イギリス・アイルランド史映画
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○「エクスカリバー」Excalibur 1981・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ジョン=ブアマン
◇キャスト
ナイジェル=テリー(アーサー)、ヘレン=ミレン(モルガナ)、ニコラス=クレイ(ランスロット)、チャーリー=ラニイ(グエナビア)、ポール=ジェフリー(パーシバル)、ニコル=ウィリアムソン(マーリン)、リーアム=ニーソン(ガウェイン)ほか
◇ストーリー
6世紀、まだ伝説と魔法の世界にあるイギリス。国王ウーサーは敵将の妻に恋をして、魔術師マーリンに一夜をともにさせよと命じる。マーリンはその望みを魔法で叶え、その結果産まれた子、アーサーを奪っていく。ウーサーは不慮の死を遂げ、その剣エクスカリバーは岩に刺さって誰にも抜くことが出来ず、引き抜いた者が王になると予言される。十数年後、成長した少年アーサーはエクスカリバーをいとも簡単に引き抜いてしまった。
◇うんちく
とにかくストーリーを簡単にまとめきれない。いわゆる「アーサー王伝説」をほとんどブチこんで作った映画で、この後円卓の騎士の結成、王妃と騎士ランスロットの不倫、聖杯探求、アーサーと異父姉の魔女の間に産まれた息子との骨肉の争いまで2時間20分で一気に語ってしまう。そのためか全体に「総集編」的で作りもなんとなく安っぽい。若き日のリーアム=ニーソンが出演し映画デビューを飾っていたりする。
○「アヴァロンの霧」The Mist of Avalon 2001・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ウリ=エデル○脚本:キャヴィン=スコット○原作:ジマー=ブラッドレイ
◇キャスト
ジュリアナ=マルグレース(モーゲイン)、アンジェリカ=ヒューストン(ヴィヴィアン)、ジョアン=アレン(モーゴース)、エドワード=アタートン(アーサー)、マイケル=ヴァーラン(ランスロット)、サマンサ=マティス(グィネヴィア)、ハンス=マセソン(モードレッド)、マイケル=バーン(マーリン)ほか
◇ストーリー
伝説の世界のブリテン島。魔法を操るアヴァロンの巫女となったモーゲインは叔母の巫女ヴィヴィアンの計略で異父弟のアーサーとそれとは知らず交わり、子のモードレッドを産む。モードレッドはアーサーと円卓の騎士の団結を乱し、やがてサクソン族を率いてアーサーと戦う。
◇うんちく
アーサー王伝説を素材にしたブレッドレイのファンタジー小説をTVドラマ化したもの。「エクスカリバー」なんかでは悪役のアーサーの姉の魔女モーゲインの視点からアーサー王伝説を描きなおしたところがポイント。
○「キング・アーサー」KING ARTHUR 2004・アメリカ
◇スタッフ
○監督:アントワーン・フークア○製作:ジェリー=ブラッカイマー○脚本:デヴィッド=フランゾーニ/ジョン=リー=ハンコック
◇キャスト
クライブ=オーウェン(アーサー)、ヨアン=グリフィズ(ランスロット)、キーラ=ナイトレイ(グイネヴィア)、スティーブン=ディレイン(マーリン)、ジョエル=エドガートン(ガウェイン)、ヒュジ=ダンシー(ガラハド)、ステラン・スカルスゲールド(セドリック) ほか
◇ストーリー
遊牧民サルマタイ人のランスロットはローマ帝国に徴兵されてブリテン島に送られ、ケルト人の隊長アーサーのもと円卓の騎士の一員となっていた。衰退するローマ帝国はブリテン島から撤退し入れ代わりにサクソン人の大軍が侵入、アーサーたちは自由な自分達の国を築くべく戦う。
◇うんちく
「アーサー王伝説の史実はこうだったかも?」という異色の企画。最新の説を大胆に採り入れ、古代世界終末期のブリテン島の状況を映像化した意欲作であると同時に、黒澤明やエイゼンシュテインへのオマージュも旺盛(なんせ「氷上の戦い」が出てくる)。シナリオはいささか意表を突きすぎという気もするが…。
○「ブレイブハート」Brave Heart1995・アメリカ
◇スタッフ
