イギリス史映画
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第九軍団のワシ
"The Eagle"
2011年/イギリス
トレド・プロダクションズ
フィルム4
フォーカス・フィーチャーズ
カラー映画(114分)
スタッフ○監督:ケヴィン=マクドナルド○脚本:ジェレミー=ブロック○撮影:アンソニー=ドッド=マントル○音楽:アトリ=オーヴァーソン○原作:ローズマリ=サトクリフ○製作:ダンカン=ケンワージー○製作総指揮:テッサ=ロス/マイルズ=ケトリー/チャールズ=ムーア
キャストチャニング=テイタム(マーカス)、ジェイミー=ベル(エスカ)、アイクラ(ドナルド=サザーランド)、マーク=ストロング(グアーン)、タハール=ラヒム(シール)ほか
ストーリー2世紀半ばのブリタニアはローマ帝国の支配下にあった。ローマ軍人のマーカスはブリタニアに赴任、軍功を挙げるが重傷を負って軍から除隊する。マーカスの父はローマ第九軍団の指揮官だったが20年前に長城を越えて北方に遠征、そのまま軍団の象徴「黄金のワシ」ともども行方不明になっており、マーカスは父の名誉を回復し「黄金のワシ」を取り戻そうと、現地人の奴隷エスカと共に長城を越えて未開の地へと踏み込む。
解説サトクリフの古代ブリテンシリーズの第一作で傑作として名高い小説を初映画化(TVドラマ化はすでにある)。ほぼ原作に沿った展開で時代考証もそこそこしっかりしてるのだが、全体としては安っぽい冒険映画になっちゃった印象。日本発売のDVDでは宮崎駿がこの小説を古代日本の話に翻案してアニメ化しようと構想していたとの発言がパッケージに謳われている。
メディアDVD発売:ツイン

エクスカリバー
"Excalibur"
1981年/イギリス・アメリカ
オライオン・ピクチャーズ
カラー映画(140分)
スタッフ○製作・監督:ジョン=ブアマン○脚本:ロスポ=パレンバーグ/ジョン=ブアマン○撮影:アレックス=トムソン○音楽:トレヴァー=ジョーンズ○原作:トマス=マロリー○製作総指揮:エドガー=F=グロス/ロバート=A=アイゼンシュタイン
キャストナイジェル=テリー(アーサー)、ヘレン=ミレン(モルガナ)、ニコラス=クレイ(ランスロット)、チャーリー=ラニイ(グエナビア)、ポール=ジェフリー(パーシバル)、ニコル=ウィリアムソン(マーリン)、リーアム=ニーソン(ガウェイン)ほか
ストーリー6世紀、まだ伝説と魔法の世界にあるイギリス。国王ウーサーは敵将の妻に恋をして、魔術師マーリンに一夜をともにさせよと命じる。マーリンはその望みを魔法で叶え、その結果産まれた子、アーサーを奪っていく。ウーサーは不慮の死を遂げ、その剣エクスカリバーは岩に刺さって誰にも抜くことが出来ず、引き抜いた者が王になると予言される。十数年後、成長した少年アーサーはエクスカリバーをいとも簡単に引き抜いてしまった。 
解説とにかくストーリーを簡単にまとめきれない。いわゆる「アーサー王伝説」をほとんどブチこんで作った映画で、この後円卓の騎士の結成、王妃と騎士ランスロットの不倫、聖杯探求、アーサーと異父姉の魔女の間に産まれた息子との骨肉の争いまで2時間20分で一気に語ってしまう。そのためか全体に「総集編」的で作りもなんとなく安っぽい。若き日のリーアム=ニーソンが出演し映画デビューを飾っていたりする。
メディアDVD発売:ワーナー・ホーム・ビデオ

アヴァロンの霧
"The Mist of Avalon"
2001年/アメリカ
TNT
カラーTVドラマ(183分)
スタッフ○監督:ウリ=エデル○脚本:ギャヴィン=スコット○撮影:ヴィルモス=ツィグモンド○音楽:リー=ホルドリッジ○原作:ジマー=ブラッドレイ○製作:ギデオン=アマー/バーンド=エイチンガー
キャストジュリアナ=マルグレース(モーゲイン)、アンジェリカ=ヒューストン(ヴィヴィアン)、ジョアン=アレン(モーゴース)、エドワード=アタートン(アーサー)、マイケル=ヴァーラン(ランスロット)、サマンサ=マティス(グィネヴィア)、ハンス=マセソン(モードレッド)、マイケル=バーン(マーリン)ほか
ストーリー伝説の世界のブリテン島。魔法を操るアヴァロンの巫女となったモーゲインは叔母の巫女ヴィヴィアンの計略で異父弟のアーサーとそれとは知らず交わり、子のモードレッドを産む。モードレッドはアーサーと円卓の騎士の団結を乱し、やがてサクソン族を率いてアーサーと戦う。
解説アーサー王伝説を素材にしたブレッドレイのファンタジー小説をTVドラマ化したもの。「エクスカリバー」なんかでは悪役のアーサーの姉の魔女モーゲインの視点からアーサー王伝説を描きなおしたところがポイント。
メディア日本国内ではソフト化されていない模様(NHK衛星で放送したことはある)。

