ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 冷蔵庫とエアコンのフロン類による温室効果

1999年7月24日
 温暖化の原因としては、二酸化炭素が一番大きなものですが、フロン類も全体の1/4程度の寄与があり、無視はできません。
 モントリオール議定書で、特定フロン類については1995年以降の製造が禁止されたのですが、未だに「代替フロン」と呼ばれる製品は大量に使われています。特定フロンに比べて、オゾン層破壊の効果が小さいということで代替品として認められているのですが、いずれのフロンも温室効果に対してはかなり大きな影響を持っています。同じ体積が大気中に放出されたとすると、二酸化炭素の1000倍以上もの温室効果があります。

 身近なものとしては、スプレーと冷蔵庫やエアコンといったところでしょうか。スプレーはその場で大気中に放出されてしまうので、使わない以外に対策はないのですが、冷蔵庫やエアコンといった製品の場合には、廃棄された時点で回収することが可能になってきています。2001年から施行される家電製品リサイクル法においても、冷媒に使われているフロンについては回収することが示されています。(ただ回収率が指定されていないので、全部回収できるわけではないようです)

 まだ法律も施行されていないということからみても分かるように、こうしたフロンの回収は決して徹底されているわけではありません。たいていの自治体ではフロン回収装置を備えているようですが、全部の回収をしているわけではなく、粗大ごみとして出したらフロン回収は行われないと考えたほうがいいかもしれません。

 では、このフロンによる温室効果はどのくらいなものなんでしょうか。冷蔵庫とエアコン別に見てみます。

冷蔵庫:
  冷媒として使用している CFC12 約150g     二酸化炭素換算 120kg-C
  断熱材として使用している HFC-134a 約400g  二酸化炭素換算 62kg-C
エアコン:
  冷媒として使用している HCFC-22 約600g    二酸化炭素換算 125kg-C
 

 これがどのくらいの値かというと、おおよそ冷蔵庫やエアコンを1年間使う時に発生する二酸化炭素に相当します。フロンを回収しないだけで、1年分電気を無駄遣いしたのと同じだけ温室効果を引き起こしてしまうわけです。体積あたりの温室効果が非常に大きいですから、しっかり回収をするか、フロンを使わなくても済む冷蔵庫やエアコンの開発が求められるおところです。
 

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