ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 リサイクルシステムの共存関係

1999年6月9日
  京都市では2年ほど前から、空き缶と空き瓶、ペットボトルのリサイクルをしています。多少批判もあったのですが、ごっちゃの袋に入れてあとで分別したほうが手間がかからないということで、「いっしょに出してくれ」というシステムになっています。市民のやる気は多少そがれて、分別がいいかげんになるかもしれないのですが、まあトータルで考えたら妥当なやりかたかもしれませんね。金属と瓶とプラスチックなら、機械で比較的簡単に分けられますし、そもそも回収車を3台走らせたり、狭い路地に3種類の回収場所を設置するのは困難のようです。

 そういえば、引っ越してきて3ヶ月間、このリサイクルシステムに一度も協力していませんでした。台所に溜めていてそろそろ袋もいっぱいになるというので、この新しい街で試しに出してみることにしました。

 夜に持っていったところ暗くてよく見えなかったのですが、どうも回収場所になっているところに、屋根まで届くほど青いビニール袋が積み上げられて居るではありませんか。近くでゴミ袋をいじっているおじさんががらがらと容器の音をさせているので、リサイクルの袋に違いないようです。
 そんなにリサイクルされているのかと、びっくりして近寄ってみると、自転車の荷台からサドルから高々と積み上げられた空き缶の詰まったビニール袋です。近くで作業をしているおじさんの様子をみてみると、どうも回収場所に出されたものから、アルミ缶だけを抜き取って集めているようです。
 リサイクルが立ちゆかなくなったとはいっても、まだまだアルミ缶だけはどうにかそれなりの値段で買い取ってくれるみたいです。1個1円くらいにはなるでしょうか、自転車に1メートル以上も積み上げたアルミ缶の袋は、いい生活費になるんでしょうね。

 これもひとつの共存関係というものでしょうか。ただ、この回収された容器類は、京都市の清掃工場の隣に作られている授産施設で分別されてます。実はそこの作業所の主要な収入となっているのがアルミ缶なんですよね。他の容器類はほとんど売れないので、アルミ缶だけが頼りのようです。

  まあ授産施設のほうは、市がバックについてサポートしているので、目くじら立てるようなことではないのかもしれませんが・・・・。アルミ缶回収のほうも、市があとから始めたことで、既得権益を奪っているとも言えないわけではないですしね。ごみは難しいです。
 
 

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