キング・アーサー
"King Arthur"
2004年/アメリカ
ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズ
カラー映画(126分)
スタッフ○監督:アントワーン・フークア○脚本:デヴィッド=フランゾーニ/ジョン=リー=ハンコック○撮影:スワヴォミール=イジャック○音楽:ハンス=ジマー○製作:ジェリー=ブラッカイマー○製作総指揮:チャド=オーマン/マイク=ステンソン/ネッド=ダウド
キャストクライブ=オーウェン(アーサー)、ヨアン=グリフィズ(ランスロット)、キーラ=ナイトレイ(グイネヴィア)、スティーブン=ディレイン(マーリン)、ジョエル=エドガートン(ガウェイン)、ヒュジ=ダンシー(ガラハド)、ステラン・スカルスゲールド(セドリック) ほか
ストーリー遊牧民サルマタイ人のランスロットはローマ帝国に徴兵されてブリテン島に送られ、ケルト人の隊長アーサーのもと円卓の騎士の一員となっていた。衰退するローマ帝国はブリテン島から撤退し入れ代わりにサクソン人の大軍が侵入、アーサーたちは自由な自分達の国を築くべく戦う。
解説「アーサー王伝説の史実はこうだったかも?」という異色の企画。最新の説を大胆に採り入れ、古代世界終末期のブリテン島の状況を映像化した意欲作であると同時に、黒澤明やエイゼンシュテインへのオマージュも旺盛(なんせ「氷上の戦い」が出てくる)。シナリオはいささか意表を突きすぎという気もするが…。
メディアDVD/BD発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン(20分ほど長いディレクターズカット版あり)

ダークエイジロマン
大聖堂

"The Pillars of the Earth"
2010年/イギリス・ドイツ・カナダ
タンデム・コーポレーション
ミューズ・エンタテインメント・エンタープライズ
スコット・フリー
カラーTVドラマ(各50分、全8回)
スタッフ○監督:セルジオ=ミミカ=ゲッザン○脚本:ジョン=ピールマイアー○音楽:トレヴァー=モリス○原作:ケン=フォレット○製作総指揮:リドリー=スコット/トニー=スコット/デビッド=W=ザッカー
キャストルーファス=シーウェル(トム)、マシュー=マクファディン(フィリップ)、イアン=マクシェーン(ウェイルラン)、エディ=レッドメイン(ジャック)、ヘイリー=アトウェル(アリエナ)、ナタリア=ヴェルナー(エリン)、トニー=カラン(スティーブン1世)、アリソン=ピル(モード)、ドナルド=サザーランドバーソロミュー)ほか
ストーリー1120年、「ホワイシップの遭難」により王子が死に、ヘンリー1世の後継者の地位をめぐって娘のモードと甥のスティーブン1世が内戦状態に突入した。この動乱の「無政府時代」を背景に、キングズブリッジという町に大聖堂を築き上げようとする職人たちや聖職者たち、野心や復讐に燃える貴族達など、多くの人々の苦闘が描かれてゆく。
解説ケン=フォレット作の大河歴史小説を、映画監督リドリー&トニーのスコット兄弟がプロデュースして大作映画並みの予算で製作した全8回のミニシリーズ。キングズブリッジとその大聖堂自体は全くの架空だが、背景となる「無政府時代」の状況は史実に基づいており、イギリス中世ものとしては時代の雰囲気の再現にもかなり成功していると思う。ただ大河小説を50分×8回に押し込んだために全体的に慌ただしさが否めず、原作を読んでないとストーリーが分かりにくいかも。
メディアDVD発売:ポニーキャニオン

ベケット
"Becket"
1963年/イギリス・アメリカ
ハル・B・ウォリス・プロ
カラー映画(148分)
スタッフ○監督:ピーター=グレンヴィル○脚本:エドワード=アンハルト○撮影:ジェフリー=アンスワース○音楽:ローレンス=ローゼンタール○原作:ジャン=アヌイ○製作:ハル=B=ウォリス
キャストリチャード=バートン(ベケット)、ピーター=オトゥール(ヘンリー2世)、ドナルド=wォルフィット(フォリオ)、ジョン=ギールグッド(ルイ7世)、マーティタ=ハント(マチルダ)、パメラ=ブラウン(エレノア妃)、シアン=フィリップス(グエンドレン)、パオロ=ストッパ(教皇アレクサンドル3世)、デヴィッド=ウェストン(ジョン)ほか
ストーリー12世紀のイギリスは「ノルマンの征服」から100年を経ていた。サクソン人のトマス=ベケットは国王ヘンリー2世と無二の親友で、若い頃は一緒に女あさりにでかけるほどの仲だった。国王となったヘンリーは周囲の反対を押し切ってベケットを大法官に任命、ベケットはさらに教皇からカンタベリー大司教に任じられる。しかし教会に強圧的態度をとるヘンリーと教会の権威を守るベケットは次第に対立、ベケットはイングランドを離れてフランスに身を寄せる。ヘンリーと会談して一応の和解を成立させイングランドに戻ったベケットだったが、四人の刺客が聖堂に彼を襲った。
解説フランスの作家ジャン=アヌイの戯曲の映画化。イングランド国王がフランスの「ノルマンディー公」であるとか、サクソン人が被征服者であるとか背景事情を事前に知ってないと話が分かりにくいかも(ただしベケットがサクソン人という設定は史実に反するような?)。のちに聖人とされるベケットとヘンリー2世との愛憎渦巻く関係をしつこく描き、元が戯曲のせいか映画的なスケール感はあまりない。ピーター=オトゥールは下記の「冬のライオン」でも同役を演じている。
メディアDVD発売:日本国内では未発売だが、輸入盤の購入は可能。

冬のライオン
"The Lion in Winter"
1968年/イギリス
エンバシー・ピクチャーズ
カラー映画(137分)
スタッフ○監督:アンソニー=ハーヴェイ○原作・脚本:ジェームズ=ゴールドマン○撮影:ダグラス=スローカム○音楽:ジョン=バリー○製作:マーティン=ポール○製作総指揮:ジョゼフ=E=レヴィーン
キャストピーター=オトゥール(ヘンリー2世)、キャサリン=ヘップバーン(エレノア)、アンソニー=ホプキンズ(リチャード)、ティモシー=ダルトン(フィリップ)、ジョン=キャッスル(ジェフリー)、ナイジェル=テリー(ジョン)、ジェーン=メロウ(アリス)、ナイジェル=ストック(マーシャル)ほか
ストーリー1183年のクリスマス、イングランド王ヘンリー2世は三人の息子たち、そして幽閉中の王妃エレノア、およびフランス王フィリップをシノン城に呼び集めた。ヘンリーとエレノアの冷え切った夫婦関係、愛人のアリス、後継を狙う三人の息子たち、さらにフランス王とそれぞれの思惑や愛憎が複雑に絡み合う一夜が過ぎてゆく。 
解説映画なのにほとんど密室状態のディスカッションで話が進むのは原作が舞台劇のため。ピーター=オトゥールが「ベケット」に続いてヘンリー2世を演じ、アンソニー=ホプキンズとティモシー=ダルトンは本作で映画デビュー、キャサリン=ヘップバーンは米英アカデミーの主演女優賞を受賞するなど、芸達者な俳優たちの演技の激突を楽しむ映画なのだが、ここまで舞台チックだとわざわざ映画にせんでも、という気もする。2003年にアメリカでTVドラマ化もされている。
メディアDVD発売:IVC

