古代ギリシャ・ローマ史映画
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○「トロイのヘレン」HELEN OF TROY 1955・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ロバート=ワイズ
◇キャスト
ロッサナ=ポデスタ(ヘレン)ほか
◇うんちく
ずいぶん以前にテレビでやっていたのをたまたま見ただけで詳細な記憶はないのだが、ホメロスの「イーリアス」を下敷きにしたトロイア戦争映画。主人公はもちろん原因となったヘレン(ヘレネ)だが、それを連れ去った夫のパリスをカッコよく描いているところが特徴。アキレスなんてほとんど悪役扱い。クライマックスはちゃんと「木馬の計略」を再現。
○「トロイ」TROY 2004・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ウォルフガング=ペーターゼン
◇キャスト
ブラッド=ピット(アキレス)、エリック=バナ(ヘクトール)、オーランド=ブルーム(パリス)、ダイアン=クルーガー(ヘレン)、ブライアン=コックス(アガメムノン)、ショーン=ビーン(オデッセウス)、ローズ=バーン(ブリセウス)、ピーター=オトゥール(プリアモス)ほか
◇ストーリー
トロイの王子パリスがスパルタの王妃ヘレンと共に駆け落ちした。ヘレンの夫の兄であるアガメムノンはこれを機会にトロイを征服しようと図り、全ギリシャの軍勢を動員して大船団でトロイへ攻めかかる。ギリシャ最強の戦士アキレスは歴史に名を残すべく戦いに参加するが…
◇うんちく
ホメロスの「イーリアス」を下敷きに久々に製作されたトロイア戦争映画。CGで描かれた大船団・大軍勢の激突も見ものだが、「ブラピ」演じるアキレスと武将達の肉弾戦一騎打ちが大迫力。大筋は「イーリアス」の通りに進むのだが、終盤「木馬の計」のあたりから話を妙にいじって陳腐な結末になっちゃってる気もする。
○「300」 2007・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ザック=スナイダー○原作:フランク=ミラー
◇キャスト
ジェラルド=バトラー(レオニダス)、レナ=ヘディ(ゴルゴー)、ロドリゴ=サントロ(クセルクセス)ほか
◇ストーリー
幼児からの厳しい選抜と徹底教育により強靭な戦士を育て上げるスパルタに、東方のペルシャ帝国が服従を求めてきた。レオニダス王は使者を殺害してこれを拒絶、評議会の反対を押し切ってわずか300人の精鋭を引き連れて出陣する。300人のスパルタ兵はテルモピュレイの要害を生かしてペルシャの大軍と壮絶な死闘を繰り広げる。
◇うんちく
原作はフランク・ミラーのグラフィック・ノベル(劇画)。ペルシャ戦争のテルモピュレイの玉砕戦の史実をモチーフにしているが、歴史ものというよりスプラッタ・アクションを追求した作品で、ペルシャ帝国がなぜか黒人だらけなど時代考証は自由奔放。全てスタジオ撮り・背景はCG合成、全編に画像処理をほどこすなど劇画版の忠実な再現を目指し、限りなくアニメに近い映画となっている。ほとんど「ロード・オブ・ザ・リング」の合戦シーンだなぁ、と思ったのは私だけだろうか。バイオレンス表現だけでなく奇形趣味もあってグロ気味。スパルタ人たちが「自由のための戦い」と連呼するのは「対テロ戦争」そのまんまのような。
○「スパルタカス」SPARTACUS 1960・アメリカ
◇スタッフ
○監督:スタンリー=キューブリック○脚本:ダグラス=トランボ
◇キャスト
カーク=ダグラス(スパルタカス)、ローレンス=オリビエ(クラッスス)、チャールズ=ロートン(グラックス)、ジーン=シモンズ(ヴァリニア)、ジャン=ギャビン(カエサル)
◇ストーリー
奴隷としてローマに連れてこられたスパルタカスは剣闘士養成所に入れられ、見せ物の殺し合いをするための特訓を受ける。そこでの余りの扱いに剣闘士達はついに蜂起、奴隷達を糾合して反乱を起こした。これに対しローマ共和国はクラッススに軍を率いさせ、奴隷反乱を鎮圧させる。スパルタカスは磔となって殺されるが、彼の妻と子は自由の身となって旅立ってゆく。
