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いま甦るモーツァルト           (2003.2.1)
(モーツァルトの住家復元完成記念番組)

私は、古いVHSビデオカセットをDVDに移し変える作業を進めています。ビデオテープがダメになる前に、寿命が半永久的といわれるDVDにしておこうと思っているからです。

そんな折に、一本の珍しいテープが見つかりました。「いま甦るモーツァルト」という約1時間の番組の録画です。「モーツァルトの住家復元完成記念」という副題がついているので、多分1996年ころのものだと思います。 この年、1996年はモーツァルトの生誕240年にあたり、彼が青年時代を過ごしたオーストリア・ザルツブルグの家が1月に復元されたからです。実は、この住家、世界中から寄付を募って復元されたそうで、日本ではモーツァルト研究家として名高い海老澤氏が支援を呼び掛ける中心的存在だったそうです。
実はこの映像、私は今まで見ていませんでした。おそらくこのテープは、タイマー録画をして、後で見ようと思って忘れてしまい、そのまま、ビデオケースに眠っていたものと思われます。
今回、ビデオカセットをDVDに移し変えながら見ていましたが、とても興味深いものでした。筑紫哲也さんと頼近美津子さんがザツブルグとウィーン訪れ、モーツァルトゆかりの場所を紹介するというもの。
指揮者クラウディオ・アバドの話や、モーツァルトの生家や復元した住家の映像、モーツァルテウムに残っているモーツァルトの手紙の写真、途中海老澤敏氏の話も加わったりと、とても楽しめました。私も数年前にザツブルクとウィーンに行きましたが、この映像を見て、懐かしく思いました。

また、二人はイタリアにも足を伸ばし、モーツァルトが初めてオペラを見たというヴェローナでは、ホセカレーラスの歌声も聴けました。また、モーツァルトが本来20歳という年齢制限のあるボローニャ学友協会の試験を14歳でうけ、見事合格した時の「まず神の御国を求めよ」の試験答案の楽譜の写真や、「ポントの王ミトリダーテ」が初演されたミラノスカラ座の映像や、「踊れ喜べ幸いなる魂よ」(K165)が作曲された、聖アントニオ協会の映像もありました。
最後は、ウィーン室内管弦楽団が演奏するディベルティメントニ長調(K334)から、有名なメヌエット。復元された家の中で、この家で作曲されたこの曲が、美しく奏でられて終わりました。

はからずもビデオケースの隅から見つかり、DVDで甦ったこの珍しい映像。またひとつ宝物が増えました。



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