ロビン・フッド
"Robin Hood"
2010年/イギリス・アメリカ
ユニバーサル・ピクチャーズ
イマジン・エンターテイメント
レラティビティ・メディア
カラー映画(148分)
スタッフ○監督:リドリー=スコット○脚本:ブライアン=ヘルゲランド○撮影:ジョン=マシソン○音楽:マルク=ストライテンフェルト○製作:ブライアン=グレイザー/リドリー=スコット/ラッセル=クロウ○製作総指揮:チャールズ=J=D=シュリッセル/マイケル=コスティガン/ジェームズ=ウィテカー/ライアン=カバノー
キャストラッセル=クロウ(ロビン)、ケイト=ブランシェット(マリアン)、ウィリアム=ハート(マーシャル)、マーク=ストロング(ゴッドフリー)、オスカー=アイザック(ジョン王)、ダニー=ヒューストン(リチャード1世)ほか 
ストーリー十字軍から帰って来たイングランド王リチャード1世(獅子心王)はフランスの城を攻略中に戦死、この軍に従っていた弓の名手ロビン=ロングストライドは軍を脱走、偶然その最期に居合わせたノッティンガム領主の息子に頼まれて彼の剣を父親のもとへ届けに行く。領主に頼まれてその息子になりすまし、未亡人のマリアンと夫婦のふりをさせられたロビンは、やがてジョン王の暴政に対抗、さらには諸侯をまとめてフランスの侵略軍と戦うことになる。 
解説何度目かのロビンフッド映画だが、主演のラッセル=クロウがゴネたためになぜかロビンフッドがジョン王と共にフランス侵略軍と海岸で戦う(それも「プライベート・ライアン」そのまんま)というヘンな映画になってしまった。
メディアDVD/BD発売:ジェネオン・ユニバーサル

ロビンとマリアン
"Robin and Marian"
1976年/イギリス
ラスター
カラー映画(106分)
スタッフ○監督:リチャード=レスター○脚本:ジェームズ=ゴールドマン○撮影:デビッド=ワトキン○音楽:ジョン=バリー○製作:デニス=オデル○製作総指揮:レイ=スターク/リチャード=シェファード
キャストショーン=コネリー(ロビン=フッド)、オードリー=ヘップバーン(マリアン)、ロバート=ショー(ノッチンガム代官)、ニコル=ウィリアムソン(リトル・ジョン)、イアン=ホルム(ジョン王)、リチャード=ハリス(リチャード獅子心王)ほか
ストーリーリチャード獅子心王と共に十字軍に出かけ、苦労の末にシャーウッドの森に帰って来たロビン・フッドとリトル・ジョン。仲間たちは散り散りになり、恋人のマリアンも修道院に入っていた。そして宿敵のノッチンガム代官は相変わらず悪政を働いている。ロビンは仲間たちやマリアンを呼び戻し、老いた体に鞭打って代官に再び戦いを挑む。 
解説有名なロビン・フッド伝説の「その後」を描いた異色作。「年をとってしまったおなじみの面々」が活躍する、半ばコメディ調の映画なのだが意外にしんみりした展開になってゆく。なお本作は一時育児休業していたオードリーの復帰作でもあるのだが、「中年女」の役どころであったことに当人はおかんむりだったとか。
メディアDVD発売:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

ブレイブハート
"Brave Heart"
1995年/アメリカ
アイコン・プロダクションズ
ラッド・カンパニー
カラー映画(177分)
スタッフ○監督:メル=ギブソン○脚本:ランダル=ウォレス○撮影:ジョン=トール○音楽:ジェームズ=ホーナー○製作:アラン・ラッド=Jr/ブルース=デイヴィ/メル=ギブソン○製作総指揮:スティーブン=マクヴィーティ
キャストメル=ギブソン(ウィリアム・ウォレス)、ソフィー=マルソー(イザベル)、パトリック=マッグーハン(エドワード1世)、アンガス=マクファーデン(ロバート・ザ・ブルース)ほか
ストーリー13世紀、スコットランドはイングランド王の支配下にあった。イングランド王エドワードはスコットランドの領主達に「初夜権」を認めて味方に付けようと画策。ウィリアム=ウォレスは恋人を殺されたことをきっかけに反イングランドの大反乱を起こす。ウォレス率いる民衆軍はスターリングでイングランド軍を撃破するが、スコットランド貴族らの裏切りによりウォレスは捕らえられる。
解説俳優メル=ギブソンが監督・主演したハリウッド久々の歴史大作。スコットランドの伝説的英雄を主人公に自由と独立の戦いを描く。戦闘シーンの迫力はなかなかのもの。ただし史実とは離れてかなり自由に創作した部分も多く(イザベラ王女の役どころなどまさに!)、娯楽時代劇のノリが強い。なんだかんだでアカデミー作品賞に輝いてしまった。
メディアDVD/BD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

