過去の雑記 03年 3月

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3月21日
自分のあまりにも情けない振る舞いを指摘され暗然たる思いに囚われたので、一度自分の原点を見つめなおすため名古屋へ。「登山」に来ている水牧夫妻を囲む飲み会に参加する。水牧先生は水牧先生のままでありながら、ちゃんと社会人をやっている様子。ふらふらと身の定まるところのない己が状況を省みて、見習わねばとの思いを新たにする。DVDの購入枚数は見習わなくてもよさげだが。

参加者に「山」疲れがあったか、宴席は早くにおひらきとなった。しかたがないのでとっとと帰って、部屋に置いたままだった『ドリトル先生航海記』などを読む。しまった、航海記はそれほど好きではないのだった。なんと言ってもチープサイドとおかみさんがろくに出てこないのが痛い。次の機会には動物園か郵便局を読もう。

さらに『蒼天航路』を読み返したり。やはり、あれだな。このまんがは勢いだけだな。

3月22日
彼岸だし、墓参りをしてから帰ろうと思っていたのだが、小雨そぼ降る天気に負けて、名駅直行後、そのまま柏へ帰る。大丈夫、父さんはわかってくれるさ。

帰宅後、先日買い損ねたまんがを買い込んで読む。

雷句誠『金色のガッシュ!!』9巻(少年サンデーコミックス)。カマキリジョー編など。石板編へのインターミッション。変なノリなりに安定してきてしまったような。カマキリジョー編の異常さがあればまだまだ大丈夫と信じたい。

王欣太『蒼天航路』27巻(モーニングKC)。馬超編突入。賈文和の愛すべきキャラクターっぷりにメロメロだ。

3月23日
今日もまた暇をみつけてまんがを消化。

長田裕幸『歯車競走』(九龍COMICS)。勢いあふれる疾走感が魅力、長田裕幸の短篇集。サバイバルゲーム用のモデルガンとヤクザの鉄砲玉の銃が入れ替わる「GLOCK」が緊張感に満ちていて良かった。連作「JACK」「JACK JACK」「JACK JACK JACK」は最後のシーケンスまでは速度があって良いのだが、その流れがラストでつまずく。惜しい。

諸星大二郎『私家版鳥類図譜』(KCDX MORNING)。鳥にまつわるSF/幻想/神話短篇6題。第1「鳥を売る人」と第4「塔に飛ぶ鳥」は、共に閉塞した環境と鳥を対比しているがラストの味は大きく異なる。爽快感のある「売る人」も良いが、好みはやりきれなさの残る「塔に飛ぶ」の方。子供たちの日常的冒険「鳥を見た」、古代日本を舞台とした「本牟智和気」など秀作も多い中、やはりのベストは「鵬の墜落」。鵬の飛翔に女{女咼}の天地修復という壮大な事件が、鳥たちの微笑ましくせせこましい会話の中に描かれる。このユーモア感覚は諸星大二郎独特。

先日、ジュンク堂で買った夢路行の同人誌も3冊ほど。猫が部屋に紛れ込んできた始祖鳥を狩る「重吉」、雷に盗られたタオルケット「空の水」が良かった。

3月24日
流行っているようなので色占いをやってみた。どうやら心の色は黄色、「正直者は救われる」タイプらしい。

しかし、「優柔不断」「周りの雰囲気に流されやすい」「不満を自分の中に溜め込んでしまう」はともかく、「正直者」だの「行動力がある」だのは誰も認めてくれないような気が。「あなたの心の数値レベル」も恋愛積極性80 %だの現実逃避性10 %だのとうそ臭いことを書いているしなあ。だいたい「適している職種」で「芸術家」と「サラリーマン」と「ひも」が並ぶってのはありなのか。ま、「あなたは多くの仲間を持っていますが」の時点で信じるには足らないだろう。

などと斜め上から見下ろして眺めていたらいきなり足もとをすくわれた。「1つの恋愛が終わってしまうとその恋愛を引きずってしまうことがあります。新しい恋愛が始まるまで、その悲しみは拭えないでしょう」。……悪かったな、そうだよ。

3月25日
後追いをすることにしたほしのふうたや掘骨砕三などを多少。

掘骨砕三『下水街』(SANWA COMICS)。絵柄がいまとまったく違うんで驚いた。地下に広がる下水道の中の街。そこに生きる人だったり人じゃなかったりなんだかわからなかったりする者たちの生と性というか主に性。人面芋虫身の少年と一部人間を使った機械人形のセックスなど、どこに幻想を抱いたもんだかな話がてんこもり。性的ファンタジーの広がりは、広大だ。あー、けっこうイケます。

3月26日
3週間ぶりに定時上がり。念願のCoCo壱カレーを食うため、高田馬場へ。ついでに芳林堂に寄って、BOOK OFFに寄って、新宿書店に寄って、まんがの森に寄って、もう一度芳林堂に寄って。あれ?この紙袋の束はなんだろう。

というわけで油断するうちに、A5サイズ11冊、B6サイズ10冊のコミックと、画集1冊、文庫4冊、新書1冊、単行本1冊、計28冊、都合で2まん5せんえん。しばらく、ここまでの無駄遣いはしてなかったのに。小人閑居して不善をなす。人間、暇があるときと忙しすぎるときはろくなことをしない。適度に忙しいのが一番だ。Web日記も書かずに済むし。

