立山カルデラ砂防博物館

 

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博物館                       砂防工事用トロッコ

所在地     富山県中新川郡立山町芦峅寺ブナ坂68
TEL       076-481-1160
入場料     400円
休館日     毎週月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日、年末年始
交通手段    富山地方鉄道立山駅から1分
         北陸高速立山ICから約40分
備考       http://www.tatecal.or.jp/index.html

 

 江戸時代後期の安政五年2月26日、大地震により大鳶山/小鳶山が崩壊した。
このとき崩れ落ちた大量の土砂により川がせき止められてしまった。この土砂は、3月10日の地震で流れ出し、更に4月26日泥水湖はついに決壊、大土石流となって一気に流れ出し、富山平野を埋めた。死者140人、負傷者約9000人にもなった。崩壊した土砂は、4.1億立方メートルという膨大な量であったという・・・。
 この崩壊により、常願寺川は暴れ川となり、崩壊跡の立山カルデラでは現在も砂防工事が休みなく続けられている。この、砂防をメインとしたのがこの博物館である。

 博物館は、大きく2つに分かれている。一つは“立山カルデラ”、そしてもう一つは“SABO”である。
 まず立山カルデラ、ここでは立山カルデラのジオラマや安政大地震とその跡の崩壊/土石流に関する展示がある。他にも、岩石などの立体写真があり、柱状節理である材木坂などは、岩が材木のようになっているのがよく分かる。
 “SABO”は、立山カルデラの砂防工事についての展示である。土木の中の、そのまた砂防という、限られたテーマを対象としているために、展示は非常に詳しい。近くにある日本最大級の砂防ダムに関する展示、工事用のトロッコなどがあり、普段忘れている砂防の世界が身近に感じられる。ここにも立山付近のジオラマがあり、立山カルデラの周囲などもよく分かる。砂防工事用のトロッコは、急な斜面を何度もスイッチバックを繰り返して登ることで有名である。もちろん、工事専用で一般の人は乗れない。しかし、ここではトロッコからの風景を映像で楽しむこともできる。私が訪れたときは、ここだけはいつも一杯だったのでちらっと覗いただけであるが、鉄道ファンではなくとも心躍らされる映像である。

 さて、この展示室の下は、砂防用のトロッコの基地になっている。展示室の渡り廊下や、休息室の窓からもトロッコの線路が見える。展示を見た後は、ちょっと足を延ばしてこれも見てみよう。運が良ければ走っている姿が見られるかもしれない。

 ここは、立山登山あるいはアルペンルート横断の途中に是非立ち寄ってみたい博物館である。現在はおとなしく見える立山の、裏の姿がここで見られる。

 最後に、この博物館では体験学習を年に何度か開催している。応募は、博物館の入館券に申し込み券がついているので、入館の上申し込まなくてはならない。こちらも非常に面白そうである。

最終訪問日 1998/8

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