あめや坂





あめや坂は、東山寺院郡のひとつ光覚寺に至る坂である。名前の由来は、幽霊の飴買いの伝説による。
あめや坂、国道159号線を挟んでお寺側と森山町小学校側に分断されている。サカロジーによると、藩政期急な長い坂道で子供たちが荷車を押して駄賃を貰った、とされている。現在の地形では、寺の前の道に小学校側の坂を足すと60m。”長い”といえるかどうか、ぎりぎりの長さにも思える。地形の多少の変化があったのかもしれない。藩政期の坂の名称を調べていて現地を見ても坂道とは思えないようなところもある。ここのその例の一つなのかもしれない。
現在は、もお寺側は狭くて急な坂道になっていて、脇に石段がある。坂だけなら狭いながらも良い道なのだが、病院などに挟まれている。国道下は広くてやや緩く、左に曲がりながら下ってゆく。中央にタイルの装飾があるが、特別な坂道ではない。幽霊の飴買い伝説がある坂道としては非常に寂しい。

さて、あめや坂、類似の伝承は各地にあるそうだ。そして、金沢には、中主馬町などにもあり、犀川大橋から下る雨宝院前の坂にも飴買いの幽霊話があるそうだ。金沢だけでも約4箇所。だけど、現在のあめや坂はここだけのようだ。
ところで金沢で飴といえば俵屋の水あめ。だけど、ここからは離れている。伝承は別の飴屋のようだ。

光覚寺から見る。
横断歩道手前が国道159号線で、坂はその先まで続いている。
森山町小学校側から見る。
写真中央のビルの右に光覚寺が見える。


写真撮影: 2009年2月

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