西洋史その他映画
地域分類が困難なものをこちらにまとめてます。
歴史映画コーナーのトップに戻る
○「人類創世」La Guerre du Feu1981・フランス/カナダ
◇スタッフ
○監督:ジャン=ジャック=アノー
◇キャスト
エヴェレット=マッギル(ナオ)、レイ=ドーン=チョン(アイカ)、ロン=パールマン(アムーカ)、ナミール=エル=カディ(ゴウ)ほか
◇ストーリー
8万の太古の昔。あるクロマニヨン人の部族がネアンデルタール人に襲われ、命の綱の火種を失ってしまう。「火」を手に入れるべく、部族から3人の若者が冒険の旅に出た。猛獣に追われたり人食い部族に襲われるなど様々な苦難を体験した3人は、やがてより進んだ文化を持つ部族と遭遇する。
◇うんちく
原題は「火の戦争」で、J=H=ロニー=エネの小説が原作。全編を専門家による考証の上で創作した「原始語」とジェスチャーのみでセリフを表現しており、字幕もいっさいなく観客のイマジネーションをあおる仕掛け。徹底した調査と豊かなと想像力で現生人類の黎明期は本当にこうだったかもしれない、と思わせる傑作。監督のジャン=ジャック=アノーは本作が出世作となった。
○「紀元前1万年」10,000 BC 2008年・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ローランド=エメリッヒ
◇キャスト
スティーブン=ストレイト(デレー)、カミーラ=ベル(エバレット)、クリフ=カーティス(ティクティク)ほか
◇ストーリー
紀元前一万年、雪国のある部族でマンモス狩りに成功したデレーは恋人のエバレットを妻に迎える権利を得るが、その直後に部族を襲った異民族によりエバレットは連れ去られてしまう。デレーたちはエバレットを奪い返すべく旅に出て、さまざまな民族や野獣と出会い、ついにピラミッドを建設する強大な文明国家に到達する。
◇うんちく
久々に作られた「原始人もの」映画だが、面白さ優先のエメリッヒらしく考証は適当だし話が予定調和。飼いならしたマンモスを「重機」にしてピラミッドを建設してるのにはビックリだが、ピラミッド建設はずっと大昔だったという説を採用している模様。
○「クルセイダーズ」2001・イタリア・ドイツ
◇スタッフ
○監督:ドミニク=オッサン=ジラード
◇キャスト
アレッサンドロ=ガスマン(ピーター)、テューレ=リーフェンシュテイン、ヨハネス=ブランドラップほか
◇ストーリー
時は11世紀。イスラム教徒とキリスト教徒の間に生まれた青年ピーターは一緒に育ったアンドルー、領主の息子リチャードと共に十字軍に参加してエルサレムを目指す。しかし十字軍の実態は宗教的な動機とはかけ離れた略奪行為が平然と行われている始末。三人はそれぞれの思いを胸に聖地を目指していく。
◇うんちく
TV用映画でオリジナルは3時間の大作。モロッコで行われた大ロケーションで撮影されたエルサレム攻防戦は確かに見もの。近年の十字軍観や当時のイスラム文化の圧倒的な高さを描き込むなど新しさもあるにはあるが(ややイスラム教徒に気を使いすぎている節もあるが…)、いかんせん主軸のドラマがあまりにも行き当たりバッタリでいい加減(僕が見たのが2時間ちょっとのカット版だから、ではあるまい)。登場人物たちの行動も一貫性というものが感じられずまさに大金をかけた駄作になってしまった。
○「キングダム・オブ・ヘブン」KINGDOM OF HEAVEN 2005・アメリカ
◇スタッフ
○監督:リドリー=スコット
◇キャスト
オーランド=ブルーム(バリアン)、エヴァ=グリーン(シビラ)、ジェレミー=アイアンズ(ティベリアス)、リーアム=ニーソン(ゴッドフリー)、エドワード=ノートン(ボードワン4世)、ハッサン=マスード(サラディン)ほか
◇ストーリー
12世紀の末、フランスの鍛冶屋バリアンは父と名乗る騎士に誘われて十字軍の支配するエルサレム王国へ向かう。国王ボードワン4世はイスラムの英雄サラディンと和平を維持していたが、ボードワンの死後十字軍の強硬派が和平を破り、サラディンの大軍がエルサレムに迫る。バリアンは市民を指揮してエルサレムの防衛にあたり、サラディンと交渉する。
