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モーツァルトのバレエ曲         (2002.5.3改)



モーツァルトもバレエを作りました。
「レ・プティリアン」(K追加10) です。1778年の初演。マリー・タリオーニが「ラ・シルフィード」でポアントで踊ったのが、1832年ですから、それより50年以上も前の作品です。

実はこの曲、私がモーツァルト狂になったきっかけの曲でもあり、改めてバレエの魅力にとりつかれた曲でもあるのです。
20歳の頃、テレビ中継されたこのバレエの中の1曲が、私をすっかり虜にしてしまいました。
今日、演奏会で取り上げられることはあっても、バレエとして踊られることはほとんどありませんので、 今から思うと、非常に珍しい舞台を見ることができたわけで、私はとても幸運だったと言えるでしょう。

このとき、バレエのタイトルロールを踊ったのは、当時まだティーンエイジャーの森下洋子さんでした。このバレエの中で、森下さんは、実に軽やかなステップで可愛らしいキューピット役を演じていました。 初演当時は、トゥで立つこともなく、踊りというよりパントマイムとして演じられたのですが、森下洋子さんはトゥを巧みに使って、とても魅力的な踊りを見せてくれました。

もともとパントマイムの為に作られたもので、「白鳥の湖」や「眠りの森の美女」のような大規模なものでなく、グラン・パ・ド・ドゥのような派手で技巧的な踊りもありませんが、序曲を含めた15曲からなり、全部で30分程度の短いものですが、一曲一曲が、珠玉の美しい曲からなる楽しいバレエです。
どこかのバレエ団が、この珠玉のバレエを取り上げて上演してくれることを期待しています。


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