ヘンリィ五世
"Henry V"
1944年/イギリス
カラー映画(137分)
スタッフ○監督:ローレンス=オリヴィエ○脚本:ダラス=バウアー/アラン=デント/ローレンス=オリヴィエ○撮影:ジャック=ヒルヤード/ロバート=クラスカー○音楽:ウィリアム=ウォルトン○原作:ウィリアム=シェークスピア○製作:フィリッポ=デル=ジュディーチェ/ローレンス=オリヴィエ
キャストローレンス=オリヴィエ(ヘンリー5世)、ルネ=アシャーソン(カトリーナ姫)、ハーコート=ウィリアムズ(シャルル6世)、ラッセル=ソーンダイク(ブルボン公ジャン)、レオ=ゲン(フランス元帥)、ロバート=ニュートン(ピストル)、フェリックス=エイルマー(カンタベリ大司教)、レスリー=バンクス(口上役)ほか
ストーリー時は1600年、ロンドンはグローブ座でシェークスピアの新作芝居「ヘンリィ五世」が上演される。舞台の上で展開されていた芝居は、観客の想像力により劇場を飛び出し、百年戦争のアジンコートの野での大合戦を描き出してゆく。
解説シェークスピア俳優オリヴィエ自身が監督し、同タイトルのシェークスピア史劇をほぼそのまま映画化した作品なのだが、最初は舞台の芝居(楽屋や俳優のトチリまで見せていく)をそのまま映していくのかと思いきや、いつの間にやらロケーションでの大合戦、最後にきちんと舞台に戻るというユニークな構成の作品。第二次大戦中ということもあり戦意高揚を狙ってイギリス政府が資金協力した「国策映画」でもあったが(この時期でカラー作品なのもそのせい)、内容的にはそれほど気にならない。
メディアDVD発売:東北新社

ヘンリー五世
"Henry V"
1989年/イギリス
カラー映画(137分)
スタッフ○監督・脚本:ケネス=ブラナー○撮影:ケネス=マクミラン○音楽:ハトリック=ドイル○製作:ブルース=シャーマン○製作総指揮:ステファン=エヴァンズ
キャストケネス=ブラナー(ヘンリー5世)、ポール=スコフィールド(シャルル6世)、エマ=トンプソン(キャサリン)ほか
ストーリー時は百年戦争のさなか。若き王ヘンリーはフランスに渡り、従う民衆と共に戦いを繰り広げる。
解説シェークスピアの同名戯曲の2度目の映画化。こちらのバージョンは戦闘場面のリアルさ、悲惨さの描写が売り。
メディアDVD発売:パイオニアLDC

わが命つきるとも
"A Man for All Seasons"
1966年/イギリス
ハイランド・フィルムズ
カラー映画(120分)
スタッフ○製作・監督:フレッド=ジンネマン○原作・脚本:ロバート=ボルト○撮影:テッド=ムーア○音楽:ジョルジュ=ドルリュー○製作総指揮:ウィリアム=N=グラフ
キャストポール=スコフィールド(トマス=モア)、ロバート=ショー(ヘンリー8世)、レオ=マッカーン(クロムウェル)、バネッサ=レッドグレイブ(アン=ブーリン)、オーソン=ウェルズ(ウェルジー枢機卿)ほか 
ストーリー16世紀初め、英国王ヘンリー8世は王妃と離婚し愛人アン=ブーリンを王妃にすべく、カトリックと決別してイギリス国教会を作ろうと図るが、法律家のトマス=モアは信念からこれに反対する。重臣クロムウェルはモアを陥れるべく策謀をめぐらし、ついにモアを反逆罪で投獄してしまう。モアは信念を変えず、決然として法廷に臨む。 
解説「ユートピア」の著者として有名なトマス=モアの闘いを描く舞台劇の映画化。ヘンリー8世の離婚沙汰は恰好の題材として何度か映画化されているが、これはその中の傑作の一本。「頑固親父」モアと「陰謀家」クロムウェル(清教徒革命の人ではない)の対決は法廷劇として楽しめる。アカデミー賞6部門で受賞。なおモア役を熱望して監督に無視された(笑)チャールトン=ヘストンはその後執念でテレビドラマ化し念願のモア役を演じたそうな。
メディアDVD発売:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

1000日のアン
"Anne of the thousand days"
1969年/イギリス
ユニヴァーサル映画
カラー映画(145分)
スタッフ○監督:チャールズ=ジャロット○脚本:ブリジッド=ボランド/ジョン=ヘール○撮影:アーサー=イベットソン○音楽:ジョルジュ=ドリュルー○原作:マクスウェル=アンダーソン○製作:ハル=B=ウォリス
キャストリチャード=バートン(ヘンリー8世)、ジュヌビエーブ=ビジョルド(アン=ブーリン)、イレーネ=パパス(キャサリン王妃)アンソニー=クエイル(ウォルジー)、ジョン=コリコス(クロムウェル)、マイケル=ホーダーン(トーマス=ブーリン)、ヴァレリー=ギャロン(メアリー=ブーリン)、レスリー=パターソン(ジェーン=シーモア)ほか
ストーリー王妃キャサリンに男子が生まれぬことに悩むヘンリー8世は、フランス帰りのアン=ブーリンの美貌を見初め、アンに恋人と別れて自身の愛人となるよう迫る。拒絶するアンだったがヘンリーが自分の要求を受け入れ教皇と対立してまで王妃と離婚、アンとの正式な結婚に踏み切ったことで彼を愛するようになる。やがて娘エリザベスが生まれるが次の男児は死産、失望したヘンリーは別の女性に目を向け、アンの排除を画策する。姦通・近親相姦の罪をでっち上げられたアンは娘エリザベスの地位を守るためにあえて処刑される道を選ぶ。
解説同名の戯曲を映画化したもの。何度となく映像化されたヘンリー8世ものの一つで、本作は特にアン=ブーリンを実質的主役とし彼女の個性と悲劇性を際立たせている。
メディアDVD発売:復刻シネマライブラリー(以前ビクターエンタテインメントよりVHSソフトが出ていた)

