ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 ごみの広域処理と広域連合

1999年6月25日
 廃棄物研究会で、現在のごみ処理の体制についてお話を伺いました。

 一般廃棄物(家庭ごみ)の処理は、市町村の義務ということになっていますが、小さな町村を中心に一つの自治体ではやりきれない量である場合には、複数の自治体が協力して焼却炉を立てたり、処分場を管理したりしています。適当に集まって処理してもいいという点で、そのあたりは柔軟に決められているようですが、なかなか問題も多いようです。

 ダイオキシン対策として一番有効なのは、焼却炉の大型化と適正運用です。現在日本には1800以上の一般廃棄物焼却炉が運用されていますが、これらの多くは規模が小さいために統廃合をしようという指導がなされています。リサイクルをするためにもある程度の規模があったほうが、集めやすく、おおよそ30万人くらいをひとまとまりにすることが望ましいと言われています。

 ところが基本的にごみ処理は自治体の義務となっているために、複数の自治体があつまって事業を行っていく組織が必要になってきます。小さな自治体では、いままでは「一部事務組合」という枠組みで、共同してごみ処理を行ってきました。ところがこの一部事務組合というのは、「自治体にとってのやっかい仕事も、いっしょにやったら都合ええやろ」といった感じで作られてきたため、事務組合で自主的に計画も立てられないし、ましてやごみ減量やリサイクルの方針を立てることもできなく、単にごみを燃やすだけの仕事場に成り下がっていたということです。
 やっかいなことは、各自治体のごみ分別の種類の調整もできないために、A自治体では缶と瓶を別に集めるのに、B自治体ではいっしょにあつめるために、処理センターではA自治体からわけて出されたものも混ぜて、その後で再び分別するという手間をかけるといった、無駄なことがよく行われていたそうです。いくら自治体が積極的にリサイクルに取り組もうとしても、足並みがそろわなければ単なる無駄骨になるという話です。
 特に、処理をしている現場の声がなかなか行政側に伝わらないことは、ごみ処理を改善していくにあたって大きな足かせになっていたようです。

 ところが95年から、より広い地域の自治体が集まって作り、権限も強化された「広域連合」という制度が認められ、ごみ処理の現場からも注目されてきているということです。先ほどのごみ処理の適正規模を達成するだけの自治体が連合するというのも意味があるのですが、むしろいろいろな権限が委任され、自主的にごみ政策にタッチできるという点が注目されているようです。現場の人たちは、新たな地方自治のありかたという視点から、この広域連合をとらえているようです。
 先ほどのごみの分別の種類についても、広域連合が主導で話し合いを持つことができるほか、有料化に向けた検討や、産業廃棄物処理のありかたも含めたトータルなごみ処理の政策作りが、ここでようやくできるようになるようです。単純に効率よくなるというわけではないでしょうが、今までのような「枠」に囲まれて非合理的な制度が強いられるということはなくなりそうです。

 こうした制度ができて、自主的にごみの現場から考えることができるようになって、はじめて「やりがいのある仕事」ができるようになるんでしょうね。是か非か議論がされている状況ですが、ごみの現場も面白くなりそうです。

 

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