所在地     石川県金沢市出羽町3−1
     入館料     大人250円、大学生200円、高校生以下無料
     休館日     年末年始、資料の展示替え・整理の期間
     交通手段    JR北陸線金沢駅からバス、県庁前から徒歩5分/国立病院前から3分
             北陸高速金沢西ICから約30分(駐車場あり、また近くに有料駐車場有り)
     TEL     076-262-3236
     備考      

この博物館は、煉瓦造りである。雨の後などは、しっとりとして木々の緑にも映え、とても美しい。この建物、以前は旧陸軍の兵器庫で、後に金沢美術工芸大学として使用されていたものである。合計、3棟あり、明治42年から大正3年にかけて建てられた。まずはゆっくりと眺めながら玄関に向かいたい。

この博物館は館名のとおり、石川を中心とした歴史に関する展示が中心である。まずは、第1展示室へ。よくある歴史博物館と同様、縄文石器から始まる。でも、展示の中には現代人が作った石器も混じっている。これは、石器の作り方の研究として作成されたものである。石器はどのようにして作られたのか?  これも重要な問題であり、そのためにも実際に作ってみることは大切 なのである。こうして実際に作ってみると、石片の飛び散り方も分かる。住居のどの場所で作っていたか? これも分かるのである。
歴史展示は年代を追って弥生、古墳の時代へ。どこでも同じ・・・とつい軽く見てしまいがちだが、北陸を中心とした各地との関係も見ながらじっくり見よう。結構地域性がある。石棒などといった宗教性が感じられるものなども結構ある。ここには、古墳の石室の複製がある。平らな石を積み上げてあり、結構広い。副葬品がどんな風に並べられていたのか、思い浮かべてみるのも面白い。次は渡来文化。このころの文化のなかには、朝鮮を経て入ってきたものが多い。これらは、当然船で入る。九州、山陰、そして北陸へと船で入ってきた。これらの地域での交流も盛んに行われ、日本海文化圏を形成していたという。1300年前のことである。 朝鮮から九州を目指した船。中には潮や風に流されるものも少なくない。そうすると山陰に流れ、更に流されると能登半島に引っかかる・・・。北陸にも結構な船が渡来したそうだ。
中世では、やはり浄土真宗関係の展示だろう。一向一揆として1国を支配するまでになったことは見逃せない。しかし、これも全国統一を狙う織田氏の前に命脈を絶たれてしまう。この最後の戦いもパネルの電飾とテープにより分かりやすく、臨場感を持って学ぶことが出来る。そして、近世ではやはり加賀藩関連の展示だろう。加賀100万石の時代である。展示は農政関連を重視しているが、このほかにも参勤交代の行列の模型もあって人目を引いている。

ここで次の展示室へ。ここは、近世以降の展示であるが、この年代も比較的充実している。幕末から明治、そして第2次大戦まで。戦争に関する展示も結構多い。また、戦後の米軍演習場関連での闘争も目に付く。でも、文化面、とくに粟崎遊園の展示が目を引くことだろう。かって金沢市郊外に北陸の宝塚といわれる娯楽施設があった。それが粟崎遊園である。また、そこへ向かう電車、浅電のジオラマも面白い。なんだか懐かしさと暖かさを感じる展示である。

第3展示室へ移ると、雰囲気が一変する。これまでは細々した資料の展示が中心だったのだが、ここでは商家や船小屋の復元が中心となる。そして、祭りの展示でもある。
まずは船小屋。これは、漁師が浜辺に舟や漁具を入れておくために作ったものである。もちろん、中には漁具が並べてある。多分、普段の様子に近いのだろう。そして、舟には餅と酒が備えてある。漁師さんにとっては、命を守る大切な舟。祭りなどの日には、一番大切にしたのだろう。また、この奥には絵馬の展示もある。豊漁祈願の他、無事な生還を感謝する意味もあるという。
次は山。ここにも祭りの品が展示されている。自然の影響を受けやすい山のこと。山の恵みに感謝する雰囲気が素朴な祭壇の中にあふれている。
最後は商家。獅子頭の前には酒とお菓子が並び、比較的最近の雰囲気になる。でも、どことなく素朴さを感じ、なつかし感じがする。

では、次の棟に移ろう。入ったところには寄贈品の展示があり、その奥には歴史体験コーナーがある。中には畳が引いてあったり、昔の玩具があったりする。これらは、実際に遊んでみることも出来る。また、様々な体験も企画されている。

第3棟に入ると、これまた一変して産業の展示となる。入り口は、養蚕の工場になっている。正面には巨大な水車。そして、ここからベルトが伸び、蚕の糸を巻く女工さんの様子が再現されている。
では、第6展示室に入ろう。ここは、近世/近代の科学の展示である。兼六園から金沢城に水を引く、辰巳用水。これには逆サイホンが応用されている。そして、建設時の測量と土木、天文や測量の展示が並ぶ。ここでは、和算の展示に注目してみよう。この和算、現在の数学にも匹敵するものである。そして、得られた結果などは算額として奉納されていたりする。中には、測量によって地球の直径を求めたものもある。この時代に、すでにそこまで進んでいたのである。もちろん、西洋の影響を受けてのものもあるとは思うが、それでも目を見張るものがある。このほかには、写真機などについての展示もある。

第7展示室では、”江戸時代の暮らし”である。武家に関しては、一生を通しての通過儀礼が映像と模型で楽しめる。このほかには、農機具、食事についての展示もある。
最後の第8展示室では、下駄や仏壇、珠洲古陶、といった石川に関する細々した展示がある。いろいろと面白い物もあるのだが、見学者はもう疲れているのか、素通り気味に抜けてしまっているのが残念である。2度目の見学では、逆に回ることをおすすめしたい。

最終訪問日 1999年10月24日

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