所在地     石川県かほく市白尾ム1−3
     入館料     200円
     休館日     毎週火曜日(但し祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29−1/3)
     交通手段    JR七尾線宇野気駅から徒歩20分、能登有料道路白尾IC近く
     TEL     076-283-8880
     備考      

漁具、といえばすぐに思いつくのは網や銛、浮きなどである。しかし、このほかにも様々の漁具が使われている。または使われていた。たとえば、網を長持ちさせるために、かっては柿シブが使われていた。この作業、当然漁師さんが行ったのだが、大きな網を柿シブで染めるのだから、結構な道具がいる。また、かっては鰯で肥料を作っていたが、これもまた結構な道具がいる。船を操るためには羅針盤もいれば船の速さを計る道具もいる、更に霧に備えての霧笛・・・。そんな、漁師さんに関係するいろんな道具が展示されている。柿シブや肥料造りなどはもう見られないだけに貴重だし、実際に使う様子がわかりやすいように展示されている。このほかにも、漁具をしまったり手入れや下準備を行う浜小屋が再現されているし、舟をしまう舟小屋もある。今まで思っていた漁具とはちょっと違うものが多い。

さて、ここの展示は”体験”を重視している。たとえばパソコンのクイズ。これはあちこちの博物館でも見られるのだが、ここでは実際の道具を前にして出題される。実物を見ているだけに分かりやすいし、また面白い。それに、羅針盤は常に水平を保っているのだが、これも実際に手で傾けて確かめられるし、霧笛はふいごを押して音を聞くこともできる。霧笛はそっと押しただけなのに以外と大きな音がして驚いた。これなら霧の中でも舟がいるのが分かるだろう。ちょっとしたことではあるが、とても効果的な展示だと思う。
体験は、ゲーム感覚で楽しめるものもある。たとえば櫓こぎ。櫓は、オールよりも疲れが少なく、梶も兼ねるなど優れものではあるが、熟練も必要である。その、櫓こぎが体験できる。揺れる舟で名人”じんべい”さんとの競争。もちろん簡単には勝てない。
もう一つは、タライ漁の体験。これは、内浦町にわずかに残る漁だそうだが、ちょっと大きめのタライにのってヤスやタモを使って獲物を突く。画面はCRTなのでパソコンゲームみたいな感じなのだが、揺れるタライの上での漁だけにちょっと難しい。私も小さな子供と一緒に始めたが、大人でも夢中になりそうだ。

昔ながらの道具の展示にパソコンがフルに生かされたようなこの博物館、これからの展示のあり方を示しているような気がする。

最終訪問日 1999年10月11日

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