員もそれぞれ個性的に描かれていて、とても面白いです。まあ実際の陪審員制でいつもこんな意義のある激論が交わされているとは思わないけど(笑)。何度かリメイクもされてますね。

『野望の系列』
 これも以前紹介した米国政界を舞台とした社会派映画。大統領が長官候補に指名した学者の適否をめぐる、賛成派と反対派の議会と裏面での熾烈な攻防を描いています。登場人物は全員架空の人物で、描かれる内容も全て架空の話ですが、米国政界や議会の仕組みが上手く描かれていて、サスペンス風味のストーリーも鮮やか。

『白い巨塔』
 大病院内部の熾烈な権力闘争を描いた山崎豊子の小説を山本薩夫監督が映画化。中高生の頃にNHKで観て、日本映画にもこんな面白い映画があったんだと思いましたね(当時は日本映画をほとんど観てなかった)。とにかく出てくるやつのほとんどがワルで、加藤嘉演じる良心派の医者が一服の清涼剤。何度かテレビドラマ化もされてますが、そちらは未見。

『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
 タランティーノの原案をオリバー・ストーンが監督した社会派バイオレンス映画。狂気の連続殺人を繰り返すカップルがマスコミに取り上げられるに連れて時代のヒーローになっていく、という現代社会への激烈な風刺と皮肉に満ちた問題作。もともとタランティーノが書いた脚本をストーンが大幅に変更してしまったため、タランティーノは激怒したらしい。確かにタランティーノだったらこういう社会派的な映画にはしないと思う。でも僕はこの映画、結構好きなんですよねぇ。



#1536 
バラージ 2015/05/02 21:52
寄生する者とされる者

 『寄生獣 完結編』を観ました。
 いやぁ〜、面白かったです! SF映画でこれだけ面白かったのは『第9地区』以来、日本のSF映画では平成『ガメラ』以来かな。エンタメ系映画でこれだけ面白いのも結構久しぶりで、期待以上の出来でした。原作マンガのストーリーが本当に上手くまとめられていたし、さりげなく3・11ネタも滑り込ませてます。VFXの進歩もすごい。今という時代だからこそあれだけの特撮ができたんでしょう。
 主人公に染谷将太と橋本愛という美男美女過ぎない演技派若手俳優を持ってきたのも良かった(『スパイダーマン』のトビー・マグワイヤとキルスティン・ダンストみたいな)。パラサイト役の深津絵里と浅野忠信も素晴らしかったです。
 今年ここまで観た中で1番の映画でした。

>映画館で観て面白かったその他の映画
『真夜中の五分前』
 本多孝好の小説を行定勲監督が舞台を中国の上海に変えて映画化したミステリアスな恋愛映画。雰囲気がなんとなく90年代のアート系香港映画っぽい。今となっては香港でもそういう映画はほとんど見られなくなってしまったんですが、アジア映画好きという監督のオマージュなのかも。

『さよなら歌舞伎町』
 歌舞伎町のラブホテルを舞台とした複数の人々が登場する群像劇。ラブホの雇われ店長と、彼と同棲してるミュージシャン志望の女の子。デリヘル嬢と韓国料理店員の韓国人カップル。家出少女と風俗スカウト。店長の妹のAV女優。逃亡中で時効間近の中年カップル。刑事の不倫カップルといった人々が登場。東日本大震災やヘイトスピーチなどもさりげなく挿入されており、また予想以上にヌードやエロいシーンが多く、特に刑事の不倫カップルのベッドシーンはエロかったですねぇ。

>DVDで観た面白かった映画
『かしこい狗は、吠えずに笑う』
 ブスで友達のいない女子高生と可愛くて友達のいない女子高生の友情を描く青春映画かと思いきや、終盤に向かうに連れて物語がサイコ・サスペンス方向に急旋回していく変わった映画。非常に面白い半面、最後まで変化球的青春映画で見てみたかった気も。

『Seventh Code:セブンスコード』
 前田敦子主演、黒澤清監督による1時間の中編映画。もともとは前田の同名シングルのMVとして作られた作品ですが、あまりの出来の良さに劇場公開され、海外の映画祭で賞まで取ってしまいました。ある男性を追ってウラジオストクまでやってきた女性を描いた映画ですが、終盤にあっと驚く展開となります。



#1535 
バラージ 2015/04/28 21:55
映画紹介 コメディ編

 映画紹介第3回。SF・ファンタジー映画のおすすめは確か以前書いたことがあったんですっ飛ばし、歴史映画や戦争映画も史劇的伝言板にしょっちゅう書いてるんですっ飛ばして、今回はコメディ映画編です。

『フライングハイ』
 子供の頃にテレビ(吹替)で観て腹を抱えて笑い転げた映画です。一応、航空パニック映画のパロディというのが基本ラインらしいんですが、元ネタを知らなくても全然OK。とにかくくっだらないコテコテのギャグ連発で、な〜んにも考えずに楽しめること請け合いです。続編『フライングハイ2』は未見ですが、姉妹編?に『トップ・シークレット』という映画もありましてそちらも観ました。もう少し後の時代だと『ホットショット』とか『裸の銃(ガン)を持つ男』なんかが同じ系統の映画ですね。

『ピンク・パンサー』シリーズ
 ピーター・セラーズ主演の元祖シリーズのほうで、これまた子供〜学生の頃にテレビ(吹替)で観て腹を抱えて笑い転げた映画。テレビで観たのは多分『2』〜『4』あたりだったと思うんですが、後にちゃんと見直そうと思い立ち、ビデオ(字幕)で第1作『ピンクの豹』から観ました。
 第1作ではクルーゾー警部は主役じゃなく準主役で、主人公は宝石「ピンクの豹(ピンク・パンサー)」を狙う怪盗ファントム。彼を取り巻く準主役がクルーゾー含め数人という群像劇ロマンチック・コメディなんですが、コメディリリーフのクルーゾーに人気が集中。そこでクルーゾーを主役とした今で言うスピンオフ作品として作られたのが第2作『暗闇でドッキリ』。クルーゾーの設定が第1作とはいろいろ違うんですが、後のシリーズの基本型はこの第2作で作られました。しかしクルーゾーのシリーズ化にはセラーズも監督のブレイク・エドワーズも難色を示し、第3作『ピンク・パンサー2』(原題はThe Return of the Pink Pantherで数字は入っていない。以後1作ずつ数字がずれてるんで非常にややこしい)が作られたのは10年後。お話の基本構造は『暗闇でドッキリ』のまま第1作の宝石「ピンク・パンサー」と怪盗ファントムも再登場。バカボンのパパが主役になっちゃった『天才バカボン』みたいなもんですかね。第4作『ピンク・パンサー3』(原題はThe Pink Panther Strikes Again)ではファントムはもちろん、宝石「ピンク・パンサー」さえ出てこなくなり(有名なアニメキャラのピンク・パンサーは出てくる)、完全にクルーゾー・シリーズに。第5作『ピンク・パンサー4』(原題はRevenge of the Pink Panther)がセラーズの遺作となりました。
 シリーズ的には第1作のほうが番外編っぽくなっちゃってるので、観るのは第2作からでもいいかも。個人的に面白かったのも『暗闇でドッキリ』と『ピンク・パンサー2』で、この2作はもう抱腹絶倒です。第1作はいまいちまとまりがありませんし、『3』『4』はちょっと悪のりが過ぎる感じがしました。

