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子宮頸癌予防ワクチン(サーバリックス)について

子宮頸癌について

 子宮頸癌は、発がん性HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって起こる病気です。発癌性HPVは性交渉によって感染しますが、性交経験のある女性の約80%が一生のうちに一度はHPVに感染するといわれるほどありふれたウイルスで、女性なら誰でも起こりうる病気です。
 子宮頸癌は、幅広い年代の女性にみられますが、特に最近は20〜30代の女性に急増しています。もし、子宮頸癌になっても、はじめのうちは自覚症状がないため、自分では気付くことができません。検診を受けていれば、前がん病変から発見することができて、子宮を失うことなく、完治しうる病気です。ごく初期に発見できれば、多くの場合、子宮を温存することができますが、進行すると子宮全体の摘出などの手術や、放射線や薬を使った治療も必要となり、妊娠や出産に影響を及ぼします。
 子宮頸癌は、子宮頸癌予防ワクチン(サーバリックス)の接種による発癌性HPVの感染予防と、定期的な検診によって予防することができる病気です。

進行した子宮頸癌の症状
 ● 性交後出血
 ●おりものの異常(茶褐色、黒褐色のおりものが増える、など)
 ●不正出血(月経時以外の出血)
 ●下腹部や腰の痛み など

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サーバリックス(子宮頸癌予防ワクチン)について

特徴

  • サーバリックスは、高い抗体価を長期間持続する。
  • サーバリックスは、子宮頸癌発症の原因である発癌性HPV(ヒトパピローマウイルス)の16型及び18型の感染を予防するワクチンである。
  • HPVの自然感染では抗体が十分に産生されないため感染を繰り返す可能性があるが、サーバリックスの接種により子宮頸部の抗体価を十分高めておくことができる。
  • サーバリックスの3回接種により、自然感染時と比較して有意に高い抗体価が少なくとも20年間維持される。

発癌性HPVのうち、子宮頸癌の原因の多くを占めるのは、HPV16型ちょ18型である。

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サーバリックスの接種について

 サーバリックスは10歳以上の女性に接種することができ、0、1、6ヶ月後3回接種が必要です。
 成人女性でもHPVの自然感染では免疫が得られないため、サーバリックスの接種が重要です。

1回目   2回目       3回目
0 1 2 3 4 5 6 ヶ月 後
   


     

サーバリックスの接種推奨対象者

  • 第一の接種推奨対象は、11〜14歳の女性
  • 第二の接種推奨対象は、15〜45歳の女性

用法・用量

 10歳以上の女性に、通常、1回0.5mLを 0、1、6ヶ月後に3回、上腕の三角筋部に筋肉内接種する。

他のワクチン製剤との接種間隔

 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。

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サーバリックス接種にあたってのQ&A

質問 サーバリックスは3回接種が必要ですが、2回目、あるいは3回目の接種を忘れた場合の対処法はを教えて下さい。


回答 サーバリックスは、確実な予防接種効果をえるためには3回接種する必要があります。接種を忘れていることに気付いた時点で接種を再開し、必ず3回接種するように指導して下さい。接種時期がずれてしまっても、最初から接種し直す必要はありません。


質問 漏れやエア抜きの際の不慮の事情で0.5mLより少量しか接種できなかった場合、追加(4回)接種すべきですか?


回答 感染防御に十分な抗体価まで上がらない可能性を考慮して、接種し直すことをお勧めします。しかしながら、最終的には医師の判断となります。


質問 サーバリックスを3回接種する前に妊娠が判明した場合の対処法を教えて下さい。


回答 妊娠中の接種に関する有効性及び安全性は確立されていないため、3回接種を完了する前に妊娠が判明した場合には一旦接種を中断し、出産後に残りの接種を行うようにして下さい。接種が中断しても、最初から接種し直す必要はありません。
 具体的には、1回目接種後に妊娠が判明した場合には、出産後に2回目を、さらにその5ヶ月後に3回目を接種します。また、2回目接種後に妊娠が判明した場合には、出産後に3回目を接種します。


質問 サーバリックス接種後はよく揉んだ方がよいのでしょうか?


回答 いいえ、揉まないで下さい。以前は皮下注射、筋肉注射の後、揉むことが推奨されていましたが、免疫獲得への影響に差がないことや副反応の増加の可能性から、現在では軽く圧迫する程度にとどめることが推奨されています。


質問 他のワクチン接種後にサーバリックスを接種する場合、どのくらいの間隔をあける必要がありますか?


回答 MRワクチンのような生ワクチンの接種を受けた場合は、通常27日以上、インフルエンザワクチンのような不活化ワクチンの接種を受けた場合は、通常6日以上間隔をあけてからサーバリックスを接種します。また、サーバリックス接種後に他のワクチンを接種する場合には、通常6日以上間隔をあけます。


質問 サーバリックスを接種すれば、子宮頸癌検診を受けなくても大丈夫でしょうか?


回答 サーバリックスは、特に子宮頸癌になりやすいHPV16型と18型の感染を予防しますが、全ての発癌性HPVの感染を防ぐものではありません。子宮頸癌を完全に予防するためには、ワクチン接種後も定期的に子宮頸癌検診を受けることが大切です。


質問 性交渉の経験があるので、既に発癌性HPVに感染しているかもしれません。サーバリックスを接種しても効果は期待できませんか?


回答 現在発癌性HPVに感染しているとしても、今後自然に排除される可能性が高いです。しかし、このウイルスは何度も感染することがあるため、サーバリックスを接種して次の感染を防ぐことが大切です。ただし、サーバリックスは接種前に感染している発癌性HPVを排除したり、発症している子宮頸癌や前癌病変の進行を遅らせたり、治療したりすることはできません。


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