聖書関係史

歴史映画コーナーのトップに戻る

天地創造
"THE BIBLE in the Bigining..."
1966年/アメリカ・イタリア(日本公開1966年)
ディノ・デ・ラウレンティスシネマトグラフィカ
セブンアーツ/20世紀フォックス
カラー映画(174分)
スタッフ○監督:ジョン=ヒューストン○脚本:クリストファー=フライ○撮影:ジェゼッペ=ロトゥンノ○音楽:黛敏郎○製作:ディノ=ラウレンティス
キャストマイケル=パークス(アダム)、ウッラ=バーグリッド(イブ)、リチャード=ハリス(カイン)、スティーブン=ボイド(ミムロド)、ジョン=ヒューストン(ノア)、ジョージ=C=スコット(アブラハム)、エヴァ=ガードナー(サラ)、ピーター=オトゥール(神の使い)ほか
ストーリー神は無から世界を創造し、すべての生き物を生み出し、最初の人間アダムとその妻イブを作った。アダムとイブは禁断の知恵の実を口にしたためにエデンの園を追われ、二人の間にはカインとアベルの兄弟が生まれるが、カインはアベルを殺してしまう。やがて世界中に人間が広がるが神への敬虔さを失い、神は正しき人ノアに箱舟を作らせて彼の家族と動物たちをそこに乗せ、大洪水を起こして世界を水に沈める。再び歩み出した人類は今度は神に挑戦するかのようにバベルの塔を築くがこれも神により挫折させられる。そしてアブラハムは神に導かれてカナンの地へと入るが、ようやくもうけた息子イサクを神はいけにえに捧げるよう命じるのだった。
解説原題はずばり「THEBIBLE」。イタリアの大物プロデューサー・ラウレンティスがとうとう聖書そのものの映像化に挑んでしまった大作である。もっとも内容は「創世記」に限られており、天地創造からアダムとイブ、カインとアベル、ノアの箱舟、バベルの塔、アブラハムとイサク、とまんべんなく映像化している。語り口に散漫な印象も受けるが、まぁ欧米人にはおなじみのお話だからなのだろう。監督のヒューストン自らノア役を演じており、彼の動物趣味が暴走したのか箱舟に満載された動物たちの描写が異様に力が入り、なんだかとても楽しげ(笑)。日本の作曲家・黛敏郎の荘厳でスケール感たっぷりの音楽も聞きどころ。
メディアDVD/BD発売:20世紀フォックスホームエンターテイメント

ノアの箱舟
"Noah's Ark"
1928年/アメリカ(日本公開不明)
ワーザー・ブラザーズ
白黒映画(135分)
スタッフ○監督:マイケル=カーティス○脚本:アンソニー=コールドウェイ/ダリル=F=ザナック○撮影:バーニー=マッギル/ハル=モーア○音楽:ルイス=シルバース/アロイス=ライザー○製作:ダリル=F=ザナック
キャストドロレス=コステロ(マリー/ミリアム)、ジョージ=オブライエン(トラヴィス/ヤペテ)、ポール=マキャリスター(ノア)、ノア=ビーリィ(ネフィリム王)、グイン=ウィリアムズ(アル/ハム)、マルコム=ウェイト(セム)ほか
ストーリー第一次大戦を描く現代ドラマの中に聖書の大洪水ばなしが組みこまれる構成になっている(予告編ではそのカットは一切ないが)。戦争の惨禍をノアの洪水に重ね合わせて「回想」に入ると現代編の出演者たちが聖書の登場人物たちとなって大洪水と箱舟の物語が語られる。ネフィリム王はエホバ以外の神を祭始め人々もそれにならうが、ノアとその家族だけは信仰を守っていた。神のお告げを受けたノアたちは箱舟を作って洪水に備えるが、そんな折にノアの侍女ミリアムがネフィリム王によっていけにえに選ばれてしまう。
解説ハリウッドの帝王ザナックが原案を書き、すでに聖書もの大作「ソドムとゴモラ」を手がけていたカーティスが監督した大作。現代ドラマと聖書ばなしを組み合わせるパターンはこの時期の映画に多い。古代ドラマ部分ではそれまでのハリウッド映画でも最高のエキストラを動員したとされ、巨大セットとミニチュア特撮もからめた大洪水のスペクタクルはなかなかのものだが、この洪水シーンでエキストラに死者が出たとの話もある。135分のオリジナル版は失われていて、100分まで復元されたバージョンが存在する。
メディアDVD発売:ブロードウェイ

ノアズ・アーク
"Noah's Ark"
1999年/アメリカ・ドイツ
バベルズベルグ・インターナショナル・フィルム・プロダクション
ホールマーク・エンターテイメント
カラーTVドラマ(178分)
スタッフ○監督:ジョン=アーヴィン○脚本:ピーター=バーンズ○撮影:マイク=モロイ○音楽:ポール=グラボウスキー○製作:ロバート=ハルミ/ステファン=ジョーンズ
キャストジョン=ボイト(ノア)、メアリー=スティーンバーゲン(ナーマ)、F=マーリー=エイブラハム(ロト)、キャロル=ケイン(サラ)、マーク=バゼリー(セム)、ジョナサン=ケイク(ヤペテ)、アレクシス=デニソフ(ハム)、ジェームズ=コバーン(商人)ほか
ストーリーノアとその家族たちは享楽にふける都ソドムで暮らしていたが、神がこの町を破壊することを決め、神のお告げを受けたノアと家族、そして友人のロトだけが命を拾う。数年後、神は罪深い人間たちをいったん抹殺することを決め、ノアに箱舟を作って動物たちと共に乗りこむように命じた。まもなく大洪水が起こり、世界は水に沈むが、ロトや一部の人々も船に乗って生き残り、ノアの箱舟を襲撃してくる。
解説なにを血迷ったのか、前半が「ソドムとゴモラ」の話で後半がノアの洪水という全く別の話を一つにつなげてしまい、大洪水の後でロトがほとんど海賊の親分状態で箱舟を襲撃してくるというトンデモ聖書ドラマ。こんなことして敬虔な聖書信者が怒りださないのだろうか?そのせいかどうか知らないがマレーシアではノアの描き方がイスラム的ではないとして上映放映をいっさい禁止されたことがある。ジェームズ=コバーンが特別出演でチラッと顔を見せるのが唯一の見どころのようなもので、全体的に安っぽさが満ちている。
メディアDVD発売:ハピネット・ピクチャーズ