◇うんちく
スタンリー=キューブリックの独創的な演出が冴えるスペクタクル・ローマ史劇(ただしキューブリックは当初の監督がクビにされて急遽任されたピンチヒッターであったため、本人はこれを「自作」とみなしていなかったそうな)。単なる歴史物語の映像化にとどまらず、人間の尊厳、政治と革命といった社会的テーマの強い作品となった。スペインで撮影された奴隷軍とクラッススが激突する戦闘シーンはアイデア一杯の大迫力。当時はまだ政治の舞台にはいなかったはずのカエサルがサービス的に登場する。
○「ジュリアス・シーザー」Julius Caesar 2002・イタリア
◇スタッフ
○監督:ユリ=エデル
◇キャスト
ジェレミー=シスト(シーザー)、リチャード=ハリス(スッラ)、クリス=ノス(ポンペイウス)、ヴァレリア=ガリノ(カルプルニア)、サミュエラ=サルド(クレオパトラ)、ヘイノ=フェルチ(ヴェルチンジェトリックス)、クリストファー=ウオーケン(カトー)ほか
◇ストーリー
独裁者スッラが政権をとったために命を狙われローマから逃亡したシーザー(カエサル)は海賊の捕虜となるなど苦難を乗り越え、政治家として大成していく。ガリア遠征で軍人としても声望を高めたシーザーは、友人のポンペイウスと覇権を賭けて戦い、ローマの独裁者として君臨する。だがそんな彼に暗殺の魔手が忍び寄っていた。
◇うんちく
イタリアで製作したTVムービーらしい。2時間半ほどの長時間をかけ、カエサルの青春期から死までを映像化した。出番は少ないながらスッラやカトーに有名ゲストスターを配し、ガリア遠征の大掛かりな再現、カエサルの持病「てんかん」の表現など、これまであまり見られなかったカエサル伝記ドラマとなっている。カエサル役のジェレミー=シスト、線が細く繊細すぎる印象なので好みが分かれそう。
○「ジュリアス・シーザー」The Assassination of Julius Caesar 1969・アメリカ
◇スタッフ
○監督:スチュアート=バージ
◇キャスト
チャールトン=ヘストン(アントニウス)、ジョン=ギールグッド(ブルータス)、ジェイソン=ロバーツ(シーザー)ほか
◇うんちく
原題にちゃんと「シェークスピアの〜」と明記されているようにシェークスピア史劇の映像化作品。タイトルはシーザー(カエサル)だが、メインとなるのは彼を暗殺するブルータスと復讐を果たすアントニウスの対立劇。ラストでは両者のハデな合戦シーンも展開される。
○「アントニーとクレオパトラ」Antony & Cleopatra 1971・アメリカ・イギリス・スイス・スペイン
◇スタッフ
○監督:チャールトン=ヘストン
◇キャスト
チャールトン=ヘストン(アントニウス)、ヒルデガード=ニール(クレオパトラ)、カーメン=セヴィラ(オクタヴィアヌス)、フェルナンド=レイほか
◇うんちく
上記の「ジュリアス・シーザー」と同様にシェークスピアの同名の戯曲を映画化した作品で、チャールトン=ヘストンが再びアントニウスを演じる。それだけでなく脚本・監督も自ら務めるという熱の入れよう。アクチウム海戦やエジプトでの騎馬戦シーンなど、スペクタクル性も充分の大作。
○「クレオパトラ」CLEOPTRA 1963・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ジョゼフ=L=マンキーウィッツ
◇キャスト
エリザベス=テーラー(クレオパトラ)、レックス=ハリソン(カエサル)、リチャード=バートン(アントニウス)、ロディ=マクドウォール(オクタヴィアヌス)ほか
◇ストーリー
宿敵ポンペイウスを倒しエジプトに乗り込んだカエサルは美しい女王クレオパトラと出会い、恋に落ちて彼女を王位につける。やがてカエサルの子を産んだクレオパトラはローマに凱旋、しかし間もなくカエサルは暗殺される。クレオパトラは続いてカエサルの部下アントニウスと男女の仲になるが…
◇うんちく
