ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 月別の二酸化炭素排出量

1999年5月1日
 省エネが叫ばれる季節というと、どうしても夏の冷房の時期を思い浮かべるでしょう。たしかに電力消費のピークは夏の昼下がりで、電力供給の施設に容量があるために、テレビなどを使ってよく宣伝がされています(テレビを使うというのが妙なところですけれど)。
 しかし省エネルギー月間は2月、環境月間は6月、温暖化防止月間は12月、と国が決めたアピール月間は、あまり夏に関係ない時期に設定されています。まあ夏はわざわざアピールしなくても、自然と省エネが叫ばれるということでしょう。実際に、決して夏が一番エネルギーを使っている月ではありません。

 家庭では冷房よりも暖房のほうが10倍ちかくも二酸化炭素を排出しています。家計調査年報から作成した世帯人数別の二酸化炭素排出量をグラフで示します。これを見ると明らかですが、夏の盛り上がりは「気持ち上がっているかな」といった程度ですが、冬は確実に山があることがわかります。ふだんの月の1.5倍ちかくになってしまいますが、この増加分の大部分は暖房だと思われます。
 冷房がこれだけ少ないというのは、あくまでも家庭で冷房を使うのは、夕方以降が中心であり、それも2-3部屋程度ということです。それに対して、オフィスなどでは一日中(特に昼の一番暑い時間)つけており、建物全体を冷房するために、桁がちがってきます。

 いちおうこのグラフでは、世帯人数別の二酸化炭素排出量もわかるようになっていますが、2人以上の世帯では、それほど大きな違いがなく、一人あたりの二酸化炭素排出量が少なくなることが見て取れるでしょう。5人世帯は2人世帯の2倍より小さくなっています。多くの人がいっしょの建物に住めば、効率よく暖房も照明もできるということですね。
 


 

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