【山口's HP TOPへ戻る】

「なごみ(和)」に乗る信州山岳ルート・ツアー            (2010.8.15)

立山黒部アルペンルートと上高地に行きました。上高地は初めてですが、立山黒部アルペンルートは一昨年の秋と昨年の春に行ったので、今回3度目です。今回の旅の最大の楽しみは、ハイグレード車両「なごみ(和)」に乗ることでした。E655系「なごみ(和)」は、JR東日本が 2007年より運転している、5両編成の団体専用列車(いわゆるジョイフルトレイン)です。愛称名「なごみ(和)」には「全乗客になごんで頂きたい」という思いが込められているということです。 この列車は、3号車と4号車の間に「特別車両(御料車)」を連結して、天皇や国賓などが利用するお召し列車にも使われます。お召し列車はローカル線を走ることもあるため、全ての電化区間を走行できる交直流電車とするとともに、空調用のディーゼル発電機を装備しており、ディーゼル機関車牽引で非電化区間にも入線が可能な仕様になっているということです。
月日 内容 宿泊地
第1日 8/8(日) 新宿駅→中央本線・なごみ(和)→松本駅→安曇野ちひろ美術館→大町 大町温泉
第2日 8/9(月) 大町温泉→扇沢→<トロリーバス>→黒部ダム→<ケーブルカー>→黒部平→<立山ロープウェイ>→大観峰→<トロリーバス>→室堂→<高原バス>→美女平→<ケーブルカー>→立山→砺波 砺波温泉
第3日 8/10(火) 砺波温泉→平湯バスターミナル→<シャトルバス>→上高地→<シャトルバス>→平湯バスターミナル→乗鞍スカイライン→乗鞍岳・畳平→乗鞍スカイライン→上田駅→長野新幹線→東京駅  

第1日(8月8日(日))新宿=中央本線「なごみ(和)」=松本→安曇野ちひろ美術館→大町温泉
    新宿駅から松本駅まで約3時間、「なごみ(和)」に乗車しました。 「なごみ(和)」の外観はダークブラウンがベースの車体で、サイドに3本の金色のラインが配されています。 光の当たり方の加減によって焦げ茶から紫へ微妙に色が変わります。制御車1台、電動車3台、電動制御車1台(クロE654-101+モロE655-101+モロE654-101+モロE655-201+クモロE654-101)という編成の電車です。 内装は随所に木目を取り入れた高級感のあるデザインで、座席は3列配置のゆったりしたレイアウトで、各座席は電動リクライニングシート、電動レッグレスト、などを備えています。 全座席に8インチほどのタッチパネル式の液晶モニターが設置されていて、テレビ放送や運転台カメラからの走行風景を見ることができます。また、タッチパネルの「車内販売」を使って、飲み物などの注文をすると、アテンダントが持ってきてくれます。 8:02に新宿駅を発車。路線のあちこちで、この列車を撮影している「撮り鉄」の姿を見かけました。ゆったりした座席に座って、運転台カメラの走行風景を楽しみ、車内販売にチャレンジしているうちに、あっというまに松本に着いてしまいました。これまでにない高級感を追求し、「乗ってみたくなる車両」を目指して開発した」 というコンセプトのとおり、楽しい時間を過ごすことができました。
    「なごみ(和)」の先頭車 全てグリーン車のダークブラウンの車体
    3列配置の座席の木目調の室内 片側は1列の座席

    タッチパネル式の液晶モニター 航空機のような座席上部の収納棚

    11時頃、松本駅で下車。昼食後、安曇野ちひろ美術館に立ち寄りました。  安曇野ちひろ美術館は、岩崎ちひろの絵を中心とした美術館です。今まで、いくつかの美術館を巡りましたが、他の美術館と違ってまったくユニークな美術館です。この美術館は雄大な安曇野の平野の中、3万5000平方メートルもの敷地に建てられており、その周りには、ちひろのアトリエを兼ねた山荘やお花畑があります。大自然と向かい合いながら美術館を見学することができ、堅苦しい美術館の常識を破った発想です。展示室内は撮影禁止ですが、展示室外の撮影は自由です。日本では、このような美術館は比較的多いようですが、かって行ったルーブル美術館などのヨーロッパの美術館では、ではフラッシュなしでの撮影は自由でした。最近のカメラはシャッターの音が小さく見学者の邪魔になるということでもないので、フラッシュさえ使わなければ、絵や彫刻の撮影を禁止する理由にはならないのではないでしょうか。絵や彫刻の著作権の侵害ということが禁止の根拠となっているとも思われますが、著作権の侵害というのは,商用に供してからの問題であって、撮った写真を利用して金儲けをしない限り違法ではないと思います。大町温泉泊。
              