イン・ザ・ビギニング
"In the bigining"
2000年/アメリカ
NBC
カラーTVドラマ(189分)
スタッフ○監督:ケビン=コナー○脚本:ジョン=ゴールドスミス○撮影:エルマー=ラガリー○音楽:ケン=ソーン○製作:ポール=ローウィン
キャストマーティン=ランドー(アブラハム)、ジャクリーン=ベセット(サラ)、フレッド=ウェラー(ヤコブ)、エディー=シブリアン(ヨセフ)、クリストファー=リー(ラムセス1世)、ビリー=キャンベル(モーセ)、アート=マリック(ラムセス2世)ほか
ストーリーアブラハムの口から語られる天地創造から始まり、イサク、ヤコブ、ヨセフ、モーセへと族長たちの歴史がつづられてゆく。
解説2章構成、3時間強で「創世記」から「出エジプト記」までの内容を一気に見られるお得な一本(?)。アブラハムからモーセにいたる歴代の物語を彼らが引き継いでいく「族長の杖」を軸にまとめている。
メディアDVD発売:パイオニアLDC

アブラハム
"Abraham"
1993年/イタリア・アメリカ
ルード・プロダクション
ルックス/ベタフィルム
RAI1
カラーTVドラマ(175分)
スタッフ○監督:ジョゼフ=サージェント○脚本:ロバート=マッキー○撮影:アラファエル=マーツ○音楽:マルコ=フリシナ/エンニオ=モリコーネ(アドバイザー)○製作:ローラ=ファットーリ/ロレンツォ=ミノリ
キャストリチャード=ハリス(アブラハム)、バーバラ=ハーシェイ(サラ)、マクシミリアン=シェル(ファラオ)、アンドレア=プロダン(ロト)ほか
ストーリーアブラハムは一族を連れてメソポタミアのハランを旅立ち、エジプトなど各地を放浪する神が「約束の地」としたカナンの地へとたどりつく。ようやくサラとの間にもうけた男子・イサクを生贄にせよとの神のお告げを受けてアブラハムは苦悩するのだが…。
解説一神教のルーツとなったアブラハムの生涯を聖書に基づいて3時間でまんべんなくまとめたTVドラマ。DVDで邦題が「ソドムとゴモラ」にされてる商品もあるが、それが出てくるのはほんのちょっとだけ。
メディアDVD発売:バンド(「ソドムトゴモラ」というタイトルに変え、派手なスペクタクル物を装うパッケージでしかも内容はかなりカットされた)
VHS発売:聖書シリーズの一本としてわずかながら発売されていた模様。

Sodom und Gomorrha
(ソドムとゴモラ)
1922年/オーストリア(日本未公開?)
サッシャ・フィルム
白黒無声映画(180分)
スタッフ○監督:マイケル=カーティス○脚本:マイケル=カーティス/ラディスラウス=ヴァジャ○撮影:フランツ=プラナー/ギュスターブ=ウツィツキー○音楽:ジュゼッペ=ベッケ○製作:サッシャ=コロウラト=クラコウスキー
キャストルーシー=ドレイン(マリー/レア/シリア女王)、リヒャルト=ヴァルツェラ(ロト)、ヴィクトル=ヴァルコニ(聖職者/天使)ほか
ストーリー現代編と古代編が入り組む構成になっていて、現代編では財産と享楽に目がくらんで一度は恋人を捨ててしまう若い女マリーの遍歴が描かれ、そこに夢の中で聖書のソドムとゴモラのエピソードが挿入される。夢の中でロトの妻となったマリーは享楽の都市ソドムとゴモラが神によって破壊されるなか天使の導きでロトと共に脱出するが、戒めを破って振り返ったために塩の柱になってしまう。驚いて目を覚ましたマリーは自らの行動を反省し、恋人ハリーのもとへ帰るのだった。
解説のちにハリウッドで「カサブランカ」などを手がけて有名になるマイケル=カーティス監督がオーストリア時代に手がけたサイレント超大作。サイレント版「十誡」の一年前に製作されているのだが聖書の話と現代の話とが一緒に描かれ教訓話になっているところが共通する。だがなんといってもソドムとゴモラ崩壊のスペクタクルが最大の見せ場で、巨大なセットの破壊、数千から数万といわれる大エキストラを動員したリアルな避難シーンは今見ても驚き。「イントレランス」の影響かこの時期の映画にはこういう大セット・大エキストラ作品がいくつかある。
メディア日本ではソフト化されていない。見せ場のスペクタクルシーンなど一部がネット上で確認できる。

