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       所在地     石川県輪島市水守町四十刈11
     入館料     600円
     休館日     年末年始及び展示替えによる臨時休館日
     交通手段    輪島駅から徒歩15分、またはバス県立漆芸技術研修所前下車。
     TEL     0768-22-9788    
     備考      常設展示「館蔵名品展」から。

 

小文字で始まる"japan"、これは漆や漆器を意味する英単語である。
日本を代表する文化である漆芸、ここ輪島は漆芸の都として知られている。

この美術館、その名の通り、漆に関する美術館である。
まずは古典的な漆器。小箱や盆、衝立など、なじみのあるものではあるが、さすがに展示品は違う。明治から現代にかけての名工の作だけに気品が段違いである。漆の、艶と深みのある黒。そして、沈金や蒔絵の煌びやかさ。作品それぞれが個性ある美しさを主張する。そして、それぞれが伝統に裏打ちされた技を語ってくれる。

次は人間国宝、前大峰氏と塩多慶四郎氏の作品である。
人間国宝と呼ばれるだけに、その作品には目を見張るものがある。細かな技が大胆な構図に生きている。これらの作品は、きっと漆芸全体に大きな影響を与えたことだろう。

最後は、一転して近代的な作品である。
ここでは、器などの実用品から離れ、漆や沈金、蒔絵の技術を生かした芸術品である。漆器はそれ自体、非常に美しいのであるが、そこには実用品としての足かせがあるようにも思える。そして、その足かせから解き放たれたのがこの現代漆芸の展示である。
ここの作品は、純粋に芸術として作られたものである。デザイン、などに伝統的な図柄が生かされてるものもあるが、一方では抽象画的な作品もある。ただ、いずれも、漆芸ならではの表現を生かした作品ばかりである。漆などにあまり感心がなかった人でも、その美しさを再認識するに違いない。

さて、2階の中央には、器の製造過程が展示されている。漆独特の色合いを出すために、何度も塗っては磨いているのがよくわかる。小さな展示ではあるが、見逃せない。

ここは美術館であるから、作品の販売は勿論していない。しかし、輪島の町中では、漆器の店が沢山ある。そんな中から、美術品とはまた違った小物を探してみるのもいいと思う。気に入った、ちょっと高い器を買って普段使う。それだけで、心が豊かになると思う。

訪問日: 1999/3/7

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