◇うんちく
サラディンのエルサレム攻撃を一定程度防ぎ、交渉でエルサレムを明け渡し市民の解放を勝ち得たイベリン領主バリアンの史実を下敷きに大幅なフィクションを加えて映画化。十字軍の侵略性を強調、サラディンらイスラム指導者をカッコ良く描き、両教徒の共存・和平を訴えようとするシナリオは昨今の情勢の反映でもある。それはいいんだけど、ちと主人公の行動に無理があるような。実在の男女を無理やりくっつけてロマンスに仕立てるのはハリウッド歴史映画のお約束か。ラストにリチャード獅子心王が「特別出演」。
○「マルコ・ポーロ」Marco Polo 2007・アメリカTVドラマ
◇スタッフ
○監督:ケヴィン=コナー○脚本:ロン=ハッチンソン
◇キャスト
イアン=サマーホルダー(マルコ=ポーロ)、ブライアン=デネヒー(フビライ)、デジレ=シアハーン(テムルン/ケンサイ)ほか
◇ストーリー
13世紀の末、戦争の捕虜となったヴェネチアの商人マルコは、同獄の作家ルスティケロに請われるままに、誰も信じてくれない自身の東洋での数奇な冒険を語り始める。少年の日、父とおじに連れられてシルクロードを超え中国に入ったマルコは、皇帝フビライ=ハンに気に入られてその側近となった。マルコは中国の進んだ文物に驚かされつつ、宮中の陰謀や地方の反乱の処理で活躍していく。
◇うんちく
前後編3時間の大型ドラマで、大規模な中国ロケも敢行している。いわゆる「東方見聞録」に従ってマルコがフビライに仕えて活躍した設定で描かれ、史実的な考証はあまりしていない。またフビライ役がバリバリの白人なのもどうかと…日本人としては「ジパング」の話題が出てこないか気になるところだが、日本に行った使者が殺されて首だけ戻ってくるシーンがあり遠征が失敗した情報が伝えられるだけで特に言及はされない。

○「タイタニック」TITANIC 1997・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ジェームズ=キャメロン
◇キャスト
レオナルド=ディカプリオ(ジャック)、ケイト=ウィンスレット(ローズ)、ビリー=ゼイン(キャル)ほか
◇ストーリー
処女航海で沈没した豪華客船「タイタニック」の海底探査で裸婦のスケッチが発見された。その絵のモデルだと名乗り出た101歳の老婆ローズが、「タイタニック」を舞台に展開された哀しい恋と壮絶な沈没のドラマを語り始める。
◇うんちく
何度か映画の素材になってきたタイタニックの沈没を、ロミオとジュリエット風味の恋愛ドラマをからめて「決定版」的に製作した超大作。世界中で空前の大ヒット記録を打ち立て、アカデミー賞でも作品賞はじめ「ベン・ハー」と並ぶオスカーを受賞した。巨大なセットやCGを駆使した見せ物的沈没スペクタクルと存外陳腐な恋愛ドラマの組み合わせなのだが、そのバランスがよかったからヒットしたのか。
○「ミュンヘン」MUNICH 2005・アメリカ
◇スタッフ
○監督:スティーブン=スピルバーグ
◇キャスト
エリック=バナ(アヴナー)、ダニエル=クレイグ(スティーブ)ほか
◇ストーリー
1972年。西ドイツ・ミュンヘンで開かれていたオリンピックの選手村でパレスチナ解放ゲリラ「黒い九月」によるイスラエル選手団襲撃テロが発生した。イスラエル政府は報復作戦の実行を決断、イスラエル諜報組織による「黒い九月」の幹部暗殺作戦がヨーロッパ各地で展開される。だが作戦実行者のアヴナーは自身の行為が果たして「正義」なのか疑問を覚えてゆく。
◇うんちく
当然一部フィクションは混ぜるが大筋で史実通りに描いたスピルバーグの社会派問題作。ユダヤ系のスピルバーグがこのテーマをどう描くか注目されたが、「911」テロ後の「報復の連鎖」に対する強い嫌悪を打ちだし、バランスをとりつつもともすればアラブ寄りにもとれる内容にイスラエル関係者から批判も起こったほど。ラストの「生と死のコントラスト」は少々やりすぎという気もしたが。
歴史映画コーナーのトップに戻る