ある夏の日

冷蔵庫がない我が家・・
暑い夏は、キャンデー屋さんが
自転車で、チリン、チリンと鈴を鳴らしながら
やってきていた。私たち子供は、
母から5円玉を持らって家から道路まで
走って行き、アイスキャンデーを買って、
少しの涼しさを味わっていた。

スイカなどの果物は形の悪いものを安く
分けてもらい、冷たく冷やして食べていた。
もちろん冷蔵庫なんてないから、家の裏に
小さな地下水が出る井戸(池)があった。
そこに放り込んで・・数時間後取りに行き
冷たくなったスイカやトマト、ウリ等、食べていた。

子供である私たち兄妹は、
毎日外にタライを持ち出して、水を井戸から
バケツに汲んで、タライまで何度か往復して運び、
一杯になったタライに浸かり遊んでいた。

兄妹4人も入れないのに・・先を争って入っていた。
いつも入れず泣いていたのは、
末の妹と、私・・やっぱり男の子には勝てない!

もちろんクーラーもないので、お昼寝時間に
なると、母が扇風機を回し、私が寝ている側で
団扇で扇いでくれていた。その心地よい母からの
団扇の風と、風鈴の音を聞きながら私は
安心と、母が傍にいてくれる安心で、寝入っていた。

夜になると、蚊帳を張って寝ていた・・
電気を消して部屋を暗くすると、
蛍が家の中へ入ってきた。

昔は世の中物騒なことは無く、窓も玄関も放たれて
外の風を入れながら寝ていた。
なんと気持ち良かったことか・・・・・

その蛍を私たちは蚊帳の中に入れて光を楽しんでいた。
でも・・朝になると 蛍はどこかへ消えていた。

夏休みの間勉強そっちのけで、近くの川へ遊びに行っていた。
私は泳げないので、ただ 浸かって遊ぶだけ。
それでも川の水遊びは最高だった。

学校での思い出