華パパ


味にさすらう旅人の店

2000年7月7日閉店
2000年6月24日(土)取材

 取材のきっかけはインターネット上の華パパのホームページと妹が買っていた雑誌「hanako」である。メールで事前確認をすると返事に「実は店を今度たたむことになったがそれでも取材するのか?」というお返事を貰う。閉店は残念だが、ではなおのこと閉店する前に自慢の餃子を食べて記録に残しておこうじゃないか、と思い取材することとなった。

 いざ、店に入ると時間帯のせいもあってか客はおろかご主人までいない。しばらくまってみたが返事も何もないみたいなので、携帯電話で電話してみると、奥からご主人がでてきた。奥でうたたねをしてしまっていたとのこと。  注文した品は3品。華の焼餃子、青春水餃子、それにスープ餃子である。人生焼餃子は一旦茹でた水餃子をさましてから焼くものなので時間がかかるとのことで今回は注文できなかった。

 ご主人曰く「焼餃子はビールのつまみだ」そうで、焼餃子は皮がぱりっと焼けてあんが程よく辛みの効いたものであった。あんは野菜系で一味唐辛子が入っているそうだ。また、2〜3個に1個はえびが入っているらしい。全部に入れられないのはコストの関係だとか。皮は市販の物をたくさん試してこれは!と思った物を使用しているそうで、メーカー名は「極秘」だそうだ。

 水餃子はその場でのばした皮にあんをつつむ。鍋で茹であがったところを中国黒酢と甘露醤油をあわせたたれで食べる。中国黒酢は前にも餃子喰人さんのところで頂いたが、甘露醤油と合わせるたれは初めてで新鮮だ。「水餃子は日本酒の仕上げ」と言っているそうで、脇で菊姫を飲んでイイ感じになっていた旦那にぴったりであった。  最後にスープ餃子であるが、ぱっと見ると「豚汁」の中にぽっかり水餃子が浮いている感じである。豚汁好きの筆者としてはかなり興奮ものであった。いれてある餃子は先ほどの水餃子と同じ物なのだろうが、皮の外側は豚汁の芳醇な味噌の香りでくるまれ、そしてひとくちかじると中から水餃子の生姜が効いたあんと肉汁がしたたる様は絶品である。これはかなりおすすめである。

 他にも店のご主人から色々な話を伺った。例えば華パパはhanakoとるるぶの取材を受けたそうだが、hanakoの客は雑誌に載った1週間の後にどっと来て怒濤のように去っていくそうだ(汗)。逆にるるぶで知った客は1年間の間にぽつりぽつりと来てくれるそうで、息が長いらしい。これは雑誌の形態(週刊誌と年刊の観光雑誌)の差によるものが多いそうだが、あまりいい話ではないかもしれない。

 調味料の話も伺った。坂ノ下にある三角酒店は色々な珍しい調味料とオリジナルの調味料を扱っていて興味深いそうだ。先ほど出てきた甘露醤油等もほぼその店から仕入れているそうである。

 帰りに華パパで教わった調味料店により「薬膳ソース」なるものを購入した。フライ専用ソースとのことである。家に帰ると丁度今日の夕御飯が自家製コロッケであったので早速試食。確かにすっと浸みるソースはなかなかおいしいものがあった。以来我が家ではときおり薬膳ソースをつかってカツを食べている。

 華パパのホームページは今では閉鎖されているが、閉店直後に「ポルトガルに修行してきます」というメッセージがあったそうな。うーん、、、帰国してきたら連絡を求む。

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