現代イスラエル史映画
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栄光への脱出
"Exodus"
1960年/アメリカ
ユナイテッド・アーティスツ
カラー映画(208分)
スタッフ ○監督:オットー=プレミンジャー○脚本:ダルトン=トランボ○撮影:サム=リーヴィッド○美術:リチャード=デイ○音楽:アーネスト=ゴールド○原作:レオン=ユーリス○製作:オットー=プレミンジャー
キャスト ポール=ニューマン(アリ・ベン・ケナン)、エヴァ=マリー=セイント(キティハ)、ラルフ=リチャードソン(サザーラント将軍)、リー=J=コッブ(バラク)、サル=ミネオ(ドヴ)、ジル=ハワース(カレン)、ジョン=デレク(タハ)、ヒュー=グリフィス(マンドリア)ほか
ストーリー 第二次大戦終結から間もない1947年、迫害から生き延びたユダヤ人たちは「約束の地」パレスチナを目指してキプロス島に集まった。パレスチナを統治するイギリスは彼らを収容し送還しようと図るが、パレスチナのユダヤ人組織を率いるアリ=ベンは収容所のユダヤ人たちと船を奪取し、その船を「エクソダス」と名付けて港でハンストを決行しイギリス軍に譲歩を迫る。念願かなってエクソダス号はパレスチナに到着するも、パレスチナではユダヤ人武装組織がイギリス軍と戦いを繰り広げていた。パレスチナ生まれのアリ=ベンは幼なじみのアラブ人タハと協力し合い両民族の共存を図ろうとしたが、1948年にイスラエルが建国されるとユダヤ・アラブの血みどろの戦いが始まってしまう。
解説 イスラエル建国の歴史を叙事詩的に描く3時間超の大作。現代の「エクソダス」はもちろん聖書の「出エジプト」にかけたもので、主人公たちの行動は「現代のモーセ」のノリ。ベストセラーになった原作小説を映画化したものだが、これでも原作の反英・反アラブ姿勢はかなり抑えられ、一応ラストはアラブ人との共存を願う形になってはいる。それでも基本的にはイスラエル側を正当化する内容なので見る側は注意が必要。アラブ側に元ナチス将校が出てきて、アラブ人たちの攻撃がホロコーストの延長みたいに描かれているのも問題点。
メディア DVD発売:20世紀フォックス・ホームエンターテインメント・ジャパン

巨大なる戦場
"Cast a Giant Shadow"
1966年/アメリカ
ミリッシュ・コーポレーション
カラー映画(138分)

スタッフ ○監督・脚本・製作:メルヴィル=シェイヴェルソン○撮影:アルド=トンティ○音楽:エルマー=バーンスタイン
キャスト カーク=ダグラス(ミッキー・マーカス)、センタ=バーガー(マグダ)、アンジー=ディッキンソン(エマ)、ユル=ブリンナー(ゴーネン)、ジェームズ=ドナルド(サフィル)、ルーサー=アドラー(ヤコブ)、フランク=シナトラ(ヴァンス)、ジョン=ウェイン(ランドルフ将軍)ほか
ストーリー 第二次大戦の欧州戦線で活躍したユダヤ系軍人マーカスは弁護士に転身していたが、パレスチナのユダヤ人武装組織から軍事顧問になってくれと請われてパレスチナに潜入する。マーカスは素人ばかりの若者たちを組織・訓練し、イスラエル建国が実現すると最初の軍司令官となった。イスラエル建国に反発するアラブ諸国の軍が侵攻すると、マーカスは巧みな指揮でエジプト軍を撃退、包囲されていたエルサレムへの進駐にも成功する。休戦協定締結をみてマーカスは軍人をやめてアメリカへ帰国する決意をするのだが…
解説 こちらもイスラエル建国を描いた一本で、主人公「ミッキー」マーカスはちゃんと実在した人物。当然脚色はいろいろあるが、あっけない結末も含めてそこそこ史実に基づいた映画になっている。もともとイスラエル寄りのアメリカ、ハリウッドでの映画化なので内容も予想通りではあるが、「戦場中毒」な一軍人の行動に話を絞ったので政治色はそう強くない。ジョン=ウェイン、フランク=シナトラら大スターがチョイ役出演してるのは、ハリウッドとしてイスラエルを応援する映画だったからかな。
メディア DVD発売:20世紀フォックス・ホームエンターテインメント・ジャパン


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