ソドムとゴモラ
"SODOMA E GOMORRA"
1962年/イタリア・アメリカ(日本公開1963年)
SGC
カラー映画(154分)
スタッフ○監督:ロバート=アルドリッチ/セルジオ=レオーネ○脚本:ヒューゴ=バトラー/ジョルジョ=プロスペリ○撮影:シルヴァーノ=イッポリティ/シリル=ノウルズ/マリオ=モンチュオリ○音楽:ミクロス=ローザ○製作:ポール=ローウィン
キャストスチュアート=グレンジャー(ロト)、アヌーク=エーメ(ベラ)、ピア=アンジェリ(イルディス)、スタンリー=ベイカー(アスタロフ)、ロッサナ=ポデスタ(シュア)ほか
ストーリーアブラハムと分かれてヘブライの民を率いて放浪していたロトは、二つの都ソドムとゴモラを支配する女王ベラから近くに土地を貸し与えられそこに落ち着く。侵攻してきたヘラム族を撃退するために農業用のダムを破壊してしまったヘブライ人達はソドムの町に迎えられ、そのまま贅沢な都市生活になじんでしまう。ロトは二人の娘に手を出したベラの弟を怒りに任せて殺してしまったことをきっかけに自分たちの過ちに気付く。そこへ神の使者が現れ、ソドムとゴモラの破壊をロトに告げる。 
解説旧約聖書でおなじみ、歓楽と退廃の都ソドムとゴモラの話を思いっきり膨らまして2時間半の長編にしちゃったスペクタクル大作(少し短いバージョンもいくつか存在する)。ヘラム族を火攻め水攻めで撃退する大合戦シーン、ミニチュア特撮込みのソドムとゴモラの町の崩壊、そして振り返ったためにロトの妻(ソドム出身という設定になってる)が「塩の柱」になってしまうラストまで、見所も多い。
メディアVHS発売:コロムビアミュージックエンタテインメント

ヤコブ
"Jacob"
1994年/アメリカ・イタリア・ドイツ・フランス・チェコ・オランダ
ルード・プロダクション
ルックス/ベタフィルムほか
カラーTVドラマ(91分)
スタッフ○監督:ピーター=ホール○脚本:ライオネル=チェトウィンド○原作:フランチェスコ=マリア=ナッピ○撮影:エンニオ=ガルニエーリ○音楽:マルコ=フリジナ/エンニオ=モリコーネ○製作:ロレンツォ=ミノリ/ジェラルド=ラフシューン
キャストマシュー=マディン(ヤコブ)、ララ=フリン=ボイル(ラケル)、ショーン=ビーン(エサウ)、ジュリエット=オーブリー(レア)、ジョス=アクランド(イサク)、アイリーン=パパス(リベカ)ほか
ストーリーアブラハムの子イサクにはエサウとヤコブの双子の息子が生まれた。ヤコブは母リベカの入れ知恵で父イサクをだまして後継者となる祝福を受け、怒ったエサウに追われて伯父のもとへ身を寄せる。ここで伯父の娘ラケルを見初めたヤコブに、伯父は7年働いて待てと言う。7年後に念願かなって婚礼をあげたヤコブだったが、朝目覚めると相手はラケルの姉レアだった。ヤコブはさらに7年働いてようやくラケルを妻に迎える。族長に成長したヤコブは兄エサウと和解するべく故郷へと向かう。
解説「アブラハム」から始まる欧米諸国共同製作の聖書TVドラマシリーズの一つ。ヤコブが「神」と格闘し、「イスラエル」の名を授けられる聖書中の謎の場面も映像化されている。
メディア日本ではDVD発売はなし。一部教会関係で聖書シリーズの一本としてVHS発売があった模様。

ヨセフ
"Joseph"
1995年/アメリカ・イタリア・ドイツ・フランス・チェコ・オランダ
ルード・プロダクション
ルックス/ベタフィルムほか
カラーTVドラマ(184分)
スタッフ○監督:ロジャー=ヤング○脚本:ジェームズ=カリントン/ライオネル=チェトウィンド○撮影:ラファエル=メルツ○音楽:マルコ=フリジナ/エンニオ=モリコーネ○製作:ロレンツォ=ミノリ/ジェラルド=ラフシューン
キャストポール=マーキュリオ(ヨセフ)、マーティン=ランドー(ヤコブ)、ベン=キングズレー(ポティファル)、ドミニク=サンダ(レア)、アリス=クリッジ(ラケル)、ヴァレリア=カヴァリ(アセナト)、スタファノ=ディオニシ(ファラオ)、モニカ=ベルッチ(王妃)ほか
ストーリーエジプトの奴隷市でポテファルは一人の若者を買い取る。その若者ヨセフは唯一神を信仰する変わり者で、ポテファルの妻から誘惑を受けて拒絶したために濡れ衣を着せられてしまう。尋問するポテファルにヨセフは自分がヘブライ人のヤコブの息子で異母兄たちから憎まれて奴隷に売られた経緯を語る。やがてヨセフはファラオの夢の謎を解いたことをきっかけに出世してついにエジプトの宰相となるが、そこへかつて自分を売りとばした兄たちがやってきた…
解説「アブラハム」「ヤコブ」に続く欧米諸国共同製作の聖書TVドラマシリーズの一つ。前半の回想部分はヤコブ時代の話が多く、ヤコブの娘が他部族の男に犯されたためその報復としてヤコブの息子たちが相手の部族を皆殺しにしてしまう話や、レベカがベニヤミンを産んで死去する場面も含まれていて、内容的にはかなり聖書に忠実(もともとそういう企画だが)。タマルが売春婦に化けて…という、あまり描かれそうにない脇道の逸話まで映像化している。
メディア日本ではDVD発売はなし。一部教会関係で聖書シリーズの一本としてVHS発売があった模様。