とにかくトラブル続きでやたらに製作費がかかり20世紀フォックスを経営破綻寸前に追い込んだことで有名な一作。そのためハリウッドの古代史劇大作がこれでひとまず打ち止めになったとも言われる。クレオパトラの大仰な派手っぷりは見ものではあるんだけど、4時間延々と続く退屈なメロドラマには疲れ果てる。
○「レジェンド・オブ・エジプト」2000・ホールマークエンタテイメント(米)
◇スタッフ
○演出:フランク=ロッダム○原作:マーガレット=ジョージ
◇キャスト
レオノア=バレラ(クレオパトラ)、ティモシー=ダルトン(カエサル)、ビリー=ゼーン(アントニウス)ほか
◇うんちく
小説「追憶のクレオパトラ」を原作にしたアメリカの大型TVドラマ(NHK放映タイトルは「クレオパトラ」)。大ロケーション、巨大セットなど映画並みのスケールを持つ大作で、映画ファンとしてはダルトン演じるカエサルが見もの。クレオパトラ役はこれまでのものに比べて妖艶さよりエキゾチックさを狙った印象で、クレオパトラの性格付けもかなり現代風。オクタヴィアヌスはかなり悪役ですな(笑)。
○「ローマン・エンパイア」Imperium Augustus 2003・イタリアTV映画
◇スタッフ
○監督:ロジャー=ヤング
◇キャスト
ピーター=オトゥール(アウグストゥス)、シャーロット=ランプリング(リヴィア)、ベンジャミン=サドラー(オクタヴィアヌス)、ケン=デューケン(アグリッパ)、マッシモ=ギーニ(アントニウス)、アンナ=ヴァレ(クレオパトラ)、ビットリア=ベルベドール(ユリア)ほか
◇ストーリー
ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス(オクタヴィアヌス)のもとに盟友であり娘ユリアの婿として後継者と頼んでいたアグリッパの訃報が届いた。悲しむアウグストゥスは彼との思い出を振り返り、帝国を築くまでの波乱の生涯を回想してゆく。一方、妻のリヴィアは連れ子のティベリウスを跡継ぎにしようと画策し、アウグストゥスはティベリウスとユリアを再婚させるが、ユリアはアントニウスの息子ユルスとの不倫に走る。
◇うんちく
イタリアのTV用映画らしく多少安っぽさが気にはなるが、それなりの大作感はある。これまでしばしば映画で登場しながら脇役が多かったアウグストゥスを主役に据えたのも注目点。名優ピーター=オトゥールが晩年のアウグストゥスを熱演し、若き日を演じるサドラーも面影がよく似ている。スペクタクルは控えめに、ドロドロ人間ドラマを中心に要領よくまとめた感じ。聞く所によるとオリジナルは3時間あって日本で発売されたビデオは編集版のようだ。
○「ベン・ハー」BEN-HUR 1959・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ウィリアム=ワイラー
◇キャスト
チャールトン=ヘストン(ジュダ・ベン・ハー)、スティーブン=ボイド(メッサラ)、ジャック=ホーキンス(アリアス)、ヒュー=グリフィス(イルデリム)、ハヤ=ハラリート(エスター)ほか
◇ストーリー
イエス・キリストが布教を開始した頃。ユダヤはローマ帝国の支配下にあった。ユダヤの貴族ベン・ハーは幼なじみのローマ軍人メッサラに裏切られて死刑囚となり、ガレー船で地獄の苦しみを味わう。たまたま戦闘中にローマ将軍を助けたことからその養子となり、ユダヤに帰国する。そしてメッサラと戦車競争の対決に臨む。
◇うんちく
先日「タイタニック」の受けたアカデミー部門賞の数がこれとタイだということで話題になった、映画史上に残る超大作。ソ連みたいな国家事業を除けば、動員された人員・費用でこれに匹敵する作品はまずない。とにかく圧巻はクライマックスの戦車競争シーン。この場面以外はどうってことはないが(笑)、この戦車シーンだけでも観る価値はある。歴史ネタとしてはイエスが登場するところが面白い(というか副題に「キリストの物語」とあるんだが)。全部後ろ姿で顔は拝めないあたりは「ザ・メッセージ」のムハンマドとおんなじ。
○「ベン・ハー」BEN-HUR 1926・アメリカ
◇スタッフ
○監督:フレッド=ニブロ
◇キャスト
ラモン=ナバロほか
◇ストーリー