『ビッグ』
 学生の頃にトム・ハンクスにはまった時期がありまして、そんなときに観た1本。身長制限でカーニバルのジェットコースターに乗れなかった少年が、「望みを叶える魔王のボックス」にコインを入れて大きくなりたいと願う。翌朝目覚めたら少年の体は本当に大人になっていた……というファンタジー風味のコメディ映画です。同じハンクス主演のコメディ映画でも『マネー・ピット』や『ドラグネット』なんかは完全なドタバタ喜劇ですが、この映画は心暖まるヒューマンコメディ。監督のペニー・マーシャルが女性のためもあってか細部にまで心配りが行き届いていて、ちょっぴり切ないラストがすごくいい。中身は少年のまま体だけ大人になった主人公をハンクスが見事に好演しています。

『毎日が夏休み』
 映画誌か何かで知って直感的に面白そうだと思って観に行ったら、見事に大当たりだった青春コメディ映画です。原作は大島弓子のマンガで、監督は金子修介。登校拒否の女子高生と出社拒否の継父が何でも屋を始め、ノイローゼになった母親はホステスに……というストーリーで、こちらもコテコテのコメディというより、コメディ・タッチの青春映画もしくはドラマ映画といった感じです。当時、映画初出演にして初主演だった佐伯日菜子の初々しさと、それを受け止める継父役・佐野史郎のとぼけた味わいのコンビネーションがとても良く、おそらくは原作にあるであろう思春期に最初に異性として意識した継父への淡い想いという隠れ近親相姦的な雰囲気も漂わせていて、やはりコメディ映画というよりは青春映画と言ったほうがいいかも。ラストも爽やかな余韻を残す佳作です。



#1534 
バラージ 2015/04/16 19:48
何かいい映画って

>黒駒さん
 さすがに漠然とし過ぎですよ(笑)。何かもう少し「どんなのが観たい」みたいなものがないと、何を紹介していいやら困っちゃいます。
 もともと僕はここの掲示板で結構いろいろな個人的に面白かった映画を紹介しちゃってますが、とりあえずここ5年のそれぞれの年のベスト3でも紹介しておきますか。全部DVD化されてるので、もし気になったものがあったらどうぞ。

2010年『ドアーズ/まぼろしの世界』『ノルウェイの森』『ニューヨーク、アイラブユー』
2011年『森崎書店の日々』『スコット・ピルグリムvs邪悪な元カレ軍団』『孫文の義士団』
2012年『桐島、部活やめるってよ』『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』『ミッドナイト・イン・パリ』
2013年『グランド・マスター』『DOCUMENTARY of AKB48 No flower without rain 少女たちは涙の後に何を見る?』『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』
2014年『オン・ザ・ロード』『インフォーマーズ セックスと偽りの日々』『もらとりあむタマ子』



#1533 
黒駒 2015/04/14 00:44
高度成長期の映画・・

私は最近というか、記録つけてるので今年は4本しか映画見てないです。ものすごく漠然とした質問ですが、なにかいい映画ないでしょうか(笑い)。旧作でも劇場公開作でも構いませんので。

ところで、先日耳にした話で、ある人が若大将シリーズのある作品を見てたら、物語序盤で舞台が「銀座」として話が進んだら、途中から「麻布」に変わって、ここまでいい加減なものかとびっくりしたと言ってました。

うーん。それを聞いて高度成長期の映画かなと思うのですけど、でも同時代にとことんリアリティを追求した映画はたくさんあるわけですからね。そのあたり、弁明として言っておきたいなと思いましたけど。



#1532 
バラージ 2015/03/26 19:43
映画紹介 推理・サスペンス編

 映画紹介の第2回。今回は推理・サスペンス映画編……なんですが、社会派などといった他の要素が入っていない純粋なサスペンス映画やミステリー映画・推理映画って実はあんまり観てないんですよね。そんな中から、やや社会派色の強いものも含めておすすめサスペンス映画をご紹介。

『ザ・インターネット』
 確か前にも1度紹介したと思うんですが、サンドラ・ブロック主演の社会派色が強いサスペンス映画です。ネット社会の落とし穴を描いているんですが、インターネットが普及し始めた頃の1995年の作品なので(そうか……もう20年も前なのか……)今となってはやや古く感じられるかもしれません。ただ、極めて示唆的な映画でしたし、単純な娯楽サスペンス映画としても面白く、非常によくできてました。

『ファイト・クラブ』
 これもまた(『ザ・インターネット』とは違った意味で)社会派色の強い、エドワード・ノートン主演の映画。サスペンス映画というよりドラマ映画なのかな? まあ一応サスペンス映画に入れておきます。何をしても満たされない飢餓感を抱え、暴力による痛みでしか生きている実感を感じられない現代人の病巣を描いた作品で、終盤に意外な真相が待ち受けています。

『カラスの親指』
 2〜3年前の映画で、これは純粋なミステリー映画。面白かったです。終盤に明かされる真相には、「うわ〜、やられた〜」という感じでしたね。あまりにもきれいに謎が解けてしまうミステリー映画は実はあまり好きではないんですが、これは良かった。村上ショージと能年玲奈(『あまちゃん』より前に観た)が好演でした。



#1531 
バラージ 2015/03/16 21:38
「アクションの本質はダンスだ」byジャッキー・チェン

>ダイ・ハード
 僕は『2』も面白かったものの、『1』と比べちゃうとやはりやや大味に感じちゃいましたね。『2』にも原作があるそうですが、映画はかなり原作とは違っているらしいです。また、『1』の原作と『2』の原作はそれぞれ別な人の作品で、全くの無関係。『3』以降は原作がありません。『3』の脚本が『沈黙の戦艦』のせいで書き直さなければならなくなったというのは結構有名な話ですよね。

>007
 僕も半分ぐらいしか観ていません。そして徹夜城さんが挙げられた作品は全部観てなかったりします。
 僕が観た記憶があるのは、『ドクター・ノオ』『ロシアより愛をこめて』『ゴールドフィンガー』『女王陛下の007』『ダイヤモンドは永遠に』『黄金銃を持つ男』『私を愛したスパイ』『ムーンレイカー』『美しき獲物たち』(以上テレビで)『ゴールデンアイ』『トゥモロー・ネバー・ダイ』(以上ビデオで)『スカイフォール』です。



#1530 
徹夜城(支配人) 2015/03/14 19:59
アクション映画レス

>バラージさん
だいぶ遅れたレスになりますが、お挙げになっていた各種アクション映画につきまして、僕からも。

「リーサル・ウェポン」
…我ながら意外にも、実はシリーズを一本も見てません(汗)。テレビ放映時に部分的に見たかな、という程度で。あまりにも有名なんで、そのパロディや「引用」をゲームや漫画で良く見てる、というのはあります。ゲーム「ポリスノーツ」なんてキャラがかなりそのまんまでしたからねぇ(それでいてオチは「ダイ・ハード」)。

「ダイ・ハード」
 これはとりあえず「4」までは見てます。
 実を言うと一作目の時「傑作!」という声をあまりに聞いたせいか、実際にテレビで見た時はそれほどでも、という感想だったんですよ。むしろ直後に劇場で見た「2」のシナリオに感心した覚えがあります。もっとも「2」は一作目のパロディという性格が強く、ドンデン返しや見た目の派手さ優先でうるさい人に言わせると「穴」が多いんですが…
 「2」はむしろ敵の設定に面白みがありましたね。明らかにノリエガがモデルと分かる人物がボスで、それを「反共」のために利用していたアメリカの右派軍人たちが奪回しようとする、というのは結構鋭い政治テーマを持ってきたもんだと当時思ったもんです。
 「3」はもともと「ダイ・ハード」用の脚本じゃなかったそうですからね。本来企画されていた「3」は船が舞台になる予定が「沈黙の戦艦」に先にやられちゃったために流れた、ってな噂もあります。

