前立腺ガン摘出手術記


・手術前
入院治療計画書
手術及びその後退院まで
退院後

担当医は男女1名ずつの2名(書面上は女医さんの方が正式担当医となっている)
病室では男性の看護師が私の担当看護師となっている。(以降、「担当看護師」と書く)
そのほか、看護師さんが入れ替わり立ち替わり、多勢のお世話になりました。(以降、女性看護師は単に「看護師」と書き、担当以外の男性看護師は「男性看護師」と書く)

入院〜手術前まで
日付時刻出  来  事
2015年
4月3日現在66歳と11ヶ月、入院。担当看護師よりの説明、風呂はシャワーのみで、男女使い分けのため、男は月水金のみ。入院当日は風呂はなし。手術は月曜朝で、その前に特にへその中はよく洗って清潔にせよ、とのこと。今日から月曜まで風呂に入れないわけだから、清潔にしようがない。と思ったら、土日は一時帰宅(外泊)してよいとのこと。自宅で入浴して日曜日の20時までに病院へ戻ればよい。戻る時間によって、日曜日の夕食要否を連絡せよ、とのことで、土曜日昼食から日曜日昼食までを止めた。

担当医からの手術説明:
担当医は2名だが、男性医師は本日不在に付き、以前に診察してくれた先生が替わって行う。この先生は4月異動で執刀医から外れた。この病院ではロボット支援腹腔鏡手術を導入してから1年半(?)になる。手術は80例。(C県の大学病院は300例と言っていた) 担当医の経験数を尋ねたら、チームとして手術するので個人ごとの経験数というのはない。今回も教授がロボットを操作すると思う、とのこと。
まだ進行の遅いガンのままだが、PSA>10になるといつ悪性度の高いものに変わるかわからないので、今が手術の適期と思われる。→このまま放っておいたら何歳ぐらいまで生きられるだろうか、と答えにくかろうことをあえてきいてみたら、75歳ぐらいまでは生きられるかも知れないがわからないとのこと。
腹に6ヶ所穴を開ける。摘出したものを取り出す穴が一番大きくて3cm。勃起神経は癌のある右側はそっくり取るが、チーム判断としては左側は残せると思う。勃起神経を残した方が尿漏れの回復も早い。手術時間は麻酔2時間−手術2時間−麻酔回復2時間、8:15から開始して、14:30〜15:00頃終了。
前立腺を切除し、膀胱と尿道を直接つなぐ(吻合)するが、吻合部の癒着が悪くそこから尿漏れが起きる場合もあり、数日後に造影剤を流して確認する。前立腺は直腸とくっついているので、前立腺をはがしとるときに直腸に穴があくことがある。気が付けばその場で治すが、場合によっては一時的に人工肛門が必要になることもある。当院ではまだそういう事例はない。人によってはリンパ嚢胞(リンパ液が貯留)や、鼠径部や創部からのヘルニア(脱腸)を起こすことがある。
尿漏れは3ヶ月ぐらい続くが、尿漏れのない人もいるし1年ぐらい続く人もいる。→20日には出社したい、22日には宴会が組まれている、といったら、1ヶ月は動かないほうがよい、とのこと。
予約されていた歯科からの呼出があり、歯の掃除(殺菌も?)をした。
記録を残そうという気もなかったので、どういう順番で誰が何を言ってきたか覚えていないが、概略次のようなことを言われたと思う。
担当看護師より、骨盤底筋体操の小冊子をくれて、おならを止めるような感じで筋肉を動かす訓練をせよ、とのこと。
看護師より、自覚症状、今までの既往症、アレルギーの有無、喘息の有無、など細かく聴取を受ける。同じような内容を別の看護師、薬剤師、麻酔医など、とっかえひっかえ5回ほど聞かれたと思う。
麻酔医は手術の合間しか来れないので、いつ来るか分からないと言われていたが、午後に聴取に来た。丸顔の冷静な感じの美人である。信頼できそう。麻酔も筋弛緩剤もこの人が打つのだろうか。この人に我が命運がかかっている。
担当看護師からだったと思うが、リンパ浮腫の小冊子をくれて、読んでおいてください、とのこと。リンパ浮腫を起こせば、弾性ストッキングをずっとはいていなければならないようだ。
看護師さんより、骨盤底筋体操は今からしておいてください、とのこと。
最後に、医学部学生の5年生という男子学生が来て、実習のため手術の見学と、その前後で症状の聴取をしたいので許可してほしいとのこと、この際、俎板の鯉なのでOKした。事前の症状などに付いて今日何人もから繰り返し聞かれたような内容を、この学生から更にこと細かく聞かれた。何人もが同じようなことを聞いてきたが、聴取内容はその人ごとに個人所有しているのか、それとも共有情報となるのか、と聞いてみたら、パソコンにインプットされているので、もし今までに聞いてない情報を私が聞いていれば、追加入力しておきますとのこと。