ブーリン家の姉妹
"The Other Boleyn Girl"
2008年/イギリス・アメリカ
レラティビティ・メディア
BBCフィルムズ
カラー映画(115分)
スタッフ○監督:ジャスティン=チャドウィック○脚本:ピーター=モーガン○撮影:キアラン=マクギガン○音楽:ポール=カンテロン○原作:フィリッパ=グレゴリー○製作:アリソン=オーウェン○製作総指揮:スコット=ルーディン/デビッド=M=トンプソン
キャストナタリー=ポートマン(アン=ブーリン)、スカーレット=ヨハンソン(メアリー=ブーリン)、エリック=バナ(ヘンリー8世)、マーク=ライランス(トーマス=ブーリン)、クリスティン=スコット=トーマス(エリザベス=ブーリン)、ジム=スタージェス(ジョージ=ブーリン)、デヴィッド=モリッシー(ノーフォーク公)、アナ=トレント(キャサリン王妃)、コリーヌ=ギャロウェイ(ジェーン=シーモア)ほか
ストーリーイングランド国王ヘンリー8世は王妃に男子が生まれぬことで悩んでいた。ノーフォーク公とトーマス=ブーリンの兄弟はトーマスの娘アンを国王の愛人にして男子を産ませようと画策するが、ひょんなことからヘンリーはアンの妹のメアリーを気に入って愛人にしてしまう。屈辱を覚えたアンは一時フランスに行くが、メアリーが病気になったために呼び戻されてヘンリーの心をつかみ、強引にキャサリン王妃と離婚させて自らがイングランド王妃となる。やがて娘エリザベスが生まれるが、ヘンリーの心は他の女に向かってしまっていた。 
解説エリザベス1世の生母アン=ブーリンを扱った物語で、過去にも何度も映画化されたテーマ。この作品はあまり知られていなかったアンの姉妹メアリーにも焦点をあてており(劇中では妹とされるが姉との説もある)、姉妹の愛憎劇を軸にまとめている。同じ原作を使ったテレビドラマ版もあるそうだが未見。
メディアDVD/BD発売:ポニーキャニオン

エリザベス
"Elizabeth"
1998年/イギリス
ポリグラム・フィルムド・エンターテインメント
カプールフィルム
ワーキング・タイトル・フィルムズ
カラー映画(124分)
スタッフ○監督:シェカール=カプール○脚本:マイケル=ハースト○撮影:レミ=アデファラシン○音楽:デヴィッド=ハーシュフェルダー○製作:アリソン=オーウェン/エリック=フェルナー/ティム=ビーヴァン
キャストケイト=ブランシェット(エリザベス)、ジョゼフ=ファインズ(ロバート=ダドリー)、ジェフリー=ラッシュ(ウォルシンガム)、リチャード=アッテンボロー(ウィリアム・セシル)ほか
ストーリーヘンリー8世の娘、エリザベスは母アン=ブーリンが父によって殺されていたために「庶子」扱いされ、さらに新教を信じていたために旧教派によって幽閉され処刑されかかる。姉の死により王位に就いたエリザベスだったが国運を決める結婚相手選び、そして愛人の存在に悩み続ける。やがてローマ法王まで巻き込む陰謀が明かとなり、これを打ち破ったエリザベスは「国家と結婚する」ことを決意する。 
解説歴史上に名高いエリザベス1世の前半生にスポットを当てた歴史劇。インド人カプール(「女盗賊プーラン」で有名)が監督したところが面白く、確かに従来のヨーロッパ時代物とはちょっと変わった愛憎劇が楽しめる。クライマックスの盛り上がり方はまさに「ゴッドファーザー」!米アカデミー賞はほとんどとれなかったんだけど「巡り合わせ」でしょうな。他の映画でシェークスピアを演じたジョゼフ=ファインズがエリザベスの愛人役で出てくるのでややこしいことこの上ない(笑)。
メディアDVD/BD発売:ジェネオン・ユニバーサル

エリザベス
ゴールデンエイジ

"Elizabeth The Golden Age"
2007年/イギリス
スタジオカナル
ワーキング・タイトル・フィルムズ
カラー映画(124分)
スタッフ○監督:シェカール=カプール○脚本:ウィリアム=ニコルソン/マイケル=ハースト○撮影:レミ=アデファラシン○音楽:クレイグ=アームストロング/A=R=ラフマーン○製作:アリソン=オーウェン/エリック=フェルナー/ジョナサン=カヴェン=ディッシュ
キャストケイト=ブランシェット(エリザベス)、ジェフリー=ラッシュ(ウォルシンガム)、クライブ=オーウェン(ウォルター=ローリー)、アビー=コーニッシュ(エリザベス=スロックモートン)、サマンサ=モートン(メアリー・スチュアート)、ジョルディ=モリャ(フェリペ2世)ほか 
ストーリー相変わらず持ち込まれる縁談をかわし続けるエリザベスだったが、突然目の前に現れた「海の男」ローリーの魅力に彼女は次第にひきこまれてゆく。だがローリーはエリザベス寵愛の侍女「べス」と関係をもってしまい、複雑な三角関係に。おりしもイギリスの支配をもくろむスペイン王フェリペ2世の策謀でエリザベスの暗殺計画が実行され、エリザベスはスコットランドのメアリー・スチュアートの処刑に踏み切る。フェリペはついに「無敵艦隊」を出撃させ、エリザベスは国家と自身の命運をかけた決戦に立ち向かう。 
解説同じ監督・主演による、しかも十年越しの製作という異例の続編。タイトルの通りエリザベス1世の「黄金時代」を描き、ケイト=ブランシェットが名君たる女王様と恋愛に悩む一人の女性という二重の姿をなりきりの名演で見せてくれる。無敵艦隊との決戦はCGも駆使してかなりの迫力で描かれた。前作もそうだったが、史実ウンヌンよりも娯楽歴史映画のノリを優先した作り。三部作の予定もあるそうだ。
メディアDVD/BD発売:ジェネオン・ユニバーサル