○監督:メル=ギブソン、脚本:ランダル=ウォレス
◇キャスト
メル=ギブソン(ウィリアム・ウォレス)、ソフィー=マルソー(イザベル)、パトリック=マッグーハン(エドワード1世)、アンガス=マクファーデン(ロバート・ザ・ブルース)ほか
◇ストーリー
12世紀、スコットランドはイングランド王の支配下にあった。イングランド王エドワードはスコットランドの領主達に「初夜権」を認めて味方に付けようと画策。ウィリアム=ウォレスは恋人を殺されたことをきっかけに反イングランドの大反乱を起こす。ウォレス率いる民衆軍はスターリングでイングランド軍を撃破するが、スコットランド貴族らの裏切りによりウォレスは捕らえられる。
◇うんちく
俳優メル=ギブソンが監督・主演したハリウッド久々の歴史大作。スコットランドの伝説的英雄を主人公に自由と独立の戦いを描く。戦闘シーンの迫力はなかなかのもの。ただし史実とは離れてかなり自由に創作した部分も多く(イザベラ王女の役どころなどまさに!)、娯楽時代劇のノリが強い。なんだかんだでアカデミー作品賞に輝いてしまった。
○「ヘンリー5世」Henry V
1989・イギリス
◇スタッフ
○監督:ケネス=ブラナー
◇キャスト
ケネス=ブラナー(ヘンリー5世)ほか
◇ストーリー
時は百年戦争のさなか。若き王ヘンリーはフランスに渡り、従う民衆と共に戦いを繰り広げる。
◇うんちく
シェークスピアの同名戯曲の2度目の映画化。こちらのバージョンは戦闘場面のリアルさ、悲惨さの描写が売り。
○「わが命つきるとも」A Man for All Seasons 1966・アメリカ・イギリス
◇スタッフ
○監督:フレッド=ジンネマン○脚本:ロバート=ボルト
◇キャスト
ポール=スコフィールド(トマス=モア)、ロバート=ショー(ヘンリー8世)、レオ=マッカーン(クロムウェル)、バネッサ=レッドグレイブ(アン=ブーリン)、オーソン=ウェルズ(ウェルジー枢機卿)ほか
◇ストーリー
16世紀初め、英国王ヘンリー8世は王妃と離婚し愛人アン=ブーリンを王妃にすべく、カトリックと決別してイギリス国教会を作ろうと図るが、法律家のトマス=モアは信念からこれに反対する。重臣クロムウェルはモアを陥れるべく策謀をめぐらし、ついにモアを反逆罪で投獄してしまう。モアは信念を変えず、決然として法廷に臨む。
◇うんちく
「ユートピア」の著者として有名なトマス=モアの闘いを描く舞台劇の映画化。ヘンリー8世の離婚沙汰は恰好の題材として何度か映画化されているが、これはその中の傑作の一本。「頑固親父」モアと「陰謀家」クロムウェル(清教徒革命の人ではない)の対決は法廷劇として楽しめる。アカデミー賞6部門で受賞。なおモア役を熱望して監督に無視された(笑)チャールトン=ヘストンはその後執念でテレビドラマ化し念願のモア役を演じたそうな。
○「エリザベス」ELIZABETH 1998・イギリス
◇スタッフ
○監督:シェカール=カプール
◇キャスト
ケイト=ブランシェット(エリザベス)、ジョゼフ=ファインズ(ロバート=ダドリー)、ジェフリー=ラッシュ(ウォルシンガム)、リチャード=アッテンボロー(ウィリアム・セシル)ほか
◇ストーリー
ヘンリー8世の娘、エリザベスは母アン=ブーリンが父によって殺されていたために「庶子」扱いされ、さらに新教を信じていたために旧教派によって幽閉され処刑されかかる。姉の死により王位に就いたエリザベスだったが国運を決める結婚相手選び、そして愛人の存在に悩み続ける。やがてローマ法王まで巻き込む陰謀が明かとなり、これを打ち破ったエリザベスは「国家と結婚する」ことを決意する。
◇うんちく
歴史上に名高いエリザベス1世の前半生にスポットを当てた歴史劇。インド人カプール(「女盗賊プーラン」で有名)が監督したところが面白く、確かに従来のヨーロッパ時代物とはちょっと変わった愛憎劇が楽しめる。クライマックスの盛り上がり方はまさに「ゴッドファーザー」!米アカデミー賞はほとんどとれなかったんだけど「巡り合わせ」でしょうな。シェークスピアを演じたジョゼフ=ファインズがエリザベスの愛人役で出てくるのでややこしいことこの上ない(笑)
