白山市立松任博物館

     所在地     石川県白山市西新町168−1
     入館料     200円
     休館日     毎週水曜日(但し祝日の場合は翌日)、年末年始
     交通手段    JR北陸線松任駅から徒歩3分
     TEL     076-275-8922
     備考      

この博物館の展示内容は、郷土の歴史、郷土の先達、郷土の民俗・・・。
と書くと、よくある地方の博物館と同じに思えてしまう。確かにその通りなのだが、ここの博物館は”郷土”をかなり絞り込んでいるからか、ずいぶんと新鮮に感じる。たとえば、歴史。 他の博物館同様、縄文から始まるのだが、欲張らずに地元を中心に展示/解説してある。そして、古墳/律令と時代を追うが、やはり地元が展示の中心である。一部の博物館に見られるように、妙に背伸びしたところがないから、他の地方から来た人にも受け入れやすいだろう。そして、一向一揆。石川の歴史での大きな出来事であるから、これはさすがに範囲を広げてある。しかし、あくまでも松任の関連する人物などが中心の展示である。ここまで徹底できるのも、この地方が昔から人が住み、歴史に関わってきたことの証だろう。
近代に入り、交通が重要になる。ここで、いきなり足下にJRの特急、”サンダーバード”の模型が展示されているのが目に付く。そう、ここにはJRの松任工場がある。北陸の鉄道交通を支える大切な場所でもあるのだ。

さて、郷土の先達では、加賀の千代女の展示もある。彼女は、松任に生まれた俳人であり、”朝顔に・・・ ”の句はあまりにも有名である。そんな彼女に関連する品々が展示されている。

次は民俗。農業、農機具が中心であるが、農業に欠かせない用水の展示も注目したい。この場所は、手取川の扇状地である。農業用水なども当然、手取川から引かれている。その用水の流れも分かりやすく展示されている。流れだけでなく、関連施設の写真などもあり、つい見に行きたくなったりする。

民間信仰では、獅子舞が中心となる。獅子舞は全国にあるが、その地方により形式はずいぶんと異なる。また、地方の中でも違いがでてくる。そんな獅子舞の形式の違いも解説されている。もちろん、獅子頭や祭りの衣装なども展示されている。

さて、最後になったが、この博物館の一番の目玉は刀剣作家、隅谷正峯氏の展示だろう。隅谷氏は、刀鍛冶として人間国宝にまでなった人である。その作品のほか、制作の過程やその様子などが展示されている。ここも見逃せない。

 

最終訪問日 1999年11月6日

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