エリザベス1世
愛と陰謀の王宮
"Elizabeth I"
2005年/イギリス
カンパニー・ピクチャーズ
カラーTVドラマ(全2回、221分)
スタッフ○監督:トム=フーパー○脚本:ナイジェル=ウィリアムズ○撮影:ラリー=スミス○音楽:ロブ=レイン○製作:バーニー=レイズ
キャストヘレン=ミレン(エリザベス)、ジェレミー=アイアンズ(ロバート=ダドリー)、ヒュー=ダンシー(ロバート=デバリュー)、パトリック=マラハイド(ウォルシンガム)、イアン=マクダーミド(ウィリアム・セシル)、バーバラ=フリン(メアリー=スチュアート)ほか 
ストーリー結婚をせず「処女王」を貫くエリザベスだったが、レスター伯ダドリーが公然の愛人となっていた。山あり谷ありながらも二人の関係は続き、スペインとの戦いという難局も乗り越えるが、良き相談相手であったダドリーはその直後にこの世を去ってしまう。そのダドリーの義理の息子エセックス伯デバリューがエリザベスの第二の愛人となるが、女王の寵愛を利用して増長、やがてエリザベスに対して反乱を起こす。 
解説エリザベス1世の後半生にスポットをあて、レスター伯とエセックス伯二代の愛人との愛憎劇を中心に構成した4時間弱のドラマ。エミー賞の主演女優・助演男優のW受賞を獲得している。エリザベス1世を演じたヘレン=ミレンはその後「クイーン」でエリザベス2世も演じることとなった。
メディアDVD発売:エイベックス・トラックス

無敵艦隊
"Fire over England"
1937年/イギリス
ロンドン・フィルム
白黒映画(92分)
スタッフ○監督:ウィリアム=K=ハワード○脚本:クレメンス=デーン/セルゲイ=ノルバンドフ○撮影:ジェームズ=ウォン=ハウ○音楽:リチャード=アディンセル○原作:A=E=W=メイソン○製作:エーリッヒ=ポマー
キャストフローラ=ロブソン(エリザベス1世)、レスリー=バンクス(ロバート=ダドリー)、ローレンス=オリビエ(マイケル=インゴルビー)、ヴィヴィアン=リー(シンシア)、レイモンド=マッセイ(フェリペ2世)ほか 
ストーリー16世紀の末、エリザベス女王が君臨する小国イギリスは大国スペインの圧力に海賊活動で抵抗していた。イギリスの将軍の息子マイケルは海戦で捕虜となるが脱走し、スペインの将軍の屋敷にしばしかくまわれる。しかし父の処刑を知ったマイケルはイギリスへ帰国し、女王と共にスペイン軍と戦う準備にとりかかった。一方、スペインの指示を受けたイギリス貴族の一部では女王の暗殺計画が進められていた。 
解説有名な「アルマダの戦い」をテーマにした史劇だが、ストーリーの骨子自体はフィクションが大半で、娯楽性の高いチャンバラ映画の趣きである。フローラ=ロブソン演じるエリザベス1世がとにかく大貫禄の大名演。なお映画中の関係同様、当時オリビエとヴィヴィアン=リーは現実に恋仲で、このあとハリウッドに渡ったオリビエを追いかけてリーが渡米し、あの「風と共に去りぬ」が生まれることになったりする。
メディアDVD発売:ファーストトレーディング、ビデオ―メーカー

スコットランドのメリー
"Mary of Scotland"
1936年/アメリカ
RKO
白黒映画(123分)
スタッフ○監督:ジョン=フォード○脚本:ダドリー=ニコルズ○撮影:ジョゼフ=H=オーガスト/ジャック=マッケンジー○音楽:ナサニエル=シルクレット○原作:マクスウェル=アンダーソン○製作:パンドロ=S=バーマン
キャストキャサリン=ヘップバーン(メアリー・スチュアート)、フロレンス=エルドリッジ(エリザベス1世)、フレデリック=マーチ(ボスウェル伯)、ダグラス=ウォルトン(ダーンリー卿)、ジョン=キャラダイン(リッツィオ)、イアン=キース(モーレイ)ほか 
ストーリーフランスからスコットランドに帰国し、女王となったメアリー・スチュアートは男らしいボスウェル伯に惹かれつつも政治的思惑からダーンリー卿と結婚する。しかし宗教問題などで反発する貴族たちの攻撃にあって友人の秘書リッツィオを殺され、夫ダーンリーとの仲も悪くなる。やがてダーンリーは変死を遂げ、メアリーはようやくボスウェルと結ばれるが、直後の反乱でイングランドに逃亡。イングランド女王エリザベスは王位継承権を持つメアリーを危険視して幽閉し、結局処刑に追い込んでしまう。
解説名匠ジョン=フォードが珍しく手がけた歴史劇で、悲劇の女王メアリー=スチュアートの生涯をメロドラマ調に描いた。フォード向きの素材とはとても思えず、実際興行的にも大コケを喫してしまった。
メディアDVD発売:ブロードウェイ(ジョン・フォード傑作選に「メアリー・オブ・スコットランド」のタイトルで収録)

恋におちたシェークスピア
"Shakespeare in Love"
1998年/アメリカ・イギリス
ミラマックス・フィルム
カラー映画(137分)
スタッフ○監督:ジョン=マッデン○脚本:トム=ストッパード/マーク=ノーマン○撮影:グレート=リチャードレックス○美術:マーティン=チャイルズ○音楽:スティーブン=オーベック○製作:デヴィッド=パーフィット/ドナ=ジグリオッティ/ハーヴェイ=ワインスタイン/エドワード=ズウィック/マーク=ノーマン○製作総指揮:ボブ=ワインスタイン/ジュリー=ゴールドスタイン
キャストグウィネス=パルトロウ(ヴァイオラ)、ジョゼフ=ファインズ(シェークスピア)、ジェフリー=ラッシュ(ヘンズロー)、コリン=ファース(ウェセックス卿)、ジュディ=デンチ(エリザベス1世)ほか
ストーリーローズ座専属の劇作家・シェークスピアは新作喜劇の脚本が行き詰まり悩んでいた。そんな時トマス=ケントと名乗る新人俳優がやって来るが、その正体は女優に憧れる美しい娘ヴァイオラだった。シェークスピアは激しい恋に落ち、その中で新作喜劇は悲劇「ロミオとジュリエット」へと成長してゆく。  
解説第71回アカデミー賞で作品・脚本・主演助演女優賞など7部門を制覇した傑作。史実とはかけ離れた大ウソも展開するが、そのウソのつきぶりが凝っていて楽しい。演劇ファン、シェークスピアファンは必見。舞台劇に熱狂する当時の民衆たちの描写も見事である。
メディアDVD/BD発売:ジェネオン・ユニバーサル

