去年から amazon のショッピングカートに入れてあったスターリング・シーグレーブ『宋王朝』の原書が、数日前にぽっと消えてしまった。90日経過したものは消すと書いてあるから、別に文句を言う筋合いではないのだが、今消えたのは、宋家三姉妹の最後の一人の死去に伴って、売り切れか改版か何かの事情があったのかと思う。入れてあったのがどの版だか忘れてしまったが、UK版を含め現在もいくつかの版は入手可能。ちなみに日本語版のほうは amazon の検索ではヒットしない。
ついでにいろいろ見ていて、このシーグレーブという人は、『マルコス王朝』など「王朝」ものをいろいろ書いているが、"The Yamato Dynasty" (ヤマト王朝)というのも書いていることを知った。日本の天皇家(にかかわる現代史)の本らしい。当たり前のような何か違うような。さらに最近の著書には、ヤマシタ将軍の宝に関する本もあるのだった。
家にある料理の本に、「東風(とんぷう)」なるカクテルの作り方が書いてあることに気がついた。老酒のソーダ割りだが、検索してもヒットしないので、この本だけの名称なのだろうか。
読み方がよくわからないまま記憶している言葉というのは結構あるもので、「東風フォント」もそうだったが、これは「こち-」と読むものだったらしい。「東風」の読み方としては、「ひがしかぜ」「とうふう」の他、「とんぷう」があるというのもはじめて知った。前半を「トン」と読んだら後半は「フォン」でありそうなものだが、もし「トンフォンフォント」だったら舌をかみそうだ。麻雀用語としては、「東場」のことを「トンフォンセン」と言うことがあるが、ゲーム中にはあまり「東風」という言葉は出てこない。「上家・下家」を「シャンチャ・シャーチャ」、「シャー流れ」を「スーフォンツリエンター」などと言うこともあるが、中国人は本当にそう言っているのだろうか。「シーサンバラバラ」だの「リンシャンカイホー」の「ホー」もよくわからない。シャンカンリンホーは女優の名前。「ハクの本当の名前はパイパンだったのね」とはあまりにつまらないので誰も言わないのだろう。
最近大きな改訂版が出たThe Chicago Manual of Style のウェブサイトのQ&A に、「女性の名誉教授のことを、"professor emerita"というのは正しいのか?」という問題が書いてあった。
professor emeritus は全体がラテン語であると考えると、professor は男性名詞であるから、それにかかる emeritus を女性形にするのは正しくない、という理屈をいう人がいる、ということらしい。その場合、複数形の professors emeriti も誤りであって、professores emeriti を使うべきだということになるだろう。しかし、このフレーズでの professor はどちらかというと英語として扱われているようだ。
英語よりはっきりした語尾変化のあるイタリア語の場合はどうなっているのかと気になって検索してみたら、前後ともに女性形にした professoressa emerita の形はあるが、必ずしも使われておらず、女性の場合も professore emerito と言っているようだ。professoressa (女性の教授)である某氏に、professore emerito の称号が与えられた、というようにひとつの文章の中で使われていることもある。
「ASCII」9月号を今ごろ読んでいたら、「Canesta キーボードが間もなく登場」のコラムで、「一分間に英語85文字を入力できるとか」とあった。これではあまりに遅すぎるが、http://www.canesta.com/features.htmを見ると、「一分間に50ワードを超える」と書いてある。「速い人なら85ワード」のつもりだったのか。
文字の名称に「語」をつけたものが言語の名称のように使われているのは「ハングル語」だけかと思ったら、「キリル語」というのもあることに気がついた。英語で Cyrillic Language というのが使われているので、それを日本語化したものと思われる。英語・日本語ともに、コンピュータでの表示・サポートという文脈がほとんど。「キリル語なんて言語はない」という反発もかすかにあるようだが、もう手遅れか。IE のメニューでは「キリル言語」、Netscape では「キリル文字」。モンゴル語もキリル語であると理解していいのだろうか?
