高校進学(たったの一年間)

中学時代の初恋もいつのまにか薄れて、新たに
高校生活が待っていた。

高校は商業科に入り、簿記関係を勉強、
ここは私の得意な分野で 一年間で
珠算二級・簿記三級・実務一級までを習得した。
そのおかげは 遊びの中でもいつも
算盤を持っていたこと、暇さえあれば誰でも捕まえて
読み上げをやってもらったこと、ラジオの珠算の時間を
楽しみに待っていてやっていたことが一年間での
習得につながったのではないか・・と思っている。

おかげで、高校時代は友達も沢山出来て楽しかった。
クラスの成績もトップクラスで過ごすことが出来て
学校生活の中では
一番楽しかった時代のような気がする。
生活は相変わらず学校の帰りは夕飯の買い物をし、
母の手伝いをしていたけれど。

高校生活も二年生に進学するときがやってきた。
私はとうぜん二年生になって、銀行簿記まで行って・と
希望があったけれど。
ある日、父に呼ばれた。
「すまないけれど、学校を一年でやめて
 働いてくれないか」・・・との話 理由は
すぐ下の弟を高校にやる為、学費がかかり、家の家計に
負担がかかる為。
私は、黙っていたけれど、父はもう私の仕事先も
決めていたらしい。

自然的に二年進学は出来ずに・・三月から
その新しい仕事に就くことになった。

母はそんな私に何かをさせたい・・と思ったのか
「家の手伝い、ありがとう
なにか習い事をしていいよ洋裁でも習ったら?」
と夜間の洋裁学校に行くことを勧めてくれた。

四月から昼働いて、夜は洋裁学校へ通う毎日になった。
母も私が夕食の手伝いをしなくなり、
職場を早めの帰宅に変えてもらったらしい。

仕事から直接洋裁学校へ・・
自転車での通勤と通学になった。

後で知ったことだが、父がやめさせた理由は
我が家を新築する為の資金作りをしていたようだ。

初めての職場