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収縮期血圧・拡張期血圧と脈圧について

収縮期血圧とは

 収縮期血圧とは、心臓が収縮して大動脈および全身の動脈に血液を送り出しているときの、欠陥にかかる圧力のことです。これは太い血管の硬さを反映しております。通常、年齢とともに上昇していきます。

拡張期血圧とは

 拡張期血圧とは、心臓が大動脈弁を閉じて拡張したとき、心臓から送り出された血液の一部が大動脈に蓄えられ、その蓄えられた血液が壁の張力の反動で抹消側へ押し出されるときの血管にかかる圧力のことです。これは抹消血管の抵抗の高さを反映しております。通常、50~60歳をピークに徐々に低下していきます。

 高齢により動脈硬化が進むと収縮期血圧が上昇します。また、動脈硬化が進むと、心臓に連なる大動脈は弾力性が乏しくなるために膨らまず、抹消血管への血流量は少なくなるため、拡張期血圧は低くなります。心筋は拡張期の血流で灌流されているため、拡張期血圧の低下は心筋に不利になります。
 このように、近位の動脈硬化が進行すると収縮期血圧は上がり、拡張期血圧は下がることになります。

脈圧とは

 脈圧とは、収縮期血圧と拡張期血圧の差のことをいいます。動脈硬化によって脈圧が増大すると、脳・心血管病のリスクが高まるため注意が必要となります。通常、60歳以降では加齢とともに増大してきます。加齢による脈圧の増大は、動脈硬化の進展が原因と考えられています。すなわち、動脈硬化が進んでくると大動脈の壁の伸展性が低下するために、最大血圧値が増加し、最小血圧値が低下し、そして脈圧が増大することになります。また、脈圧が大きすぎると将来的に心臓病や脳卒中になりやすいことが報告されています。