クロムウェル
"Cromwell"
1970年/イギリス
アーヴィング・アレン・プロダクション
カラー映画(139分)
スタッフ○監督・脚本:ケン=ヒューズ○撮影:ジェフリー=アンスワース○美術:ハーバート=ウェストブルック○音楽:フランク=コーデル○製作:アーヴィング=アレン
キャストリチャード=ハリス(クロムウェル)、アレック=ギネス(チャールズ1世)、ロバート=モーレイ(マンチェスター伯)、チャールズ=グレイ(エセックス卿)ほか 
ストーリー1640年代、国王チャールズ1世はカトリックを奉じて清教徒を弾圧、清教徒の一部はアメリカへと渡っていた。チャールズの圧政に対して立ち上がった清教徒のクロムウェルは、苦闘の末に国王軍を破り、ついにチャールズを処刑して共和制を実現する。クロムウェルは王ではなく護国卿となって理想政治を目指す。 
解説「清教徒革命」の指導者・クロムウェルの戦いを描いた作品。どうもクロムウェルを理想主義者として描こうとしたようなのだが…いまいち物語にメリハリがない。
メディアDVD発売:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

ある公爵夫人の生涯
"The Duchess"
2008年/イギリス
クワティ・フィルムズ
マグノリア・マエ・フィルムズ
カラー映画(110分)
スタッフ○監督:ソウル=デイブ○脚本:ソウル=ディブ/ジェフリー=ハッチャー/アナス=トーマス=イェンセン○撮影:ギュラ=パドス○音楽:レイチェル=ポートマン○原作:アナンダ=フォアマン○製作:ガブリエル=ターナ/マイケル=クーン
キャストキーラ=ナイトレイ(ジョージアナ)、レイフ=ファインズ(デヴォンシャー公爵)、ドミニク=クーパー(チャールズ=グレイ)、ヘイリー=アトウェル(エリザベス)ほか
ストーリー18世紀後半のイギリス。スペンサー伯爵家の令嬢ジョージアナは17歳でデボンシャー公爵と結婚するが、待望の男子がなかなか生まれないことから夫との仲は険悪に。家庭内の憂さを晴らすかのように社交界や政治の世界で華やかに活動するジョージアナはやはり夫と仲の悪いエリザベスと友人になるが、そのエリザベスと夫が不倫関係になってしまう。ジョージアナはかねてから思いを寄せられていたチャールズ=グレイと関係をもち、その子をみごもってしまう。 
解説その奔放で華やかな生涯で知られる実在の女性の伝記映画で、その弟の子孫があのダイアナ妃だと聞くと、「昔からこんな調子なのか?」と思ってしまう内容。ほぼ史実通りらしいが映画の作りも宣伝も明らかにダイアナ妃を意識したものになっていて、原作者はおかんむりだったらしい。
メディアDVD/BD発売:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

ヴィクトリア女王
世紀の愛

"Young Victria"
2009年/イギリス・アメリカ
GKフィルムズ
カラー映画(104分)
スタッフ○監督:ジャン=マルク=ヴァレ○脚本:ジュリアン=フェロウズ○撮影:ハーゲン=ボクダンスキー○音楽:アイラン=エシュケリ○製作:マーティン=スコセッシ/グレアム=キング/ティム=ヘディントン/セーラ=ファーガソン
キャストエミリー=ブラント(ヴィクトリア女王)、ルパート=フレンド(アルバート)、ポール=ベタニー(メルバーン卿)、ミランダ=リチャードソン(ケント公爵夫人)、マーク=ストロング(コンロイ)、トーマス=クレッチマン(レオポルド1世)、ジム=ブロードベント(ウィリアム4世)ほか
ストーリー国王ウィリアム4世が病となり、姪のヴィクトリアが次期女王と目されると、周囲は彼女をめぐって暗闘を始めた。叔父のベルギー国王レオポルドはドイツにいる甥のアルバートをけしかけ、ヴィクトリアの心を射止めさせようとする。やがて女王に即位したヴィクトリアとアルバートは本気で恋に落ちて結婚するが、宮廷改革や政治的問題をめぐり次第に夫婦の心はすれ違ってゆく。そんな時、テロリストの銃弾がヴィクトリアを襲い…
解説大英帝国の最盛期といえる時代の女王と、その夫の夫婦愛を描いた王室内幕もの。
メディアDVD発売:ハピネット

QUEEN VICTORIA
至上の恋

"Mrs.Brown"
1997年/イギリス
BBC/エコッセ・フィルム
カラー映画(106分)
スタッフ○監督:ジョン=マッデン○脚本:ジェレミー=ブロック○撮影:グレート=リチャードレックス○音楽:スティーブン=オーベック○製作:サラ=カーティス○製作総指揮:ダグラス=レイ/アンドレア=コールダーウッド/レベッカ=イートン/ナイジェル=ウォール=グリーン
キャストジュディ=デンチ(ヴィクトリア女王)、ビリー=コノリー(ブラウン)、アントニー=シャー(ディズレーリ)、デビッド=ウェストヘッド(エドワード太子)ほか
ストーリー夫アルバート公に先立たれた大英帝国ヴィクトリア女王は悲しみにくれ、スコットランドにひきこもって喪に服す暮らしを送っていた。心配した周囲はアルバートに信頼された馬丁ブラウンを呼び寄せる。がさつでずけずけした物言いのブラウンにヴィクトリアは初め反感を覚えるが、次第にその純粋な忠誠心に心を開いて行く。ところが今度はヴィクトリアとブラウンが「男女の仲」なのではないかとの噂が広がり、王室や政界を巻き込む騒ぎになってゆく。
解説原題「ミセス・ブラウン」は実際に当時その噂のためにヴィクトリア女王に捧げられたあだ名であり、内容も大筋で史実にのっとっている。ジュディ=デンチはエリザベス1世に続くイギリス女王役となった。
メディア松竹ホームビデオよりVHSが発売されているが、DVD以降はソフト化されてない模様。