○「エリザベス ゴールデンエイジ」ELIZABETH:THE GOLDEN AGE2007・イギリス
◇スタッフ
○監督:シェカール=カプール
◇キャスト
ケイト=ブランシェット(エリザベス)、ジェフリー=ラッシュ(ウォルシンガム)、クライブ=オーウェン(ウォルター=ローリー)、アビー=コーニッシュ(エリザベス=スロックモートン)、サマンサ=モートン(メアリー・スチュアート)、ジョルディ=モリャ(フェリペ2世)ほか
◇ストーリー
相変わらず持ち込まれる縁談をかわし続けるエリザベスだったが、突然目の前に現れた「海の男」ローリーの魅力に彼女は次第にひきこまれてゆく。だがローリーはエリザベス寵愛の侍女「べス」と関係をもってしまい、複雑な三角関係に。おりしもイギリスの支配をもくろむスペイン王フェリペ2世の策謀でエリザベスの暗殺計画が実行され、エリザベスはスコットランドのメアリー・スチュアートの処刑に踏み切る。フェリペはついに「無敵艦隊」を出撃させ、エリザベスは国家と自身の命運をかけた決戦に立ち向かう。
◇うんちく
同じ監督・主演による、しかも十年越しの製作という異例の続編。タイトルの通りエリザベス1世の「黄金時代」を描き、ケイト=ブランシェットが名君たる女王様と恋愛に悩む一人の女性という二重の姿をなりきりの名演で見せてくれる。無敵艦隊との決戦はCGも駆使してかなりの迫力で描かれた。前作もそうだったが、史実ウンヌンよりも娯楽歴史映画のノリを優先した作り。三部作の予定もあるそうだ。
○「エリザベス1世」Elizabeth I 2005・イギリス
◇スタッフ
○監督:トム=フーパー
◇キャスト
ヘレン=ミレン(エリザベス)、ジェレミー=アイアンズ(ロバート=ダドリー)、ヒュー=ダンシー(ロバート=デバリュー)、パトリック=マラハイド(ウォルシンガム)、イアン=マクダーミド(ウィリアム・セシル)、バーバラ=フリン(メアリー=スチュアート)ほか
◇ストーリー
結婚をせず「処女王」を貫くエリザベスだったが、レスター伯ダドリーが公然の愛人となっていた。山あり谷ありながらも二人の関係は続き、スペインとの戦いという難局も乗り越えるが、良き相談相手であったダドリーはその直後にこの世を去ってしまう。そのダドリーの義理の息子エセックス伯デバリューがエリザベスの第二の愛人となるが、女王の寵愛を利用して増長、やがてエリザベスに対して反乱を起こす。
◇うんちく
エリザベス1世の後半生にスポットをあて、レスター伯とエセックス伯二代の愛人との愛憎劇を中心に構成した4時間弱のドラマ。エミー賞の主演女優・助演男優のW受賞を獲得している。エリザベス1世を演じたヘレン=ミレンはその後「クイーン」でエリザベス2世も演じることとなった。
○「無敵艦隊」Fire over England1937・イギリス
◇スタッフ
○監督:ウィリアム=K=ハワード
◇キャスト
フローラ=ロブソン(エリザベス)、レスリー=バンクス(ロバート=ダドリー)、ローレンス=オリビエ(マイケル=インゴルビー)、ヴィヴィアン=リー(シンシア)、レイモンド=マッセイ(フェリペ2世)、ほか
◇ストーリー
16世紀の末、エリザベス女王が君臨する小国イギリスは大国スペインの圧力に海賊活動で抵抗していた。イギリスの将軍の息子マイケルは海戦で捕虜となるが脱走し、スペインの将軍の屋敷にしばしかくまわれる。しかし父の処刑を知ったマイケルはイギリスへ帰国し、女王と共にスペイン軍と戦う準備にとりかかった。一方、スペインの指示を受けたイギリス貴族の一部では女王の暗殺計画が進められていた。
◇うんちく
有名な「アルマダの戦い」をテーマにした史劇だが、ストーリーの骨子自体はフィクションが大半で、娯楽性の高いチャンバラ映画の趣きである。フローラ=ロブソン演じるエリザベス1世がとにかく大貫禄の大名演。なお映画中の関係同様、当時オリビエとヴィヴィアン=リーは現実に恋仲で、このあとハリウッドに渡ったオリビエを追いかけてリーが渡米し、あの「風と共に去りぬ」が生まれることになったりする。
○「スコットランドのメリー」Mary of Scotland1936・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ジョン=フォード