Slave of Dreams
"夢の奴隷"
1995年/アメリカ
ディノ・デ・ラウレンティス・シネマトグラフィカ
ショウタイム・エンターテイメント
カラーTVドラマ(95分)
スタッフ○監督:ロバート=M=ヤング○脚本:ロン=ハッチントン○撮影:ジェゼッペ=マッカーリ○音楽:クリストファー=タイン○製作:ディノ=デ=ラウレンティス/マーサ=デ=ラウレンティス
キャストエドワード=ジェームズ=オルモス(ポティファル)、シェリリン=フェン(ズレイカ)、エイドリアン=パスダー(ヨセフ)ほか
ストーリーエジプトの役人ポティファルの妻ズレイカは子供を授かりたいと神に願っていたが夫が相手をしてくれず欲求不満から淫らな夢を見る毎日を送っていた。そんな折、ズレイカはたくましい肉体をもつ若い奴隷ヨセフを見て気持ちを昂ぶらせ、夫にヨセフを引きたてて家に入れてやるよう口添えする。そしてズレイカはついにヨセフに思いのたけをぶつけるが、ヨセフに拒絶されてしまう。
解説ヨセフ物語のひとコマである「ポティファルの妻の誘惑」をメインに据えた、聖書ネタながらかなり大人向きの人妻不倫妄想ドラマ(笑)。「天地創造」で知られる映画界の大プロデューサー・ラウレンティスがこんな下世話な(笑)のも手がけているというのも面白い。
メディア日本では放映もソフト化も一切ない模様。

ヨセフ物語〜夢の力〜
"Joseph King of Dreams"
2000年/アメリカ(日本公開2002年)
ドリームワークスアニメーション
カラーアニメーション映画(77分)
スタッフ○監督:ロブ=ラディカ/ロバート=ラミレス○脚本:ユージニア=ボストウィック=シンガー/レイモンド=シンガー/ジョー=スティルマン/マーシャル=ゴールドバーグ○音楽:ダニエル=ペルフリー○製作:ケン=ツムラ
キャスト(声)ベン=アフレック(ヨセフ)、リチャード=ハード(ヤコブ)、ジョディ=ベンソン(アセナト)、ジェームズ=ベックハウス(ポティファル)、モーリン=マクガバン(ラケル)、マーク=ハミル(ユダ)、リチャード=マクゴナガル(ファラオ)ほか
ストーリーヤコブの後妻ラケルがヨセフを産み、孫のような息子を得たことでヤコブは大喜び、上の息子たちと明らかに差をつけて可愛がっため、兄たちはヨセフを深く憎むようになってしまった。ヨセフは兄たちによって奴隷商人に売り飛ばされ、エジプトの役人ポテファルの奴隷とされる。ポテファルの妻の誘惑を拒否したことから濡れ衣を着せられて牢に閉じ込められたヨセフは同じ牢にいた二人の男の夢解きをして見事に運命を言い当てる。やがてファラオの夢の謎も解いたヨセフは宰相となって成功、人々に穀物を分配しているとかつて自分を売りとばした兄たちが訪ねてきた。
解説ドリームワークスが製作したアニメ映画。コンパクトながら大筋で聖書のヨセフ物語をほぼその通りにアニメ化しているが、一夫多妻は子供向けではまずいと思ったかラケルは後妻の設定で、ヨセフがエジプトに行ってる間にベニヤミンを産んで死んでしまったことにされている。突然歌い出すミュージカル仕立てなのはディズニーアニメ同様。
メディアDVD発売:ポニーキャニオン

十誡
"The Ten Comandments"
1923年/アメリカ(日本公開1925年)
パラマウント映画
白黒無声映画(136分)
スタッフ○監督・製作:セシル=B=デミル○ストーリー:ジャニー=マクファーソン○撮影:ペパーレル=マーレー/ジェー=S=ウェスターバーグ/アーチー=スタウト○音楽:ヒューゴ=ライゼンフェルド
キャストテオドラ=ロバーツ(モーセ)、シャルル=ド=ロシュフォール(ラメセス)、ジルア=フェイ(王妃)、エステル=テイラー(ミリアム)、ジェームズ=ネイル(アロン)ほか
ストーリー「聖書編」と「現代編」の二部構成で、前半は「出エジプト記」がそのまま語られ、後半は現代を舞台社会に道徳的な生き方をする兄と不道徳な弟との教訓話になる。  
解説白黒無声映画時代にセシル=B=デミルが製作した超大作。それまで通俗的な娯楽作を得意としたデミルがいきなり作った「説教映画」だが、前半の大規模セットと大エキストラ、さらには特撮まで動員したモーセ物語は娯楽性たっぷりのスペクタクル。1956年版はデミル自身による本作のリメイクである。
メディアDVD発売:アイ・ヴィー・シー

