特定生物由来製品の取り扱いについて
薬事法改定において、生物由来製品という枠組を設け、その中でも特にリスクが高いものとされる製品である特定生物由来製品については安全対策を上乗せすることになりました。
企業においては、製造時にはドナーの選択基準など原材料の安全性確保を、市販後においては製品・添付文書への適切な表示、ドナー記録・販売記録の保管、感染症の定期報告が義務づけられています。
医療機関、薬局においては、以下のことが義務づけられています。
(1)「特定生物由来製品」を患者に使用する際に、使用に係わるリスクとベネフィットの説明を行い、理解を得るようにする。
(2)「特定生物由来製品」を使用する際に、患者(使用の対象者)・使用製品の記録を作成し保存する。(使用日から少なくとも20年間)
また、感染症発症時等で、危害の発生、拡大を防止するために必要がある場合に、患者等の利益になるときに限り、
(3)「特定生物由来製品」の製造業者及び輸入業者に対し、患者や使用製品の記録を提供する。
製品の分類 | 医療機関での患者使用 記録の保存期間 |
製造業者での提供者・ 製造記録の保存期間 |
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特定生物由来製品 | 20年 | 30年 | |
生物由来製品 | 人血液成分以外の成分に関する記録 | ー | 10年 |
人血液成分を含む場合の人血液成分に関する記録 | ー | 30年 |
● 生物由来製品とは、人その他の生物(植物を除く)に由来するものを原料又は材料として製造(小分けを含む)をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療用具のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。
● 特定生物由来製品とは、生物由来製品のうち、販売し、賃借し、又は授与した後において当該生物由来製品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なものであって、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。
特定生物由来製品一覧表 (平成15年7月30日施行) | |
成 分 名 ( 一 般 的 名 称 ) | |
インターフェロンベータ−1b(遺伝子組換え) | オクトコグアルファ(遺伝子組換え) |
解凍人赤血球濃厚液 | 活性化プロトロンビン複合体 |
加熱人血漿たん白(主成分としての使用に限る。) | 乾燥イオン交換樹脂処理人免疫グロブリン |
乾燥抗HBs人免疫グロブリン | 乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン |
乾燥抗破傷風人免疫グロブリン | 乾燥スルホ化人免疫グロブリン |
乾燥濃縮人アンチトロンビン3 | 乾燥濃縮人活性化プロテインC |
乾燥濃縮人血液凝固第8因子 | 乾燥濃縮人血液凝固第9因子 |
乾燥濃縮人血液凝固第13因子 | 乾燥濃縮人C1−インアクチベーター |
乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体 | 乾燥人血液凝固第9因子複合体 |
乾燥人フィブリノゲン | 乾燥 pH4処理人免疫グロブリン |
乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン | 乾燥ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン |
乾燥ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン | 乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン |
抗HBs人免疫グロブリン | 合成血 |
抗破傷風人免疫グロブリン | 絨毛組織加水分解物(人由来のものに限る。) |
新鮮凍結人血漿 | 洗浄人赤血球浮遊液 |
胎盤加水分解物(人由来のものに限る。) | 胎盤絨毛分解物(人由来のものに限る。) |
トロンビン(人由来のものに限る。) | 白血球除去人赤血球浮遊液 |
ヒスタミン加人免疫グロブリン(乾燥) | 人血小板濃厚液 |
ヒト血漿由来乾燥血液凝固第13因子 | 人血清アルブミン(主成分としての使用に限る。) |
人赤血球濃厚液 | 人全血液 |
ヒト胎盤抽出物 | 人ハプトグロビン |
人免疫グロブリン | フィブリノゲン加第13因子 |
フィブリノゲン配合剤 | プラセンタエキス(人由来のものに限る。) |
pH4処理酸性人免疫グロブリン | ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン |
ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン | ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン |
ルリオクトコグアルファ(遺伝子組換え) |
※今後、新たに承認される製品については、製品の承認毎に、適宜、特定生物由来製品としての指定又は見直しが行われます。