◇キャスト
キャサリン=ヘップバーン(メアリー)ほか
◇うんちく
悲劇の女王メアリー=スチュアートの生涯を描く。エリザベス女王が彼女の美貌に嫉妬するという設定がついてまわる。
○「恋におちたシェークスピア」Shakespeare in Love1998・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ジョン=マッデン
◇キャスト
グウィネス=パルトロウ(ヴァイオラ)、ジョゼフ=ファインズ(シェークスピア)、ジュディ=デンチ(エリザベス1世)ほか
◇ストーリー
ローズ座専属の劇作家・シェークスピアは新作喜劇の脚本が行き詰まり悩んでいた。そんな時トマス=ケントと名乗る新人俳優がやって来るが、その正体は女優に憧れる美しい娘ヴァイオラだった。シェークスピアは激しい恋に落ち、その中で新作喜劇は悲劇「ロミオとジュリエット」へと成長してゆく。
◇うんちく
第71回アカデミー賞で作品・脚本・主演助演女優賞など7部門を制覇した傑作。史実とはかけ離れた大ウソも展開するが、そのウソのつきぶりが凝っていて楽しい。演劇ファン、シェークスピアファンは必見。舞台劇に熱狂する当時の民衆たちの描写も見事である。
○「クロムウェル」Cromwell 1970・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ケン=ヒューズ
◇キャスト
リチャード=ハリス(クロムウェル)、アレック=ギネス(チャールズ1世)ほか
◇うんちく
「清教徒革命」の指導者・クロムウェルの戦いを描いた作品。どうもクロムウェルを理想主義者として描こうとしたようなのだが…いまいち物語にメリハリがない。
○「バリー・リンドン」Barry Lyndon 1975年・アメリカ
◇スタッフ
○監督:スタンリー=キューブリック
◇キャスト
ライアン=オニール(バリー)ほか
◇ストーリー
18世紀、アイルランドの若者バリーは恋人をめぐる決闘をして村を追われ、強盗にあうなどして軍隊に入り、七年戦争を戦う。やがて軍を脱走したバリーはドイツに行き、決闘・イカサマ・計略を繰り広げて貴族へとのし上がっていく。名門貴族リンドン家の未亡人とまんまと結婚したバリーだったが、やがて没落の時を迎えることとなる。
◇うんちく
鬼才・スタンリー=キューブリック監督のコスチュームもの。室内シーンでもロウソクの光だけで撮影できるレンズを開発するなど18世紀という時代を徹底的に再現することにこだわり、服装・風俗などの考証も綿密。さらに目を引くのが野外ロケシーンの自然の美しさ!3時間という大作だが、次々と変転する男の運命を堪能されたい。
○「マイケル・コリンズ」Micael Collins 1996・アイルランド・アメリカ
◇スタッフ
○監督:ニール=ジョーダン
◇キャスト
リーアム=ニーソン(マイケル・コリンズ)、ジュリア=ロバーツ(キティ)、アラン=リックマン(デ・ヴァレラ)、アイダン=クイン(ハリー)ほか
◇ストーリー
1916年、イギリスからの独立を目指すアイルランド義勇軍は蜂起したが鎮圧された。ここから教訓を得た青年革命家コリンズは巧みなテロ活動による市街ゲリラ戦を展開、イギリスを苦しめる。ついにアイルランドの一応の独立は実現するが、コリンズの結んだ妥協的和平を嫌ったデ・ヴァレラら元同志たちはコリンズと内戦に突入、コリンズは苦悩のうちに31年の短い生涯を終えるのだった。
◇うんちく
のちに「IRA」として知られる「アイルランド義勇軍」の創設者コリンズの激しくも短い生涯を描く大作。冷酷なゲリラ作戦家として彼を描きながら、一方で平和を愛し冗談を好み恋にも熱を上げる普通の青年としても描くところが面白い。一部で「IRA寄り」「テロ賛美」との批判もあるようだが、テロのシーンはちゃんと残酷さも強調している。DVD版に収録されているドキュメンタリーを観ると史実との比較もよく分かるのでDVD版をお薦めする。
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