「007」シリーズ
…結構見ているつもりで、案外半分くらいしか見てない気もします。
 つい先日、民放BSで未見だった「サンダーボール作戦」をやってたんで初めて見たんですけど、う〜〜〜〜ん、今見るとさすがにつまんない、と思いました。同じストーリーをリメイクした「番外編」である「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(コネリーが演じたからややこしい)の方が面白かった気がします。
 個人的に面白かったな、と思ったのは日本人必見(笑)の「007は二度死ぬ」とか、異色の展開になった「ワールド・イズ・ノット・イナフ」、仕切り直しとなったダニエル=クレイグ版「カジノ・ロワイヤル」が挙げられますかね。最新作「スカイフォール」はまだ見てなくって…



#1529 
バラージ 2015/03/08 22:03
映画紹介 アクション編

 書くネタがあんまりないんで、歴史板のほうで歴史映像名画座候補作を紹介したみたいに、こちらの板でも栄耀映画徒然草候補作……要するに各ジャンルの個人的おすすめ映画を紹介したいと思います。
 まずはアクション映画編。ジャッキー・チェンとブルース・リーについては以前書いたんで、それ以外の作品で。

『リーサル・ウェポン』シリーズ……一人暮らしを始めた大学生のときにレンタルビデオで第1作と『2』を観たんですが、これがめっぽう面白かった。アクションはもちろん銃撃戦が中心なんですが、ちょっとだけ入ってる格闘アクションが香港カンフー調なのもうれしいところ。ドライブ感でぐいぐい引っ張っていくアクションの面白さはもちろんですが、メル・ギブソンとダニー・グローバーのキャラが立ってて、2人の掛け合いとかも良かったですね。『3』と『4』は映画館で観たんですが、第1作から『4』まで面白さのテンションが変わらないのもいい。『4』ではジェット・リーが悪役でハリウッド・デビューしてます。

『ダイ・ハード』シリーズ……これも第1作は大学生のときにレンタルビデオで観ました。普段あまりアクション映画を評価しない評論家にも脚本を高く評価されてましたが、確かにすごく面白かった(脚本の展開はほぼ原作小説通りらしいんだけど)。ブルース・ウィリスはこれ一発でスターになりましたね。『2』『3』は映画館で観ました。『2』も面白かったんですが、第1作と比べると出来は落ちます。『3』は全くの凡作。最近作られた『4』以降の作品は観てません。

『ターミネーター』シリーズ……SF映画ではあるんですが内容的にはアクション映画と言っても差し支えないでしょう。第1作は民放テレビで観ましたが、面白かったですねぇ。アイデアが秀逸でした。シュワちゃんの出世作ですな。敵役だったのに『2』では主役になっちゃったもんなあ。『2』は映画館で観たんですが、液体金属ターミネーターという敵役も面白かった。ただ、やっぱり『3』以降は観てません。ジャッキー・チェンを別にすれば、ここ数年はアクション映画ってあんまり観てないんですよねぇ。『ミッション・インポッシブル』も『2』までしか観てないし。

『007』シリーズ……映画館で観たのは最新作の『スカイフォール』だけ。どっちかっていうと子供の頃に民放テレビの吹替放送でよく観てました。ショーン・コネリーなら『ロシアより愛を込めて』『ゴールドフィンガー』、ロジャー・ムーアなら『私を愛したスパイ』『ムーンレイカー』が面白かったですね。僕の友人を含め初代のコネリー派の人が多いんですが、僕はムーアの軽妙でとぼけた味わいが好きだったりします。

『グリーン・デスティニー』……映画館で公開された時はスルーしたんですが、評判の良さにレンタルビデオで観てみたらとても面白くて、映画館で観なかったことを心底後悔しました。これは邦題が悪い! ワイヤーアクション自体は中華圏映画では昔から使われてましたが、この作品は桁違いに素晴らしくて大興奮でしたし、アクションだけでなくドラマもよく出来ていて俳優陣もみんな素晴らしかった。特にチャン・ツィイーは他の共演者を完全に食っちゃってましたね。これ一発でファンになりました。



#1528 
バラージ 2015/01/31 19:39
訂正

 下のコメントで、「渡辺亮平」と書きましたが、「渡部亮平」の誤りでした。すいません。



#1527 
バラージ 2015/01/30 21:44
青春ポップホラードラマ

 最近、『セーラーゾンビ』という連続ドラマを観終わったんですが、こんなに面白いドラマは久々でした。ゾンビだらけとなった終末世界でたくましく生きていく女子高生たちを描いた青春ホラードラマとでも言うべき作品なんですが、企画・脚本・総合演出が映画『ジョゼと虎と魚たち』の犬童一心で、共同脚本と監督に映画『かしこい狗は、吠えずに笑う』で監督デビューした渡辺亮平など。
 ホラーといっても実はホラー的展開はあまりなく、少女たちの青春ムービーといった雰囲気の作品で、前半は高校内部でのややのほほんとした展開でしたが、後半校内になだれ込んできたゾンビたちから逃れてロードムービー調になってからは、ハズレ回が1話もないという神がかり的展開でした。映画監督たちが作っているからか、画作りが普通のドラマと違って映画的なのも良かった。AKB48主演ドラマとして作られた作品で、主演の女の子3人も当然AKB48のメンバーですが、いずれもオーディションで選ばれたとのこと。特に主人公の大和田南那という子は思春期の女の子特有の独特な魅力を持っていて印象に残りました。他の2人・川栄李奈と高橋朱里という子も演技が上手く好演。

 犬童一心と渡辺亮平はAKB48「恋するフォーチュンクッキー」DVD特典映像『SF少女ドラマシリーズ「ADS77」』でも監督と脚本としてコンビを組んでるんですが、こちらのDVDドラマも面白かった。手塚治虫的近未来SF舞台劇風ドラマで、若干昔の東宝特撮映画風味もあって、良かったですねえ。

>ゲド戦記
 河合隼雄は、『「ゲド戦記」と自己実現』という講演で、第1巻が好きな人には若い人が多い。第2巻が好きな人は女性に多い。第3巻が好きな人はあまりいないが、年配の人に多いと言ってましたね(当時は第3巻までしか出てなかった)。僕は第3巻を読んでなかったので、映画は原作を読んでから観ようと思ってるうちにずるずると今になってしまいました。

>THE BOOM
 去年の12月に行われたTHE BOOMのラスト・コンサートは、WOWOWで生中継されていたんですが僕は所用で観ることができなかったので、録画しておいたものをようやく観終わりました。THE BOOMのデビューは、僕が故郷を離れて一人暮らしを始めた大学1年生の時。レンタルビデオ店の有線放送で「星のラブレター」を初めて聴いたときのことは今でもよく覚えています。年月とともにいろいろなものが過ぎ去っていきます。



#1526 
徹夜城(支配人) 2015/01/26 11:33
外道戦記

>バラージさん
 僕も「ゲド戦記」は「影との戦い」しか実質読んでないんですよね。2作目は読んだような気もするけどほとんど忘れてます。
 宮崎駿監督も大好きで以前からやりたがっていたと言われてますが、結局息子さんがやって、正直なところガッカリな出来になってしまいました。あの製作事情もよくわかんないんですよねぇ。原作者も乗り気だったのに。
 アニメ化にやや先駆けてTVドラマ版というのもありまして…これ、ネット配信されてる時に部分的に見たんですけど、予算が少ないのかいろいろと残念な出来になってしまってました。



#1525 
バラージ 2015/01/23 22:28
ファはファンタジーのファ

 おやまあ、『ナルニア国』のお答がこんなにたくさん。ファンタジー映画の『指輪』→『ホビット』の流れで、ほんの軽い気持ちで聞いただけだったんですけどね(笑)。『ゲド戦記』と合わせて三大ファンタジー小説と呼ばれてたのを思い出しまして。ちなみに僕は原作『指輪物語』も学生の時に読もうとして序盤で挫折してしまいました。
 『ゲド』はもともと河合隼雄の『ファンタジーを読む』で知って興味を持った作品で、大人になってから読んだんですが、第1巻「影との戦い」はすごく面白かったんですが、第2巻「こわれた腕環」でやはり挫折してしまいました。映画のほうも観ていません。



