京王笹塚駅から中野通りと水道道路の交差点まで歩き、水道道路沿いに新宿方面へ向かうと、右手に明るい照明の「鍋KOYA家」が見える。店のつくりは屋台風でカウンターの上段には夜になると大皿料理が40種類近くも並ぶ。
この店の餃子は大別して2種類ある。上海風の水餃子・焼き餃子と、香港風の蒸し餃子である。蒸し餃子は種類が4種類あり、うち3種類が浮き粉の皮(澄明皮)でくるまれており色どりがいい。水餃子・焼き餃子の方はうって変わって皮が非常に食べごたえがあり一つ一つがかなり大きい。また、焼き餃子をフライパンで焼いたままだしてくるのも特徴の一つだ。焼き餃子・水餃子とも食べがいのある皮に包まれたあんの汁が、一口食べる毎にしたたってうまい。また鍋家では餃子につける特製だれとしてラー油と醤油ベースのたれを用意している。これは通常のたれでは鍋家の焼き餃子に負けてしまうので用意したのだということである。
鍋KOYA家は現在3店舗存在する。前述した笹塚駅より徒歩5分の「幡ヶ谷店」、同じく京王線幡ヶ谷駅より徒歩10分の「6号坂下店」、地下鉄丸の内線南阿佐ヶ谷駅から徒歩3分のところにある「阿佐ヶ谷店」の3店舗である。「幡ヶ谷店」は3店舗の中でも一番店舗の面積が広く、休前日の夜ともなると深夜まで客足がとだえない。「阿佐ヶ谷店」も「幡ヶ谷店」の規模を少し小さくした感じではあるがやはり客足がとだえない。「6号坂下店」は少し変わっていて、1階は点心や各種料理を小分けにして売っている総菜店、1階奥には仕込みを行う工場(工場?)、そして地下に料理を食べることができる食堂がある。
過日、「6号通り店」にてオーナーさんに直接取材をさせていただいた。
鍋家の餃子は比較的オーソドックスな餃子を出しているとのこと。日本でいういわゆる「餃子」はもはや中国料理ではなく日本料理の一部になっているため、餃子の原形に戻りにんにくをいれない上海タイプの餃子を作成しているとのことであった。上海では餃子は水餃子がメインであり、御飯がわりなので皮も厚めに作られているそうである。また、水餃子と焼き餃子とでは皮の製法が異なる。水餃子の皮は強力粉をお湯で練り、焼き餃子の皮は水で練るのだそうだ。そうすることで、焼餃子の皮はこしが強く歯ごたえがあがり、水餃子の皮はこしをつよくしないようにして食べやすくするそうである。
餃子の出荷数をオーナーさんにお聞きしたところ、やはり焼き餃子が一番でるそうで1ヶ月に1万5千個でるそうである。水餃子と比べても4〜5倍は焼き餃子の方がでる。また水餃子は「6号坂下店」では冬に持ち帰りで沢山でるそうだ。なんでも鍋の具等につかうのである。この食べ方こそ本来の水餃子の食べ方にほかならないのではなかろうか。(1999.06.26.)
定休日 なし
営業時間 昼 AM11:00〜PM2:30
夜 PM 5:00〜AM 4:30(幡ヶ谷店はAM3:00/6号坂下店はAM 0:00まで)
幡ヶ谷店 東京都渋谷区幡ヶ谷2-56-3 電話 03-3370-3818
阿佐ヶ谷店 東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-16-11 電話 03-3316-5156
6号坂下店 東京都渋谷区幡ヶ谷3-59-9 電話 03-5352-1022
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