そういえば「カタカナ語」もあるがこれはちょっと別の物。
「コメントする」の用法として「この文章はコメントされていてブラウザには表示されません」というのも見かけた。「コメントアウトする」ではなく「コメントする」。「タグをコメントする」などと使われているようだが、普通の意味での「コメントする」と区別して検索する方法を思いつかないので、どのくらい普及しているのか不明。
ジャッキー・チェンの出世作『蛇拳』『酔拳』のDVD は、だいぶ前に店頭から消えていたのが、いつのまにか再発売されている? と思ったら、『酔拳』のサウンドトラックがこんなことになっていた。LD や、以前のDVD では音声に問題はなかったようなのに不思議だが、今回のは、従来のものの再発売ではなく、まったく新たにデジタル化したもののようだ。もとの映画に香港版と国際版があり、今回のは国際版をもとにしているとか、そんなところではないかと疑われる。以前のものと違ってトリミングなしで横長なのはいいが、広東語音声の欠落箇所がそんなにあるのでは……(というかどのセリフが欠落しているのか具体的に知りたいが)。
それにしても『酔拳』は、音楽を差し替えた劇場公開版、TV放送時の石丸博也による吹替版、オリジナル版それぞれに、「それでなくてはイヤ」という人が相当数いそうなので、すべてを満足させるDVDを作るのは大変そう。私はあの差し替え音楽にはあまり未練はないが……。
GNU Go Version 3.4 をダウンロードしてやってみた。結構強い。数回やって、やっと一回勝たせていただいた。「AI囲碁6」よりもかなり手ごわいような感じがした。しかし、「AI囲碁6」(最強モード)と対決させたら一勝一敗。「AI囲碁6」は、私にとってほどよい強さで、気楽に打てると思っていたが、それは、ずっとやっていて、弱点をつかんでしまったせいなのか。
思考時間は GNU Go の方が「AI囲碁6」の3倍ほどかかる。展開によっては、もっと時間がかかることも。しかしフリーでこれだけのものがあるのは素晴らしい。
スラッシュ国民投票(slashdot.jp)で新幹線がとりあげられていたので、前から調べてみようと思っていたことを思い出した。昔、テレビでやっていた「新幹線の歌」の正体は。
歌い出しの「ビュワーン」で検索すると数十件ヒットした。覚えている人は結構いるようだ。タイトルは「走れ超特急」だった。
記憶が確かであれば、曲が流れていたのは NHKの「みんなのうた」で、背景は疾走する「ひかり」の実写映像だった。歌詞のなかでは一度も「新幹線」とか「国鉄」とは言っていない。「ひかり」とは言っているが、特急列車の愛称なのか、普通名詞なのか判然としない。とはいえ、今の感覚でみれば、CM以外のなにものでもないと思われるのだが、当時の、開業間もない東海道新幹線は、CMを必要とするような「商品」ではなかったのだろう。
歌詞にある「時速250キロ」が強く印象に残っているが、あれはどういう数字だったのだろう。当時の公称最高時速か何かだったのだろうか。
「いい日旅立ち」は、新しい歌詞で再び CMに使われるというし、「走れ超特急」も「丸い」ボンネットや時速について改訂した「21世紀版」を作ったらどんなものか。それでは本当に CMソングになってしまい、子供の、いや、当時子供だった中年の夢を壊してしまう?
そんなところにもUMAがいたとは。長白山・天池の「中国版ネッシー」が話題になっている。長白山の観光案内のページ( http://changbaishan.gotojilin.com/gs.htm (中文GB))などによると、数年前に撮影されたビデオに写っているものは、「熊によく似ている」そうだ。その辺には熊が棲息しているらしい。つまり、それって熊では?
