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バレエ愛好家の為のDVDのミニ知識(2)  (2004.8.28)

以前、「バレエ愛好家の為のDVDのミニ知識」という題で、バレエの放送などの映像の保存にDVDが最適と書きましたが、今回は、市販のDVDソフトについて、現状を述べてみます。
洋画も邦画も次々にDVDで売り出されていますし、クラシック音楽のDVDのソフトも増えてきました。しかし、バレエの映像については、DVDはまだ海外の方が圧倒的に種類が多いし、はるかに安い。 アマゾンの米国や英国のサイトでは、これらのバレエソフトがたくさん紹介されています。そこで、私達バレエファンは、海外のバレエのDVDを買いたくなるのですが、ここで、一つ問題があります。安いからと思ってうっかり買うと、日本のDVDプレーヤーやパソコンで再生できないことがあるのです。そこで、海外のDVDと日本のDVDの違いについて述べてみたいと思います。
 
海外で発売されているDVDソフトは、「リージョンコードによるプロテクト」と「映像方式の違い」という「二つの壁」の為、日本のDVDプレイヤーやパソコンで再生できないのです。

リージョンコードによるプロテクト】 
DVDリージョンコードとは、国際的に市場シェアを守るために決められたプロテクトの規格で、DVDのメディアとプレーヤー双方にかかっています。つまり両方のリージョンコードが一致する組み合わせでないと、映像の再生ができないのです。
このコードの主目的は、映画の興行権を守る為です。一般的に映画が最初に公開された地域から、それ以外の地域で公開されるまでにはタイムラグが生じます。例えば北米から半年して、日本で公開されるとすると、その時点ではすでに北米でDVDビデオが発売されている可能性が高い。日本での封切り前に、このDVDビデオが見られてしまうと、結果的に日本での興行成績が落ちてしまいます。
このようなことを防ごうと考え出されたのが、リージョンコードなのです。このため、日本のDVDプレーヤー(リージョンコード2)で再生できるのは、日本で作られたリージョンコード2、またはリージョンフリー(ALL)のDVDのみということになるのです。
 
映像方式の違い
テレビやビデオ、DVDの映像信号方式は、国によって異なっています。リージョンコードが同じでも、この映像方式が、DVDメディアとDVDプレーヤーで一致していないと再生できません。日本とヨーロッパは、リージョンコードが同じ「2」なので、国内のDVDプレーヤーでヨーロッパのDVDメディアが再生できるだろうと思ってDVDを買うと失敗します。放送方式が日本がNTSC、ヨーロッパがPALと異なっているため、リージョンコードが同じでも、日本のDVDプレーヤーでは再生できないのです。
 
でも、やはり、安く種類の多い海外のバレエ映像のDVDを見たいもの。方法はあります。何とかして、DVDプレーヤーやパソコンのリージョンコードと映像方式を、海外のDVDソフトに合わせればよいのです。
まず、最も高くつきますが、正式?の方法は、海外で発売されているDVDプレーヤーまたは輸出向けに作られたDVDプレーヤーを買うことです。また、カタログには書かれていませんが、国内の一部のDVDプレーヤーでも、隠しコマンドでリージョンコードのプロテクトを解除できたり、映像方式を変えたりできるものもあるようです。 これは一種類の製品を、さまざまな地域で販売する上でハードウェアの変更を最小限にしたいが為のメーカーの苦肉の策でしょう。
パソコンでは、もっと簡単です。市販のリージョンの解除ソフトと、映像方式の変換機能が組み込まれている動画再生ソフトをインストールすると、米国のDVDもヨーロッパのDVDも再生できるようになります。
 
私は、日本での状況に絞ってみると、日本語の字幕も入っていないDVDを映画の封切りより前に購入する人はあまりいないでしょうし、どうしても日本以外の地域のDVDを見たいという人は、対応したプレーヤーを購入するでしょうから、地域コードの制限をもうけて映画の興行権を守ることでどれだけ利益が出るか疑問です。このリージョンコードによる制限は、エンドユーザーを無視した、制作者側の論理だけで設定されたもののようで、エンドユーザーに不当に不自由をに強いているだけのように感じます。 ただ、リージョンコードの是非についての論議はともかくとして、「リージョンコードによるプロテクトは行うべきでは無い」という世界的な合意が形成されない限り、 プロテクトを解除するプログラム、またはその方法は、「合法的と言えない」という解釈が成り立ちます。 従って、現状では、どうしても海外のDVDを見たい場合には、お金はかかりますが、海外用のDVDプレーヤーを買うことが、正しい方法と言えるのではないでしょうか。


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