英国王のスピーチ
"The King's Speech"
2010年/イギリス・オーストラリア
シー・ソウ・フィルムズ
ベッドラム・プロダクションズ
カラー映画(118分)
スタッフ○監督:トム=フーパー○脚本:デヴィッド=サイドラー○撮影:ダニー=コーエン○音楽:アレクサンドル=デプラ○製作:イアン=キャニング/エミール=シャーマン/ガレスアンウィン
キャストコリン=ファース(ジョージ6世)、ジェフリー=ラッシュ(ライオネル=ローグ)、ヘレナ=ボナム=カーター(エリザベス妃)、ガイ=ピアーズ(エドワード8世)、イブ=ベスト(シンプソン夫人)、ティモシー=スポール(チャーチル)、マイケル=ガンボン(ジョージ5世)ほか 
ストーリーイギリス国王ジョージ5世の次男ヨーク公アルバートは吃音症で演説の場になるとどもってしまう。妃エリザベスはひそかに治療できる人物を探し、ようやくオーストラリア人のローグを見つけ、アルバートにお忍びで治療させる。やがてジョージ5世が亡くなりエドワード8世が跡を継いだが、彼がシンプソン夫人と結婚するべく王位を捨てたためアルバートがジョージ6世としてイギリス国王に即位する。間もなく第二次世界大戦が勃発、ジョージ6世は国民を鼓舞するためラジオ演説に臨む。 
解説劇的な成り行きで王位を継いだジョージ6世と言語療法士の不思議な友情を描く一本で、その年の米アカデミー賞を総なめにした。以前からあった企画だそうだが、2002年にエリザベス皇太后が亡くなるまで製作が許可されなかった経緯がある。ジョージ6世は現女王エリザベス2世の父親で、少女時代の当人も劇中に登場する。
メディアDVD発売:ハピネット

マーガレット・サッチャー
鉄の女の涙

"The Iron Lady"
2012年/イギリス
パテ/フィルム4
UKフィルム・カウンシル
カラー映画(105分)
スタッフ○監督:フィリダ=ロイド○脚本:アビ=モーガン○撮影:エリオット=デイヴィス○音楽:トーマス=ニューマン○製作:ダミアン=ジョーンズ○製作総指揮:フランソワ=イヴェルネル/アダム=キューリック/キャメロン=マクラッケン/テッサロス
キャストメリル=ストリープ(マーガレット=サッチャー)、アレクサンドラ=ローチ(マーガレット若年期)、ジム=ブロードベント(デニス=サッチャー)、ハリー=ロイド(デニス若年期)、オリヴィア=コールマン(キャロル)ほか
ストーリーすでに政界を引退し、夫にも先立たれ、認知症により恍惚の世界に入った元首相マーガレット=サッチャーは、夫の幻影と以前のように共に暮らし、対話して自身の人生を回想してゆく。雑貨店の娘として育ったマーガレットは地味で生真面目な性格だったが政界に進み、デニスと結婚して妻および母であると同時に保守政治家として頭角を現し、イギリス初の女性首相に就任する。その政策は野党や国民の猛反発を受けたが、フォークランド紛争での強硬策が成功し、「鉄の女」の異名で称えられることとなる。  
解説下の「クイーン」同様、本人が生きているうちに作っちゃった伝記映画(こちらは当人は認知できないだろうけど)。「認知症」という設定を生かして現実と幻想がないまぜになる描写は映画ならではで、やはりフォークランド紛争のくだりがかなりのウェイトを占める(そもそも紛争30周年企画でもある)。主演のメリル=ストリープは当人になりきって米アカデミー主演女優賞を獲得した。
メディアDVD発売:ハピネット

クィーン
"The Queen"
2006年/イギリス・フランス・イタリア
グラナダ・プロダクション

カラー映画(104分)
スタッフ○監督:スティーブン=フリアーズ○脚本:ピーター=モーガン○撮影:アフォンソ=ビアト○音楽:アレクサンドル=デプラ○製作:アンディ=ハリース/クリスティーン=ランガン/トレイシー=シーウォード○製作総指揮:フランソワ=イヴェルネル/キャメロン=マクラッケン/スコット=ルーディン
キャストヘレン=ミレン(エリザベス2世)、マイケル=シーン(トニー=ブレア)、アレックス=ジェニングス(チェールズ皇太子)、シルヴィア=シムズ(エリザベス皇太后)、ジェームズ=クロムウェル(エディンバラ公)、ヘレン=マックロリー(シェリー=ブレア)ほか
ストーリー1997年、労働党の若き党首トニー=ブレアがイギリス新首相に決まり、エリザベス女王は世代ギャップを感じながら彼を首相に任命する。その直後に元太子妃ダイアナがパリで事故死し、ブレア首相は彼女を「国民のプリンセス」と表現して国民の大きな支持を受けるが、女王はダイアナはあくまで「元妃の民間人」という立場で冷静に臨み、ダイアナの死に興奮する国民・マスコミは王室に非難の声を上げる。王室の伝統と国民の声との間で揺れる女王はブレア首相と共に難局の打開を目指す。 
解説ダイアナ事故死から十年も経たず、登場人物の大半が存命という状態で製作された、かなり生々しい「歴史映画」。ヘレン=ミレンのエリザベス2世役はまさになりきり状態で圧巻(彼女はドラマで「1世」も演じている)。あまりに最近の話だけにどこまで「史実」なのか気になるところもあるが、イギリス王室およびイギリス政治の内幕を垣間見られるところが興味深い。
メディアDVD発売:エイベックス・マーケティング


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