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バレエ愛好家の為のDVDのミニ知識 (2002.11.40改)
DVDのソフトも増えてきました。毎月、洋画も邦画も次々にDVDで売り出されています。LPレコードと同じサイズのLD(レーザーディスク)に比べ、CDと同じサイズのDVDは、持ち運びも、収納も容易、しかも大容量ということで、着実にLDに取って代わりつつあります。私も2年前に
DVDプレーヤーを購入し、DVDソフトを楽しんできましたが、
最近、
DVD+RWドライブを買い、自分だけのDVDも作れるようになりました。
ただし、日本では、まだクラシック音楽のDVDは少ない。特にバレエのDVDはほとんど見かけません。 私もわずかに
バレエのDVDを持っていますが、バレエ鑑賞にはもってこいというのが実感です。
バレエ鑑賞を踏まえて、DVDの特徴を挙げてみましょう。
1.バレエ鑑賞に最適なDVD
@大容量であり、ほとんどのバレエは一枚(片面または両面)に収容可能です。
通常は片面一層で133分、これでほとんどのステージは収容可能です。
ディスク交換せずにバレエを鑑賞できます。「眠りの森の美女」のような長時間ものの場合は、両面で一層266分で収容できます。バレエではこれ以上長いものはないのですが、最大では両面2層で480分迄収容可能です。
AMPEG2による高画質で、華やかなバレエの場面をくまなく再現できます。
バレリーナの繊細な動きをしっかり楽しめるし、録画状態さえ良ければ、細やかな顔の表情や、額や胸に滲み出た汗までも見ることが出きるほどです。
鮮明度はビデオカセットの比ではありませんし、LDと比べてもはっきりわかります。
逆にこれだけ鮮明だと、わずかなミスでもわかってしまうので、バレリーナにとっては脅威かもしれませんね。
Bドルビーディジタルによる高音質。
オーケストラの伴奏を迫力ある音で楽しめます。
Cチャプターを指定すれば簡単にその場面から再生することが可能です。
DVDにはCDのトラックと同じ役目のチャプターというものがあり、例えば、グラン・パ・ド・ドゥだけもう一度見たいという場合などには便利です。
Dスロー再生、逆転再生も自由自在に出来ます。
息をのむアダージョのポーズ、華麗なグランフェッテ・アントゥールナン等、ゆっりと繰り返して見たいという時もありますよね。スローでも画面の乱れが無いDVDでは、バレリーナの妙技をじっくり堪能することができます。
このようにDVDは、バレエ鑑賞に非常に適した記憶媒体だと思います。
でも、まだまだバレエのDVDは少ない。 もっともっと、DVDのバレエソフトが発売されることを期待しています。
2.DVDの概要
DVDについて、私の知っている範囲でお話しします。 ただし。技術の進歩は日進月歩、現時点での情報です。新しい情報を得たら順次更新していきます。
@DVDって何の略?
最初は”デジタル・ビデオ・ディスク”と呼ばれていましたが、ビデオ(映像)以外にも音楽の収録やデータの記録などにも使えるということで次に付いた名前は”デジタル・バーサタイル・ディスク”(多才・多様という意味)、その後分かり難いということで一時的にDVDそのものが正式名称となりましたが、現在ではまた戻り”デジタル・バーサタイル・ディスク”が正式名称になっています。
DVD-Videoは映像と音声を記録したビデオのことで、DVDプレーヤで再生することが出来ます。DVD-ROMはコンピュータのデータが記録されコンピュータに接続したDVD−ROMドライブで読み込みます。SONYのゲーム機プレイステーションUでは、どちらも読めます。
A高画質の秘密
DVDではMPEG2という圧縮方法を使っています。
画像の走査線の数を示す水平解像度では、DVDは約500本、ビデオの約2倍、LDの約1.2倍の解像度です。またシネマスコープの映画など上下に黒い帯が出来る作品も、スクィーズ(マルチアスペクト)に対応しているソフトならワイドテレビのサイズ比に自動的に変換する機能を持っています。
B高音質の秘密
DVDでは普通ドルビーデジタルという音声記録方式を使っています。ドルビーデジタルでは普通のビデオで再生可能のステレオとモノラルに加えて立体音響である5.1チャンネルサラウンドが採用され、スピーカーを6台用意すれば映画館と同じ臨場感を味わうことが出来ます。またスピーカーが無くてもバーチャルサラウンドを搭載したDVDプレイヤーなら立体音響を味わうことが出来ます。
C長時間収録の秘密
DVDでは収録時間を映像の圧縮とディスクへの記録方法で解決しました。DVDではMPEG2という圧縮記録方法で記録しています。MPEG2は高画質のまま従来の40分の1のサイズまで圧縮することが可能です。これによってDVDディスク片面1層で133分の収録が可能になっています。これで大部分の映画のソフトは収録できるのですが、さらにDVDディスクを最大2層、両面利用可能にすることによって最大480分の収録が可能になっています。
これによってビデオやLDで面倒だったテープ交換やディスク交換は不要になりました。また余った部分に予告編やメイキングなどの映像が入っているソフトも出てきています。
Dそのほか
DVDでは音声と字幕を自由に切り替えることが可能になっています。音声は最大8種類、1枚のDVDディスクに収録することが可能です。字幕は最大32種類、例えば中国古語、日本語、英語、仏語、独語。朝鮮語、中国語・・・など多趣の言語の字幕も1枚のDVDディスクに収録が可能です。
CDのトラックと同じ役目のチャプターというものがあり、チャプターを指定すれば簡単にその場面から再生することが可能です。あのシーンだけもう一度見たいという場合には便利です。またマルチアングル/マルチストーリーという機能もあります。まだ映画のソフトでは少ないのですが、1つの場面が複数の視点や複数のストーリー展開などを同時に収録でき自由に切り替えが可能になっています。最大9種類収録可能です。