十戒
"The Ten Comandments"
1956年/アメリカ(日本公開1958年)
パラマウント映画
セシル・B・デミルプロダクション
カラー映画(232分)
スタッフ○監督・製作:セシル=B=デミル○脚本:イーニアス=マッケンジー/ジェシー=L=ラスキー・Jr/ジャック=ガリス/フレドリック=M=フランク○撮影:ロイヤル=グリッグス○音楽:エルマー=バーンスタイン
キャストチャールトン=ヘストン(モーセ)、ユル=ブリンナー(ラメセス)、アン=バクスター(ネフェルテリ)、ニナ=フォック(ベシア)、ジョン=デレク(ヨシュア)、ジョン=キャラダイン(アロン)、オリーブ=デアリング(ミリアム)、イヴォンヌ=デ=カーロ(セフォラ)ほか
ストーリーエジプト国王が予言に従って国内のヘブライ人の子供の抹殺を命じた。あるヘブライ人の赤ん坊が葦の船に乗せられて川に流されたが、これをエジプトの王女が拾い「モーセ」と名付け王子として育てる。モーセはやがて王子ラメセスとライバルとなるが、ヘブライ人の素性が暴かれて国外へ追放される。長い年月の後、モーセは神の声を聞き、ヘブライ人を「約束の地」へ導くべくエジプトへ戻ってくる。 
解説聖書で名高い「出エジプト記」を軸に、伝説の英雄モーセの生涯を完全映像化した大作。とにかくその巨大セットと物量動員、原典を忠実に再現した特撮映像の数々に圧倒される。中でも映画史上の語りぐさとなっている「紅海真っ二つ」の特撮シーンは今見ても強烈。神から出た光線が「十戒」を石に刻むシーンなんかもお見事。
メディアDVD/BD発売:パラマウント・ジャパン

モーセ
"Moses the Lawgiver"
1974年/イギリス・イタリア
ATV/ITC/RAI
カラーTVドラマ(360分)
スタッフ○監督:ジャンフランコ=デ=ボシノ/ジェームズ=H=ヒル○脚本:ビットリオ=ボニセーリ/アンソニー=バルゲス/ジャンフランコ=デ=ボシオ/ベルナルディノ=ザッポーニ○撮影:マルツェロ=ガッティ○音楽:エンニオ=モリコーネ○製作:バーナード=キンガムヴィンセンツォ=ヴァレラ
キャストバート=ランカスター(モーセ)、アンソニー=クエイル(アロン)、イングリッド=チューリン(ミリオン)、マリアンジェラ=メラト(ベシア)、イレーネ=パパス(チッポラ)、アーロン=イパレ(ヨシュア)、マリオ=フェラーリ(ラムセス2世)ほか
ストーリーエジプト国王が予言に従って国内のヘブライ人の子供の抹殺を命じた。あるヘブライ人の赤ん坊が葦の船に乗せられて川に流されたが、これをエジプトの王女が拾い「モーセ」と名付け王子として育てる。モーセはやがて王子ラメセスとライバルとなるが、ヘブライ人の素性が暴かれて国外へ追放される。長い年月の後、モーセは神の声を聞き、ヘブライ人を「約束の地」へ導くべくエジプトへ戻ってくる。
解説イタリアがメインとなって製作された1時間ずつ全6回のミニシリーズ。映画「十戒」同様に基本的に「出エジプト記」そのまんまの映像化だがモーゼの家族関係にやや描写が多く割かれた。「金の子牛」をあがめた人々を大量処刑するくだりも「十戒」ではなかったもの。特撮にかける予算も技術もなかったのか紅海を渡る場面は潮が引いた浅瀬を渡り歩くような描写になっている(それでいて追撃してきたエジプト軍はきっちり海に沈む)。ロケ撮影はモロッコやイスラエルで行われ、名匠エンニオ=モリコーネの荘厳なテーマ曲も聞きどころ。
メディア日本では放映もソフト化もなされていない。

モーセ
"Moses"
1995年/アメリカ・イタリア・フランス・チェコ・ドイツ・スペイン
アンテナ3/ベタフィルム
ルックス/ルードプロダクションほか
カラーTVドラマ(180分)
スタッフ○監督:ロジャー=ヤング○脚本:ライオネル=チェトウィンド○撮影:ラファエル=メルツ○音楽:マルコ=フリジナ○製作:ローラ=ファットーリ/ロレンツォ=ミノリ/ゲラルド=ラフシューン
キャストベン=キングズレー(モーセ)、デビッド=スーシェ(アロン)、クリストファー=リー(ラメセス)ほか 
ストーリーエジプト国王が予言に従って国内のヘブライ人の子供の抹殺を命じた。あるヘブライ人の赤ん坊が葦の船に乗せられて川に流されたが、これをエジプトの王女が拾い「モーセ」と名付け王子として育てる。モーセはやがて王子ラメセスとライバルとなるが、ヘブライ人の素性が暴かれて国外へ追放される。長い年月の後、モーセは神の声を聞き、ヘブライ人を「約束の地」へ導くべくエジプトへ戻ってくる。 
解説モーセ一代記を三時間でまとめたTVドラマで、「アブラハム」「ヤコブ」「ヨセフ」に続く欧米共同製作聖書ドラマシリーズの一本。映画でもおなじみの紅海真っ二つのシーンもあるが、スペクタクル性よりも悩める人間モーセを描くスタンスで、顔ぞろえの割に地味な内容。
メディアDVD発売:パンド(ただし「十戒」のタイトルになりかなりの短縮版)
聖書シリーズの一本として教会関係でVHS版発売もあった模様。