しかし、熊はそういうところで水泳をするものなのだろうか。しかも今回の目撃談では20匹もいたという。シンクロの練習でもしていたのか。
周辺には、他にも、「飛樹」「夜光石」「双心木」など怪しいものがいろいろあるらしい。飛樹というのは、切り倒そうとすると、羽根もないのに飛んでしまう木だとか。もっともこれは、観光地によくある「なんとかの七不思議」のようなものかと思われる。
大塚のマサイの戦士の新発売のキャンペーンとして、ケニアからきたパフォーマンスチームが各地を回っていたらしく、当地にも来たことが報道されていた。話の種に一個買ってみようかと思ったが、スーパーやコンビニでは、どこにも売っていない。いくら派手にキャンペーンしても、売っていないと買えないんですけど。そのパフォーマンスをやっていたというデパート(二ヶ所だったような気がするが、一方だけ)の地下でやっと買えた。
飲んでみた感想は、「牛乳じゃん」。実際には、醗酵乳なので、栄養成分などは違うのだろうけれど、味としては、目隠しテストで牛乳と区別がつけられるかどうか自信がない。牛乳より多少さっぱりして、もたれない感じかもしれない。
新発売というが、数年前の ASCIIに、こんな珍しい飲み物があると紹介されていた記憶がある。当時は限定販売だったのか。それで、おたく向けの変な飲み物みたいな先入観を持ってしまったのだが、そんな変な物ではなかった。また買ってもいいが、デパートまで行かないと買えないのでは……。
「バニラコカコーラ」も一本買ってみようかと思っていたが、店頭で実際に遭遇する前に、いろいろな噂が流れてきたので、触手が引っ込んでしまった。とくに冷やしかたが足りず、ぬるいまま飲んだ人の感想に興味深いものがあった。
飲み物ついでに萬歳楽「加賀梅酒」。普通においしい梅酒だった。
電話番号の前に電話のマーク(それも最近実物は少なくなった黒電話だったり)があるように、URLの前にもマークがないと、落ち着かないものだろうか。
ミュージカル『アイーダ』の新聞広告に「世界最古のラブストーリーといわれる」とあった。おや、スエズ運河開通の頃に作られた物語が、なぜ「世界最古」で、「といわれる」とは誰が言っているのだろうかと、ちょっと興味を持って調べてみたが、結局のところ、よくわからなかった。まあ、こういう宣伝文句は、「いかにもディズニー的」と片づけるのが正しいのかもしれないが、それはそれとして。
ミュージカルのシカゴ公演の評論(http://www.yusei.com/AidaRev.htm)によると、プログラムには、「ヴェルディーがオペラ作曲の元にした物語」とあるそうだ。それは何を指しているのかと、評者も疑問を提示している。別のサイトの作品紹介にも、"a retelling of the legend of Aida (which is probably best-known as the basis for Verdi's opera)"とあるが、物語が近代の創作ではなく、古くからの伝説であるとの印象を与える表現だ。
アイーダの物語がどのように作られたか、一般に通用している説明、つまりオペラの CDのライナーなどに書いてある話からまとめると、だいたい次のようである。
(1)エジプト学者のオーギュスト・マリエットが小説を書き、そのあらすじをオペラの原作として提案。(2)あらすじにもとづき、デュロクルがフランス語の散文にする。(3)それを台本作者のギスランツォーニが、作曲のヴェルディの意見をききながら、イタリア語の韻文にし、オペラの台本を完成。
架空のものだが、エジプトらしく響く人名を考えたのは、マリエットであるとされる。彼は初演時の衣装など、オペラ自体の完成にもかかわっている。しかし、最初に話の筋を考えたのはオーギュストの兄弟のエドゥアールだという話もある。
これに対して、「アイーダの原作はメタスタージオによる"Nitteti"と題するオペラ台本である」とする説もかなり行なわれている。登場人物の名前は違うようだが、プロットに共通点があるという。スエズ運河より百年あまりさかのぼることになるが、まだまだ「世界最古」には遠い。
ヘリオドロスの名を挙げている資料もある。ヘリオドロスの小説『エチオピア物語』には、少なくともエチオピアの王女(名はカリクレイア)が出てくるという共通点はある。これは3世紀か4世紀の作品というから、かなり古いが最古とは言えない。
メタスタージオの、さらに元ネタはどうか。"Nitteti"はヘロドトスから題材をとったという。ヘロドトスの『歴史』第三巻には、エジプトの王女ニテーティス(Nitetis)の名が記されている。この時代(第26王朝)はオペラ『アイーダ』の背景として想定されているものに近い感じはする。ヘロドトスだったとして、紀元前5世紀。あるいはその記述対象の第26王朝として、紀元前6世紀。「最古かもしれない」? ただし、どこがラブストーリーなのか今のところ不明。
メタスタージオその他の作品を、マリエットからヴェルディにいたる関係者が下敷にしたという具体的な記録はないようだ。マリエットはエジプト学者だから、ヘロドトスを「参考資料」にはしていそうだが。信憑性はともかく可能性ということなら、マリエットが発掘したパピルスの断片にこの物語の原話があったのでは、などと想像をたくましくするのは自由だ。それがオペラに多少とも神秘性を与えてきたから、ミュージカルもそれを利用しただけ、とも考えられる。
