ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言
 

男と女の戦い -なぜ夫は省エネに協力してくれないの?-

1999年4月1日
 ひのでやエコライフ研究所では、家庭で消費する電気やガスの量、家庭から出されるごみの量などを、自分でチェックしてみようという「環境家計簿」を実施しています。自分の家でどれだけ環境負荷を与えているのかを知れば、何をしたらいいのかわかってくるだろうという次第です。(環境家計簿については、またの機会に詳しく・・・)。
 いま集計を進めているのは、おおさかパルコープという生協で今年の冬に実施したものですが、これがなかなか面白いです。他人の家庭のことを見て面白いとは、なんと不謹慎なと思うかもしれませんが、家庭でいろいろ工夫しながら悩みながら取り組んでいる様子が書かれていて非常にためになる(興味深い)という意味です。今回実施した環境家計簿では、感想や工夫点などを詳しく書いてもらうように広めの欄を設けているのですが、みなさんスペースをはみ出すほど記入していますね。あまりの消費量の多さに反省している人から、なぜ消費量が増えてしまったのか分析している人から、愚痴を言うひとから、いろいろです。本当は集計には必要ないので読み飛ばしてもいいのですが、たぶんここに「どうしたら省エネが定着するのか」のヒントが詰め込まれていると思います。省エネを進めるためには「これをすればいい」という話は世の中に出回っていますが、問題はそこにあるのではなく、むしろ「やろうとしてもできへん、どないしたらええやろ」という点なんでしょうね。そんな内容で多かった意見がタイトルの「夫が協力してくれない」という問題です。

 こんな話をよく耳にします。

 2番目の面倒くさがりというのは、必ずしも男に限ったことではないのかもしれませんが、「暑がりでありかつ寒がりである」というのは、働いている人に特徴的な話のようです。特にオフィスワークをしている人にこうした病的な症状がでています。
 たぶんオフィスのエアコンが効きすぎているんです。夏は冷房が効きすぎていて、冬は冷房が効きすぎていて、そんな中に一日中いるわけですから、家に帰って、さあくつろぎながらビールでも飲もうかと思っても、エアコンが効いていなくて居心地が悪いということになるわけです。昨年の夏に北海道大学で空気調和衛生工学会が開かれていたのですが、その報告の中で、オフィスのエアコンの設定温度が夏も冬も24度±1度以内だったという話がありました。そんな常春の世界から、毎日日本の気候に戻ってくるというのはサラリーマンにとっても酷な話かもしれません。さらにひどいことには、夏は夏服を着用しているため、体に感じる温度としては夏のほうが低いということです。つまり、夏は「寒い」と感じている世界にいて、冬は「暑い」と感じる世界にいるわけです。
 無理して省エネをするのもあまりお勧めできませんが、無理してエネルギーを使いすぎると言うのはもってのほかでしょうね。ましてや、家庭でのエネルギー消費量にも迷惑をかけているというのは、良くないことです。
 
 家庭からの二酸化炭素排出量の4分の1は暖房に関するものです。当然のことながら暖房は冬の期間にしか使いませんから、冬場に限ってみると半分以上は暖房で二酸化炭素が出てくるということになっています。それだけ割合が大きいわけですから、「どれだけ暖房しすぎずにすませるか」は省エネするにあたって重要になるわけです。少々テレビを見る時間を減らしたとしても、もしかしたらテレビを全く見ないと宣言したとしても、わずかでも暖房使用で気を抜いてしまうとその努力は水の泡となってしまうくらいです。
 家庭のあらゆる場面でこつこつと努力をして減らそうとしても、夫が帰ってきて「暖房がきいていない」の一言で努力が無駄になってしまうのはなんともやるせないですね。逆に季節に合った温度が当然であることを実感してもらい、オフィスで「暖房が効きすぎている」と言ってくれないものでしょうかね。ちゃんと日本国政府も「冷房は28度、暖房は20度にすべきだ」とお墨付きを出しているわけですから。
 
この内容に関してのお問い合わせは鈴木まで。お気軽にどうぞ。

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