もうひとつのカタナプロジェクト



1.プロローグ(2004.4.6初稿)

 2003年初夏の頃より、行きつけのバイク屋のレース参戦のお手伝いをすることになりました。戦う舞台は鈴鹿サーキットの東コースや南コースで開催される「FUN&RUN!2-Wheels」や「ワンデーヒーローズ」です。
 最初の頃はトランスポーターやケータリング等の雑用係のつもりだったのですが、やがてMFJのピットクルーライセンスまで取得するほど入れ込んでしまいました。

 さて、そんな2003年シーズンも終わり、いよいよ今シーズンの幕開けを迎えそうな2月下旬だったか3月上旬の頃、チーム員(ライダー)から一本の電話が入りました。

 私のカタナはなにしろフルノーマル。サーキットを走らせることはできるでしょうが、レースに出場する、というスタンスからすると他のエントラントに対して失礼なことにもなりかねません。
 私の会社の後輩が、私のカタナより戦闘力の高そうなバイクを寝かせているのを思い出しました。で、早速「レースに出たいで、バイク貸してくれ。」と頼んだところ、二つ返事で「好きに使ってくれていいよ。」と、ありがたいお言葉。

 それが今回の主役となる「GSX750S-3」なのでした。(1型と戦闘力あんまり変わらんやんか、というツッコミは、なしで)

 バイク屋へこのカタナを持ち込んではみたものの、ちょっと大きな問題に当たってしまいました。
 今回出場する「NK1リミックス」というクラスは、基本的には空冷アップハンドルのバイクが対象となっています。例外的に新車時からセパレートハンドルが装着されている場合に限り、その取り付け位置や角度を変えなければOKとなっています。また、空冷アップハンドルならどんなバイクでも出られるかというと、そうではなく、主催者が認める車両に限られています。公認された車両のリストを見ていくと、CB1300やXJR1300といった「最近の」大排気量車両までOKとなっています。カタナはというと、「GSX1100S」「GSX750S」と記述があるのみで、バイク屋の社長曰く「普通750Sと書けば1型2型のことで、3型はこの中に入っていないかもしれない。主催者に確認する必要がある。」とのこと。
 せっかく準備したバイクが出られないんじゃ話にもなりません。確認できるまで全ての作業を行わないことにしました。

 で、数日後、「大丈夫でした。」

 いよいよプロジェクト発動です。しかし、あまり時間が残されていません。車両はレースに間に合うのだろうか。







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