#1524 
徹夜城(支配人) 2015/01/23 10:19
映画にナルニア

 おお、虎さんが書きたいことをすっかり書いてしまっていた(笑)。
 そうなんですよねぇ。「ナルニア」はあとに行くほどファミリー向け映画にはしにくくなっていくのですよ。最終巻の「最後の戦い」は要するにハルマゲドンと最後の審判。登場人物たちが仲良くそろってあの世行き(昇天というか転生というか)、という展開は発表当時ですら批判があったと聞いてます。あれは映画にはできんでしょう。一作目の「ライオンと魔女」の映画化は予想の範囲内でしたけど、シリーズのその後を知ってるだけにディズニー、ずいぶんリスキーなものに手を出したな、とも思いました。

 「ナルニア」の作者ルイスと「ホビット」「指輪」の作者トールキンはお互いに交流もあり、何かと比較されるファンタジー作家なんですが、ルイスはキリスト教信仰を作品内に濃厚に見せたのに対し、トールキンはかなり敬虔なカトリック信仰を少なくとも直接的には反映させませんでした。トールキンの持論としてファンタジー世界に現実世界の比喩をもちこむのを好まなかった、とも言われてます。「指輪物語」の指輪が核兵器の比喩ではないか、とも言われましたが、当人は否定してるそうですし。

 ただ無意識に出ちゃってるんじゃないか、と言われてるのが「中つ国」の東方にモンスター勢力がいることで…宮崎駿まで言ってましたが、あれはヨーロッパ人のモンゴル恐怖から始まる黄禍論の反映なんじゃないか、って説はあるんですよね。ま、当人も否定するだろうしああいう世界に深読みをしても、とも思うんですが、映画化されてみると「悪」勢力があまりにもはっきりとワル(視覚的にも極めて醜い)なのが目について、人間やそれに近い人々をみんな白人が演じてるのを見ても、ついついこの話を思い出しちゃうんです。



#1523 
2015/01/23 08:52
ナルニアはもう映画になれない

ナルニア続きです。
「銀のいす」ある意味、これがまだしも一番映画にしやすいかなとも
思います。…クライマックスまでほとんど欝展開ですが、その辺は修正できるでしょう。
冒険の最大のパートナー「泥足にがえもん(←この訳もなんとかしてほしい…)」

※翻訳者さんは、日本でも有数の名訳者さんなのですがね。流石に時代というものが…

えっと、とにかくその「にがえもん」のネガティブで実力者という
訳の分からないキャラがどこかおかしくて、欝展開を気にしなくて済むというねw

…あとはもう、たぶん全部駄目。
「魔術師のおい」…これ、そもそもナルニア誕生物語。つまり、終盤までナルニアは
登場せず。…たとえて言うとですね。ドラえもんが、映画終了寸前に登場するような。
…つまり、そこまではのび太の日常を延々と…あのね、そんな映画誰が見ますか。

どうも、どこかの時点で、原作者ルイス氏は、「ナルニアの事が大好きなファン」
に向けて舵を切っちゃった節がある。
つまるところ、「普通の小説好き」とか「ファンタジー好き」なんて奴は
知ったこっちゃねぇよ、的な。

とどめが、ね。




#1522 
2015/01/23 08:35


ナルニアの話を続けます。

残る原作と、その問題点を順に挙げて行きます。
「馬と少年」
一番ヤバい代物です。そもそも、「ナルニアへ向かって逃避行」
という物語なので、ストーリーのかなり終盤までナルニアは登場しません。
…ま、そのへんのアレンジはできるでしょうが、一番まずいのは、
敵扱いの王国の描写が、明らかに古代アラブで、おまけにどこか嘲笑的な蔑みが
あちこちに感じられることです。

これは簡単に修正できませんね。全巻ラストまで読むと分かりますが、原作者
ルイス氏は、極めて敬虔なカトリックで、実はこの物語全体が、カトリック史観そのもので構成されています。有名な所では、全能なライオン、アスランが、
イエスキリストそのものだと、作者自身が明言しています。

当然、アラブ社会つまりイスラムなど、歯牙にもかけないと…。
しかしなぁ…。

今、これを原作そのままに映画にしたら、確実に血を見ますね。
全然シャレになりませんから。




#1521 
2015/01/23 08:25
なぜにナルニア(^^;)

なぜに見ていない上に知らない映画の話を始めますか(^^)バラージ氏。
それはまさか「お前なら知ってるだろう事情語れ」という意味ですか(汗)

ええ語りますよ、しっかり全部事情知ってるのでね。
長いのでたぶん、2、3回に分けると思いますが。
「ナルニア」の原作は全7巻です。そのうち、映画化されたのは刊行順でいう
第3作までです。参考までに(原作の)タイトルを挙げると
「ライオンと魔女(とワードローブ←これが正確なタイトル)」
「カスピアン王子のつのぶえ」
「朝びらき丸、東へ」

…最後はさすがに古めかし過ぎますね。船の名前ですが、英語では「dorntrader」
となり、だいぶ響きが違います(汗)

以上3作が映画化されましたが、たぶんあと4巻分の原作は、映画化されない可能性が
極めて高いと思われます。
どれもこれも、何らかのいわくつきの問題作ばかりで、
ファミリー映画だのスペクタクルだの、まして「ナルニア」のタイトルで
売るには、リスキーというか問題が多すぎるのですね。



#1520 
バラージ 2015/01/22 19:52
夢のような話

>虎さん
 いやぁ〜、すいません(笑)。言い訳するわけじゃないんですけど、面白い映画だったという記憶はあるんですよ。ただどんな内容だったのかの記憶がほとんどありませんで……。確か主人公が幕府の刺客だか隠密だかと戦ってたという記憶がぼんやりあるくらいで、絵柄とかも全然思い出せないんですよね。申し訳ない。
 それにしても、なんか夢の話みたいですね。起きた時に、夢を見たときの感情(嬉しい、悲しい、悔しい、感動した、等々)が強く残ってるんだけど、どんな夢だったかは全然思い出せない、みたいな。

>ファンタジー映画
 そういえば『ナルニア国物語』シリーズの映画化はどこまで行ったんでしたかね? 僕はこちらは全く観てないし、原作も読んでませんが。



#1515 
2015/01/21 23:20
寂しい話です…

徹夜城さんのリプは大体予想していました(^^) 
しかし、バラージさんまで「見たけど覚えてない」はちょっと辛いなぁ。

まぁ、毀誉褒貶激しいのかもですが…ま、いつでもいいです、
徹夜城様、生きて居られるうちなら何時でも(^^;)

いつか感想をお聞かせ下されれば幸いですm(_ _)m
…呪いみたいだな…(^^;) そそそんな気はないですからねっ!!


