職場での出来事

職場に行くのが楽しい毎日が続いてた。
事務の仕事の合間に、工場内に入ってパン生地を
丸める手伝いや、食パンを機械で切って袋詰め作業など

おやつの時間になると、お茶を構内に持って行き
おばちゃん、おじちゃん達とアツアツのパンをおやつに
一緒に食べていた。その美味しかったこと

事務の仕事は一日机の前・・ということはなかった
事務所の横が陳列ケースもあって
お客様がパンを買いに来られると出て行って
店員みたいなこともやっていた。
陳列ケースには製品にした時出来る切れ端など、
破格の値段で出されるので、けっこうお客様の出入りが
激しかった。
「ごめんください」の声のたびに出ていく。

ある時・・配達係の人が急に休んで人が足りない
社長から、今日は千代島さんの車に乗ってお得様回りを
してくれ」と言われた私は、嬉しかった。
前々から車に乗ってみたいと思っていたのだから
それも優しいおじさんでいつも優しく接してくれる
千代島さんと一緒なのだから、安心だ。

助手席に乗り、仕入伝票を渡された。下ろした先の
お店への数量と金額・・それと返品された数を
記入する仕事だった。
私はドライブ気分で出かけた。お昼は河原でお弁当を
広げて食べた。川のせせらぎを聞きながら・・・・
これが仕事の途中・・だとは。

ある時 事件が起きた。
朝配達に出かけたまま1台の車が夕方になっても
戻ってこないのだ。どうしたんだろう
事務である私は仕事場への帰宅時間を記入しなければ
家に帰れない。夜になっても帰ってこない
社長も奥さまも心配そうにしていた。

よる九時過ぎ・・車の音がした 帰ってきた!
訳を聞くと フッと 遠くまで行ってみたいと
ふらりと行ってしまったのだとか・・勤務時間帯に
そんな事をしでかした、その車の担当は
あの若い男性ともう一人の男性二人だった。

社長からはお咎めはなかったように思う。
無事に帰ってきたことに安どしたのだろう
事故の方をとっても心配していたから・・・・

私にとって初めての職場は快適なものだった
優しい人たちに囲まれて・・ある時は従業員で
宴会を計画したり小旅行を計画したり・・と
特に奥様からは娘のように可愛がってもらった。
「成人式には、着物をプレゼントするからね、一緒に
着物店に見に行きましょう」・・
とまで言って下さっていた。

私の怪我