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恋の手ほどき(Gigi) とヘプバーン         (2001.11.24)

「恋の手ほどき」は、1958年制作のミュージカル映画ですが、1950年舞台初演の「マイ・フェア・レディ」とよく似たところがあります。ともに、「社交界にデビューする少女の物語」です。つまり、おてんばな女の子が教育されてレディになっていく過程を描いたドラマです。その意味から「恋の手ほどき」は「マイ・フェア・レディ」の二番煎じ的な内容ではありますが、アカデミー賞作品賞・監督賞ほか全9部門受賞作品で、MGMミュージカル黄金期最後の作品と言われています。
この自由気ままに生きていた女の子が嫌々社交界にデビューさせられるというサクセス・ストーリーは、私はあまり好きではないのですが、まあ、そんなことは抜きにして、「マイ・フェア・レディ」と同様、とても楽しめるミュージカルです。
 
実はこの「Gigi」は、オードリー・ヘプバーンの出世のきっかけを作った作品なのです。オードリーがまだ「ローマの休日」でデビューする前、モナコで「モンテカルロベイビー」という映画の脇役の撮影をしていました。このとき、「Gigi」のブロードウェイで上演の主役を捜していた原作者コレット女史の目にとまったのです。祖母に育てられた少女ジジが社交界にデビューし、恋に目覚めていく、そのヒロインに眼前の少女、オードリーが最適だとコレットは直感しました。コレットは早速「私の"ジジ"がいる」とニューヨークへ打電、オードリーの出演が決まったのです。オードリーは最初「私には無理です。演技力がありませんから」と辞退したそうですが、熱心なコレットの説得を受け入れ、ブロードウェイ・デビューとなったのです。これと並行してウィリアム・ワイラー監督がオードリーを「ローマの休日」のヒロインに起用、世紀の大スターの誕生となったのです。
 
さてこの「Gigi」が映画化されたとき、舞台のヒロインを演じたオードリーは、映画のヒロインをレスリーキャロンに奪われたことを非常に悔しがったそうです。ことため、ミュージカル映画「マイ・フェア・レディ」の主役に自分が選ばれたときは、大騒ぎするほどの喜びようだったそうです。でも逆に、この年のアカデミー賞では、オードリーはノミネートもされず、主役をオードリーにとられたジュリーアンドリュースが「メリーポピンズ」でオスカーを獲得したのは皮肉ですね。
 
「Gigi」にせよ、「マイ・フェア・レディ」にせよ、ダンスシーンが一杯あります。レスリーキャロンもオードリーも、クラッシック・バレエを経験しただけあって、見事なダンスを披露しているのはさすがです。
 
先頃、この「恋の手ほどき」が、DVDで売り出されましたが、このようなミュージカルには、画質がよくナンバーの頭出しの容易なDVDがうってつけ。ぜひ、他のミュージカルもDVD化して発売して欲しいと思います。
 
「恋の手ほどき」(Gigi)(1958年・MGM・カラー・116分)
アカデミー賞:作品・監督・脚色・撮影・美術監督装置・編集・ミュージカル映画音楽・歌曲・衣装デザイン賞受賞の他、モーリス・シュバリエが名誉賞を受賞
製作 アーサー・フリード 、監督 ビンセント・ミネリ
脚本 アラン・ジェイ・ラーナー、音楽 アンドレ・プレヴィン
作曲 フレデリック・ロウ 、作詞 アラン・ジェイ・ラーナー
出演 レスリー・キャロン、モーリス・シュバリエ、ルイ・ジュールダン、
ハーミオン・ジンゴールド、エバ・ガボール、ジャック・ベルジュラック、
イサベル・ジーンズ、ジョン・アボット、モニク・ヴァン・ヴォーレン
ナンバー: Thank Heaven For Little Girls; It's A Bore; The Parisians;
Gossip; Waltz At Maxims(She's Not Thinking Of Me); 
The Night They Invented Champagne; I Remember It Well;
Gigi; I'm Glad I'm Not Young Anymore; Say A Prayer For Me Tonight

物語:パリで祖母に育てられ、さらに祖母の妹アリシアのもとで行儀作法の修業をすませたジジは、金持ちの通人ラシュイユが開いたパーティーで社交界にデビュー、そこで魅力的な彼の甥ガストンに出会います。失恋したてで傷心の彼は、次第にジジの清純さに心惹かれていくのです。・・・・・。

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