プリンス・オブ・エジプト
"Prince of Egypt"
1998年/アメリカ
ドリームワークス
カラーアニメーション映画(99分)
スタッフ○監督:ブレンダ=チャップマン/スティーブ=ヒックナー/サイモン=ウェルズ○脚本:ケリー=アズベリー/ローナ=クック○音楽:ハンス=ジマー○主題歌:マライア=キャリー/ホイットニー=ヒューストン○製作:ペニー=フィンケルマン=コックス/サンドラ=ラビンス
キャスト(声)ヴァル=キルマー(モーセ)、レイフ=ファインズ(ラメセス)、ミシェル=ファイファー(ツィッポラ)、サンドラ=ブロック(ミリアム)、ジェフ=ゴールドブラム(アロン)ほか 
ストーリーエジプト国王が予言に従って国内のヘブライ人の子供の抹殺を命じた。あるヘブライ人の赤ん坊が葦の船に乗せられて川に流されたが、これをエジプトの王女が拾い「モーセ」と名付け王子として育てる。モーセは王子ラメセスと兄弟同然の仲で育つが、青年になった時に偶然自分の出自を知り、ヘブライ人に過酷な労働を強いるエジプト役人を死なせてしまったことから国外へと逃亡する。長い年月の後、モーセは神の声を聞き、ヘブライ人を「約束の地」へ導くべくエジプトへ戻ってくる。 
解説元ネタが同じだからしょうがないが映画「十戒」のダイジェストアニメという印象。子供向けのせいもあってかラメセスがかなり「いい人」っぽく、次々と過酷な目にあわされるのが気の毒に見えてしまう。スピルバーグのドリームワークスが気合いっぱいに作ったこともあって声の出演者がやたら豪華で、当時はまだ目新しかったCGと組み合わせた紅海真っ二つシーンなど目を引く場面は多い。
メディアDVD発売:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

エクソダス 神と王
"Exodus Gods and Kings"
2014年/アメリカ
チャーニン・エンターテインメント
スコット・フリー
カラー映画(150分)
スタッフ○監督:リドリー=スコット○脚本:アダム=クーパー/ビル=コラージュ/ジェフリー=ケイン/スティーブン=ザイリアン○撮影:ダリウス=ウォルスキー○プロダクションデザイン:アーサー=マックス○音楽:アルベルト=イグレシアス○製作:ピーター=チャーニン/リドリー=スコット/ジェノ=トッピング/マイケル=シェイファー/マーク=ハファム
キャストクリスチャン=ベール(モーゼ)、ジョエル=エドガートン(ラムセス)、ジョン=タトゥーロ(セティ)、アーロン=ポール(ヨシュア)、マリア=バルベルデ(ツィポラ)、シガニー=ウィーバー(トゥーヤ)、ベン=キングズレー(ヌン)ほか 
ストーリーモーゼとラムセスはエジプトの王子として兄弟のように育ち、ヒッタイト相手の戦いで軍功を挙げ、養父のセティからも信頼が厚かった。しかしモーゼがヘブライ人であることが暴露され、王位についたラムセスはモーゼを国外に追放する。砂漠の彼方でツィポラと結ばれ平穏に暮らしていたモーゼだったが、エジプトに戻ってヘブライ人を連れ出せとの「神の声」を聞く。
解説3D映画として製作された新たな「十戒」映画。ストーリーの流れは基本的に先行作品とほぼ同じだが、子どもの姿で現れる「神」、エジプトにふりかかる災害、クライマックスの「割れる海」などなど、いずれにも奇跡ではなく科学的に説明できるような描き方になっているところが特徴。それにしても原題にもあるサブタイトル「神と王」(それぞれ複数形)ってどういう意味なんだ?
メディアDVD/BD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン

砂漠の女王
"The Story of Ruth"
1960年/アメリカ
20世紀フォックス
カラー映画(132分)
スタッフ○監督:ヘンリー=コスター○脚本:ノーマン=コーウィン○音楽:フランツ=ワックスマン○撮影:アーサー=E=アーリング○美術:ライル=R=ウィラー/フランツ=バケーリン○製作:サミュエル=G=エンゲル
キャスト(声)エラナ=イーデン(ルツ)、スチュアート=ホイットマン(ボアズ)、トム=トライオン(マーロン)、ペギー=ウッド(ナオミ)、レス=トレメイン(エレメリク)、ジェフ=モロー(トブ)ほか 
ストーリー紀元前13世紀、ケモシュという偶像神を崇拝するモアブ人がユダヤ人たちと隣り合って住んでいた時代。ルツは少女時代に神官に売られ、儀式のいけにえにささげられるところを体のあざのために免れていた。美しい女神官に成長したルツはユダヤ人の青年マーロンと恋に落ちて信仰に疑問を抱き、ついにいけにえの儀式から逃げ出したために神官の地位を剥奪される。マーロンと共に逃げ出そうとしたルツだったが、マーロンは兵士に殺されてしまう。ルツはマーロンの母ナオミに実の娘のように仕え、共にユダヤ人の町ベツレヘムへと戻り、落ち穂拾いをしているところを地主のボアズに見初められる。
解説旧約聖書の「ルツ記」を下敷きにした映画。このルツの子孫がダビデ王になるのだが、前半は完全なオリジナルで、マーロンが死んだ中盤からようやく「ルツ記」の内容になってくるものの、かなり創作が加わっている(いずれにしてもかなり地味な話だが)。主演のエレナ=イーデンはイスラエル出身で本作で大抜擢されたのだが有名な出演作はほぼこれ一作。それにしても「砂漠の女王」なんてまったく出てこないという大ウソつきの邦題(笑)。
メディアDVD発売:20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・ジャパン

サムソンとデリラ
"Samson und Delilah"
1922年/オーストリア
白黒無声映画(15分)
スタッフ○監督:アレクサンダー=コルダー○脚本:シドニー=ガリック/ラディスラオ=ヴァイダ/アレクサンダー=コルダー○撮影:ニコラス=ファルカス/モーリス=アルマンド=モンデ/ジョゼフ=ザイトリンガー
キャストマリア=コルダー(デリラ)、アルフレート=ガロアー(サムソン)、フランツ=ヘルテルリッヒ(ペリシテ王/アンドレイ王子)ほか 
ストーリー怪力の士師・サムソンは美女デリラにだまされて力の源である髪の毛を切られて力を失い、ペリシテ人に捕らわれて両目をつぶされる。ペリシテ人たちが神殿で浮かれ騒ぐなか、サムソンは神に祈って最後の力をふるい、柱を折って神殿を押しつぶしてしまう。
解説旧約聖書「士師記」に出て来る怪力サムソンの物語を素材にしたサイレントのショートフィルム。主役のデリラを演じたのは監督の奥さんである。
メディア動画サイトで視聴可能。