マリエットとほぼ同時代のエジプト学者 Georg Ebers による歴史小説は当時かなり人気があったようで、『エジプトの王女』という長編小説も出版されている。エドゥアールが小説のタイトルとして考えたのは『ナイルのフィアンセ』だというが、エジプト学者がこういった小説を書くのは、そんなに珍しいことではなかったのかもしれない。
ミュージカルの英語版のキャッチで使われている TIMELESS の語は、いつの時代にも存在する普遍的な悲恋物語の意味とすれば、ふさわしい言葉だ。『アイーダ』には宝塚版、ジュニア版、アニメ版なども存在するし、オペラの世界だけにとどまらず、愛されている物語ではある。
県庁が移転し、使われなくなった旧庁舎が一般公開されていたので、先日見にいってきた。大正13年の竣工だそうで、ステンドグラスがあったりして、中から見ると意外とロマンチックな建物だった。古びてはいるが、壊してしまうのももったいない。どうするかは、まだはっきり決まっていないようだ。
移転ときいた時、正面入口の両側にある大木はどうなるのかと心配したが、あれは堂形のシイノキと称する天然記念物だそうで、旧庁舎の落成式の写真にも、すでに大木として写っていた。建物とは別に、大切なものとされているので、心配はなさそうだ。
日本気象協会のページの「ひまわり」の文字が「気象衛星」に変わったが、URLや画像のファイル名に "him" や "him_00.jpg"とあるのは「ひまわり」の名残りだろうか。
美の女神アプロディーテーは、人を魅惑する力のある帯(ケストス)を持っているとされる。帯というくらいだから、ウエストのあたりに締めるものと思っていたが、『ヘレネー誘拐』(コルートス、松田治訳、講談社学術文庫)を読んだら、注釈に「ブラジャーのこと」ときっぱり書いてあった。えっ、あの帯って、ブラジャーだったのか。それは何だか、装備するとモンスターがたくさん仲間になりそうだ。
『イーリアス』14章の214行を見ると、アプロディーテーが、"apo ste^thesphin elusato keston himanta"(飾り帯を胸からほどいて)とあり、なるほどウエストに巻いているのではなさそうだ。
英語では magic girdle が定訳のようだが、saltire の語も検索にヒットする。後者は X字に交差する形を意味するが、もしかして、オリンピックの聖火を採る儀式で巫女役の女優さんが身につけている、前と後で交差する紐みたいなもの? ああいうもので、魔力がこめられた美しい紐である、というのはそれなりに説得力があるように思われる。
Women and Girdles in Ancient Greeceは、古代ギリシャの女性の帯一般について、どのように身につけたのか考察している。着用例の写真がかわいらしい(?)。
文字の書いてない「真っ白いキーボード」が、「石川県宇ノ気町のパソコン機器製造会社」から「キー配列、操作をすべて覚えたプロ向けに」発売され、限定100台が即日完売、という朝日新聞のこの記事。「キートップが真っ白なキーボードなら、前からあるけど?」「キー配列、操作をすべて覚えたプロって、何のプロだろう」などと頭の中が「?」で満たされた。
あとで他のソースから補完したところでは、「Happy Hacking Keyboard の無刻印モデルが限定発売され、ヘビーユーザーに売れた」ということだったらしい。そう書いてくれればわかるのに。
それにしても、「Happy Hacking Keyboard」も「宇ノ気町」も身近な言葉だが、その両者の結びつきには今日まで気がつかなかった。
コモリガエル(pipa)で、子供を背中にしょっているのは、母親のほうだった。昨日チャットで話題になるまで、なんとなく父親のほうのように思っていたのだが、父親が卵を体に巻きつけるのはサンバガエルなのであった。
コモリガエルを検索したら、彼らは子守もさることながら、「世界で最も平らなカエル」として有名なようだ。このページには、「死後数週間たって、すでに一部腐敗している」ように見えるとか、「踏みつぶされたヒキガエルのような」外観だとか書いてある。写真をみると、たしかにアイロンでもかけたような姿である。
筒井康隆の『私説博物誌』は、コモリガエルがどうやって卵を背負うのかについて、説が定まっていないとした上で、「ヴァキューム・カーのおじさん」のように、オスがメスの産卵管をかついで、「タコヤキを焼くとき」の要領で卵を落としていく説を紹介している。残念ながら、実際に繁殖させた経験をレポートした上記ページによると、この説は誤りだったようである。とはいえ、多くの文献がこの類の説に従っていたという。もちろん、タコヤキと書いてあったわけではないと思うが、やはり、長い産卵管というのが面白かったのかもしれない。
クイーンの曲をMP3プレーヤに転送しているうちに思い出したが、"One Vision"という曲の最後は、"...just gimme gimme gimme...Fried Chicken!!"と聞こえる。歌詞カードには"one vision"と書いてあるが、絶対フライドチキンと言っている。いかに唐突であろうともそう言っている。で、検索してみたら、やっぱりそう言っているんだそうだ。わかってすっきりした。