買ったものを列記しようかと思ったが、無意味に大量なのでやめにして。竹本泉『ばばろあえほん』(朝日ソノラマ Izumi Takemoto Dashinaoshi)は驚いたことに未読だった。単行本は全部読んでいると思っていたんだがなあ。おや、過去の記録によると読んだことになっているなあ。まったく記憶にないんだが。不思議だ。

芦名野ひとし『ヨコハマ買い出し紀行 芦名野ひとし画集』(講談社)は初回限定のクラフトプレーン付き。こういう場所をとらないおまけなら、あっても苦にならないな。

まんがの森についた時点でリミッターが外れていたのは失敗。岡崎二郎だの、沖一だの、諸星大二郎だのいまさらまとめ買いしてどうするつもりなのか。> おれ
いつかは読むと信じたい。

バリー・ヒューガート『霊玉伝』(ハヤカワ文庫FT)読了。十牛はめでたく李老師の弟子になったようで。脇はやや弱い(そら、蓮雲に勝つのは難しい)が、メインキャラの魅力は前巻そのまま。前以上の気軽さで、軽快な謎解き中華ファンタジーを楽しめる。前巻を気にいった人は当然必読。正しく読みきりシリーズの2巻でした。

3月27日
メモが残っていたから、おそらく細木さん(8)と飲みに行ったのだろう。他のメンバーがいた様子はないから、たぶん上野の酒菜やか、焼肉屋のどちらかだと思う。時期的に考えると、酒菜やで鳴門鯛の霧造り生を呑んだというところではなかろうか。ストレートで飲むとちゃんと日本酒の味がすることを発見したのは、この時期だったかなあ。

小野敏洋『ネコの王』1-3巻(小学館サンデーGXコミックス)。現代にそっくりと見せかけて、魔法が存在しネコが喋る世界。ネコの王に選ばれたひねくれ者の少年が、さまざまな事件を通して成長していく。裸がナチュラルに大量投入されてはいるが、物語は王道の成長物。悲劇も、勇気も、決意もきちんと描く正統派の物語なので、肌色乱舞に躊躇う人にも是非読んで欲しい。いやほんと。肌色のせいで読者層を狭めているとすると非常にもったいないのだが、作者が作者なのでしかたないのだろう。肌色の価値も、成長譚の価値も、小野敏洋の中ではきっと同等。

3月28日
ペナントレース開始。横浜は阪神相手にまずは1勝。吉見がまがりなりにもなんとか抑え、ウッズが本塁打を打ち、ホワイトサイドがラストを締めくくる。横浜的には文句のない展開。昨年の不調から心配された石井琢朗も2安打と好成績。今年はなんとかなりそうだ。なるかもしれない。なるといいな。なってくれ。頼む。

諸星大二郎『栞と紙魚子 殺戮詩集』『栞と紙魚子と夜の魚』(朝日ソノラマ)。コミカルホラーシリーズの3,4巻をいまさら。菱田きとら先生がいまひとつ気にいらなかったので手を出しかねていたのだが、読んでみて正解。『殺戮詩集』のメインは、きとらが出て来るコメディではなく、頚山城の長姫を巡る連作ホラーなのですね。まんま妖怪ハンターというのり。って、自分でパロディしてるし。諸星伝奇のファンには大変嬉しい展開だった。『夜の魚』のほうは出来の良い奇譚集。探す本がすべて見つかるという「古本地獄屋敷」が秀逸。良い読書でした。

3月29日
『第二次スーパーロボット大戦α』をプレイ開始。前作をプレイしていないのでいまひとつストーリーがわからないところもあるが概ね問題なく楽しめる。SRW3、4を基準にすると、ちょいと楽すぎるかな。とりあえず、クリアまで廃人のように過ごそうと思う。

ところで。Web上でこのゲームを扱っているサイトを見ると、どれも乳揺れにしか言及していないのが気になる(どれもは言いすぎ)。そんなに2次元キャラの乳揺れが見たいのか。乳揺れったってこれだろ?(プレイしている)ああ、これはいいものかもしんない。

現実の女性はもっと小さいほうが好みだけど、ゲームならこれくらいというのもいいやね。< 駄目野郎

3月30日
『第二次スーパーロボット大戦α』に未練はあったが、そればかりやっていては駄目になる、というわけで上野のマヤ文明展を見物に出かける。大正解。それはもう、諸星大二郎か、巻来功士か、伝奇物にしか出てこないような石像だの首飾りだのがてんこもり。ここにあるものだけで、ストーリーが一本作れそうな感じだ。眼鏡をかけた異形の初代王に、「赤の王妃」だもんなあ。同行者との間でマヤ伝奇創作が一大ブームになったのもせん無きことだろう。

マヤ文明を堪能した後は、ビール片手に上野公園で花見。少し肌寒かったが、階段に適当に座って見る花は、なかなか乙なものだった。

3月31日
開幕カードは横浜・阪神3連戦は、緒戦で井川を打ち崩したものの、2戦目伊良部に躓き結局1勝2敗。予想通りというか、期待通りの結果に終わった。まあ、いいさ。そうそう上手く行くとは思っていない。優勝候補の阪神相手に1勝2敗なら御の字というもの。このまま、5割をめどに戦っていければ今年としては十分だ。勝負は再来年。その時のために、若手が正しく力を付けてくれることを祈るばかり。
#などと夢を抱いてたんだよなあ、このころは。はあ(10月26日記)。

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