母と子供の病気との付き合い

子供が三人になって、家庭はにぎやかになった。
けれども、弱い身体の私は、病気ばかり・・・

毎日病院通い・それも小さな村の病院は遠い遠い
他所の村まで行かなければならなかった。
経済的に苦しかった我が家は
何キロもある道のりを、母は 
わたしを背中におぶって、歩いて一日がかりで
病院へ行っていた。

ある時の病院での出来事、
お医者さんから 湯のみを渡された。
その中には、白いトロ~っとした
飲み物が入っていた。
これを「全部飲みなさい」と医者から言われて
なぜか立ったまま、飲んだけれど、飲み辛く
中々喉を通っていかなかった。

やっとで全部を飲み終えたら側で心配そうに、
見ていた母と看護婦さんから
「えらいねよかったね」・・と
褒められたのを覚えている。
今思えば、あれがバリウムと言うものだったのか。

幾日か病院通いしていたある日の事、

病院へ向かう途中?だったかと思うけれど、
田舎では大きい長い長い欄干のない橋の上を
歩いていた母が突然!
背中のわたしを、押し上げるようにして、
「ここから川に入ろうか?」と母が言った。
わたしは、母の背中から見た、
遙か下の方を勢いよく流れている水を見て、
「こわいよう」・・と言った事を覚えている。
ず~っと後で母から聞いた・・
「あの時は本気だった、あんたの怖いようの声で
 思いとどまった」・・と。
私とともに、死ぬ気だったのだ。

三番目の弟もその頃?病気した記憶がある。
やはり病院は隣村まで行っていた。
わたしは通院で済んだみたいだけれど、
弟の病名は覚えていないけれど、大変な病気で
入院した。わたし達家族は毎日、
弟が入院している病院まで歩いて行ってた。

その頃母の母つまり、おばあちゃんの親戚の
おじいちゃんから、鯉の生き血がいいぞ・・と
聞かされて、・・そしてそのおじいちゃんが
生き血を持ってきてくれて、弟に飲ませて
それで命が助かった・・とも聞いている。

子供たちの病気が一段落?した頃?
末っ子の妹が誕生する。


末っ子が生まれる間の出来事





         妹誕生・・・