3.書き込みのできるDVDについて
CDの種類に、音楽CD、CD-ROM、CD-R、CD-RWとあるように、DVDにもいろいろな種類が出てきました。書き込みができるものも出てきました。
現在、DVD-ROM、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMなどの規格があります。 概要を述べておきましょう。
@DVD-ROM
DVD-ROMは、CD-ROMと同じように読み取り専用のディスクです。DVD-VideoやDVD-Audioソフトのほか、パソコン用、カーナビ用、ゲーム機用等にさまざまなソフトが発売されてきました。
DVD-VideoとDVD-AudioはDVD-ROMと構造、記録方式とも同じ。CD-ROMドライブで音楽CDが再生できるように、DVD-VideoやDVD-AudioのディスクをパソコンのDVD-ROMドライブで再生することが可能(プレーヤソフトが必要)ですが、DVDプレーヤでパソコン用のDVD-ROMソフトは利用することはできません。
ADVD-R
DVD-Rは、CD-Rと同じように書き込みと追記が行なえるフォーマットです。CD-R同様、強いレーザーで色素を変化させ、弱いレーザーで読み出す仕組み。記録後は、DVD-ROMと全く同じものになります。
BDVD-RAM
もともとパソコンの外部記憶メディアとして開発されたのがDVD-RAMです。CD-Rのライティングソフトにあたるものも必要なく、簡単に書き込みが行なえます。ただし、古いOSではサポートしていません(Windows98以降なら大丈夫)。10万回以上のデータの書き込みや消去が可能というのがDVD-RAMの特長です。
なおカートリッジには、ディスクが取り出せないTYPE Iと、ディスクが取り出せるTYPE IIの2タイプがあります。
また、当初は片面2.6GBでした、1999年にDVD-RAM 2.0が規格化。これによって、DVD-ROMと同じ片面4.7GBとなりました。ただし、DVD-RAMに対応したDVD-ROMドライブでなければ再生できないので要注意。その際、ディスクを取り出す必要があるので、TYPE IIカートリッジのDVD-RAMを使用する必要があります。
CDVD-RW
DVD-RWディスクは、CD-RWやDVD-RAMと同じ相変化記録を利用した書き換え型のディスクです。1000回以上のデータの書き換えが可能です。
パイオニアからDVD-RWディスクに録画を行なうDVD-RWビデオレコーダが発売されています。記録されたディスクは記録方式がDVD-ROMで採用されているDVD-Videoフォーマットではないので、現在はDVD-ROMドライブやDVD-Videoプレーヤで再生することはできません。DVD-RWビデオレコーダでのみ再生が行なえます。ただし将来にはこのDVD-RWで記録されたものも再生できるプレーヤが発売ると予想されます。
DDVD+RW
2001年中旬にもう一つの注目すべき書き換え型のディスクが出ました。DVD+RWディスクです。DVD+RWドライブで記録されたDVD+RWメディアは、既存のDVD-ROMドライブやDVD-Videoで再生できます。これがDVD+RWの最大の特長です。DVD-RAMやDVD-RWとおなじ相変化記録を利用した書き換え型のディスクです。
リコーからDVD+RWディスクに記録を行なうパソコン用のDVD+RWディスクドライブが発売されています。
DVD+RWはパソコンとAV機器を統合できるフォーマットです。つまりパソコン上でランダムアクセスに記録・編集したDVD-VideoフォーマットのDVD+RWメディアは、そのままAV機器のDVD-Videoプレーヤで再生ができますし、また逆にAV用のDVD+RWレコーダで記録したDVD+RWメディアは、パソコン上のDVD-ROMドライブで再生可能です。
今後パソコンとAV機器がどのように役割を分担し、あるいは統合されていくかまだ分かりませんが、共通のフォーマットで記録されていれば、のちのち互換性で苦しむことも少ないでしょう。その意味では、DVD+RWディスクは、歓迎すべきフォーマットです。私もこの
DVD+RWドライブを使っています。
EDVD+R
2002年になって登場したDVD+Rは、DVD-Rと同じようにレーザーで有機色素を変化させ記録マークを作りデータを記録する方式。DVD-Rのように一度しか書き込めないかわりに、DVD+RWを上回る互換性を実現し、ほとんどのDVD-ROMドライブやDVDプレーヤで再生することができるということです。
現時点ではDVD-Rが業務用、DVD-RAMがPC用、DVD-RWがAV用、DVD+RWとDVD+RがPCとAV用となっています。とりあえず、まだ片面4.7GBに足並みが揃ったばかりという段階ですが、これから普及に拍車がかかるのは確実でしょう。
(注)相変化記録方式
記録層を結晶状態または非結晶状態(アモルファス状態)に変化させることで情報を記録する方式です。
ピックアップで熱せられた記録層は、一時的に状態変化し、レーザーが通過した後に冷却されます。この際、ある一定以上のレーザーパワーを当て、高温から急激に冷却すると非結晶状態に、それよりも低いレーザーパワーで熱して徐々に冷却すると結晶状態になります。
相変化記録方式では、2種類のレーザーパワーを使い分けることで、記録面に情報を記録できることになるのです。
相変化記録方式は、記録面の以前の状態(結晶か、非結晶か)に左右されることなく、1回で情報を記録できるダイレクトオーバーライト方式です。ダイレクトオーバーライト方式では、そうでない方式(情報の消去と記録の2回のフェーズが必要な方式)に比べ、高速化が行ないやすいという利点があります。
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