ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 子供時代における粗大ごみ

1999年6月7日
  こどもというのは「ごみ捨て場」が面白くてしかたないんですよね。今では不法投棄といって問題になるのかもしれませんが、自動車やテレビや冷蔵庫などがまとめて捨ててあると、どうしてもさわって壊してみたくなるものです。ちょっと高学年になると、もし使えるものがあったらもらって使ってみよう、と考えるのも自然ななりゆきなんでしょうね。最高の遊び場です。

 本来なら、「今使っているテレビや時計がどんな仕組みなのか」を知りたいのですが、動いているものはさすがにさわりにくいものがあります。(そこで分解する人間が将来大物になるんでしょうけどね)。やはり大人の世界をかいま見るのには、大人の目の届かないところにある「ごみ」をいじるのが一番いいのでしょう。

 小学校の頃ですが、そんなごみ捨て場にコンピュータが捨てられているというので話題になったことがありました。パソコンなどのちゃちなものではなく、冷蔵庫くらいの大きさで基板が何十枚もささっているというやつで、どんな事情があって捨てられたのか想像して、秘密めいた危険なものに関わってしまったような気になってどきどきしたものです。

 わたしは中学の頃には電気工作に興味を持っていたのですが、東京まで電車で3時間という距離では部品を調達することもできず、テレビを分解して部品を集めていました。よく父に頼んで街の電気屋から壊れたテレビをもらってきてもらったものです。ドライバーとラジオペンチとはんだごてを使い、真空管から、抵抗からトランジスタから、磁石や導線までありとあらゆるものを取り出して集めました。さすがにテレビの仕組みを理解するまでには至りませんでしたが、テレビごとにちがう仕組みに興味を持ちながら、10台以上は分解したでしょうか。その部品は今でも下宿に置いてあり、電子工作をするための貴重な材料になっています。 電子オルガン、ラジオ、自動温度計測装置、ミニFM放送局など、いろんなものを作っていましたね。

 中学の友達にも、電気工作の好きな奴がいて、よく遊んだのですが、そいつはテレビから真空管を取り出して、爆弾ごっこをして遊んでいたそうです。面白くてやりたくて仕方なかったのですが、私は怖くてやれませんでした(^^)。

 そういえば、親にはいろいろ粗大ごみの部品をもらって遊んでいました。小学校のころのおもちゃで、壊れた洗濯機のタイマーがありました。これで時間が刻めるというので、感動して遊びました。実はこれを使えばテレビでやっている時限爆弾みたいなものが作れるんだな、と想像して楽しんでいた面もあるんですが(^^;)。 また、スピーカに使われている磁石を取り出してもらったのですが、よく教科書に出てくるようなU字型の磁石よりもはるかに強力で、テレビにはなんて偉大なものが使われているんだと、これまた感動したものです。

 わたしもそんなこんなで、粗大ごみに育ててもらったようなものです。しかし最近はこんなことはなかなかできないんでしょうね。
 考えてみれば、テレビの部品の取り出しだって、たぶん処理前でPCBが含まれていたでしょうし、鉛ハンダの融ける臭いや、導線に使われている塩ビが焦げるにおいなど、懐かしいと感じるほどかいでしまっています。かなり不健康な遊びだったような気もします。でも禁止してしまう事ではないですよね。
 もっと遊んでおけばよかったと、ちょっと後悔しています。たとえば冷蔵庫の放熱管を切ってフロンを放出するとかね(^^)。子供の頃だったら驚き1000倍だったんでしょうけれどもね。
 

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