    安曇野ちひろ美術館 ちひろ美術館のお花畑
    広々とした庭園 ちひろのアトリエを兼ねた山荘

第2日(8月9日(月))大町温泉→黒部ダム→室堂→立山→砺波温泉
    二日目は、立山黒部アルペンルート巡り。一昨年に秋、昨年の晩春に続き、3度目です。 立山黒部アルペンルートは、長野県大町市の扇沢駅と富山県中新川郡立山町の立山駅を結ぶ山岳観光ルートで、 とてもよく晴れていて、北アルプスの大自然を、ケーブルカーやロープーウェイ、トロリーバスなどを乗り継いで楽しんできました。

    大町温泉からバスで扇沢駅へ。扇沢駅で、関電トンネルトロリーバスに乗り換えて、黒部ダムへ向かいました。 トロリーバスは、外観はバスに近いですが、日本の法令上は無軌条電車とされ、鉄道として扱われており、屋根の2本のトロリーポールで天井の架線から電気を取り入れて走る、排気ガスの出ない、無公害交通機関です。 トロリーバスは複数台連なって走り、途中ダム建設時難工事だった破砕帯を通過し、20分足らずで黒部ダムへ到着。

    黒部ダムは、富山県東部の黒部川上流に建設されたアーチ式コンクリートダム。 発電に利用する水を確保することを主目的として関西電力によって建設されました。 ダムの高さ(堤高)は186mで日本一を誇り、現在でも破られていない日本を代表するダムのひとつです。 5月〜10月中は観光放水を行っており、水の勢いはものすごくてしぶきが風に舞っていました。
扇沢駅を発車したトロリーバス 関電トンネルに入るトロリーバス
破砕帯を通過するトロリーバス
黒部ダム 黒部湖

    ダムを渡った対岸に、黒部ケーブルカーの黒部湖駅があります。 黒部ケーブルカーは、景観の保護と雪害防止を考えて、日本で唯一、駅舎もトンネル内にある日本で唯一の全線トンネルを走るケーブルカーです。10分ほどで、「黒部平」に到着。30分ほど待って、ロープウェイに乗り込みました。景観保護を考え、支柱がないワンスパン方式の立山ロープウェイは、ロープウェイの頂上駅「大観峰」まで、全長1,702m高度差500mを10分足らずで上がっていきました。雨でしたが、眼下に黒部湖が見えました。途中で下りのゴンドラとすれ違いましたが、その速さに驚きました。
ケーブルカー「黒部湖駅」 黒部平
ロープウェイ 大観峰より黒部湖を臨む

    大観峰駅から、立山トンネルトロリーバスに乗りました。 大観峰駅と室堂ターミナルを結ぶ立山トンネルトロリーバスは、正式には「立山黒部貫光無軌条電車線」と言い、日本でもっとも高所(2,450m)を走るトロリーバスです。 全区間、立山直下の立山トンネルの中を通り、約10分で、室堂に到着。室堂は、標高2450mの立山黒部アルペンルートの最高所です。昨年は、ここで一泊したのですが、今回は前回宿泊したホテルの中のレストラン立山で昼食、数時間の周辺の散策で終りでした。今回も、みくりが池の近くで、雷鳥は見かけました。 室堂から立山高原バスに乗って、美女平へ向かいました。立山高原バスは、環境保護のためハイブリッド仕様だそうです。「滝見台」というところでバスが一時停止し、木々の間から、天然記念物で、日本の滝百選にも選ばれている「称名滝」が見えました。約1時間で 「美女平」駅に到着。 そこからケーブルカーに乗って約10分で立山駅に着きました。砥波温泉泊。
雪の残っていた「みくりが池」 雷鳥
室堂の「立山ホテル」 称名滝

第3日(8月10日(火))砺波温泉→上高地→乗鞍スカイライン→乗鞍岳・畳平→上田駅→長野新幹線→東京駅
    砺波温泉からバスで上高地へ向かいました砺波インターから北陸自動車道に入り、富山インターで降り、国道41号線(越中東街道)を南下、高山市付近を通って、平湯バスターミナルに着きました。ここから、上高地までは、観光バスは入れず、シャトルバスに乗り換え、大正池で下車。上高地を散策し、五千尺ホテルで昼食。
          
梓川より焼岳を臨む 上高地自然研究路
大正池より穂高連邦を臨む かるがも
    昼食後、上高地バスターミナルからシャトルバスで平湯まで戻り、再び観光バスに乗り換え、乗鞍スカイラインを通って、乗鞍山頂の畳平に着きました。 乗鞍岳はマイカー規制により道路沿いでも高山植物が少しずつ回復してきたそうです。畳平のお花畑では、可憐な高山植物を見つけることが出来ました。天気の良い日は穂高連峰から槍ヶ岳、そして遠くには浅間山の噴煙を眺められるそうですが、残念ながら霧がかかって見えませんでした。
            
  
お花畑 乗鞍スカイライン
畳平手前より乗鞍岳を望む 乗鞍岳の雪渓
高山植物 雲がわく乗鞍畳平バスセンター

    畳平から、バスで上田駅に出て、上田駅から、長野新幹線で、東京へ向かいました。

【山口's HP TOPへ戻る】