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モーツァルト:フルートとハープの為の協奏曲ハ長調K.299 (2008.5.3)
フランスで作られたモーツァルトの作品 (2)
モーツァルトは、1777年から1778年にかけて、マンハイムからパリに旅行をしました。同伴した母が病死したり、マンハイムで思いを寄せたアロイジア・ウェーバーに失恋したり、決して幸福な旅行ではなかったようですが、その反面、以降のウィーン時代に向けて、実りのある旅でもあったようです。
「フルートとハープの為の協奏曲」は、モーツァルトは1778年22歳のとき、フルート好きであり得意だったド・ギーヌ公爵とその令嬢のために作った曲であり、ハープを嗜んだ娘の結婚する際に依頼されたといわれています。
モーツァルトはフルートは嫌いだったそうですが、ハープも必ずしも好んではいなかったとのことです。18世紀末のパリでは、マリー・アントワネット以下、上中流の夫人、令嬢たちが「たしなみ」としてハープを演奏することがたいそう流行していたことから、嫌いとはいえ華やかな音色をもつフルートとハープというセレブなイメージを持つ楽器を組み合わせて作ったのが、この「フルートとハープのための協奏曲」です。
モーツァルトはあまり気が進まなかったところもあったものの、公爵とその令嬢という素人演奏家の為に作るということで、フルートもハープも演奏の技術的な難度は決して高くせず、調性ももっとも演奏しやすいハ長調を選んでいて、注文主への配慮をにじませます。それでも、モーツァルト特有の天真爛漫で自由に流れる旋律、様々な音色が作品全体に満ち溢れているところは流石と思います。
フルートとハープという、古典派の協奏曲の中では大変異例な組み合わせにも拘わらず、上等に織り上げられたシルクのように美しい音楽です。
・第1楽章はフルートとハープで華やかに開始し、展開部でフルートが短調で歌う旋律が印象的です。
・第2楽章はエレガントなゆっくりとした三拍子で、フルートのゆるやかな旋律にシルクのようにかぶさってくるハープの細かな音色が美しい。
・第3楽章は2つの楽器が楽しく踊り戯れるような軽快なフィナーレです。
私のレコードコレクション
@ハープ:リリー・ラスキーヌ、フルート:ピエール・ランパル
ジャン・フランソワ・パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団(LPレコード)
Aハープ:イレナ・グラフェナウエル, フルート:マリア・グラーフ
ネビル・マリナー指揮アカデミー・オブ・セントマーチン・インザフィールズ(CD)
Bハープ:吉野直子、フルート:ローベルト・ヴォルフ
ニコラウス・アンノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(
CD)
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テーマは音楽(MIDI)より提供されたMIDIファイルを使用しています。 |
曲名 | モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299第1楽章 |
MIDI作成者 | SUGATANI'S CLASSICAL MUSIC MIDI SITE |
* MIDIファイルの無断転載を禁じます * |
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