ここからとりとめもないことをないまぜて、順繰りに書き留めてゆく。
同室のR氏:3/30に前立腺全摘出手術を受けた。もう1日中廊下を歩き回っている。尿漏れはどうなんですか、と聞いたら、まだ尿道カテーテルが入っているのでそこまで行ってない、とのこと。私よりちょうど1週間先行して手術を受けているので、自分も辿るであろう経過が先々に聞けるのは有難い。
看護師さんに、退院時には皆さんお礼はしているか、と聞いたら、先生に渡そうとしても辞退されるので、受け取らない。看護師さんへの菓子折り程度も、しないんじゃないか、ぐらいのあいまいな返事。
4月4日朝同室のR氏に、今日は家に帰りますといったら、「私も金曜日入院で、土日は帰宅しました」とのこと。県内でロボット手術を導入したのはN病院、続いてここの順でほぼ同時期、続いてT中央病院で、県内には3台しかない。
4月5日夕R氏は、8:15から手術、始まりから家族が待機していた。ロボット手術はゆっくりしか動かない。だから時間がかかる。単なる腹腔鏡手術は人の動かす速度で動くので、間違って動かしても早く動いてしまい、群馬大のように事故が起きる。大きなディスプレーに臓器の裏側まで映る。酸素吸入のチューブは外されるときに(麻酔から覚めたとき)分かる。一瞬で抜かれるが気持ち悪かった。なぜロボット手術のことを詳しく知っているのか尋ねたら、術中は意識がないので知らないが、事前に手術の過程をインターネットで調べた。 尿道カテーテルから造影剤を流して、尿道の接合部から漏れてなければチューブを抜く。抜いたら医者はすることがない。火〜水曜日には退院できるだろう。後は自分で訓練、3ヶ月で(70?)%、1年で90%ぐらいの人が尿漏れが止まる。 定年までまだ4年ある?(56歳か)。
同室のL氏:PSA=8ぐらい。精密検査ではひっかからないけど、数値がよくないので検査入院した。80歳なのでもういいかと思っていたが、主治医がゴルフ仲間で、ゴルフ場で会ったら、もう治療した方がよいと言われた。知り合いが前立腺ガンと言われたがここは混んでいて、2〜3ヶ月待っても入院できず、N病院へ行ったら、これは放っておいてはいかん、ということで4日後ぐらいに手術した。ここは混んでいるのか、遅い。PSA20以上になれば転移するので早く手術したほうがよいようだ、とのこと。
再度R氏:PSA20以上ならよくない。それまでは進行遅い。
一度精密検査したがガン発見されず。その後PSAが下がっていたが、また上がった。再度精密検査で、別の病院で麻酔の針を打ち間違ってひどく痛く、再度打ち直したら余り痛くなかった。麻酔医ではなくここから来ている医師が打った。しかし脊髄に孔があいたらしく、髄液が抜けて脳が下がり(脳は髄液の中に浮かんでいて周囲からのショックを吸収している)、脳が下に当たって頭が痛くなりおかしくなった。水分を取って髄液の回復を待つしかなく、4〜5日動けなかった。帝王切開のときにも同じ事故が起ることがあるらしい。
担当医の女医は研修医。助教というのは大学で授業をしている。「病院助教」というのは大学では教えていない。治療現場では実地指導はしている。
R氏は勃起神経は2本とも残した(ガンの場所が中央だったので)。リンパ節除去というのは知らない。
手術当日は朝から家族が付き添っても、見送るだけで、後は延々と手術の終わるのを待つだけである。昼からくればよい、と言ったが、結局朝からきて見送りたい、とのことになった。。
21時消灯、就寝。
21:30 火災発生放送、東棟2Fで火災警報が出ている。調べているので患者は連絡があるまでそのまま待機せよ。
21:33 火災警報解除の放送
21:34 また火災発生放送
21:35 警報解除の放送
21:57 また火災警報解除の放送
23:00 看護師が来た。途中30分ぐらい寝たようだが、イビキで目覚めた。イビキはRさん?に眠剤を飲んでもらったため、とのこと。
00:00過ぎぐらいまで眠れなかったと思う。



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