ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 省エネエアコンは結局お得

1999年7月15日
  年間で一番エアコンの売上が多いのが7月だそうです。ゆっくり選べるのも本格的な夏が始まる前まででしょう。8月になってからの購入は、「壊れてしまったので至急取り替えて欲しい」、「暑さががまんできないので急いでくれ」といった感じのものが多くなり、店にあるものを”とりあえず”購入してしまう傾向が大きいようですが、エアコンは家庭の中でも最も電気を食う機器であり、慎重に選びたいものです。

 結論から言いますと、省エネ型のエアコンは値段が高いですが、電気代が安くなるので、結局お得になります。販売価格に惑わされて、「安物」のエアコンを選ばないように気をつけて下さい。

 以下の表は98年に電気屋を訪ね歩いて、販売価格と電気代を調べた結果です。

 購入時点での値段は、省エネ先進機種が最も値段が高く、標準機種より6万円近くも高くなっています。しかし、年間かかる電気代が1万円以上安いために、10年もたてば「最もお得」ということになります。エアコンの寿命はおよそ15年程度とされていますが、そのころになると、他の機種よりはるかに安くなるという次第です。

 たいていのメーカーの製品には、こうした「年間の電気代」という表示がされていますので、これを参考に「10年たったらどのくらいかかるのか」を計算して比較してみて下さい。
 また「年間の電気代」を表示していない機種もあります。5万円以下と言った、非常に安い機種にこうしたものが多いのですが、要するに電気代を表示していたら効率が悪いことがばれてしまうために表示していないだけです。ごまかされないようにお気をつけください。

 どれだけ省エネになるかですが、表の右の年間電気代がそのまま電力消費量になります。およそ2倍近い差になっているという次第です。
 家庭でのエアコンの消費電力は、全体の2割程度を占めているわけですから、もし省エネ型を選ぶことができたら、およそ電気消費量が1割減ることになります。特に最近の機種は省エネ性能が格段に向上していますので、買い換えるだけでも大きな省エネになるはずです。カタログを見てもらったらわかりますが、ここ4年くらいは毎年「過去最高の省エネ性能」の製品が開発され続けています。

 現在のところ世の中には、こうした省エネ型と、非省エネ型が並んで出回っているために、世の中の省エネが進むかどうかは、消費者がきちんと選ぶかどうかにかかっているわけです。省エネルギー法が改正されましたので、少なくともここ数年で、非省エネ型の製品は市場から姿を消すでしょうし、そうした製品は確実に時代遅れ(エネルギー浪費型)の製品になります。

 ただ、決して買い換えをお勧めしているわけではありませんのでご了承を。まだエアコンに使われているフロン
が確実に回収される仕組みが整っているわけではありません。まだ使えるのであれば、無理に買い換えずに、さらに省エネ型の製品が出てくるのを待つというのも、いい選択肢だと思います。
 
 

この内容に関してのお問い合わせは鈴木まで。お気軽にどうぞ。

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