サムソンとデリラ
"Samson and Delilah"
1950年/アメリカ
パラマウント映画
カラー映画(131分)
スタッフ○製作・監督:セシル=B=デミル○脚本:ジェシー=L=ラスキーJr/フレドリック=M=フランク○撮影:ジョージ=バーンズ○美術:ハンス=ドライアー/ウォルター=タイラー○音楽:ビクター=ヤング○製作:ポール=ローウィン
キャストヘディ=ラマー(デリラ)、ヴィクター=マチュア(サムソン)、アンジェラ=ランズベリー(セマダール)、ジョージ=サンダース(ガザのサラン)、オリーブ=デアリング(ミリアム)、フェイ=ホールデン(ハゼレポニット)、ラッセル=タンブリン(サウル)ほか 
ストーリーユダヤ人たちがペリシテ人の支配を受けていた時代。神から与えられた怪力をもつ男サムソンはペリシテ人の娘セマダールに求婚するが、セマダールの妹デリラはひそかにサムソンに恋し、策謀をめぐらして結婚話をぶち壊して姉を死に至らしめる。怒ったサムソンはその怪力で戦いペリシテ人を苦しめるが、ペリシテの王の愛妾となっていたデリラはサムソンに接近し、その怪力の源であった髪の毛を切ってしまう。力を奪われたサムソンは目もつぶされ過酷な労働を強いられる日々を送るが、まだサムソンを愛していたデリラは彼の頼みを受けて神殿の柱に手をかけさせる。
解説聖書でおなじみの怪力サムソンと、それを誘惑した美女デリラの物語の映像化。大筋は聖書通りだが恋愛沙汰のあたりはかなり娯楽的に改作している。何と言っても「ジェシカおばさん」ことアンジェラ=ランズベリーの若き日が見られるという貴重な作品。ラストの巨大セット崩壊のスペクタクルも見どころ。のちにイスラエル初代王になるサウルが少年としてさりげなく登場している。
メディアDVD/BD発売:パラマウント・ジャパン、著作権切れのため格安DVDも販売されている。

サムソンとデリラ
"Samson and Delilah"
1996年/アメリカ・イタリア・ドイツ
ベタフィルム/ルックス/ルード・プロダクション
ターナー・ピクチャーズ/クインタほか
カラーTVドラマ(180分)
スタッフ○監督:ニコラス=ローグ○脚本:アラン=スコット○撮影:ラファエル=メルツ○音楽:マルコ=フリジナ○製作:ローラ=ファットーリ/ロレンツォ=ミノリ/ゲラルド=ラフシューン
キャストエリック=サル(サムソン)、エリザベス=ハーレイ(デリラ)、デニス=ホッパー(タリク)、マイケル=ガンボン(ハナン王)、ポール=フリーマン(マノア)ほか 
ストーリーユダヤ人がペリシテ人の支配を受けていた時代。神の申し子として生まれたサムソンは超人的な怪力を持つ。サムソンはペリシテ人の娘と恋に落ちるが婚礼の日に裏切られてペリシテ人相手に戦い始める。ペリシテの王の愛人・デリラはサムソンに接近してその恋人となり、彼の力の源であった髪を切ってしまう。捕えられ目をつぶされたサムソンは最後に神に祈って神殿を破壊、ペリシテ人たちを巻き添えにする。
解説聖書TVドラマシリーズの一本。主役二人がいかにも安っぽく、とくにサムソンがどうしても怪力に見えない。トップタイトルにされているデニス=ホッパーも何をしてるのかよく分からない役。
メディアDVD発売:バンド(100分の短縮版)

ダビデとゴライアス
"David and Goliath"
1960年/イタリア
アンサ/ドゥブラヴァ・フィルム
カラー映画(113分)
スタッフ○監督:フェルナンド=バルディ/リシャール=ポティヤー/オーソン=ウェルズ(ノンクレジット)○脚本:ウンベルト=スカルペリ/アンブロジオ=モルテーニ/ディノ=ランジーニ/ミンモ=サルビ○撮影:カルロ=フィオーレ/ビット=アルベティリ○音楽:カルロ=イノチェンチ○製作:エンミオ=サルヴィ
キャストイーヴォ=ペイヤー(ダビデ)、クロノス(ゴリアテ)、エドワード=ヒルトン(サミュエル)、ギブリア=ルビーニ(ミカル)、ピエール=クロッソワ(ヨナタン)、フリオ=メニコーニ(ペリシテ王)、エレオノーラ=ロッシ=ドラゴ(メラブ)、マッシモ=セラート(アブネル)、オーソン=ウェルズ(サウル)ほか
ストーリーイスラエルの初代王サウルはすっかり暗愚な暴君と化した。預言者サミュエルは聡明な若者がサウルに代わって王となると予言、石投げを得意とする心優しき羊飼いの少年ダビデを見出す。ダビデは都に赴いてサウルの宮廷に仕え、王女ミカルと恋仲となるが、大臣アブネルは王妃と通じて王位を狙い、ダビデを亡き者にしようと画策する。おりしもイスラエルの宿敵ペリシテ人の大軍が押し寄せ、その先頭には怪力で恐れられる巨人ゴリアテの姿があった。ダビデはゴリアテに決闘を挑み、石投げで見事に倒してしまう。
解説聖書の有名エピソードの映画なのだが、大物ゲストにして実は自分の出演シーンの監督までやっていたオーソン=ウェルズを単なる暗君役にはできなかったみたいで、アブネルを陰謀家の悪役に設定、サウルが最後にいいとこ見せるという大幅な創作が加えられている。
メディア日本公開はされたのだが、国内でのソフト化は実現していない模様。

