ミュゼふくおかカメラ館

 

     所在地     富山県高岡市福岡町福岡新559
     入館料     300円
     休館日     毎週月曜日、祝日翌日、年末年始
     交通手段    あいの風とやま鉄道 福岡駅から徒歩5分
                能越自動車道福岡ICから5分、国道8号線末広町交差点から北へ
     TEL     0766-64-0550
     備考      

カメラに対する暖かさ、そんな心を感じさせる博物館であった。
ミュゼふくおかカメラ館は、カメラと写真の博物館である。外観は金属の屋根と剥き出しのコンクリート。無機質な感じの素材ではありながらどこか優しさを感じながら中に入る。中もコンクリート剥き出し。しかし、窓からの優しい光があふれている。

さて、1階はカメラの展示である。カメラの構造、歴史などがパネルで展示されている。また、カメラを惜しげもなく分解し、内部構造を機能的に説明する展示もある。カメラといえば精密機械の代表のように言われているが、これがまさに実感できる展示である。また、パネルのみの展示ではあるが、カメラの説明もなかなか面白い。からくりで有名な大野弁吉氏。氏もカメラに取り組んだ先人の一人である。このあたりがきちんと書かれているのも石川県に住む私としてはうれしくなる。
続いてカメラの展示となる。意外なことに、展示は非常にゆったりしている。広い展示室の中央に陳列台があり、適度な間隔を置いてカメラが並べられている。カメラ店の展示みたいな狭い感じは全くなく、美術館で工芸品を眺めているような感覚になる。これもカメラ1台1台をじっくり眺め手もらうための工夫だそうだ。おかげでカメラの移り変わりや特徴が捉えやすい。展示されるのは収蔵品のごく一部であるから、カメラ好きな私としては何度も訪ねなければ、と感じてしまう。カメラの移り変わりを見ていると時代によってずいぶん違う物と思う。機構的な違いはもちろんあるのだが、それ以上にデザインの移り変わりも大きい。中には、私が子供の頃に家で使っていたカメラもあった。古い友人にあったような懐かしさとうれしさも感じた。
2階へはスロープで行く。このスロープ、庭に突き出すように作られ、ガラス張りになっている。が、明るすぎず光にあふれているようなスロープになっている。訪問時、ここには多数の写真が展示されていた。剥き出しのコンクリートに直接写真を貼ったような、そんな感じだったが、かえって写真が生き生きしているようにも感じられた。
2階の企画展示室では、いくつかのカメラを操作することが出来た。中では一番新しい一眼レフでも20年以上前のもの。他に距離形式レンジファインダー、2眼レフなどがあり、操作する事が出来る。私も初めて2眼レフをさわってみて意外なほど操作しやすいのの驚いた。古いカメラ故、動きがやや悪くなっていたりするが、これは仕方ないか。それ以上に、機械的な機構を手に感じることが出来ること、これが古いカメラの良さだろうか。

この建物、無機質ながらもどこか優しさを感じる、と冒頭で書いた。これはまさにカメラのことではないか。カメラは金属やプラスチックにガラス。他の機械となんら変わることがないにもか変わらず、もっとも愛着を感じる道具の一つである。その無機質なガラスを通して人の、家族の思い出を大切にしてくれる。それがカメラである。壊れてしまったとき、もっとも悲しく思う道具。それもカメラである。そんなカメラを再認識してくれる。まさにカメラに対する暖かさを感じる博物館であった。

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