前立腺ガン検査

H23.9.5

医療技術が進み、脳梗塞や心筋梗塞の循環器系疾患、および癌についても早期発見・早期治療で助かることが多くなってきた。
一方では検査技術の進歩により、前立腺癌の早期発見が増加している。健康診断を受けた結果、「要精密検査」との診断を受けることがあるが、精密検査が簡単に出来る病名については気楽にどんどん受けておいた方がよいだろう。しかし、前立腺癌の精密検査は入院して下半身麻酔したうえで検体を採取するため、検査というよりほぼ手術を受けている気分である。射精系は当然傷つくが尿道も傷つけられるため検査後の養生も必要である。精密検査の結果、癌宣告を受けると、診断結果が不服でも他の病院へ行ってもう一度同じ苦痛を味わって再検査するという気分にはならない。そこで前立腺癌検査を受けて「要精検」の診断を受けたときは、もし結果が癌であった場合を考えて、前立腺摘出手術を受けるにはどの病院が最適か、事前によく調べた上でその病院で精密検査を受けるべきである。手術処置が下手だと勃起不能はもちろん尿漏れ、精巣摘出など甚大な後遺症に見舞われる。

前立腺癌は60歳代前後から増えてくる。社員を「擦り切れたら取り替える雑巾」程度にしか考えていない会社では、定期健康診断項目に前立腺癌のPSA検査を加えていない。前立腺癌は進行が遅いそうなので毎年受診する必要はないのかも知れないが、簡単な血液検査なので手遅れにならないように1〜2年毎ぐらいには自主的に受けておいた方がよいかも知れない。但し、「要精検」の診断を受けたときには、病院選びは慎重に!

ところで、2011年10月7日アメリカでは次のような報告が発表された。前立腺癌で死亡する恐れはあまり考えなくてよいらしい。
 前立腺がんの検診で使われているPSA検査について、米政府の予防医学作業部会は7日、すべての年齢の男性に対して「検査は勧められない」とする勧告案をまとめた。(2008年の勧告では75歳以上で検査を勧めていないが、対象を全年齢に広げることになる。)
 これまでに実施された五つの大規模臨床試験の結果を分析した結果、年齢や人種、家族歴にかかわらず、PSA検査が死亡率を下げるとの証拠は見いだせなかったと結論づけた。ただ、自覚症状があったり、前立腺がんが強く疑われたりする場合は含まれていない。
 米国ではPSA検査は50歳以上の男性に広く普及している。ただ検査で見つかる前立腺がんの多くは進行が遅く、放置しても寿命には関係しない。必要のない治療等を受けて、勃起障害や尿漏れなどの後遺症が残る人もいる。
 同検査は、日本でも多くの市町村ががん検診として実施している一方で、専門家の間でも推進するかどうか賛否が分かれており今後の議論に影響を与えそうだ。
 PSA検査は前立腺の異常を示すタンパク質を血液で調べる検査法。作業部会は、PSA検査を受けた人の健康状態を長期間追跡した欧米の5種類の大規模疫学調査を分析。検査を受けた人と受けなかった人を比較した場合、死亡率を減らす効果はないか、あってもごくわずかであることが分かった。
 一方で、検査後に手術などの治療を受けて、死亡したり尿失禁などの副作用を患うなど不利益を被る人の数が無視できないほど多いことも判明した。
 国内では、日本泌尿器科学会がPSA検査を推奨。一方、厚生労働省の研究班は、効果を判断する根拠が不十分などとして、集団検診には勧めないとの報告をまとめている。

要は、病院の泌尿器科が患者(=収入源)確保のためにPSA検査の推奨を止めないだけのことだろうか。摘出手術の後遺症で半年も尿漏れに苦しんだり、尿漏れしているという意識もない人(だだ漏れ)もいるというのに・・。
NHKのEテレで前立腺癌治療をシリーズ放送していたが、分泌療法も放射線療法も副作用があるそうだ。しかし副作用が出てもそれを抑える薬がある、ということだが、それは病気の連鎖を産みだしているだけではないのか。体はどんどん痛めつけられていく。片や病院はいつまでも患者として収入源を確保できることになる。

但し、自覚症状がある場合は早く受けておくべきだろう。受診時の聞き取り調査項目には次のようなものがあった。心当たりの人は要注意である。(ガンではなく前立腺肥大の症状である可能性もある。)
 ・頻尿:おしっこの回数が増えた人
 ・残尿感:全部出たような気がしない人→実際に残尿なら頻尿にもつながる。
 ・夜中に2回以上おしっこに起きる人
 ・腰骨が痛い人
前立腺肥大症は前立腺の内側から腫れてくるので、前立腺の中央を貫通している尿道が圧迫され、症状が上記のおしっこの出方に現れやすい。前立腺ガンは前立腺の周辺に発生するので、上記自覚症状が現れたときは相当進行している。ガンのせいで腰に痛みを感じているならもう転移している。
私の場合は循環器系疾患があり、気休めかも知れないが水分を多く摂るようにしているので、頻繁にトイレに行く。夜も1回起きることが多い。しかしこれはお茶を飲むのを減らせば解消するものと信じている。残尿感という自覚はない。


  前立腺ガン対処の経緯


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