…返事が遅れたのは申し訳ありません…某サザンの某ボーカル氏のせいで。
個人的にかなりのショックを受けております。

……信じた俺が馬鹿でしたよ。マジで。



#1514 
バラージ 2015/01/19 22:23
『カムイの剣』は

 確か史劇的伝言板のほうで、アイヌが出てくる歴史映像作品の話題の時に出てきました。僕も昔ビデオで観たんですが、面白かった記憶はあるものの内容のほうはほとんど忘れてしまいました。
 りんたろう監督を意識して観たことはないんですが、調べてみたら他には『銀河鉄道999』(『さよなら〜』は観たか観ないか覚えてない)と『火の鳥 鳳凰編』を観てました。歴史関連映像作品だと『アレクサンダー戦記』ってのも撮ってるようですね。



#1513 
徹夜城(支配人) 2015/01/18 23:55
今年最初の映画は

 …やっぱり「ホビット・決戦のゆくえ」でした。これ、原題は原作にもある「五軍の合戦」なんですけど、邦題は結果をぼかす(?)効果をねらったのかなぁ。「レッドクリフ」の「未来への最終決戦」みたいで(笑)。
 この三部作についてはそのうち「映画日記」で書くことにしますが、原作知ってる者としては「水増し感」がどうしても気になりましてねぇ…三部作、しかも一本3時間近くという「ロード・オブ・ザ・リング」並みのシリーズにしちゃったもんだからあっちゃこっちゃでふくらます、ふくらます。一騎討ちのアクションが多かった気もしますが、どうもピーター=ジャクソンのアクション演出って「くどい」「わかりやすすぎ」なんですよね。
 主人公不在状態になっちゃうのは原作どおりなのでしょうがないんでしょうねぇ…そのぶんてっきりカットすると思いこんでいた、ホビット庄に帰ったら我が家が競売にかけられていたというオチをちゃんと映像化してくれたのはホロッときました。
 思えば「ロード・オブ・ザ・リング」の第一作から長い道のり(話は前後したけど)。ようやく終わりましたねぇ…これで大作ファンタジー映画製作もしばらくなさそうな気がします。

 続いて見たのは古い新東宝の戦争映画「人間魚雷回天」。木村功と津島惠子が恋人役というのが「七人の侍」とおんなじだったりして(直後の製作のようですね)。監督は海軍経験もあり僧籍もある松林宗恵、脚本が須崎勝弥という組み合わせ。この組み合わせの戦争映画は実にたくさんありまして…
 そしたら今日の新聞の訃報欄にこの須崎氏の名前があったからちょっとビックリ。とっくに御存命ではないものと勝手に思ってました。確か93歳とか…戦場体験ギリギリの世代ですね。


>虎さん
 お久しぶり。こちらこそ今年もよろしくです。
 「カムイの剣」、実はまったく見たことがないんですよ。機会がなかったというよりあまり積極的に見ようとしてこなかった、というべきかな。なぜかラジオドラマは聞いてるんですが。
 りんたろう監督作品だって、「999」2作と「幻魔大戦」(そうそう、平井和正さんが亡くなられましたね)、「火の鳥鳳凰編」「迷宮物語」「メトロポリス」くらいしか見てないんです。最近でも精力的に新しいものにチャレンジされるところは凄いなぁ、と思うんですが、職人的というのか、あまり「りん色」というのを感じさせない監督という気もしますね。



#1511 
2015/01/18 09:22
あけおめことよろ←

ふと不思議に思ったのですが。りんたろう監督を評価されているのに、
なぜあの「埋もれた大傑作」の名がないのでしょう。
「カムイの剣」!

自分は、あれこそりんたろう監督の最高傑作の一つだと思っています。

史劇的にも、いいネタだと思いますよ。
クライマックスの大立ち回りのバックが五稜郭。そして、
最後に主人公、次郎が身の振り方を決めるきっかけがまたね。

アクションは、アニメならではの強烈なデフォルメが、
通常シーンのリアリズムと上手く対照的で、
「忍術」よりは「妖術」に近い感じが、映画的に楽しかったです。

声の演技では、真田氏が驚異的に上手くて呆然。

そしてもう一つ強烈だったのが、AKIRAの芸能山城組より早く、
「和太鼓のリズムとロックと囃し声」というコラボを
発明していたこと。
監督自らが「吹き出しミュージック(この命名にはツッコミたい)」と
名付けていたらしき、和太鼓とエレキの合間に「ホイヤッサ!」「アーラッサー!」と
掛け声が入る。字で読むとコミカルですが、相当気合いの入った、
迫力ある合いの手なので、むしろ逆に緊張感が走る。

そのあとにただ、和太鼓のリズム音だけが入ったりするとさらに。

あれ程の名作が埋もれているのは、本当に惜しい事です。
…徹夜城さんのご意見をお待ちします…。



#1510 
バラージ 2015/01/15 20:59
恋に落ちずにいられない

 以前、僕が1番好きな映画のジャンルは青春映画だと書きましたが、青春映画において欠かすことのできない要素が恋愛。僕は大人の恋愛映画はあまり観ないんですが青春映画はよく観るので、結果的に恋愛ものもよく観ることになるし好きな映画も多くなります。これまで触れたマイ・フェイバリット・ムービー・ベスト5も、『恋しくて』『欲望の翼』はもろに青春恋愛映画ですし、『再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ』『つぐみ』も恋愛エピソードが比較的大きな比重を占めているし、1つか2つ前の書き込みで取り上げた『エリザベスタウン』にしてもそう。そもそも青春映画に限らずアクション映画だって社会派映画だってSF映画だって恋愛エピソードは出てくるわけで、それだけ人類にとって普遍的なテーマなんですよね。
 そんなわけで今回は僕の好きな恋愛(エピソードを含んだ)映画について書こうと思います。

『アメリカン・グラフィティ』
 1962年の米国の地方都市を舞台に、卒業と旅立ちを明日に控えた高校生たちの一夜を描いたジョージ・ルーカス監督による青春群像劇。1973年に作られたんですが、青春映画の元祖と言っていいんではないでしょうか。40年経っても全然古びないのがすごい。街で一瞬見かけただけの“夢の女”を一晩中探し回るリチャード・ドレイファスをはじめとする登場人物それぞれの恋愛エピソード、流れる数々のオールディーズ、謎のラジオDJウルフマンなど、いずれもが秀逸です。ラストに登場人物の「その後(現在)」を文章で表示するエピローグも、この映画が元祖らしい。

『八月のクリスマス』
 NHK-BSで放送されてたのをたまたま途中から観て、あまりの良さにすぐビデオを借りて最初から観ちゃった韓国映画。結局DVDを買ってしまった。病で余命短い写真屋の男と、客としてその店に訪れた若い婦人警官の淡い恋を描いた静謐なラブ・ストーリー。作品に漂う穏やかな空気がすごくいい。婦警は彼が亡くなるまで不治の病であることを知らず、難病ものにありがちな泣かせの展開になってないのも好感。主人公を演じるハン・ソッキュとヒロイン役のシム・ウナも素晴らしい。個人的韓国映画ナンバー1作品。

『スイート・ムーンライト』
 東京を舞台に、香港の4人の若い男女の恋愛模様を描いた明るいラブコメディ。スー・チー目当てで観て、予想通り彼女が素晴らしかった。ピュアで明るいモンロー的役柄をやらせたら右に出る者はいない女優さんです。正直、彼女の魅力で印象が底上げされてる映画ですが、それだけ彼女が魅力的ってことで、映画自体も面白いです。

『藍色夏恋』
 高校生の男女の揺れ動く恋模様を描いた台湾の青春映画。女子高生が親友に頼まれて、彼女が好きになった男の子に彼女のラブレターを渡すが、彼は主人公のほうに興味を持ってしまう……。序盤は丁寧に作られた上質の定番青春映画なんですが、途中で主人公の女の子がある告白をしてそこから意外な展開となります。そこからの展開がすごくいい。青春という時代のきらめきと切なさに溢れた傑作です。主人公のグイ・ルンメイと相手役のチェン・ボーリンが瑞々しい演技で好演。