キング・ダビデ
愛と闘いの伝説

"King David"
1985年/アメリカ・イギリス
パラマウント映画
カラー映画(115分)
スタッフ○監督:ブルース=ベアスフォード○脚本:アンドリュー=バーキン/ジェームズ=コスティガン○撮影:ドナルド=マカルパイン○音楽:カール=デイビス○製作:マーティン=エルファンド
キャストリチャード・ギア(ダビデ)、エドワード・ウッドワード(サウル)、アリス・クリッジ(バテシバ)ほか
ストーリー暴君と化したイスラエルの王サウルに神は見切りをつけ、少年ダビデを次の王に定めた。巨人ゴリアテを倒す戦功をあげたダビデはサウルの養子となるが、サウルに憎まれて脱出、流浪の生活を送る。やがてサウルは戦死しダビデは国王となる。しかし人妻バテシバを奪うという過ちから、ダビデは息子と戦う悲劇を招くことになる。 
解説聖書で有名なダビデ王(当然ながら「デビッド」と英語名)の伝記映画。リチャード=ギアを歴史劇に持ってきた時点で何かの間違いじゃないかと思うのだが(^^;)、それ以上に脚本・演出にまるで見るところがない恐るべき駄作。もうちょっと何かひねれなかったんかい、と言いたい場面の連続である。ダビデが国王になる儀式でリチャード=ギアが延々と「裸踊り」をしているシーン(いちおう元ネタは聖書にある)はなかなか笑えるが。日本語タイトルもB級観をありありと見せ付けている(笑)。
メディアCIC・ビクター・ビデオからVHSソフトが出ていたが、DVD以降のソフト化はない模様。

ソロモンとシバの女王
"Solomon and the Sheba"
1959年/アメリカ
エドワード・スモール・プロダクション
カラー映画(139分)
スタッフ○監督:キング=ヴィダー○脚本:アンソニー=ヴェイラー/ポール=ダドリー/ジョージ=ブルース○撮影:フレッド=A=ヤング○音楽:マリオ=ナシンベーネ○原作:クレイン=ウィルバー○製作:テッド=リッチモンド
キャストユル=ブリンナー(ソロモン)、ジーナ=ロロビリジーダ(シバ女王)、ジョージ=サンダース(アドニヤ)ほか
ストーリー年老いたイスラエルの王ダビデは神の声を聞き、詩人で聡明な息子ソロモンを跡継ぎに指名してこの世を去った。軍人肌の腹違いの兄アドニヤはソロモンに嫉妬するが、ソロモンはその才覚によりイスラエルの全盛期を現出する。そこへエジプトと結ぶシバ王国から女王がイスラエルを訪問し、ソロモンに接近した。ソロモンは彼女の色香に迷い神の怒りを買ってしまう・・・  
解説聖書で有名な名君ソロモンを描いた歴史大作。例の「赤子を二つに切れ」の名裁判もちゃんと出てくる。そのソロモンがシバの女王の色香にあっさり参ってしまうあたりはなかなか俗っぽくて面白い(シバ女王は当時としてはギリギリのエロティシズムで攻めてくる!)。クライマックスのエジプトの大軍と戦うシーンでソロモンが使う策略「鏡の盾作戦」は奇想天外(笑)。なお、当初はタイロン=パワー主演で製作されていたが撮影中に彼が急死したためブリンナ―が代役となった経緯がある。
メディアDVD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

キング・オブ・キングス
"KING OF KINGS"
1961年/アメリカ
サミュエル・ブロンストン・プロダクション
カラー映画(165分)
スタッフ○監督:ニコラス=レイ○脚本:フィリップ=ヨーダン○撮影:マニュエル=ベレンガー/ミルトン=R=クラスナー/フランツ=プラナー○音楽:ロージャ=ミクローシュ○製作:サミュエル=ブロンストン
キャストジェフリー=ハンター(イエス)、シオバーン=マッケンナ(マリア)、ロバート=ライアン(ヨハネ)、ハリー=ガーディノ(バラバ)、ブリジッド=バズレン(サロメ)、リップ=トーン(ユダ)ほか
ストーリーパレスチナのユダヤ人たちはローマ帝国に征服、支配され「救世主」の到来を待ち望んでいた。そんななか生まれたイエスは「神の子」として次々と奇跡を起こしていくが、バラバら反ローマのゲリラ活動家達は武力による独立を図ってこれと相容れない。バラバの友人でイエスの弟子となったユダはゲリラたちにイエスの奇跡を見せ、彼が「救世主」であるかを試そうと「裏切り」を行う。 
解説「新約聖書」のイエスの生涯を、ほぼそのまんま映像化した作品で、俳優が演じ、動いてしゃべる生身のイエスが描かれた最初の映画となった。有名どころの話はほとんど登場するが、ユダやバラバの設定はかなり大胆な変更を加えており、スペクタクルな見せ場も忘れていない。
メディアDVD発売:ワーナー・ホーム・ビデオ


歴史映画コーナーのトップに戻る