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グイ&グラインドボーンの「フィガロの結婚」       (2011.02.10)

大切にしている古いアナログLPレコードがあります。ヴィットリオ・グイ指揮のモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」の全曲盤です。グイは戦後のグラインドボーンで最も活躍したイタリア・オペラのオーソリティとして知られ、スコアの細部や歌手たちの能力まで知り尽くしていたといわれています。これは、1956年のモーツァルト生誕200年記念に向けて1955年に録音されて、ステレオ録音としては最初期のものです。このため、ステレオの広がりも狭く、音も最新の録音に比べるとシャープさに欠け決して良いとはいえませんが、室内オペラのメッカとして現在も名高いグラインドボーン音楽祭の往年の演奏を伝える貴重な名盤との評価をされているようです。出演している歌手達は、フィガロのブルスカンティーニ、スザンナのシュッティ、伯爵夫人のユリナッチ、ケルビーノのリーゼ・スティーブンスといった顔ぶれで、けっして世紀の大歌手達というのではないのですが、役にぴたりとはまって、美しく楽しいアンサンブルを奏でています。

ちなみに、グラインドボーンはロンドンから南へ約80キロほどにあるイースト・サセックスにあるオペラ・ハウスで、英国の資産家ジョン・クリスティが、自国にオペラを根付かせようと、プロの歌手だった妻のオードリー・ミルドメイと自宅の敷地内に約300席のオペラ・ハウスを建設したのが始まりとのこと。ナチスから逃れてきたフリッツ・ブッシュを中心に、演出家のカール・エーベルトらを得てスタート。しばらくしてスタッフには、演出家のマックス・ラインハルトや、後のメトロポリタン歌劇場の支配人であるルドルフ・ビングなども加わった。 オープニングは1934年。その際の作品は「フィガロの結婚」。1951年にブッシュが亡くなった後、1952年にヴィットリオ・グイが就任、64年まで音楽監督を務めました。

このレコードは、ステレオ初期の古いアナログのLPですが、私は、我が家のUSB接続のレコードプレーヤーでディジタル化してCDでも保存もしています。ディジタル化すると、LPレコード特有の暖かな音の潤いがなくなる気がしますが、スクラッチノイズが増えて聴きづらくならないうちに、この貴重な録音を良い状態で残しておきたかったからです。

モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』K492 全曲
 フィガロ:セスト・ブルスカンティーニ、スザンナ:グラツィエラ・シュッティ
 バルトロ:イアン・ウォレス、マルチェリーナ:モニカ・シンクレア
 ケルビーノ:リゼ・スティーヴンス、アルマビーバ伯爵:フランコ・カラブレーゼ
 ドン・バジリオ:ユグ・キュエノー、伯爵夫人:セーナ・ユリナッチ
 アントニオ:グウィン・グリフィス、バルバリーナ:ジャネット・シンクレア
 ドン・クルツィオ:ダニエル・マッコシャン
 ヴィットリオ・グイ指揮、グラインドボーン音楽祭管弦楽団&合唱団
 録音:1955年

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