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上野水香さん、再び「誰でもピカソ」に出演     (2004.04.11)

上野水香さんが、昨年(2003年)11月に引き続き、北野武の「誰でもピカソ」に出演されていました。この日は、「クラシック界の美女コラボ実現」という副題で、フルートの高木綾子、ハープの竹松舞の伴奏にのって、優雅な踊りを披露していました。
 
確か、今年の3月初め、朝日新聞の「上野水香さん、電撃移籍 牧バレヱ団から東京バレエ団へ 」の記事を見て驚いたのは、記憶に新しいのですが、水香さんが、牧バレエ団のプリマの座を投げ捨てて移籍した動機は、もっとレパートリーを広げたいという思いがあったからとのこと。人気振付家ローラン・プティに将来性を買われていた水香さんのこと、移籍先は、プティ同様、人気のモーリス・ベジャールの作品が得意な東京バレエ団ですから、納得。きっと、実力を発揮されることでしょう。
 
上野水香さん、今回の「誰でもピカソ」でも、いつもながらの長身の美しい肢体を生かした伸びやかな踊りで魅了させてくれました。「海賊のヴァリエーション」を踊りましたが、とても美しかった。終盤のイタリアンフェッテは本当に見事。この部分、とてもバランスがとりにくく、ベテランのダンサーでもバランスを失ってよろけてしまうこともあるのに、水香さんは一糸乱れず、むしろ難しさを楽しんでいるという感じで、笑みを浮かべて踊っていました。人並みならぬ体の柔らかさに加え、バランスの良さが抜群なのでしょう。
水香さんは、この番組のなかでも、バレエ団の移籍について、「自分自身とても悩んで、考え抜いた結論。頑張るしかない」と語っていました。新天地で心機一転、頑張って欲しいものです。
 
ところで、世界的振付家ローラン・プティからも認められた若手有望株の上野水香のバレエ移籍は、バレエ界に波紋を投げかけそうですし、上野水香さんの抜けた牧阿佐美バレエ団がちょっと心配。名の知れたプリマが草刈民代さん一人だけというのは、何とも心許ない限りです。そう言えば、このバレエ団からは1970年代にも、森下洋子さんが、松山バレエ団に移籍しました。この時も森下さんは松山バレエ団に引き抜かれたと話題になりました。私は学生の頃から牧阿佐美バレエ団が好きで良く見に行きました。牧バレエ団には、草刈さんのような、将来をしょって立つ若いスターが、一刻も早く育って欲しいものです。
 
今回の「誰でもピカソ」、バレエではないのですが、もう一つ素敵なショーを見ました。中国の広東雑技団の男女による「東方の白鳥」という踊り??。字幕には「奇跡の肉体・広東雑技団〜奇跡のパ・ド・ドゥ」となっていましたが、二人の男女による曲芸です。ただ、単なるアクロバットとは違い、中国の芸である雑技にクラシック・バレエの要素を取り入れたというもので、広東雑技団の副団長の考案とか。女性はトゥシューズを履いており、男性の頭の上に女性がトゥで立って、アラベスクのポーズをとるという、とんでもないことをやってのけました。「二人息を合わせるのが難しい」と言っていましたが、結婚したばかりというこの二人、息がぴったりだからこそ、こんな見事な演技ができたのでしょう。バレエの「一瞬の輝き」にも通じる、美しい踊り?でした。

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