『恋の風景』
 これもNHK-BSでたまたま観て面白かった香港映画。病死した恋人が忘れられず彼が書き残した絵の風景を求めて彼の故郷を訪れた女性が、心優しい郵便配達の青年と出会う。お互いに惹かれていく2人だが、女性は恋人の記憶が薄らいでいく悲しみに耐えられない……。終始暗く切ない雰囲気の恋愛映画なんですが、主演のカリーナ・ラムの儚げな佇まいがその雰囲気にあまりにもはまっていてすごくいい。郵便配達員役のリウ・イエと病死した恋人役のイーキン・チェンも好演。

『(ハル)』
 当時、流行り始めていたパソコン通信から始まる恋愛を描いた森田芳光監督の恋愛映画。スランプからか当時監督業を一時休業中だった森田久々の監督作で、パソコンの画面に打ち込まれた文字がそのまま字幕になるという野心的・実験的な表現がとても面白かったです。当時は高く評価されながらも興行的には苦戦したらしいんですが、時代を先取りした映画と言えるでしょう。最近見返してないんですが、僕の地元が舞台の1つなんで今観たらかなり懐かしいかも。

『ジョゼと虎と魚たち』
 田辺聖子の小説の映画化で、脚が不自由で奇妙な魅力を持った少女ジョゼと大学生の恋愛映画。妻夫木聡がトップクレジットですが、男のほうは実質語り部で主人公は明らかに池脇千鶴演じるジョゼのほう。そして僕が感情移入したのも男ではなくジョゼのほうでした。彼女の抱える孤独感を見事に表現した池脇ってすげえ女優だなぁと思ったのを覚えています。恋敵役の上野樹里も好演。



#1509 
バラージ 2015/01/04 21:40
明けましておめでとうございます

 今年もよろしくお願いします。

 僕の今年最初の映画は『寄生獣』でした。原作マンガはあえて読み返さずに観たんですが、面白かったです。当然ながら原作とはちょこちょこ変わってるんですが(大きな変更点は2つほど)、面白くて途中からは気にならなくまりましたね。4月公開の完結編が楽しみです。

 『ホビット 決戦のゆくえ』も観ましたが……うーん、決してつまらなくはないんですが、大半が合戦シーンなんでビルボがあんまり活躍しないんですよねぇ。そもそも出番が少ない。誰が主人公だかわからん状態で、これはちょっとなぁと。



#1508 
徹夜城(支配人) 2015/01/01 21:17
謹画新年

あけましておめでとうございます〜〜!!
毎年、「今年こそは何か更新を」と書いてしまうのが恒例になりつつあります(汗)。映画日記も書きかけだけはずいぶんあるんですけどねぇ。
ま、ともかく今年も皆様、よろしくお願いします。

今年最初に見る映画は「ホビット 決戦のゆくえ」にでもなるのかな。



#1507 
バラージ 2014/12/31 18:27
ボーイ・ミーツ・アクトレス2

 続いて東洋女優編。

 まず香港のマギー・チャン。最初に『ポリス・ストーリー 香港国際警察』(1985年)で見たときは、可愛いアイドル的女優という程度の印象だったんですが、1990年前後からウォン・カーウァイ(『いますぐ抱きしめたい』(1988年)『欲望の翼』(1990年))、スタンリー・クワン(『フルムーン・イン・ニューヨーク』(1989年)『ロアン・リンユィ 阮玲玉』(1991年))、アン・ホイ(『客途秋恨』(1990年))、イム・ホー(『レッドダスト』(1990年))などの有名監督の作品に次々出演して演技派女優へと脱皮。『ロアン・リンユィ 阮玲玉』ではベルリン映画祭の主演女優賞まで受賞してしまいました。以後も『楽園の瑕』(1994年)『ラヴソング』(1996年)『宋家の三姉妹』(1997年)『花様年華』(2000年)『HERO』(2002年)と話題作に次々出演し、『チャイニーズ・ボックス』(1997年)では海外にも進出して、香港映画界にとどまらず中華圏を代表する女優になりましたが、カンヌ映画祭主演女優賞を受賞したフランス映画『クリーン』(2004年)を最後に半ば引退状態なのが残念。

 次に中国のコン・リー。最初に見たのはチャン・イーモウ監督のデビュー作でもある『紅いコーリャン』(1987年)なんですが、この時は映画自体の鮮烈な色彩感覚や寓話的なストーリーの印象が強烈過ぎてコン・リーの印象はそれほど強くありませんでした。しかし次の『菊豆(チュイトウ)』(1990年)から彼女は存在感をどんどん増しはじめ、『紅夢』(1991年)での圧倒的な演技で完全にお気に入り女優の1人となりました。その後はベネチア映画祭で主演女優賞を取った『秋菊の物語』(1992年)と準主演だった『活きる』(1994年)を経て、『上海ルージュ』(1995年)を最後にチャン・イーモウとのコンビは残念ながら解消(2人のプライベートな関係が破局したため)。他に『さらば、わが愛 覇王別姫』(1993年)『花の影』(1996年)『始皇帝暗殺』(1998年)でチェン・カイコー監督作に、『きれいなおかあさん』(1999年)『たまゆらの女(ひと)』(2002年)でスン・ジョウ監督作に、『2046』『愛の神、エロス』(2004年)でウォン・カーウァイ監督作に出演し、『チャイニーズ・ボックス』(1997年)『SAYURI』(2005年)などで海外にも進出しましたが、コン・リーの魅力を最大限に引き出せるのはやはりチャン・イーモウ。『王妃の紋章』(2006年)で10年ぶりにチャン・イーモウ映画に出演し、最新作もイーモウ監督の『妻への家路』(2014年)が来年日本公開です。

 続いては一世代若くなって、台湾出身で香港を中心に活動しているスー・チー。最初に彼女を見たのはジャッキー・チェンの『ゴージャス』(1999年)でした。この映画はもともとジャッキーがプロデューサーのみの予定だったこともあって、前半はどっちかっていうとスー・チーのほうが主役みたいになってるんですが、「ちょっとおつむが足りないけど純粋な心を持っている」という役柄で彼女の魅力が爆発してまして、これ一発でファンになりました。ビデオで遡って『夢翔る人 色情男女』(1996年)『スウィート・シンフォニー』(1997年)『玻璃(ガラス)の城』(1998年)『スイート・ムーンライト』(1999年)と観ました。以後、『わすれな草』『異邦人たち』(2000年)『北京ロック』(2001年)『クローサー』(2002年)『傷だらけの男たち』(2006年)『西遊記 はじまりのはじまり』(2013年)と多彩な映画で多彩な役を演じ、中華圏を代表する女優に。『ミレニアム・マンボ』(2001年)『百年恋歌』(2005年)と故郷台湾の巨匠ホウ・シャオシェン映画の常連ともなり、『狙った恋の落とし方。』(2008年)で中国映画にも出演している他、『トランスポーター』(2002年)『ニューヨーク、アイラブユー』(2009年)で海外にも進出しています。

 そして中国のチャン・ツィイー。最初に見たのはデビュー作の『初恋のきた道』(1999年)で彼女は人気となったんですが、実は僕は今一つピンときませんでした。僕が彼女にハマったのは劇場で見逃してビデオで観た『グリーン・デスティニー』(2000年)でです。いや、これは劇場で見なかったことを本当に後悔しました。鼻っ柱の強い美少女役という彼女の魅力がすべて詰まった役どころで、ほとんど共演者を食っちゃってましたね。以後、『HERO』(2002年)『パープル・バタフライ』(2003年)『LOVERS』『2046』(2004年)『女帝 エンペラー』(2006年)『花の生涯 梅蘭芳』(2008年)『ソフィーの復讐』(2009年)『危険な関係』(2012年)『グランド・マスター』(2013年)と、中華圏を代表するスター女優へと成長しました。『ラッシュアワー2』(2001年)『SAYURI』(2005年)などでハリウッド進出してる他、『MUSA 武士』(2001年)で韓国映画、『オペレッタ狸御殿』(2005年)で日本映画にも出演しています。