イエス・キリストが布教を開始した頃。ユダヤはローマ帝国の支配下にあった。ユダヤの貴族ベン・ハーは幼なじみのローマ軍人メッサラに裏切られて死刑囚となり、ガレー船で地獄の苦しみを味わう。たまたま戦闘中にローマ将軍を助けたことからその養子となり、ユダヤに帰国する。そしてメッサラと戦車競争の対決に臨む。
◇うんちく
有名な59年製作の超大作に対し、こちらは26年製作の白黒・無声バージョン。しかしこれが二度目の映画化というから驚かされる。白黒・無声と聞くと安っぽい印象を受けるかも知れないが、とんでもない。この作品のセットの凄さ、戦車競争の迫力はカラー版に引けを取らない。
○「聖衣」THE ROBE 1953・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ヘンリー=コスター
◇キャスト
リチャード=バートン(マーセラス)、ジーン=シモンズ(ダイアナ)、ビクター=マチュア(ディミトリアス)、マイケル=レニー(ペテロ)、ジェイ=ロビンソン(カリギュラ)ほか
◇ストーリー
ローマ帝国の護民官マーセラスはギリシャ人奴隷ディミトリアスを競売で争ったことから次期皇帝カリギュラににらまれ、エルサレムに飛ばされた。そこでマーセラスはたまたまイエスの処刑を執行するめぐり合わせになり、イエスの着ていた「聖衣」の呪いにとりつかれる。キリスト教徒となったディミトリアス、そしてイエスの弟子ペテロに感化されてキリスト教に帰依したマーセラスは皇帝となったカリギュラと対決する。
◇うんちく
TVに対抗して劇場映画ならではの迫力を出そうと始まった「シネマスコープ」の第一作。基本は少々辛気臭い宗教話なのだが活劇あり恋愛ありの娯楽要素も強く、巨大セットと大エキストラ、立体音響で当時の観客を圧倒した。当時日本国内では二箇所しか上映可能な劇場がなくその劇場は観光名所の様相を呈したとか。
○「ディミトリアスと闘士」DEMETRIUS AND THE GLADIATOR 1954・アメリカ
◇スタッフ
○監督:デルマー=デイビス
◇キャスト
ビクター=マチュア(ディミトリアス)、スーザン=ヘイワード(メッサリーナ)、マイケル=レニー(ペテロ)、ジェイ=ロビンソン(カリギュラ)、デブラ=パジェット(ルシア)、バリー=ジョーンズ(クラウディウス)ほか
◇ストーリー
「聖衣」の続編。マーセラスからキリストの「聖衣」を預かったディミトリアスは剣闘奴隷に身を落とし、剣闘士や猛獣を相手に戦う日々を送る。一時信仰を捨ててクラウディウスの妻メッサリーナとの愛欲に溺れるディミトリアスだったが、ペテロと再会し奇跡を目の当たりにして信仰を取り戻し、皇帝カリギュラに立ち向かってゆく。
◇うんちく
大ヒットしたスペクタクル宗教映画「聖衣」の完全な続編で、コロッセウムでの剣闘士や虎相手の大格闘、妖艶度たっぷりのヘイワードの誘惑など、より娯楽志向が強い。
○「クォ・ヴァディス」QUO VADIS 1952・アメリカ
◇スタッフ
○監督:マービン=ルロイ
◇キャスト
ロバート=テイラー(ヴィニキウス)、デボラ=カー(リジア)、ピーター=ユスチノフ(ネロ帝)ほか
◇ストーリー
ローマ帝国の若き将軍は遠征を終えてローマに凱旋し、一人の美女に恋をした。しかし彼女はキリスト教徒で、その強い信仰のために彼の思うようにならない。おりしも皇帝ネロは詩作にふけり、詩の想を得るためにローマに火を放つ。そしてその犯人としてキリスト教徒に大弾圧を加えていくのだった。
◇うんちく
タイトルの由来は劇中登場する使徒ペテロがキリストの声を聞いて「クォ・ヴァディス・ドミニ(主よ、いづくへ行き給う)」とラテン語で尋ねるセリフ。名高い「暴君ネロ」のローマ放火やキリスト教徒弾圧の描写が見せ物的に圧巻(ちと悪趣味のような…)。演じるユスチノフも怪演。ペテロやパウロなどキリスト教草創期の人々の登場も興味深いところ。
○「ローマ帝国の滅亡」The Fall of the Roman Empire 1964・アメリカ
◇スタッフ
○監督:アンソニー=マン
◇キャスト