 次に中国のジョウ・シュン。彼女は『始皇帝暗殺』(1998年)の冒頭に出てくる盲目の少女役で初めて見て、とても印象に残りました。その後しばらくしてから『ハリウッド☆ホンコン』(2000年)『小さな中国のお針子』(2001年)と連続で観て、どっちも映画自体はいまいちだけど彼女だけはやたらと魅力的でファンになりました。彼女の得意な役柄は小悪魔的な女性で、そういう役を演じることが多いですね。それ以前の『ふたりの人魚』(1998年)をビデオで見て、以後も『ウィンター・ソング』(2005年)『女帝 エンペラー』(2006年)『画皮 あやかしの恋』(2008年)『酔拳 レジェンド・オブ・カンフー』『孔子の教え』(2010年)『大魔術師Xのダブルトリック』『ドラゴン・ゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』(2011年)『サイレント・ウォー』(2012年)とこれまた中華圏を代表する女優の1人となり、『クラウド・アトラス』(2012年)でハリウッドに進出。韓国女優ペ・ドゥナと共演しています。

 最後に、また一世代下がって台湾のグイ・ルンメイ。デビュー作『藍色夏恋』(2002年)がとにかく素晴らしかった(この作品についてはまた後日)。その後学業優先で海外留学したため、そのまま消えてしまったり魅力を失ってしまう可能性もあったんで、どうなのかなあと思ってたんですが、復帰後の『遠い道のり』『言えない秘密』(2007年)でも、成長した姿を見せてくれてうれしかったですね。特に『言えない秘密』はこれまた作品自体はいまいちなんですが、グイ・ルンメイはすごく魅力的です。以後、『台北カフェ・ストーリー』『海洋天堂』『密告・者』(2010年)『ドラゴン・ゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』『ハッピーイヤーズ・イブ』(2011年)『GF*BF』(2012年)と順調に成長中。そんな彼女も三十路となり、来年公開の『薄氷の殺人』(2014年)ではアンニュイな大人の魅力を出しているようで楽しみです。


>最近観てる(&ちょっと前に観てた)テレビドラマ
 東京ではもう放送が終わりDVDも発売されてるようですが、こちらでは今放送してる連続ドラマ『セーラーゾンビ』がすげえ面白いです。あと、ちょっと前に放送が終わったNHK-BSの連続ドラマ『植物男子ベランダー』も面白かった。4月から新シリーズが始まるらしい。


 さて、今年ももう終わりですね。今年面白かった映画ベスト3は、『オン・ザ・ロード』(#1447)『インフォーマーズ』(#1455)『もらとりあむタマ子』(#1446)でした。では、また来年。



#1506 
バラージ 2014/12/29 22:15
ボーイ・ミーツ・アクトレス

 これまで好きな映画作品や監督についていろいろ書いてきましたが、実は僕は好きな女優目当てで映画を観る、ということも結構多かったりします(男優はジャッキー・チェンやブルース・リーなどを除けばそういうことはあまりない)。今回はそんな今まで好きになった女優たちについて徒然なるままに書いてみようかなと思います。
 まずは欧米女優編。

 最初は『恋しくて』(1987年)のメアリー・スチュアート・マスターソン。この作品ですっかり彼女のファンになり、過去作を遡って観たし、新作も欠かさず観たもんです。特に良かったのは『フライド・グリーン・トマト』(1991年)。キャシー・ベイツ演じる平凡な主婦がジェシカ・タンディ演じる不思議な老女と出会い、彼女が語るマスターソンとメアリー・ルイーズ・パーカーが演じる数十年前の2人の女性の友情の話に引き込まれていく……というお話で、マスターソンは『恋しくて』と同じく少年のような女性(または少女)を演じてるんですが、これがまたものすごく魅力的なんですよね。この2作が彼女の最高傑作かな。その後も『妹の恋人』(1993年)『マンハッタン花物語』(1995年)『ヘブンズ・プリズナー』(1996年)などに出演してました。彼女の出演映画で僕が最後に観たのは『ウィズ・ユー』(1997年)ですかね。

 次にモイラ・ケリー。彼女は『きっと忘れない』(1994年)が良かった。一流大学の大学生が卒論に取り組む中で、風変わりで教養豊かな中年ホームレスと出会い、彼との友情を通じて人生に大切な何かを感じ取っていくという青春映画で、メイン・ストーリーは若干のポリティカリー・コレクト臭がいささか鼻につくんですが、ヒロインのケリーが魅力的で、彼女と主人公の恋愛エピソード(あまり多くはないけど)に心惹かれました。ただ彼女の出演映画はその後、『冬の恋人たち』『チャーリー』『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』(1992年)などを遡って観ましたが、後発の作品はあまり続かず、継続して観る感じにはなりませんでした。

 続いてはベルギー出身でフランスを中心としたヨーロッパで活動しているマリー・ジラン。彼女は青春映画『裸足のマリー』(1994年)で注目した女優。その後、実際に起きた社会的事件を描いた『ひとりぼっちの狩人たち』(1995年)、オスマン・トルコ末期の宮廷を舞台とした時代劇『ラスト・ハーレム』(1999年)なども良かったです。ただ彼女もこれより後の作品は観てないんですよね(僕が観なくなっただけで、彼女は映画に出演している)。

 最後はキルスティン・ダンスト。まだローティーンの頃に出ていたテレビドラマ『ER 緊急救命室』の1エピソードで初めて観て、印象に残ったのが最初。それ以来気になっていたんですが、『スパイダーマン』シリーズ(2002年〜2007年)でお気に入りの女優の1人に。以後遡って『キルスティン・ダンストの大統領に気を付けろ!』(1999年)や『チアーズ!』(2000年)を観て、その後も『ウィンブルドン』(2004年)などを観ましたが、特に良かったのは『エリザベスタウン』(2005年)。仕事で大失敗を犯して大企業をクビになり傷心の青年が、父の葬儀のために帰郷する中で癒されていくヒューマンドラマ。主演のオーランド・ブルームや母親役のスーザン・サランドンその他親戚の面々も好演ですが、主人公が帰郷の途中に出会って恋に落ちるCAを演じるダンストがなんといっても魅力的。男が深い失望の中にいるときに出会いたい理想の女性と言っていいでしょう。出演作を欠かさず観るというほどではありませんが、今年観た『オン・ザ・ロード』(2012年)にもちょこっと出てました。



#1505 
徹夜城(支配人) 2014/12/25 23:57
しばらく映画を見る暇がなく…

そういえば劇場もしばらく行ってません。自宅で録画だめしたものなんかをチビチビ見てはいますけど。

>黒駒さん
「パットン大戦車軍団」は、単に「Patton」だけの原題を邦題で盛大に見せてしまった一例ですね。ただ「大戦車軍団!」と全面に押し出されてるかというとそうでもなく、基本的にパットン個人の「人間」を描いた一本になってます。実在軍人ものの映画のなかでは主役をある程度尽き話してることもあって傑作になったと思います。
パットンを演じたジョージ=C=スコットは確かアカデミー主演男優賞を拒否してたような。しかし演じたパットンには思い入れがあったようで、「パットン最後の日々」だったかな、彼の晩年を描いた映画にも主演しています。ビデオが出てたはずですが未チェック。


>バラージさん
オリバー=ストーン監督作品、僕は「プラトーン」と「JFK」「ニクソン」くらいしか見てないですねぇ。監督、というわけではないけどテレビドキュメンタリーの「知られざるアメリカ史」を最近全部見た、というのはありますが。
スパイク=リーに至っては「マルコムX」以外は見てないです。「オールド・ボーイ」は興味あったんですけど、公開時に見逃しました。



#1504 
バラージ 2014/12/24 22:52
オリバー・ストーンとスパイク・リー

 昔はこの監督の映画をよく観てたんだけど……という監督が僕には何人かいます。たとえばオリバー・ストーンとスパイク・リー。この2人の映画は、80年代末から90年代にはよく観てたんですが、21世紀に入る頃からストンと観なくなってしまいました。

 オリバー・ストーン監督作では、『7月4日に生まれて』と『ドアーズ』は映画館で見逃してしまったため、『JFK』が最初に映画館で観た映画です。前2作やそれより前の『サルバドル 遥かなる日々』『プラトーン』『ウォール街』『トーク・レディオ』もビデオで観ました(どれが最初だったかは覚えてないけど、『JFK』よりは前に観ている)。最初期のホラー映画『邪悪の女王』『キラーハンド』は観てないものの、その後も『天と地』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『ニクソン』までは観てましたね。ただ、『天と地』と『ニクソン』は完全に失敗作。その次の『Uターン』はただのバイオレンス映画という感じだったこともあり、以後はまったく観なくなってしまいました。唯一、『ウォール・ストリート』が『ウォール街』の30年ぶりの続編ということもあって映画館で観ましたが、『エニイ・ギブン・サンデー』『コマンダンテ』『アレキサンダー』『ワールド・トレード・センター』『ブッシュ』『野蛮なやつら SAVAGES』は観てません。
 『サルバドル 遥かなる日々』『ドアーズ』『JFK』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』あたりが特に面白かった映画ですかね。

 スパイク・リー監督作で初めて観たのは、ビデオで観た『ドゥ・ザ・ライト・シング』(それより前の『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』『スクール・デイズ』は未見)。『モ’・ベター・ブルース』も劇場公開されなかったんでビデオで観て、映画館で初めて観たのはその次の『ジャングル・フィーバー』でした。『マルコムX』も映画館で観ましたが、『クルックリン』以後は地元ではあまり劇場公開されなくなったため、いずれもビデオ観賞。『クロッカーズ』『ガール6』『ゲット・オン・ザ・バス』『ラスト・ゲーム』までは観ました。しかしその後は『サマー・オブ・サム』『キング・オブ・コメディ』『25時』『セレブの種』『インサイド・マン』『セントアンナの奇跡』『オールド・ボーイ』といずれも観ていません。『サマー・オブ・サム』以後はいずれも主人公(主演)が白人で、黒人映画の旗手と呼ばれたかつてのスパイク・リーからは想像できませんねえ(それ以前の作品では『クロッカーズ』のみ白人主人公ですが、これは原作小説があり、かつもともとはプロデューサーのマーティン・スコセッシが監督する予定だったらしい)。
 1番好きな映画は『モ’・ベター・ブルース』。現代ジャズ・ミュージシャンの光と影を描いたドラマ映画で、リーの初期作品では例外的に人種的要素が薄い映画なんですが、それゆえに(?)ストレートに楽しめた映画でした。他にも『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』『ゲット・オン・ザ・バス』『ラスト・ゲーム』あたりも良かったです。
 そういえばリーはかつて、初の黒人メジャーリーガーであるジャッキー・ロビンソンの伝記映画を作るのが夢と言ってたんですが、別の監督が『42 世界を変えた男』を撮っちゃいましたね。まだその夢は持ってるんだろうか?

>日本のゴジラ映画
 ハリウッド版がシリーズ化されるなら日本ではしばらく作られないだろう、と以前書きましたが、日本でもまたゴジラを作るというニュースがちょっと前に出ましたね。いやぁ、予想大外れ(笑)。



#1503 
黒駒 2014/12/19 22:35
パットン大戦車軍団

パットン大戦車軍団を見ました。70年代の古いハリウッド製戦争映画。実際のパットンがこういう人だったのかはもちろん留保しているのですが、ジョージ・C・スコット演じるこの映画のパットン将軍は英雄気質があり、ローマの古戦場で詩を読むようなロマンティストで、戦場で怯える兵をお前なんか前線で死んでしまえとどなりつける。

なんか、連想するのが司馬遼太郎の描くところの土方歳三のようで、実は私は土方と同郷なのですが、土方歳三という人物に対して否定的なのですよね。自分一人が潔く生きて戦場で死ぬのはいいのですが(事実、歳三は戦場で死んでますね)、土方にしろパットン将軍にしろ彼らは司令官なわけで、彼らの美意識のため実際に手足となって死んでいくのは部下の将兵なわけで、局中法度で腹を切らされるのは一般の隊士なわけです。

もちろんパットン将軍のような人物がいたからこそ大戦が集結し今日の世界があるという複雑な評価でもあるわけですが、この映画では後半でパットン将軍が解任されて挫折していく様子を描いていて、なかなか面白く見られましたね。しかし、ノリというか絵面は70年代の痛快戦争映画のものですし、今日の凄惨な戦闘シーンの戦争映画で同じことやったら、また違う味わいの映画になっただろうなとも思います。

しかし、私は詳しく語れませんけど、70年代における戦勝国・アメリカの戦争映画の意識として見るのもなかなか興味深そうですね。



#1502 
徹夜城(支配人) 2014/12/17 22:57
そうそう、書き忘れた追悼ネタ

 またまた追悼ネタなのですが、スターと違って映画製作側の人たちなのでベタ死亡記事でしか扱われなかった訃報がここ最近で二つ。ほとんど世間で話題になってなかったのでこちらで書きとめておこうと。

 一人は黒澤映画の後半作品でカメラマンをしていた斉藤孝雄氏。以前、黒澤明が誰だかとの対談で「『用心棒』の人を斬る音の演出は、劇画家さいとう・たかをに影響を与えてます」と言われて、「さいとう・たかを?うちのカメラマンみたいな名前だな」と発言していたのを読んだことがあります。さすがの黒澤明もさいとう・たかをの方は知らなかったみたい(手塚治虫はよく知ってて娘さんには勧めてたそうですが)。

 もう一人は平成ゴジラシリーズの特技監督をつとめた川北紘一氏。この訃報は結構ショックでした。まだまだお若い(72歳)ということもありましたし、つい最近でも特撮映画のDVDムックなんかにコメント書かれたりしてましたので…
 何度も書いてますが僕がゴジラシリーズにハマったきっかけは「ゴジラVSキングギドラ」で、特にそのメカ描写に感嘆した覚えがあります。光線が飛び交い血も噴き出す川北怪獣特撮はオールドファンの一部には反感をもたれたようですが、僕はそこが結構好きだったんですよね。怪獣映画以外でも「さよならジュピター」「ガンヘッド」などSFメカ特撮のセンスはずば抜けていたと思います(どちらも映画自体はつまんないんだけど特撮部分だけは見ちゃう)。



#1501 
徹夜城(支配人) 2014/12/17 22:48
確かに昔の映画はセリフが聞きにくい

>黒駒さん
 日本映画のDVDに日本語字幕があるのは、本来は聴覚障害者などを対象にしたものなんでしょうけど、古い映画については聞きとり補助にも役立つ、ということなんですよね。僕も黒澤映画の古い作品を集中的に見ていた時期がありまして、ビデオでも劇場でもその音、とくにセリフの聞き取りにくさに難渋した覚えがあります。「七人の侍」だって何を言ってるのかわからないシーンが結構ありますよね。
 前から思ってるのですけど、少し前の日本映画ってセリフが早口のような…演出上そうだったのか、あるいは当時の日本人は実際に早口モードでしゃべっていたのか、どっちなんだろうとかねて思っておりまして。
 あと、黒澤映画に限りませんが、今となっては説明がないと分からない用語もよく出てきますよね。漢字で示されると分かるケースもあって、字幕がそのためにも役に立つことがあります。



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