スティーブン=ボイド(リヴィウス)、ソフィア=ローレン(ルッシラ)、アレック=ギネス(マルクス帝)、クリストファー=プラマー(コンモドゥス)、オマー=シャリフほか
◇ストーリー
ローマ最盛期を現出した哲人皇帝・マルクス=アウレリウス帝はゲルマン遠征中に何者かに毒殺されてしまった。跡を継いだ息子は凡庸で、ローマは次第に傾いていく。
◇うんちく
スペインでのロケ敢行で一時乱打された安上がりスペクタクル史劇。
○「グラディエーター」GLADIATOR 2000・アメリカ
◇スタッフ
○監督:リドリー=スコット○原案・脚本:デビッド=フランゾーニ
◇キャスト
ラッセル=クロウ(マキシマス)、ホアキン=フェニックス(コンモドゥス)、コニー=ニールセン(ルッシラ)、オロバー=リード(プロキシモ)、リチャード=ハリス(マルクス・アウレリウス帝)ほか
◇ストーリー
ローマ帝国の勇将マキシマスはゲルマン討伐に功を上げ、マルクス=アウレリウス帝に後継者に指名される。ところがマルクス帝の実子コンモドゥスが父を殺害、マキシマスを家族もろとも抹殺せんと図る。かろうじて一人生き残ったマキシマスは剣闘士に身を落とし、皇帝となったコンモドゥスへの復讐に燃える。
◇うんちく
「映像派」リドリー=スコット監督によるハリウッド久々のローマ史劇大作。ストーリーの骨子はなんとなく上記の「ローマ帝国の滅亡」に似ているのだが、こちらは剣闘士のバトルシーンがメイン。その迫力はかつての「ベン・ハー」の戦車競争に匹敵するかも(そういえば話の展開も「ベン・ハー」と似ていなくもない)。主役もさることながら、コンモドゥスの複雑な悪役ぶりを演じたホアキン=フェニックスの存在感が強烈。最新のCG技術が歴史映画に本格的に導入された最初の作品でもある。
○「アレクサンドリア」AGORA 2009・スペイン
◇スタッフ
○監督:アレハンドロ=アメナーバル
◇キャスト
レイチェル=ワイズ(ヒュパティア)、マックス=ミンゲラ(ダオス)、オスカー=アイザック(オレステス)、マイケル=ロンズテール(テオン)、ルパート=エヴァンス(シュネシオス)、サミ=サミール(キュリロス)、アシュラフ=バルフム(アンモニオス)ほか
◇ストーリー
ローマ帝国末期の4世紀末、キリスト教が勢いを増し他宗教を迫害するなか、エジプトのアレクサンドリアには古代ギリシャ以来の多神教と自由な学問を集めた図書館が最後の砦を守っていた。数学者テオンの娘で女性科学者のヒュパティアはそのような状況の中でも研究を進め、天体の運動について画期的な発見を成し遂げるが、キリスト教徒の迫害は彼女の身にも迫っていた。
◇うんちく
有名な実在の女性科学者・哲学者ヒュパティアの悲劇を創作を多く交えて映画化した作品。宗教の非寛容性を強調して描くところは近年の宗教対立の反映でもあるだろう。映画ではレチイェル=ワイズがひたすら若く綺麗な女性科学者を演じてるが、実際には物語の結末時点では60歳にはなってたそうで。原題「アゴラ」は古代ギリシャ都市で学問・討論の場となった広場のこと。
○「ファイナルエンペラー・悲劇の皇帝」De Reditu 2004・イタリア
◇スタッフ
○監督:クラウディオ=ボンディ
◇キャスト
エリア=シルトン(ルティリオ)ほか
◇ストーリー
5世紀、ローマ帝国はゴート族の侵入を受け、皇帝ホノリウスもローマから逃亡し、滅亡は目前に迫っていた。古代ローマ帝国復活を夢見るルティリオはガリアへ向かい、同志達と新帝を立てようと画策するが、それを阻止せんとする刺客に追われる。
◇うんちく
実は地味で真面目な作品なんだけど、それじゃ売れないと判断した発売元が歴史スペクタクル巨編を思わせる邦題とパッケージ写真捏造までして、そのギャップが笑えてしまう一本。原題は「帰郷」で、15世紀末に発見されたローマ末期の旅日記を「原作」としている。キリスト教の普及やゴート族の侵入状況など、古代から中世へと移行していくこの時代のいろいろと興味深い要素を散りばめていて歴史好きには意外と「当たり」な一本かも。
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